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2022年11月11日金曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part1(前編)



本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/w4QGsSiy8vE



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。




前提として
この世界の生命は、『肉体』、『魂』そして『意志』
この三つの要素により構成される
肉体とは『器』であり、魂とは『記憶、意識』であり、意志とは『心』である
このうち、どれか一つでも失えば、その命は終わりを迎える
そして、この物語は、『人の意志、その抗いの物語』である



肉体とは器


双児の兜

分かたれぬ双児、Dは二人いる

二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂

共に起きることはなく、言葉を交わすこともない


生命の構成を知るうえで、Dは重要な人物である。

デヴィンから「内なる律」のジェスチャーを入手できることから、

ラダゴン=マリカの秘密に近しい生命であることが伺い知れる。




マリカとラダゴンは一つの身体を共有していた。

そして、マリカが磔にされたことで、ラダゴンの動きも封じられていた。




ラニは自らの魂を人形に入れて、動かしていた。

ブライブたちとコミュニケーションをとるため必要だったのだろう。




肉体とは、外界と干渉するための器であり、

魂の入れ物ということなのだろう。



魂とは記憶、意識


双児の兜

共に起きることはなく、言葉を交わすこともない


Dはひとつの魂を共有していた。

つまり魂とは、人の意識を司る要素のようだ。

意識が一つだから、どちらか一方しか活動できなかったのだろう。




兄であるダリアが死した後、弟のデヴィンは、

フィアを殺害し高らかに勝鬨をあげるのだが、

セリフから、弟は兄を殺したのが誰なのかを理解していることがわかる。

つまり一つの魂により情報を共有している。

ということは、魂とは記憶なのだろう。



褪せ人が兄を殺害すると、弟が襲い掛かってくる。



意志とは心


フィアのセリフ

英雄様、ほんの一時、私に抱かれてくれませんか

貴方の生きる力、意志を、私に分けて欲しいのです…


数多英雄の温もり、生きる力をこの身に宿した後

貴い方の遺体と同衾し、再びの偉大な生を与える 

私は、そのための存在だったのです


フィアは英雄を抱くことで、生きる力…

すなわち意志を分けてもらっていた。

それを遺体に与えることで、死者を生に導いていた。


フィアのセリフ

これは…

ゴッドウィン、貴方なのですか?




深き根の底にいるフィアを攻撃すると、

ゴッドウィンの肉体から怨霊呼びの魔術が放たれる。

ゴッドウィンは肉体だけの死者であり、

そこに魂はなく「肉体」と「意志」により生きている状態である。

つまり、これは意志による働きなのだろう。

ならば意志とは、なのかもしれない。


写し身の雫の遺灰

召喚者の姿を模倣し、戦う霊体

ただし、その意志までは模倣できない

 

写し身では人の心までは模倣できなかったようだ。

しろがね人のラティナやアルバス老の様子から、

人造生命は、独自の意志を有していると察せられる。

写し身にも生物の本能のような、

意志と呼べるものがあったのかもしれない。

このように意志は、漠然とした概念であるが、

生命に欠かせない要素と考えられる。



先史時代、『狭間の地』と呼ばれる大陸
その地は、古竜『プラキドサクス』を主とする地であった




竜王の追憶

時の狭間、嵐の中心に座す竜王は 

黄金樹の前史、エルデの王であったという

 

竜印の盾のタリスマン

黄金樹なき先史時代の主たる古竜は 

王を守る、巌の壁であったという

 


二つの月と、二つの太陽の昇る、神々に愛された地
狭間の地では、神々がひしめき合い
神の構築する『律』の押し付け合いが繰り広げられていた
そして、この地に関心を持つ者が、新たに現れる


月と太陽は ふたつあったのか?



狭間の地には、満月と暗月が浮かんでいる。





また、太陽も印象は薄いが、確かに存在している




ぬくもり石

かつて黄金樹は、太陽に似て暖かく

ゆっくりと人々を癒したという


ソール城砦:幻影のセリフ

おお太陽よ!ソールの冷たい太陽よ!

 

忌み鎧

太陽のメダルは、かつて彼が見た導きであり

その先でいつか見える、輪の似姿であるという



糞喰いの掲げた太陽は黒い姿をしている。

ソールの冷たい太陽とは、この黒い太陽を指しているのではないかと考えた。

姿が見えないが太陽も月と同じ様に、二つあるのかもしれない。



天上の存在である『大いなる意志』にとって
狭間の地は、フラスコのようなものだった
錬金術師がフラスコに石を入れ、その経過を観察するかのように
狭間の地に『エルデの流星』を降らせ、神々の争いに参入する




エルデの流星

最古とされる黄金樹の祈祷

無数の黄金の流星を生じ、周囲を攻撃する

かつて、大いなる意志は

黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り

それが、エルデンリングになったという



この流星の落下を、星見により予見した者たちがいた
狭間の外で暮らす、異界の民と呼ばれる『稀人』たちだ
稀人は、ごく少数であるが、長い時を生きた
稀人たちは、永遠の命を得るために、数々の研究を行い、
卓越した技術力を有していた
人造生命である『夜人』や、星を原料とした精薬による『傀儡』の製造
そして、霊を調伏する『調霊』術
これらは、稀人の研究、その代表的なものだった


稀人のルーン

稀人は、かつて狭間の外からやってきた

女王マリカの同族であるという


稀人顔

異界の民の末裔とされる、稀人の外見

長命であるが、産まれる者はごく少ない


生ある者が、より長い生を求めるのは必然。

長命であるほど、その欲求は強くなり、

永遠の生を求めるようになったのでは。



エルデンリングの物語の着想に、

著:手塚治虫の『火の鳥』が含まれてる可能性がある。

火の鳥の物語は、

永遠の生を与える不死鳥の生き血が人にもたらす苦悩や、

生涯をかけたドラマを描いている。

作中には「血の星」や地下巨大都市「永遠の都」など

聞き覚えのある単語が登場する。

マーティン氏が火の鳥を知っていたかと考えると、

この辺りは宮崎氏の後付け?



夜人は人造生命なのか?


