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2023年1月5日木曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part8(前編)

 








本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/yjpF2fbMLjM



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。



イレーナ・ハイータの物語



『モーン城』では、ある事件が起きていた
従僕である混種が一斉蜂起し、城を乗っ取ったのだ
ゴドリックから城を任されていた『エドガー』は
混種の軍勢に抵抗するが、次第に敗勢となる
せめて娘の『イレーナ』だけでも生きて欲しいと
配下を付けて、城から逃がした

しかしイレーナたちは混種に追いつかれ
配下は皆、殺害される
イレーナはたったひとり生き延びるが
城に残った父を案じ、逃げることもできずに行き詰まっていた




エドガーのセリフ

私はエドガー。ゴドリック様から、

この城を預かっていたが今やご覧の有様よ

従僕どもが蜂起したのだ

よく仕えてくれていると思っていたが、

ずっと、欺かれていたらしい


イレーナのセリフ

私は生まれつき目が弱く、はっきりとは分かりませんが

あちこちから、恐ろしい雄叫びが聞こえていました

お父様は、私を逃がしてくれましたが…

ご自分は、まだ城に残っています。

それが主将たる務めだと


イレーナのセリフ

お父様が心配なのです

従僕たちは怒り、私たち皆を憎んでいます

共に逃げてきた者たちも、彼らに襲われ…、

誰もいなくなりました


従僕たちの突然の蜂起。

そして、たった一人生き延びたイレーナ。

不自然な状況の重なりは、この事件の裏に

何者かの意図を感じさせる。



道行く【褪せ人】は、イレーナと出会う
イレーナは【褪せ人】を頼り、手紙を託す
どうかこの手紙を父に届けてほしい。
城から逃げて、生きて欲しいと伝えてくれないかと

そして【褪せ人】は、エドガーに手紙を届ける
想いを受け取ったエドガーは
城を捨て、娘のために生きると約束する

しかし、父が娘の元へ向かった時には
すでにイレーナに息は無かった



イレーナのセリフ

どうか、お願いします

手紙を、城に残ったお父様に届けて頂けないでしょうか

主将たる務めを投げうってでも、

私は、お父様に城を離れて欲しい

…生きていて欲しいのです


エドガーのセリフ

貴公のおかげで、イレーナを迎えに行くことができる

これからは、娘のために生きるとしよう

だがイレーナは、優しすぎる

おかしな輩に、付け入られていないとよいのだが


エドガーのセリフ

イレーナ

なぜ、こんな…

娘が何をしたというのだ…

…私の、せいなのか

お前よりも、主将たるを選んだ

これがその報いなのか


エドガーのセリフ

見つけ出してやる

お前を、こんな目に合わせた畜生どもを

きっと見つけ出し、根絶やしにしてやるとも…

ああ、イレーナ。きっと、そうしてやるとも…



イレーナを殺した犯人は
混種の死体に憑りついたシャブリリだった
三本指の巫女を生み出すために
イレーナは儀式的に殺害された
エドガーは、娘を殺した犯人への復讐を誓う



イレーナを殺害したのは誰なのか?




イレーナの亡骸の横に、これ見よがしに置かれた凶器。

これは混種の武器「鉄の鉈」である。


鉄の鉈

大振りの鉄製の鉈

虐げられた混種たちの得物

執拗に殴りつけ、走り寄って殴りつける

恨みのこもった武器


犯人は混種である。

あるいはそう見せかけた犯行である。

どちらとも受け取れる。


また、単独犯であったか、複数犯であったか、

それすら判断する材料は乏しい。


死体に憑りつく能力を持っているシャブリリなら

混種の身体を奪って、イレーナを殺害できたかもしれない。

だとするなら、モーン城で混種が蜂起する

口火を切ったのもシャブリリなのだろう。



イレーナの死から間もなく
巫女を名乗る女性『ハイータ』が現れる
イレーナと瓜二つの容姿をする彼女は、
彼方の灯を探して旅をしているという

イレーナと同じく目の弱い彼女は
『シャブリリのブドウ』を求めてきた
そのブドウを食べると、
目の奥に彼方の灯を感じるという

ブドウとは、狂い火に爛れた、人間の眼球だった
しかし彼女はそうと知らず、
受け取ったブドウを喜んで頬張った
そしてハイータは灯を辿っていく




ハイータのセリフ

はじめまして。私はハイータ、

彼方の灯を探して旅をしています

それで、不躾なお願いなのですが…

もし貴方が、シャブリリのブドウをお持ちでしたら、

私に恵んでくださいませんか

私は生まれつき目が弱く、行くべき場所も見えませんが

そのブドウを食べると、目の奥に、彼方の灯を感じるのです

それを辿り、指の巫女となることが、私の使命なのです


シャブリリのブドウ

黄色く爛れきった、病み人の瞳

表皮は剥がれかけ、中身はどろりと柔らかく

熟しきった大粒のブドウに似ている

盲目の巫女に捧げれば

彼女を、彼方の灯に導くだろう


ストームヴィル城:幻影のセリフ

巫女様、巫女様、どこにいらっしゃいますか?

どうか、私のブドウをお受け取りください



巫女にブドウを授けるという儀式が

狂い火の信仰者たちには

浸透しているようだ。




ハイータとイレーナには共通する事柄が多い。

1.容姿が同じ

2.声優が同じ

3.目が弱い

4.攻撃すると「拒絶」で反撃する


同一人物なのだと考えられる。


しかしハイータ出現後も、

イレーナの死体は残されたままとなる。


考えられる可能性としては、

①イレーナの死体は偽物

②イレーナの死後、ハイータとして再誕した



①の説について説明。【イレーナの死体は偽物】


【褪せ人】がイレーナと別れた後、イレーナは拐われ

ハイータという別人格へと変えられた。

死体は誘拐した人物が用意した偽物。という考え。


この説を補完する要素として


ヴァレーのセリフ

その布を巫女の血で染めてきてください

本来は、自らの巫女を殺し、

二本指の導きとの決別を示す儀式なのですが…

まあ、貴方は巫女無し。誰の巫女の血でも構いませんよ




「血の君主の誓布」を巫女の血で染めよという

ヴァレーが与える試練。


この布を染められる対象は

1.「王を待つ礼拝堂」にある指巫女の遺体。

2.「鎮めの教会」にある指巫女の遺体。

3.イレーナを殺害時に染められる。

4.ハイータを殺害時に染められる。



ここで要点となるのが、

イレーナを殺害時には染めることができるが、

発見したイレーナの死体では染められないということ。




つまり死体は巫女ではない、という可能性が浮上する。



この説の難点は、父親であるエドガーが

亡骸を目撃していること。


エドガーのセリフ

…イレーナ

なぜ、こんな…

娘が何をしたというのだ


娘を見間違えていることになる。


精巧に作られた偽物ではないか…など想像したが、

全く根拠はない。

(「るろうに剣心」の外印が作った屍人形を想像した。

奇しくもユラの戦技「牙突き」はどう見ても牙突。)


写し身や人形兵が存在する世界。

精巧に模した遺体を用意することは

不可能ではないかもしれない。


そしてもう一つの難点は、

イレーナとハイータで人格が異なること。

拐った人物が、どのようにして別人格に仕立てたのか。

説明することは困難である。



次の説について。

②【イレーナの死後、ハイータとして再誕した】


咎人の盾

罪の茨に瞳を潰された巫女

それを祀るために作られた盾

巫女は、この地に再び産まれるという


この盾は、啜り泣きの半島「亜人森の廃墟」にて拾える。


イレーナを儀式的に殺害することによって、

巫女は啜り泣きの半島に生まれる。

ということだろうか。


巫女はなぜ啜り泣きの半島に産まれるのか?