夜人顔

夜人と呼ばれる僅かな者たちの外見

かつて、その血は銀色であったという





銀色の血は、永遠の都で見つかる「銀雫の殻」と符合する。


銀雫の殻

銀の雫と呼ばれる、不定形生物の硬化した殻 

永遠の都と、その近辺で見つかる


写し身の雫の遺灰

召喚者の姿を模倣し、戦う霊体 

ただし、その意志までは模倣できない

永遠の都が、王を創らんとした遺物である


かつて永遠の都では、生命の模倣が研究されていた。

そして生まれたのが、銀の雫でできた不定形生物や

写し身の雫のようだ。




しろがねの凝血

どろりと固まった、しろがね人たちの血液

しろがね人とは、人に創造された生命である


蒼銀のフード

蒼銀で編まれた、鎖かたびらのフード 

狼の背に乗る、しろがねの射手たちの装備

蒼銀は、彼女たちと同じ母から生じた金属であり

魔力と冷気に対して耐性がある


人造生命である、しろがね人は

蒼銀と同じ母から生じている。


写し身の雫の遺灰

永遠の都が、王を創らんとした遺物である


遺物とは、過去の人類が残したものを指す。


ノクス僧のフード

永遠の都の僧たちの絹のフード

大古、大いなる意志の怒りに触れ

地下深くに滅ぼされた、ノクスの民は

偽りの夜空を戴き、永遠に待っている

王を。星の世紀、夜の王を


ノクスの民と呼ばれる、夜巫女や衛士たちは未だ活動しているのに、

遺物という表現は奇妙な印象を受ける。

まるで夜巫女たちを、永遠の都の末裔としてカウントしていないようだ。


この観点で、夜巫女やノクス僧に関するテキストを見てみると、

彼女らを指して「永遠の都の末裔」や「稀人」という表現が

一切なされていないことに気づく。



夜巫女と剣士の傀儡

永遠の都で作られた古い傀儡

自ら望んで傀儡となった二人の姉妹

冷たい血の流れる異人種であり

流体の武器を振るう


夜巫女たちは、古くから永遠の都にいたようだ。


ノクスの流体剣

永遠の都の剣士たちが用いる異形の剣

銀の雫に由来する液状金属を

硬く鍛えあげている






夜巫女の容姿は、夜人とよく似ている。

彼女たちこそ夜人であり、

稀人が創り出した人造生命なのかもしれない。


夜人顔

夜人と呼ばれる僅かな者たちの外見 

かつて、その血は銀色であったという


かつてその血は銀色であった。

これは、銀雫から生じた不定形生物や、しろがね人の血の色と一致する。




しかし、現在の夜巫女たちの血は赤い

これは、生命の模倣、その研究が進展したためだと考える。

写し身の雫も模倣を完了すると赤い血を流すようになる。

だからこそ「かつて、その血は銀色であった」のだろう。


夜人の銀色の血。

夜巫女に流れる冷たい血。

しろがね人と同じ母である蒼銀は、

冷気に耐性がある。

このあたりにも、共通項を見出せる。




傀儡の製造


夜巫女と剣士の傀儡

永遠の都で作られた古い傀儡

自ら望んで傀儡となった二人の姉妹

冷たい血の流れる異人種であり

流体の武器を振るう


星光の欠片

かつて、永遠の都では

精薬の材料として珍重されたという


かつて永遠の都で製造されていた傀儡は

星に由来する技術のようだ。



永遠の都で発達した調霊術。

永遠の都には、墓すずらんが至る所に咲いている。

また、宝箱からは「墓すずらんの大輪」を多く見かける。




墓すずらん

霊を喚ぶとされる、音のない鈴

調霊は、厳密には強化とはほど遠い

それは対話であり、調律であり

相互的な感化なのだ


人造生命…傀儡…調霊術。

全てが、命にまつわる研究であり、

永遠の都では、命を制御しようとしていたと推測できる。


さらに、星光の欠片を採取している点から

星見にも精通していたことがわかる。



星見板(?)のそばに星光の欠片は落ちている。



彼女たちは、エルデの流星に永遠を見出すと
歩く巨大都市『永遠の都』により、海の向こうからやって来る
その巨大都市は、『椅子廟の人造生命』の魂を、都市を支える台地に宿すことで
自立歩行を可能としていた


稀人は、どうやって狭間の地に来たのか?


稀人のルーン

稀人は、かつて狭間の外からやってきた 


船で外洋から渡ってきたと考えるのが自然だが、

それにしては永遠の都の規模が大きすぎる。

狭間の地に渡って繁栄したのかもしれないが…


稀人顔

異界の民の末裔とされる、稀人の外見

長命であるが、産まれる者はごく少ない


稀人は長命であるが、産まれる者はごく少ないという。

人数だけ見れば、小規模なのだろう。

稀人だけの労働力で、大規模な都市を建てるには、

相当な年月が必要になるだろう。



稀人が創ったと推測した人造生命。

「夜人」の力を借りたのかもしれないが、

夜人と共に、船で狭間の地に来たのだとしたら

大挙して押し寄せたことになる。

大型船か、大量の船を用意したと考えられる。


あるいは、船に夜人を創るための装置を積み込んで

外洋を渡ってきたのだろうか?

永遠の都にあった、白金の球体のサイズから判断すると、

いずれにせよ、かなりの規模の大型船になりそうだ。




この世界の文明レベルでの航海は、

命がけの旅となっただろう。

狭間の地の海岸に散乱している船の残骸が

旅の過酷さを物語っている。




稀人を、異界の民と呼ぶほどだ。

かなりの長旅だったのでは?

大勢の仲間が犠牲になったはずだ。





そして、犠牲の後に、ここまでの文明を築くには

多くの略奪と人材の確保が必要だっただろう。


地下に沈められた後に、建築を繰り返し

この規模になったとも考えられる。

永遠の都の一部が、

天上に張り付くように建築されており、

穴倉に増設したと思われる箇所もある。




もう一つ不可思議なのが、

永遠の都がバラバラに点在していること。

どうして王都のように一所にまとまっていないのか。

各所に拠点を設けることで、

支配域を拡充していったのだろうか?

だとするなら、

相当に人員に余裕があったことになる。





永遠の都は、

高いレベルの文明を有していたと推測できる。

建築からしてゴシック建築を思わせ、

同じく太古の建築と思われる、

ウルの王朝や、ファルム・アズラと比較すると

一時代先を進んでいると感じる。(投稿者の主観だけど)

人造生命の技術や、傀儡技術もそうだ。


そのような高度な文明を持つ者が、

リスクを冒して航海してくるだろうか?

ましてや稀人は少数だというのに…

何か他に、狭間の地へ渡る方法があったのでは?

そのように考えてみた。




そこで思い当たったのが、歩く霊廟。


霊廟兵の遺灰

霊廟とは、魂無きデミゴッドの霊安室であり…





霊廟の建築様式が、永遠の都と一致する。

つまりこの歩行する霊廟は、

永遠の都に由来があるのだろう。




霊廟は、魂無きデミゴッドを据えることにより

自立歩行しているのかもしれない。

魂が霊廟に宿っているのだろうか?


永遠の都は、これと同じ技術、

あるいはそれ以上のものを用いて

狭間の地に渡って来たのかもしれない。




ノクローンとノクステラには、

謎の巨大なミイラが安置されていた。


この、巨大なミイラが

霊廟に安置された魂無きデミゴッドと

同じ働きをしたのではないだろうか?

つまり、この巨人の魂が

都市の基部に宿り、永遠の都を動かして、

都市ごと狭間の地に渡ってきたのでないかと考えた。


歩く霊廟ならぬ、

歩く永遠の都だったのかもしれない。

永遠の都の正体が、歩く巨大都市であったとすれば、

バラバラの位置に点在している理由も解消される。


霊廟が歩くのなら、都市が歩いても不思議ではない。




そして稀人たちは、狭間の地を訪問する
その中には、『デーディカ』という名の女性がいた
大いなる意志は、デーディカの才を見抜くと、
彼女を神と定め、手駒とすることを選んだ
軌道を変えたエルデの流星は、
デーディカの搭乗していた、永遠の都。その一騎に直撃する
都は、衝撃により地底に沈み、名もわからないほどに崩壊する
こうして、後に『名も無き永遠の都』と呼ばれる、廃墟と化すのだった




デーディカの禍

皮膚を剥がされた狂気の肖像

慈しみの薄笑いを浮かべている

デーディカという名のその女は

あらゆる不義、姦通を行ない 

無数の異形の子をなしたという


黄金樹の真下にあった「名も無き永遠の都」。

この地には巨大なミイラは見られなかった。

これは、名もわからないほどに壊滅しているため

痕跡が見つからなかったのだと考えた。


名も無き永遠の都には、「エルデの流星」があった。

もしかしたら、大いなる意志が

ピンポイントでエルデの流星を落としたことで

滅んでしまったのかもしれない。


エルデの流星

最古とされる黄金樹の祈祷

かつて、大いなる意志は 

黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り 

それが、エルデンリングになったという





狭間の地のコンセプトアート。

王都の真下に巨大なクレーターが見られる。

これがエルデの流星の痕跡かもしれない。



黄金の流星の正体は、大いなる意志の代弁者
『おおきなひとつ』=『五本指』だった
そして、流星と共に送られた一匹の獣は
生と死の円環を描く『エルデンリング』と成り
デーディカに宿るのだった