モーン城には「モーンの嘆き墓」と呼ばれる場所がある。


巨大な墓石には指紋が刻まれており、

これと同じ形状の石が王都外縁にもある。




これらは三本指が言葉を刻んだという

「指紋石」と似ている。


指紋石の盾

それは古い神の墓の一部であり

指読み無き指が、その言葉を刻んだ跡だという

それは、狂いのはじまりであったろうか




嘆き墓は三本指に関連するものだと考えられる。

墓石を起点に、この地に巫女が産まれるのだろうか。


先ほど話したが、「血の君主の誓布」を

巫女の血で染めよというヴァレーが与える試練。

イレーナを殺害時に染めることができる。


つまりイレーナの血は巫女と認められる。ということになる。

イレーナは、巫女の器だと言える。


嘆き墓とは、かつて死した巫女の墓なのでは。


巫女の器となれる素質を持ったイレーナは

儀式的に殺害され

イレーナの亡骸を器にして、

墓石からハイータという巫女の魂が宿り再誕した。

そのように考える。


だとしたら巫女とは、

死した後、再び墓石へと還り、

器を得て再び再誕する。というプロセスを

ずっと繰り返す存在なのでは。


咎人の盾

巫女は、この地に再び産まれるという


巫女とは何度も産まれてくるのだろう。


墓石に刻まれた指痕とは、呪痕であり、

指の代弁者とするために魂を縛られた存在なのでは。


火の巨人の追憶

釜の火が不滅であると知った時

女王マリカは、刻印の呪いを施したのだ

小さき巨人よ、永遠の火守りとして生きるがよい


マリカが刻印の呪いを巨人に刻み、

永遠の火守りとしたように

三本指の刻印が墓石に魂を

縛りつけているのかもしれない。



ならば再誕したハイータはなぜ

ブドウが瞳であると知らないのか?


ゴーリーのセリフ

もっとも、腐れ病は記憶を壊しますからな


強すぎる宿痾は記憶を壊す。


無垢金の針

外なる神の干渉を避けるための呪具であり

不治の宿痾、腐れ病を抑えるという


宿痾とは外なる神の呪いである。

ここで言いたいのは、

呪いにより記憶が壊されることがあるということ。


指の刻んだ呪いは巫女の記憶を壊し、

イレーナに宿った巫女。ハイータは瞳の正体を忘れ、

おぼろげに使命だけを覚え、灯を探したのでは。


だとすれば、イレーナを殺害したのは

三本指もとい狂い火の信仰者だろう。


狂い火の布教者であるシャブリリが

褪せ人を正しく三本指の元へと導くため

巫女を産みだしたのだと考える。


そうなるとイレーナの亡骸は偽物という線が出てくる。

エドガーが復讐に狂うよう仕向けるため、

用意されたのではないか。


①と②の説、両方を採用して考察した。



リエーニエを旅する【褪せ人】は、あるボロ屋を通りがかる
そこには大量の亡骸が打ち捨てられていた
異様な光景に驚く【褪せ人】を、エドガーが襲撃する
エドガーは復讐に狂い、正気を失っていた
小屋の中の亡骸は、エドガーに殺された、いわれのない犠牲者だった
もはや言葉の通じないエドガーを、やむなく撃退する

エドガーの瞳は、狂い火に爛れていた
それは紛れもなく、シャブリリのブドウだった
全ては、シャブリリの謀だった
エドガーが狂い火を宿すように、復讐劇を演出した
そうして【褪せ人】と巫女を三本指へと導くため、
必要となるブドウを調達させた





ボロ屋の周囲には混種の死体も転がっており、

ボロ屋には大量の死体が打ち捨てられている。


死体からは「生肉団子」が回収できる。

これはエドガーイベントを進めないと発生しない。


生肉団子

匂いの強い生肉の団子

腐りかけだが、だからこそ美味

HPを回復するが、毒状態になる

一体何の肉なのか、それは分からない

不安なら、口になどせぬことだ


死体の肉塊だと思われる。

つまりボロ屋の遺体はエドガーの被害者なのだろう。

ではこの者たちがイレーナを殺害した犯人なのか?


復讐者のボロ屋近く:幻影のセリフ

ああ、あのお方は、狂っていなさる

愛も、復讐も、狂い火に焼き溶かされていなさる


エドガーは通りがかりの【褪せ人】をも

襲撃してくることから

見境なく人を襲っていることがわかる。


狂ってしまったのだろう。

これでは小屋の中の死体が犯人だったのか、

判別の仕様がない。


エドガーを倒すとシャブリリの瞳をドロップする。

これがエドガーの瞳なのだろう。


あまりに話が出来すぎている。

狂い火へ導こうとする

何者かの介在を、疑わずにはいられなかった。

そのようなことを考え、実行できるのは

シャブリリ以外に考えられない



しかし、どうしてエドガーは狂ったのだろう?