五本指


エルデの流星

最古とされる黄金樹の祈祷

かつて、大いなる意志は

黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り 

それが、エルデンリングになったという


エルデの追憶

それは、大いなる意志の眷獣であり

律たる概念の具現であった


黄金の流星と獣が降り

獣はエルデンリングとなった。


黄金の流星が形を変えた存在…

五本指=生と死の代弁者

とでも言うべき者が、いたのかもしれない。


チンクエディア

かつて獣たちに贈られた知性

その象徴たる、五指が象られている


五指という記述がある。

これは、ホーラ・ルーの背負った

宰相の獣『セローシュ』のことでもあるようだが




獣爪の大槌

柄頭に五本の獣爪を配した大槌

黄金の鬣を纏う黒き爪は 

後にゴッドフレイ王の宰相となった

獣王セローシュの象徴であったという


エルデの獣が五本指であることを

印象的に示しているシーンがある。




エルデの獣と共に落ちた黄金の流星も

五本の指を持っていたのではないかと考えた。



デーディカはエルデンリングを宿したことで神となり
『宵眼の女王』と呼ばれるようになる
宵眼は、死の力を色濃く継いだため表れた特徴だった


宵眼の女王


エンヤ婆のセリフ

女王マリカは、エルデンリングの宿主、その幻視を宿す者

すなわちさね


エルデンリングの幻視を宿す者が、神と呼ばれる。

マリカは神である。


黒き剣の追憶

マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった

マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み

後にそれを裏切ったのだ


マリカは『神人』だった。

マリカの命で、マリケスは『運命の死』を封印した。


ラニのセリフ

私は、かつて神人だった

デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが

それぞれの二本指に見出され、

女王マリカを継ぐ、次代の神の候補となったのだ

だから、私はブライヴを授かった。神人の特別な従者としてな


神人とは、次代の神の候補である。



薙ぎ払う黒炎

黒炎とは、すなわち神狩りの炎であった 

しかし、マリケスが運命の死を封じた時その力は失われた


運命の死とは、黒炎の供給元を指す。


黒炎の護り

使徒たちは皆、宵眼の女王に抱かれ 

黒炎を内なる鎧とした

 

神肌のおくるみ

産まれたばかりの使徒は これに包まれ、

宵眼の女王に抱かれる そして神の死となるのだ


黒炎を授けたのは、『宵眼の女王』である。


黒炎の儀式

使徒たちを率いた、宵眼の女王 

彼女は、指に選ばれた神人であったという


宵眼の女王は、指に選ばれた神人だった。



先ほど紹介した通り、

当代の神であるマリカも神人である。

神は、神人から選ばれる。


マリケスの黒き剣

運命の死を宿したマリケスの黒き剣

その大いなる抜け殻


マリケス撃破後のナレーション

死のルーンが解き放たれた




運命の死は、マリケスの剣に封印された。

すなわち運命の死とは、『死のルーン』である。



メリナのセリフ

そして貴方に、運命の死




このメリナの左眼が、

死のルーンにまつわるものであること…

すなわち、宵眼であることを示している。

ならば宵眼とは、

死の力が色濃く表れた兆候なのだろう。






生の概念のみで構成されたエルデンリング。

その祝福を授かるデミゴッドたちは、

みな瞳に黄金の色を宿していた。


一方で宵眼の女王はその名の通り、

瞳が宵の色をしていたのだろう。

死の概念が色濃く瞳に表れたのでは。


神人であるマリカも、

かつては神の候補であった可能性。

そして宵眼の女王も、指に選ばれた神人だった。



まとめると…

マリカは神人である。

ラニたちのように、かつては神の候補であった可能性が考えられる。


そして宵眼の女王も、指に選ばれた神人だった。

また、指の’’本数’’については言及されていない。


マリケスが封印した死のルーンは、

かつて宵眼の女王が宿していたものだった。


ならば死のルーンを所持していた宵眼の女王は

マリカの前代の神だったのではないか。

と考えた。



そして、宵眼の女王は、エルデンリングの内包する生と死の円環
それを律という理と為すため
地底に根を張り、『世界樹』を聳えさせた
世界樹は、赤みがかった大木だった
その色は、生を象徴する黄金と、死を象徴する赤の
混ざりあったような色をしていた
美しき世界樹は、狭間の地の人々を惹きつけ、信仰を集めるようになる
信仰は力となり、世界樹に新たな律が生まれる
やがて世界樹の麓には、その恩恵を求める者たちが集まり、都が作られる
それは世界樹を象徴する色…赤い屋根の建ち並ぶ、壮麗な都だった
その都は『ローデイル』と呼ばれるようになる


世界樹


オルドビスの大剣

原初の黄金は、より生命に近く

故に赤味を帯びていたという

この剣は、その古い聖性を宿している


赤みを帯びた黄金は、より生命に近く

原初の黄金と呼ばれる。




赤とは、死のルーンが宿す色である。


原初の時代、生と死は混じりあっていたのでは?

つまり、当時のエルデンリングは、

生だけでなく、死の概念も内包していた。


エンヤ婆のセリフ

それは、人の身には決して許されぬことじゃ

黄金樹を焼くは、原初の大罪

まして、死のルーンの力を求めるとは

 

火の大罪

もっとも不吉な預言に由来する祈祷

…黄金樹を焼くは、原初の大罪

人の身には決して許されぬことじゃ


黄金樹を焼くは、原初の大罪…

原初の時代、大樹が燃えたのだろう。

そして、それを行ったの者は、人の身でなかった。

すなわち神が大樹を焼いた。


生と死を内包していたエルデンリング。

そして、それを継承した前代の神が

黄金樹の前史に、大木を聳えさせたのだと考えた。



エンヤ婆のセリフ

あんた、種火を探すんだよ

世界樹を焼く火は、狭間の最も高い場所、巨人の大釜に燻っている

けれど、それを燃やすには、特別な種火が必要なのさね

火の幻視を宿す者、その贄だけが、大釜の火で世界樹を焼くんだよ

そして、死のルーンへの導きとなるのじゃ


エンヤ婆が唐突に口にした『世界樹』という

世紀の誤植。


半年放置されてたが、

先月のアップデード1.06で修正され

「黄金樹」に差し替えられた。


この誤植に敬意を表し、

『世界樹』という単語を採用した。



世界樹が赤いとした理由



王都ローデイルには一部、

赤い屋根の家が並んでいる。

ちょうど大古竜グランサクスに隠れる位置にある。

それらは灰を被り、廃墟となっている。




現在の王都ローデイルが、

黄金の屋根をしているのは

黄金樹の色を模倣しているからだろう。

ならば赤い屋根とは、かつての象徴の色なのでは?



世界樹が構築したであろう律。

生だけでなく、死を内包した律は、

死のルーンのような、赤い色を混合していただろう。

それは原初の黄金が、赤みを帯びていたように。


つまり赤い屋根は、

世界樹信仰の名残りなのだと考えた。


おそらく屋根が黄金に塗り替えられたのは

大古竜が襲撃した後となる。

なぜなら大古竜グランサクスの真下、

外から見えない部分だけ屋根が赤いのだから。


黄金律原理主義者のラダゴンが

黄金に塗り替えさせたのかもしれない。

一部、赤い屋根が残ったのは、

黄金の塗料が希少だからとか?

金箔でも塗ってるのかな



根脂

主に、地下の大樹根から採取できる天然樹脂

その根は、かつて黄金樹に連なっていたといい

故に地下墓地は、大樹根の地を選んで作られる


つまり『大樹根』とは、世界樹の根である。


エルデの流星が落ちた、

名も無き永遠の都の廃墟跡に聳えたのだろう。



ちなみに魔術街サリアや典礼街オルディナも

赤い屋根で造られている。





もしかしたら、かつては世界樹を信仰する都が

築かれていたのかもしれない。



律を構築した宵眼の女王に対し、
五本指は、狭間の地の支配者である古竜、
プラキドサクスを伴侶とするように命じる
そして宵眼の女王は、プラキドサクスと交わり、多くの子を生していく
宵眼の女王の血を濃く継いだ者は、『古竜の民』と呼ばれる人族として
産まれたが、大抵は短命であった
一方、プラキドサクスの血を濃く継いだ者は、『竜』として産まれ落ちるのだった
そして二人の間に、最も宵眼の女王の血を濃く継いだ傑物。
『マリカ』が産まれる


宵眼の女王とプラキドサクス


竜王の追憶

時の狭間、嵐の中心に座す竜王は

黄金樹の前史、エルデの王であったという

だが神は去り、王は帰還を待ち続けていた


竜王は、黄金樹の前史、エルデの王であった。

つまり世界樹の時代の王ということになる。

ならば、宵眼の女王の伴侶だったのでは。


デーディカの禍

皮膚を剥がされた狂気の肖像 

慈しみの薄笑いを浮かべている

デーディカという名のその女は

あらゆる不義、姦通を行ない 

無数の異形の子をなしたという


デーディカは、異形の子をなしたという。

あらゆる不義、姦通とは、

異種交配のことを指すのではないか。



竜顔

岩の肌を持つ者たちの外見

古竜の民は、大抵は短命である




竜顔という外見がある。

これは、かつて人と古竜が交わった可能性を示唆している。


竜傷脂

竜は、古竜より生じたとき、岩のウロコを失った

 

雷撃

さざれ石のウロコを持つ古竜は 

雷を武器とする、竜たちの祖先であり…


竜は古竜の末裔である。

古竜より生じた時に、岩のウロコを失ったという。


竜の心臓

竜狩りの果実たる、竜の心臓

さざれ石の混じった異形のそれは

まだ、生々しく脈打っている


竜を倒すと心臓を落とすのだが

古竜にはそれがない。

古竜にはない特徴が、竜にだけ現れている。

人との交わりにより

人の様に、心臓を宿すこととなったのでは。


つまり、女王の血が濃く表れた者は人の形で。

プラキドサクスの血が濃いものは、

竜として産まれたのではないかと考えた。



稀人のルーン

稀人は、かつて狭間の外からやってきた

女王マリカの同族であるという


女王マリカは、稀人と同族とされる。

宵眼の女王の血を濃く継いだため、

稀人の特徴が顕著だったのではないか。

それ故に、神人に選ばれたのではないかと考えた。


ラニのセリフ

私は、かつて神人だった

デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが

それぞれの二本指に見出され

女王マリカを継ぐ、次代の神の候補となったのだ


神は世襲制。

マリカを継ぐ次代の神は

マリカ(ラダゴン)の子から選ばれている。

宵眼の女王が、前代の神だったとするなら

マリカは、宵眼の女王と血縁…

娘ということになる。



宵眼の女王が戦力を増したことで
次に大いなる意志は、
『太陽』を狭間の地から排除しようと目論む
世界樹の温もりに似た、太陽の光は
世界樹への信仰を削ぎ、権威を揺るがす、最も邪魔な存在だった
大いなる意志は、隕石を降らせ
天空に浮かぶ『太陽の都』を崩壊させる


太陽の都


ぬくもり石

かつて黄金樹は、太陽に似て暖かく

ゆっくりと人々を癒したという


信仰を集めるなら、唯一無二でなければならない。




狭間の地の各所には

空から降った遺跡の残骸が散乱している。

これらは、ファルム・アズラの残骸だと思われる。




建築様式が似ている点や

「遺跡石」や「神殿石」が拾える点から、そう考えた。

これらは獣の神殿の最下層でも拾える。

そしてファルム・アズラの獣人からもドロップし、

共通のルーツを持つことを推測させる。


遺跡石

遺跡の降った地で見出される小片

それは空にある神殿の一部であるといい

光を帯びやすい性質を持つ


ファルム・アズラにある

双鳥と思われるレリーフだが、

獣の神殿に、まったく同じものがある。





神殿の裏に隠れるように刻まれている。

ファルム・アズラと獣の神殿は、

かつて繋がっていたのだろう。



しかしもう一つ
空に浮かぶ建物があったのではないか?



遺跡の大剣

空から降る遺跡の残骸

その砕けなかった欠片を鍛えた武器

その遺跡は隕石により崩壊したとされ

この武器は、崩壊の力を宿している


大剣の基礎になった遺跡の残骸は

隕石により崩壊したという。


ファルム・アズラが獣の神殿と

地続きに存在していたのなら

隕石により崩壊した遺跡とは

ファルム・アズラではない。

別物だと考えた。




狭間の地には、

『ガーディアン・ゴーレム』が散乱している。

まるで高所から落ちてきたように

地面に埋没している。


しかしファルム・アズラには、

ガーディアン・ゴーレムは一体もいない



ゴーレムの斧槍

古遺跡の文明で作られた黒石の大斧槍

ガーディアン・ゴーレムの得物


ゴーレムは、斧槍同様に、古遺跡の文明で作られたと思われる。

この斧槍に使われた黒石は、遺跡の大剣の材質と似ている。





ガーディアン・ゴーレムは、動力に火を使っているが、

火は黄金樹の禁忌である。




火花の香り

黄金樹に仕える者に、火は禁忌であった…


ガーディアン・ゴーレムを作ったのは、

大樹と敵対する勢力だと考えられる。


「遺跡の大剣」の記述にある、

「空の遺跡は、隕石により崩壊した」という点を掘り下げる。



なぜ隕石が降ったのか?


暗黒の落とし子の追憶

遥か彼方、光の無い暗黒で生まれた星の異形

それはかつて、永遠の都を滅ぼし

彼らから空を奪った、悪意ある流星である

 

アステール・メテオ

虚空から小隕石を呼び、大量に落下させる

それは、かつてアステールが

永遠の都を、破壊し尽くした力である


永遠の都は、隕石により滅ぼされた。

これは、大いなる意志が大逆に怒り遣わした

アステールの仕業だと考えられる。


つまり、ファルム・アズラとは別に

空に浮かぶ建物があったが

永遠の都同様に、

大いなる意志が隕石で滅ぼしたのではないか。


その文明は大いなる意志が、わざわざ

隕石を呼ぶほどに反感を覚えるものであり、

それが太陽の都だったのではないかと考えた。



太陽の都の盾

太陽を戴く都が描かれた、栄誉の盾

だが、これはもうボロボロである

そして、太陽の都もまた

もはやどこにも、存在していない


ファルム・アズラでも

この盾がドロップする点を鑑みると

太陽を信仰する都市は複数あったと推測できる。





ちなみに現在、地上で活動している

ガーディアン・ゴーレムは、

王都軍や、君主軍など

様々な勢力に鹵獲され、

再調整されたものだと考えられる。


結晶投げ矢

これに似た結晶の道具を

かつて、ゴーレム技師が用いたという


ゴーレムを制御する方法が確立されており

ガーディアン・ゴーレムも、結晶投げ矢で故障させることができる。



さらに宵眼の女王率いる「世界樹の軍勢」は、
ケイリッドの北に火葬場を築く、『双鳥』たちを侵攻する
太陽神の使いである双鳥と、その子にあたる『死の鳥』は
死を霊炎で焼き、冷たい太陽(霊界)に送る役割を担っていた
世界樹による、新たな理を敷くうえで、
死を支配する鳥たちもまた、
真っ先に排除すべき対象だったのだ
世界樹の軍勢は、双鳥たちを、火葬場より追放することに成功
その地を、新たな拠点とする




双鳥


双鳥のカイトシールド

色鮮やかな双鳥が描かれた盾

それは、外なる神の使いであり

死の鳥たちの母でもあるという


爆ぜる霊炎

まだ黄金樹無き頃、死は霊炎に焼かれた 

死の鳥は、その火守りなのだ



エルデンリングの着想に

「賢者の石」も含まれてるのかもしれない。


錬金術において、賢者の石を精製するためには

四つの過程を踏まなければならない。


最初のプロセスである、

ニグレド(黒化)は「死・闇」であり

『黒い太陽』、または『カラス』で象徴される。

日蝕にも比せられる、この死と闇の状態は、

同時に復活と光の母胎でもある。



ソールの冷たい太陽が蝕まれることで

魂無きデミゴッドが再誕するという記述とも

符合する部分がある。


ソール城砦:幻影のセリフ

おお太陽よ!ソールの冷たい太陽よ!