復讐者のボロ屋近く:幻影のセリフ

ああ、あのお方は、狂っていなさる

愛も、復讐も、狂い火に焼き溶かされていなさる


狂ったことで狂い火を宿した…というよりは、

狂い火を宿したことで狂ってしまった。

とするほうが自然だろう。


空裂狂火

かつて、狂い火を制御しようと試みた者は

皆、絶望的な内なる戦いの末、発狂した

この祈祷は、その僅かな勝利の証である


狂い火とは制御できる代物ではない。

そして狂い火の祈祷は、基本的に

発狂を自身にも蓄積させる。

よってエドガーは狂い火を宿したことで狂った。



では狂い火とは、どのように宿すのか?


シャブリリの叫び

狂える三本指に由来する祈祷

狂気の叫びをあげ、周囲に発狂を蓄積する

発狂は自術者自身にも蓄積し

また、敵から狙われやすくなる

シャブリリは、狂い火の病の起源とされ

歴史上、最も憎悪された男である


シャブリリの禍

シャブリリという名のその男は

讒言の罰として、人々に瞳を潰され

やがてそこに、狂い火の病を宿したという


シャブリリは狂い火の病の起源とされる。

瞳を潰され、狂い火の病を宿した。

狂い火を’’病’’と呼ばれるものにしたのはシャブリリである。


発狂伝染

その瞳に黄色い狂い火を燃やし

対象に掴みかかり、発狂を伝染させる

発狂は自術者自身にも蓄積する

褪せ人にだけ、効果がある

瞳と瞳で見つめ合う

それは、人の最も濃厚な接触であろう


見つめ合うことで発狂は伝染する。

狂い火は人から人へ伝染していったのだろう。

だからこそ’’病’’と呼ばれたのだと考えられる。


エドガーは、誰かから狂い火を移されたのだろう。

一連の騒動にシャブリリが関与しているのなら、

その相手はシャブリリなのでは。



二人はシャブリリの脚本通りに踊らされ
狂い火の灯は、確実にハイータを導いていく

「ブドウとは人間の瞳だ」。
真実を伝えようと、ハイータは己を曲げなかった
ブドウを食べるほどに
ハイータは、灯を確かに感じるようになる
二人は導かれ、遂には三本指の元へ到達する



ハイータのセリフ

それにしても、シャブリリのブドウとは、

どういうものなのでしょう?

ねっとりと柔らかく、甘く、そして熱い…

きっと、美しい果実なのでしょうね

「それは人の瞳だ」

…そんな、まさか…

…いや、でもあれは…、皆は…

あの音は…


ハイータのセリフ

ああ、貴方、そこにいらっしゃるのですか?

貴方は私に、素晴らしい気付きを下さいました

ブドウが瞳であり、私がそれを食べる意味を

彼方の灯は、とても遠く、また微かなものです

一人の瞳には、到底映ることのないほどに

しかし、皆の瞳を集めれば、それを感じることができる

私は、やっと分かったのです

きっと、指の巫女になります



ハイータの見た彼方の灯。

話を聞くに、祝福の導きに似ているように感じる。


褪せ人が、かつて瞳に祝福を宿したように。

あるいは黄金の一族が

瞳に黄金色を宿しているように。


狂い病の発症者は瞳に狂い火を宿した。

巫女がそれを喰らい、集めることで、

導きの灯は確かになっていくのだろう。


ハイータのセリフ

指痕のブドウを、ご存じありませんか?

焼けた指に掴まれた者だけに生じる、特別なブドウ…

私はそれを食べたいのです

彼方の灯は、あの頃よりずっと近くなりましたが

もう普通のブドウでは、何も感じられないのです

お願いします。指痕のブドウを、私に恵んでください

それを食べないと、ああ、私は狂ってしまいそうです


ハイータは徐々に、ブドウに狂うようになる。


イエロの瞳

熟した中身が爛れ出た、低木の実

狂い病の地で育てられ、鎮痛薬に用いられる

危険な麻薬としても知られる


狂い病の地で育つ「イエロの瞳」には、

麻薬成分が含まれていた。


狂い火を宿した者は痛みを忘れようと

イエロの瞳から精製した鎮痛薬を処方した。


しかしイエロの瞳には麻薬成分が含まれており、

処方したものに蓄積していった。

結果、ブドウにも麻薬成分が含有し、

中毒性があったのだと考える。



三本指の封印へと近づく【褪せ人】に
メリナは懇願する
「狂い火だけは、やめてほしい」

狂い火とは、狂った三本指が宿した
太陽神の力の一端だった
大いなる意志に見捨てられ、狂った三本指は
外なる神に救いを求め、狂い火を呼んだのだった
その火は生を等しく燃やし、灰燼に帰す
全てを無にする、破滅の炎となる
扉を開け、狂い火の王となるか
引き返し、エルデの王となるか
【褪せ人】は扉の前に立ち、選択する