どうか、蝕まれ給え

魂無き骸に再誕をっ


ソールの冷たい太陽とは

黒い太陽なのだろうか。



死儀礼の槍

死の鳥、その羽に列することを許された 

古代の祭祀たちが抱く儀式の槍

死儀礼により、祭司たちは鳥の守護者となる 

それは、遠い再誕の契約でもあるという

 

忌み鎧

太陽のメダルは、かつて彼が見た導きであり

その先でいつか見える、輪の似姿であるという


糞喰いが胸に掲げた太陽は

黒い姿をしている。

これが双鳥たちが死を送った太陽であり

ソールの冷たい太陽なのかもしれない。



ファルム・アズラには双鳥のレリーフが見られる。

かつてこの霊廟を支配していたのが

双鳥だったことを示唆している。

そして、このレリーフと、まったく同じものが

獣の神殿に見られる。

獣の神殿とファルム・アズラは

過去、併設していたのではと考えた。





内装も非常に似ている。



次に五本指は、古竜と宵眼の女王を、補佐する存在を作る
獣に知性を授け、『獣人』を生み出すのだった
獣たちは、古竜の補佐をするようになる
さらに獣たちの中から、神人を補佐する、
『影従の獣』が選出される
宵眼の女王には、駿馬『トレント』が与えられたのだった
影従の獣は、宵眼の女王を、補佐する役割を担うと同時に
五本指に裏切りの意志を示したときには呪いへと転じる、
監視の役割も担っていたのだった


アズラの獣人と影従の獣


チンクエディア

ファルム・アズラにおいて

高位の司祭に与えられる短剣 

かつて獣たちに贈られた知性 

その象徴たる、五指が象られている

 

獣の石

黄金樹の以前、知性を得た獣たちは 

石を最初の武器にしたという


アズラの獣人の遺灰

ゆっくりと、空に崩れゆく遺跡 

ファルム・アズラの獣人たちの霊体

それは、古竜を祀る巨大な霊廟であり 

選ばれた獣人の武器は雷を帯びている


古き竜の祈祷書 

王都古竜信仰の祈祷書

狭間の地には伝わっていない逸書 

赤い雷の祈祷が記されている


現代のファルム・アズラの獣人は、赤い雷を扱い、

古竜の眠りを守護している。

黄金樹より以前に、アズラの獣人は生まれており

五指に知性を与えられた。


獣の生命

知性を得た獣たちは、感じていたのだろう 

文明が、やがて野生を失わせることを

 

獣人の大曲刀

獣人には、人の及ばぬ知があるのだろう


野生がやがて失われると感じるほどに

アズラの獣人たちは発達した知性を持っていた。




ファルム・アズラにある獣人の彫像。

これがかつてのアズラの獣人だったのだろう。

文明的であり、知性的であるように見て取れる。




しかし、現代のアズラの獣人は、まるで獣のようだ。


獣爪

それは、獣返りしたグラングの

怒りであり、焦燥であろう


グラングは『獣返り』をしたとある。

おそらく、死のルーンを盗まれた罰なのだろう。




褪せ人と会話するグラングは、言葉がたどたどしく

同じ影従の獣であるブライヴと比べると

知性的に感じられない。

そして正気を失ったグラングは、

まるで獣のようだった。


この獣返りと同じ現象が、

アズラの獣人にも起きたのでは?


つまり、グラングをはじめとする影従の獣と

アズラの獣人は、ルーツが同じなのではないか。

影従の獣は、アズラの獣人から

選出されたのではないかと考えた。




ファルム・アズラには、

見覚えのないデザインのエルデンリングと

三匹の狼と戯れる女性の像がある。

これが、生と死を内包していた頃の、

エルデンリングの幻視であり

女性の像は、宵眼の女王を模ったものなのだろう。



太陽信仰は各地に根付いており、
未だ地上には、太陽を崇める都が存在していた
宵眼の女王は、歩く永遠の都、『ノクローン』と『ノクステラ』を動かし
地上にある太陽信仰の都、『ウルの王朝』と『ウルドの王朝』の真上に陣取り
太陽の恵みを遮るのだった


地上における太陽信仰


王朝遺跡には

牛と巨大な円が描かれた図像がある。




神話において、牛をはじめとする家畜と太陽神は

たびたび関連付けされて登場する。

(牡牛を屠るミトラスなど)


暗に神話的見地から

王朝遺跡が太陽に関係する場所であったことを

示していると考えられる。


三つの永遠の都が

バラバラに点在している理由を考えた時、

移動できる利点を活かしたのだとしたら…

絶対的な信仰の象徴である太陽を

別の超常的な存在で遮ることによって

信仰対象をすり替えたのではないかと考えた。


蝕みのショーテル

蝕まれ、色を失くした太陽を象ったもの

ソールでは、それは絶望的畏敬の対象である

人は、大いなる恐れから、

目を背けることができない


ソールにおいても、

恐れから新たな信仰が生まれている。

元々ソールは太陽を信仰していたのだろうか?



太陽信仰の都はいくつもあったかもしれない。

現実の神話においても、

太陽信仰は世界中に存在する。


天空の太陽の都だけでなく

地上にも太陽信仰の都があったのだと考えた






ちなみにウルの王朝とウルドの王朝が、

同時期に存在した王朝だったかはわからない。

「ウル」と「ウルド」が指しているのは

地名なのか、それとも時代なのか。

判断できる材料がなかった。



その圧倒的で巨大な力は、都で暮らす人々に、畏敬の念を抱かせる
やがて太陽信仰は陰り、信仰対象を変えていった
王朝で暮らす『祖霊の民』は、
世界樹の内包する生と死の円環に、
祖霊の理想である「死からの芽生え」を見出すと
特に、その根である『大樹根』を信仰するようになる
そして、世界樹の軍勢は、狭間の地で、最も強大な勢力となった


祖霊の民と大樹根信仰


大角の頭環

黄金樹から距離を置く、祖霊の民は 

新たなる芽吹きを待ち続けている 

自らの身体に。そして魂に


祖霊の民は、黄金樹から距離を置いている。


ところが、地上のウルドの王朝遺跡で暮らす

祖霊の民は、小黄金樹に舞を捧げている。




この舞は、地底にいる祖霊の民が

祖霊に捧げる舞と同じである。

つまり、信仰対象に捧げる踊りということ。

そして、地上のウルド遺跡には、祖霊の亡骸が無い。

同じ祖霊の民でも、

地底と地上で信仰対象が異なる。




ではなぜ、地底と地上で信仰対象が異なるのか?

そのヒントが、聖別雪原にあると考える。




聖別雪原には、真っ白な枯れ木に

歌を捧げる祖霊の民がいる。


ラティナのセリフ

幾つかの古大樹と、オルディナの典礼街を超えた先に

私の、帰りたい場所があるのだ




おそらく、この枯れ木が古大樹なんだろう。

そして古大樹は、祖霊の民にとって

信仰対象のようだ。


では古大樹とは何なのか?


古大樹とは、世界樹が飛ばした

種子が芽吹いたものなのでは。


黄金の種子

幻影の木の根元で見つかる、黄金の種子

それはエルデンリングが砕けた時

黄金樹から各地に飛来した

生命が、自らの終末を悟ったかのように

 

化身の儀仗

エルデンリングが砕けた後、現れた化身たちは

滅びゆく黄金樹の、子孫を守る意志であるという


黄金樹の種子が小黄金樹となったように、

世界樹が終わりを悟り飛ばした種子が、

古大樹となったのでは?


つまり古大樹に祈りを捧げる祖霊の民は

世界樹へ祈りを捧げている。


ちなみに聖別雪原にも腐敗した化身がいるが

こちらは古大樹でなく小黄金樹だと思われる。





地底の祖霊の民は、永遠の都が地底に沈んだ時に

巻き込まれた者たちだと推測している。

祖霊の民は、元々は地上にいた。


つまり古大樹への信仰が生まれたのは、

太古、ウルの王朝が地底に沈められるより前となる。


よって地上の祖霊の民が、

彼ら本来の信仰の姿なのだと考えた。



では地底の祖霊の民は、なぜ黄金樹から距離を置き

祖霊を信仰したのか?

そもそも祖霊とは何か?


祖霊の王の追憶

祖霊とは、黄金樹の外にある神秘である 

死から芽吹く命、生から芽吹く命 

そうした、生命のあり様である

 

祖霊の角

祖霊の王の角を切り取ったもの

倒れた王の角を苗床に

幾つもの若芽が開き、光を放っている

それは、死から芽吹いた命であり 死から力を得る


免疫の角飾り

それは、芽生えかけの角であるという

長く生きたは、角に新たな芽生えを迎え

それを永遠に繰り返し、いつか祖霊となるのだと

 

光角の頭環

芽吹きがあり、特にそれが光る角は

祖霊に最も近しい、特別な祭具であり…



まとめると…


獣は、生と死の芽吹きを繰り返し、祖霊となる。

そして祖霊の民は、祖霊に近づこうとしている。


つまり獣は角の芽生えを繰り返し、

獣→祖霊の民→祖霊となる。


これを、生と死の輪廻だと考えた。

輪廻の先にある生命の進化を説明しているのでは。



角の芽

本来、生えるはずのない獣に芽生える角

それは坩堝の名残であるという


角の芽生えとは、坩堝の名残りのようだ。

つまり坩堝とは、生と死の輪廻である。


また、死を霊炎で燃やした太陽の律にも、

生と死の輪廻が存在していたと考えられる。


そして、エルデンリングの生と死の概念により

構築された世界樹の律もまた、

生と死の輪廻が成り立っている。


太陽と世界樹どちらにも

芽生えに必要な生と死の輪廻が成立していた。

そのため祖霊の民は、

太陽信仰から世界樹信仰に、

信仰対象を変えることができたのでは。




また、王朝遺跡には、

二頭の獣が火(?)を掲げる図像がある。

この獣は、アズラの獣人によく似ている。


アズラの獣人と祖霊の民は、

ともに獣から進化した存在であり、

ウルの王朝とファルム・アズラは、

ともに太陽から世界樹へ、

信仰対象を変えた都である。


ウルの王朝に置かれた図像は、

双方が共通した信仰を有していたことを

示しているのだと考えた。

火は死のルーンの炎だろうか。






ウルの王朝と、ウルドの王朝どちらにも

根を抱えた彫像が見つかる。

これは大樹根を擬人化した姿だと解釈した。


祖霊の民は

角の芽生えと、植物の根が成長する姿を

重ねたのかもしれないし、

根から大樹へ還る『還樹』のように、

大樹根に『死からの芽生え』を

見出したのかもしれない。



そして、地底に沈められたわけだが

その時には、世界樹は焼け落ちていただろうし、

問答無用で地底に沈められた被害者にあたる。

祖霊の民にとっては、

黄金樹と距離を置く理由として十分だっただろう。


そうして地底で独自の信仰を見出した者たちが

現在、地底にいる祖霊の民なのではないか。

こうして地底の祖霊の民は

祖霊を信仰したのだと考えた。



一方で地上に残された祖霊の民は、

変わらず大樹を信仰したと見られる。


世界樹から黄金樹へ信仰を移したようだが

その結果、死からの芽吹きが失われ

祖霊となる者が現れなかった。


そのためウルドの王朝遺跡には

祖霊がいないのだろうと考えた。



やがて、ウルとウルドの王朝に、
新たな時代の予兆、神託を探す神官が現れるのだった(後の『泥人』)


泥人

 

泥人の遺灰

神託を探す古い王朝の神官、そのなれの果て


神託の使者たちの遺灰

聖なる術を使う、人ならぬ楽団の霊体

神託の使者たちは、新しい神、あるいは時代の

予兆として現れ、神託の笛を吹き鳴らすという


泥人は、王都ローデイルにいた神託の使者と同様に

新しい神、時代の予兆として現れたのだろう。

新しい神とは、宵眼の女王のこと。


泥人の銛

隕石の尖った欠片を、その刃とした銛

王朝遺跡に蠢く、泥人たちの得物


当時から泥のような姿だったかはわからない。

地底に沈められた影響、

神を失った影響、

あるいは一つの時代の終焉により、

泥のようになったと考えることもできそう。



こうして、太陽信仰を排斥し
『太陽』と『冷たい太陽』は、その存在を希薄にしていく
太陽の神『真実の母』の権能は、信仰の弱まりにより失われていった
そして太陽神は姿を消す
唯一、瞳を潰されたものだけが、
永遠の暗黒で燃える『血の星』として、垣間見ることができる程度の
弱い神になり果てたのだった


太陽神


太陽は影は薄いが、ちゃんと存在している。

冷たい太陽に関しては、まったく見えない。

そもそも、そんなもの無いのかもしれないが…


蝕のショーテル

蝕まれ、色を失くした太陽を象ったもの


ソール城砦:幻影のセリフ

おお太陽よ!ソールの冷たい太陽よ!

どうか、蝕まれ給え

魂無き骸に再誕をっ

 

ソール城砦:幻影のセリフ

申し訳ありませぬ、ミケラ様

まだ、太陽は蝕まれませぬ。我らの祈りが弱いばかりに


蝕紋の大盾

蝕まれ、色を失くした太陽は

魂無きデミゴッドの守護星であり

彼らを、運命の死から遠ざけるという


ソールの城砦では、冷たい太陽を蝕むために、

祈りが捧げられている。

これは日蝕のことを指していると思われる。


しかし、巨大な月が2つある世界で、

日蝕が起きる原理は、はっきりしない。

現実世界の日蝕の概念は

持ち込むべきでないかもしれない。


’’色を失くす’’とは、

見えなくなるということなのかも。

まだ太陽は蝕まれていないようだが、

祈りの影響で、

ほとんど視認できなくなっているのだろうか?


ここで捧げられている祈りとは、

魂無きデミゴッドを

運命の死から遠ざけるためである。


死の否定であり、太陽の否定でもある。

太陽を蝕むのだから。


この世界では、信仰や祈りが

実際に効力を持つのだろう。

これは黄金樹や聖樹が

信徒を集めていた点からも推測できる。


聖杯の雫

黄金樹の時代、布教はその要であり

かつては、そこに確かな恵みがあった


信仰には力がある。

ならば冷たい太陽は、信仰の弱まりにより

存在が希薄となってしまい、

視認できなくなったのかもしれない。



太陽神は、他の外なる神々と同様に

指の勢力に敗北したのだと考えた。


しかし、消滅はしておらず、

太陽神は『血の星』として存在していると推測する。


罪の茨

罪の茨で自らを傷付け

周囲に、渦巻く血の大茨を召喚する

3度まで、連続で使用できる

茨でその瞳を潰された咎人たちは

永遠の暗黒で、血の星を見出したのだ


自らを3度傷つける魔術。

これは信仰により振るうことができる。


モーグウィンの聖槍

血の君主モーグの、三又の槍

新王朝の象徴となるべき聖槍

それは、呪われた血に力を与える

外なる神との交信の祭具でもある

真実の母は、傷を望んでいるのだ

専用戦技「血授の儀」

聖槍を掲げ、姿なき母の身体を刺す戦技

三度まで刺し、刺す度に血の爆発を生じる

聖槍は血炎を纏い、それはしばらく継続する





血の君主は、姿なき母を槍で3度刺す(ニーヒル)。

罪の茨とよく似ている。

そして、モーグは『真実の母』からこの力を授かった。


血授

姿なき母の身体に腕を差し込み

その血炎を前方に撒き、炎上させる

地の底で、傷を望む真実の母に見えた時

モーグの呪われた血は、炎となった

そして彼は、生まれついた穢れを愛したのだ


「真実の母」=「姿なき母」と読み取れる。

姿の見えない外なる神。

そして、「罪の茨」と、

「血授の儀」(ニーヒル)の類似性。


両者は起源が同じであり

咎人の見出した「血の星」とは、

「姿なき母」なのだと解釈した。


血の星=真実の母=姿なき母





咎人は、瞳を潰されてなお、

巨人山嶺で火の釜を崇めている。

火の釜と血の星に関連性があるのだろう。

血の星は、燃えていたのでは?