ハイータのセリフ

触れることが、できました。三本指様の言葉に

貴方の巫女として、それを伝えさせてください

…すべては、大きなひとつから、分かたれた

分かたれ、産まれ、心を持った

けれどそれは、大いなる意志の過ちだった

苦痛、絶望、そして呪い。あらゆる罪と苦しみ

それらはみな、過ちにより生じた

だから、戻さなくてはならない

混沌の黄色い火で、何もかもを焼き溶かし

すべてを、大きなひとつに…


ハイータのセリフ

私に、ブドウをくださった方々は、

皆言葉なく叫んでいました

決して、産まれてきたくはなかったと

彼らの王に、おなりください

苦痛、絶望、そして呪い。あらゆる罪と苦しみを

焼き溶かす混沌の王に…

もう誰も分かたれず、産まれぬように


メリナのセリフ

貴方がもし、狂い火に向かっているのなら

それだけは、やめて欲しい

あれは、触れざるもの

全ての生を、その思いを喰らう混沌

この世界がいかに壊れ、苦痛と絶望があろうとも

生があること、産まれることは

きっと、素晴らしい

だから貴方に、王を目指す貴方に、

それだけは否定して欲しくない

狂い火に向かうのは、やめて欲しい


狂い火とは、「生」を否定する炎である。

等しく死して混ざり合い、

霊界で一つになろうという思想だろうか。



狂い火と太陽神の関係



三本指の巫女を模した「咎人の盾」


咎人の盾

罪の茨に瞳を潰された巫女

それを祀るために作られた盾

巫女は、この地に再び産まれるという


記述にある「罪の茨」は、異端の魔術として登場する。


罪の茨

追放された咎人たちの、異端の魔術

学院が最も忌み嫌うもの

罪の茨で自らを傷付け

周囲に、渦巻く血の大茨を召喚する

3度まで、連続で使用できる

茨でその瞳を潰された咎人たちは

永遠の暗黒で、血の星を見出したのだ


この魔術を扱うのが、咎人と呼ばれる者たち。



咎人たちは巨人山嶺で、なぜか火の釜を崇めている。

咎人が暗黒で見出した「血の星」と、

釜の火に共通点があるのだと考える。


つまり、血の星は燃えていたのでは。


また、「罪の茨」は、

信仰によって振るう異端の魔術である。

魔術とは本来、輝石の探求により為されるが、

これは「血の星」への信仰によって

発動するのだと考えられる。


星の探求でなく、星を信仰した故に、

異端扱いされたのだろうか。



「罪の茨」は3度、自らを傷つける魔術だが、

その姿は、血の君主の「血授の儀」(ニーヒル)と酷似する。


モーグウィンの聖槍

血の君主モーグの、三又の槍

新王朝の象徴となるべき聖槍

それは、呪われた血に力を与える

外なる神との交信の祭具でもある

真実の母は、傷を望んでいるのだ

専用戦技「血授の儀」

聖槍を掲げ、姿なき母の身体を刺す戦技

三度まで刺し、刺す度に血の爆発を生じる


血授

血の君主モーグの、聖なる祈祷

姿なき母の身体に腕を差し込み

その血炎を前方に撒き、炎上させる

地の底で、傷を望む真実の母に見えた時

モーグの呪われた血は、炎となった 

そして彼は、生まれついた穢れを愛したのだ


真実の母はモーグの呪われたを授けた。

咎人が崇めた、燃える「血の星」との共通点がまた見つかる。


血の君主の祈祷は、信仰により発動する。

この点も「罪の茨」と共通する。


真実の母は、姿なき母とも呼称される。

その姿を視認することはできない。

あるいは、視認できない場所にいるのだろう。


一方、茨で瞳を潰された咎人たちは

永遠の暗黒で、血の星を見出した。


両者ともに、本来は視認できない存在であると言える。


「血」「三度刺す」「火」「見えない」…

これらの共通点から、咎人の見出した「血の星」と、

モーグの血に炎を授けた「真実の母」は、同じ存在だと考える。


血の星=真実の母



さらに…

「咎人の盾」にある通り、

罪の茨に瞳を潰された巫女像は、

三本指への導き手を模している。


「罪の茨」にある通り、

茨で瞳を潰された咎人は、