失明したことで、永遠の暗黒の中に

燃える血の星を偶然見出したが

その正体は掴めなかった。

そして、火という共通点から

火の釜を崇めたのでは。


火よ、渦巻け

炎は、それを見つめる者を惹き付ける


血授

姿なき母の身体に腕を差し込み

その血炎を前方に撒き、炎上させる

地の底で、傷を望む真実の母に見えた時

モーグの呪われた血は、炎となった

そして彼は、生まれついた穢れを愛したのだ


姿なき母はモーグの血に、炎を授けた。

炎という点でも、血の星と、姿なき母は共通する。



真実の母が、なぜ太陽神なのか?


真実の母は、忌み子モーグと邂逅し

呪われた血に炎を授けた。

忌み子は、呪われて産まれた赤子である。


忌み水子

呪われて生まれた赤子の像


そして、忌み子の心を宿した『糞喰い』は

太陽のメダルを掲げている。


無垢金の針

外なる神の干渉を避けるための呪具であり

不治の宿痾、腐れ病を抑えるという


宿痾とは、外なる神の干渉である。


巨人の赤髪

巨人たちは、皆一様に赤髪であり

ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという

それは巨人の呪いだったろうか


呪いもまた、外なる神の干渉のようだ。

つまり忌み子の呪いとは外なる神の干渉で、

糞喰いが掲げた、太陽神の呪いなのだと考えた。

なぜなら糞喰いは、呪いを愛していたのだから。


グレートスターズ

巨大な三連星球を持つ大槌

血塗れの星は凶兆であり

攻撃命中時、僅かにHPを回復する


血の星は凶兆である。

黄金樹にとって、

太陽神は外なる神という驚異だった。

そのため、凶兆とされたのだろう。


血の星は、やけに3という数字と縁がある。

3は神聖な数字であり、神を意味するとされる。

血の星や、姿なき母の正体が神であることを

暗に示しているのかもしれない。



世界樹の権威は、絶大なものとなった
世界樹を信仰する者たちは、
やがてその根である、大樹根の元に、
地下墓地を建てていく
栄誉ある者は地下墓地に埋葬され、
大樹根から直接、世界樹の御許へ還ることを許された
信仰から『還樹』は生まれ、風習は、狭間の地に根付いていく




大樹根


根脂

主に、地下の大樹根から採取できる天然樹脂

その根は、かつて黄金樹に連なっていたといい

故に地下墓地は、大樹根の地を選んで作られる


黄金樹と大樹根は、別物だと考える。

黄金樹が燃えたとき、

地底の大樹根は燃えていなかった。

これは、黄金樹と大樹根が

異なる存在だからなのだろう。


「かつて連なっていた」とある。

例えばミケラは、聖樹を聳えさせるとき、

繭となっていた。




ミケラが聖樹を聳えさせるにあたって、

エブレフェールの地を選んだのは、

そこに連なるべき古木…

つまり古大樹があったからなのでは。




黄金樹も同様に、

マリカが大樹根に連なり聳えさせたものなのでは。

ならば大樹根とは、黄金樹よりも

以前から存在する、大木の根だったもの。

つまり、世界樹の根のことなのだろう



植物には、「接ぎ木」という育成法がある。

二種の植物体を接着する技法で

その目的は多岐にわたるが

下部の植物体と上部の植物体を

入れ替えるために行うことがある。


大樹根に連なり黄金樹が聳えたのは、

接ぎ木に近い概念で

黄金樹の成長を助長するために

行った行為なのだと考えられる。



還樹とは


「根脂」のテキストにある通り、

地下墓地は、大樹根の地に作られる。


世界樹信仰の時代に、

大樹根は狭間の地全域へ根を張り、

その根のある場所に、

地下墓地は作られたのだろう。




地下墓地では、根に大量の人が巻き付いている。

これが『還樹』なのだと思われる。


嵐の麓の地下墓:幻影のセリフ

正しい死とは、すなわち、黄金樹に還ることなり

待ちなさい。根が貴方を呼ぶ、そのときまで


還樹とは、正しい死である。

黄金樹に還ること、

つまり死による回帰を指している。



しかし黄金樹の時代、死は黄金樹へ還らなかった


首なし騎士、ルーテル

彼女は英雄として、還樹を賜った


還樹を賜ったはずの英雄の遺灰は、

霊喚びの鈴により呼び出すことができる。


ラニのセリフ

それは、霊喚びの鈴でな

黄金樹に還ることのなかった遺灰から、霊を喚ぶことができる


根に還り、正しく死んだはずの英雄は

黄金樹に還ることができなかったようだ。



黄金樹の時代にも還樹の風習は残ったが

正しく機能していなかったのだろう。

エルデンリングから死のルーンが取り除かれたため、

死による黄金樹への回帰が

機能していなかったのだと考える。


世界樹信仰の時代は、

これが正しく機能していたため

このような風習だけが後世にも残ったのだろう。



宵眼の女王は、他の神との戦いに目を向けていく
狭間の地に蔓延る、数多の神々を排除するため
ゲルミア火山に巣くう『蛇神』を調伏し、交わると
永遠に喰らい生きる『大蛇』や
『神肌』と呼ばれる、使徒たちを産み落とすのだった
宵眼の女王は、神肌を筆頭に従え、
外なる神々を狩っていく
狭間の地の制圧は、もはや時間の問題だった


大蛇と神肌


蛇神の曲刀

古い蛇神の象られた曲刀

ゲルミアの、失われた信仰の祭具

生贄を捧げるために使われたとされ

敵を倒したとき、HPが回復する


蛇神という神を示す曲刀がある。

この信仰は、すでに失われている。

神は、今はもう、いないのだろう。


蛇人の遺灰

遥か昔から、ゲルミア火山に巣食う老蛇

デミゴッドを喰らい、蛇人どもを産み落としたという




ライカードは己が身を大蛇に喰わらせた。

よく見ると左側に蛇の卵が写っている。

この卵から孵ったヘビが

ライカードを喰らったのだろう。


大蛇と化したライカードと

遥か昔からゲルミア火山に巣食うという老蛇は、

永遠に喰らい生きるという点と、

蛇人を産み落とすという点で、

特性が一致する。

大蛇は、老蛇の子だと思われる。



一方、神肌には、『貴種』と呼ばれる者がいる。


神肌の貴種フード

貴種とは、最も古い使徒たちであり

人ならぬ諸相を、その身に宿しているという

それは黄金樹の原初、坩堝にも似ている





貴種には尻尾が生えている。

これは蛇人の尻尾と、よく似ている。





また、神肌の『使徒』には、

尻尾は生えていないが、身体が伸びる。

この特徴は、蛇人にも同様に見られる。

つまり神肌と蛇人には、共通するルーツがある。



神肌を率いたのは、宵眼の女王である。


神狩りの剣

かつて神肌の使徒たちを率い

マリケスに敗れた、宵眼の女王の聖剣



宵眼の女王=デーディカという前提で話を進める。


デーディカの禍

皮膚を剥がされた狂気の肖像 

慈しみの薄笑いを浮かべている

デーディカという名のその女は

あらゆる不義、姦通を行ない 

無数の異形の子をなしたという

(姦通とは、道徳的でない関係のこと)


デーディカの産んだ、無数の異形の子…

この内、蛇神と交わり産まれたのが

ゲルミアの大蛇と、神肌なのだろう。


プラキドサクスとの交わりと同じ様に、

蛇神の血を濃く継いだ者が大蛇として産まれ、

宵眼の女王の血を濃く継いだ者が、

神肌として産まれたのだと考える。



しかし、世界樹の構築する、生と死の円環…
その理の中にあっても、生は永遠ではなかった
宵眼の女王は長い時の中で、
次第に老いを感じるようになり、
死への恐れを募らせていく


永遠の生


死の概念が含まれる世界樹の律は、

永遠の命を約束するものではない。

長命な稀人といえど、やがては老い

死にゆくだろう。




キャラクター作成時の外見プリセット

『稀人』は老いている。


他の外見プリセットと異なり

男女でビジュアルに違いが無い。



神の心が抱いた恐れは、
エルデンリングが内包する死の力を、より高めてしまう
生と死のバランスは崩壊し、
強まりすぎた死の力は、
世界樹を燃やしてしまうのだった


世界樹の終焉


完全律の修復ルーン

現黄金律の不完全は、即ち視座の揺らぎであった

人のごとき、心持つ神など不要であり

律の瑕疵であったのだ


神が心を持つから、律は欠陥となる。

宵眼の女王は、老いにより、死への恐れを強めた。

その結果、世界樹の律は均衡を崩す。



宵眼の女王が死を恐れたとは?


宵眼の女王は、やがて雪魔女となったのだと考えている。


輝石の氷塊

老魔女は、幼少のラニに教えたという

冷たい魔術と、暗い月への恐れ


暗い月とは、死の象徴である。

老魔女は、自身が抱いた死への恐れが

転換点となったからこそ

ラニにその教えを説いたのだと考えた。

この辺りは、改めて後述します。



死が強まり世界樹が燃えたとは?




黄金律は、生の概念のみで構築されている。



褪せ人が死のルーンを解放したとき

律に死は回帰し、拒絶の刺が焼けた。




そして、褪せ人がエルデンリングを修復すると

火は消え、再び黄金樹が聳えている。



メリナの願いは、黄金律への死の回帰だった。


メリナのセリフ

この世界には、修復が必要だと思う

そして、分け隔てない死


つまり、エンディングの黄金樹は

死を内包しているにも関わらず、

火が鎮火し、

再び黄金樹として聳えたということになる。

律の、生と死のバランスが、

そのまま黄金樹へ表出している。




褪せ人が死のルーンを解放した時、

エルデンリングは砕けていた。

生の概念が弱まり、死が強まったからこそ

黄金樹は激しく燃えたのだろう。




火の大罪

黄金樹を焼くは、原初の大罪

人の身には決して許されぬことじゃ


これが原初の大罪であり

神が起こした大事件だった。



大いなる意志は、この出来事を受け
エルデンリングの調整と、神の選出を誤ったのだと判断する
五本指も失敗作と捉えられ、指から、不要な物を取り除くことを決定する
五本指は、生の代弁者である『二本指』と、
死の代弁者である『三本指』に分かれるのだった
そして指に呼応するように、エルデンリングも二つに分かれた
死の概念は『死のルーン』となり分離
死のルーンとエルデンリングは、宵眼の女王の身体から離れていく


分かたれる五本指とエルデンリング


三本指の言葉

すべては、大きなひとつから、分かたれた

分かたれ、産まれ、心を持った

けれどそれは、大いなる意志の過ちだった

苦痛、絶望、そして呪い。あらゆる罪と苦しみ

それらはみな、過ちにより生じた


三本指の言う、大いなる意志の過ちとは

この、指を二つに分けた出来事だと考える。



指とエルデンリングの関係とは?





現代の狭間の地にいる二本指は、

みなボロボロである。

これは、マリカがエルデンリングを砕いたことに

起因すると考えた。

エルデンリングが砕けたとき、

二本指も同じように損傷したのでは。




しかし三本指には、

二本指のような兆候が見られない。

これは、三本指がエルデンリングの、

死の概念を継承しているためだと考えた。


死のルーンは砕かれていないので

三本指に外傷が見られないという推測。


つまり、エルデンリングに生じた変化が、

指にも同じように生じている。


ならば逆も然り

指に生じた変化は、エルデンリングにも生じる。

五本指が二つに分かれたとき、

エルデンリングも二つに分かれた。




ラストバトルのマリカとラダゴンは

身体が砕けている。

これは、エルデンリングの幻視を宿す身で

乱暴にリングを砕いたため、

身体も砕けてしまったのだと考える。


しかし前史時代に起こった

五本指とエルデンリングの分離は、

創造主である、大いなる意志による御業。


なので宵眼の女王の身体に、

マリカがリングを砕いた時のような

反動は無かっただろうと考えた。




ちなみに、ラニの二本指は身体が崩れていない。


ラニのセリフ

デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが

それぞれの二本指に見出され…


二本指は、デミゴッドそれぞれに割り振られるようだ。


ギデオンのセリフ

円卓は、居場所を探り続けているのだ

大ルーンを棄てたとされる、ラニ以外の3人の居場所をな


ラニと他のデミゴッドの違いは

・大ルーンを棄てたこと

・肉体だけの死者であること


このあたりが、ラニの二本指だけ

外傷が無い理由だと思われる。

あるいは、こいつだけ特異な個体なのかもしれない。

青いし



身体から離れていく力を、宵眼の女王は、なんとか留めるため
呪痕を刻むことで、剣に、死のルーンを封じ込めることに成功する
死の封じられた剣は、『神狩りの剣』と呼ばれるようになるのだった




神狩りの剣


黒炎の護り

使徒たちは皆、宵眼の女王に抱かれ

黒炎を内なる鎧とした


神肌のおくるみ

産まれたばかりの使徒は 

これに包まれ、宵眼の女王に抱かれる

そして神の死となるのだ


神狩りの剣

かつて神肌の使徒たちを率い

マリケスに敗れた、宵眼の女王の聖剣

使徒たちの操る黒炎は

この剣によりもたらされた


黒炎は、女王に抱かれ、授けられたとも

神狩りの剣より授けられたとも記述されており、

黒炎の供給元がどちらなのか判然としない。


かつては、死を内包するエルデンリングを

宵眼の女王が宿していたが、

死のルーンとなり分離したため、

神狩りの剣に封じ込めた。

このように考えると、矛盾が解消される。



こうして大いなる意志は、死の概念を失敗の原因と捉え、
宵眼の女王と、三本指を切り捨てた
しかし、大いなる意志の御心など、誰も知る由もなかった
指がその言葉を受け取るためには、とても長い時間が必要だったのだ


大いなる意志の御心


二本指は、大いなる意志のことがわかっていない。


エンヤ婆の代弁した二本指の言葉

褪せ人よ、よくぞ為した。

大いなる意志も、‘’きっとお喜びだろう‘’




拒絶の刺が、黄金樹への道を阻んだ時、

二本指は、大いなる意志と交信を始める。


エンヤ婆のセリフ

指様が、止まってしまわれた

起こるべきでないことが起き、迷われ、

大いなる意志と交信しているのじゃ

交信が終われば、指様はまた、

お主たちに言葉を、指の導きをもたらす

…だがそれは、数千、数万の日が経った先になるだろう


指は大いなる意志の言葉を、

常に受け取っているわけではない。

交信を行ったとしても、

その言葉を受け取るには長い時間が必要となる。


つまり、指は基本的には

独自の判断で動いているということになる。


「大いなる意志は、きっとこう思っているに違いない」と。



つづく

長くなったので二つに分けます。


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