永遠の暗黒に血の星を見出している。


茨で瞳を潰された巫女という導き手と、

茨で瞳を潰されて導きを得た咎人。

「三本指」と「血の星」にも、関係性が見出せる。


三本指の宿した狂い火と、血の星の炎。

両者は根源が同じなのでは?



狂い火とは何か?



放浪商人の帽子

かつて、大隊商として栄えた商人たちは

異教の疑いにより、一族郎党捕らえられ

地下深くに生き埋めとなった

そして彼らは、絶望の呪詛を唱え

狂い火を呼んだ


異教の疑いにより捕らえられた放浪商人は、

狂い火を呼んだ。

狂い火は黄金樹信仰と異教なのだろう。


放浪の民の遺灰

狂い病を呼び、地に埋められた一族の霊体

から、恐ろしい狂い火を迸らせるが

病み人であるため、HPは低く打たれ弱い


放浪の民は病み人であり、狂い火を宿している。


指紋石の盾

びっしりと指紋の刻まれた、巨石の盾

それは古い神の墓の一部であり

指読み無き指が、その言葉を刻んだ跡だという

それは、狂いのはじまりであったろうか


地下深くに生き埋めとされた放浪商人が

異教の狂い火を呼んだことで、

狂い火は直下にいた三本指に宿り、

狂える三本指へと変えたのだと考える。


そしてシャブリリは失くした瞳に狂い火を宿し、

狂い火の布教者となると、狂い病を伝染させていった。



「狂い火の灯台」に昇る巨大な狂い火は、

まるで太陽のようだった。

狂い火とは、太陽神の力の一端

あるいは、姿を消した太陽神の狂気なのでは。


狂い火=太陽神の力



そして、モーグの血に炎を授けた「真実の母」と、

太陽には共通点がある。

モーグは忌み子なのだが…


忌み鎧

太陽のメダルは、かつて彼が見た導きであり

その先でいつか見える、輪の似姿であるという


忌み兜

それは彼の心象風景の現れであり

姿見に見た、己の真の姿であるという

忌み子の心、そうでない姿

こんなにも苦しいことがあるものか

だったら全て、呪われるがいい


忌み子の心を宿した糞喰いは、太陽を胸に掲げている。

忌み子の呪いとは、太陽に関係があると考えられる。


無垢金の針

外なる神の干渉を避けるための呪具であり

不治の宿痾、腐れ病を抑えるという


巨人の赤髪

巨人たちは、皆一様に赤髪であり

ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという

それは巨人の呪いだったろうか


宿痾や呪いは、外なる神の干渉である。

つまり忌み子の呪いとは、「太陽神」の呪いかもしれない。



太陽神は、自身が呪いを授けたモーグを利用して

復活を果たそうとしたのでは。


さながら腐敗の眷属がマレニアを3度咲かせ、

腐敗の女神と成そうとしたように。


そしてモーグは呪われた血に炎をもらい受け、

太陽神の使徒となる道を選んだのでは。


よって、狂い火とモーグの炎は、

根源が同じであると考える。


先ほど話した通り、

モーグに炎を授けた「真実の母」とは、

咎人の見出した「血の星」だと考えられる。

すなわち血の母とは、太陽神である。


太陽神=真実の母=血の星


グレートスターズ

巨大な三連星球を持つ大槌

星の刺により、敵に出血を強いる

血塗れの星凶兆であり…


三連星玉…血濡れの星…

これらの記述も罪の茨や血授の儀を彷彿とさせる。


太陽神は黄金樹にとって宿敵なので、

その姿は凶兆とされたのだろう。


つづく


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ぼくのかんがえたエルデンリング Part8(前編)

  本投稿は、動画の解説を じっくり見たい方に向けたものとなります。 動画はこちら https://youtu.be/yjpF2fbMLjM 本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、 ひとつの物語として考察することを主旨としております。 枠線で囲ったものが本文...