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2022年11月11日金曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part1(後編)



本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/w4QGsSiy8vE



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。



死のルーンを所持する宵眼の女王は、
狭間の地の人々にとって、未だ神と呼べる器だった
一方、新たな代弁者となった二本指は、次代の神候補として『マリカ』を選出する
マリカには、エルデンリングが継承された
こうして、宵眼の女王とマリカの、神の椅子を巡る戦いが始まるのだった


二本指の選んだ神人:マリカ+生の概念

三本指の選んだ神人:宵眼の女王+死の概念

という対立関係となる。



永遠の都は、宵眼の女王とマリカ…
どちらを指導者として支持するのか、
大きく二分されることになる
宵眼の女王を支持する『星見の民』たち
一方、マリカを支持する『ザミェルの騎士』たち
その他にも、エルデンリングを継承したマリカを神と定め、支持する者が現れ
宵眼の女王は、大きく戦力を欠くこととなってしまう


二人の神の台頭


大いなる意志の御心は、誰も知らない。

二人の神を継ぐ者の登場。

そして、双方、永遠の都に由来があるとなると、

稀人の意見も割れたのではと考えた。



ザミェルの騎士は稀人なのか?




ザミェルの仮面

巨人戦争の英雄として名高い

ザミェルの騎士たちの仮面

冷たい風を纏い、長き命を持つ彼らは 

太古から、火の巨人たちの宿敵であったという


ザミェルの騎士は、巨人戦争の英雄であり

火の巨人の宿敵だった。

つまり、マリカと共に、巨人と戦ったことになる。


巨人戦争

英雄たちの戦い、トロルの裏切り

火の敗れ、黄金樹の時代のはじまり


そして、「ザミェルの仮面」の記述によると、

ザミェルの騎士は長命とある。

長命は、稀人の特徴でもある。


稀人顔

長命であるが、産まれる者はごく少ない


ザミェルの氷嵐

ザミェルの街に伝わる魔術

ザミェルの騎士たちは、氷嵐を纏い

大古から、火の巨人たちに挑み続けた


ザミェルは、氷嵐の魔術を扱う。

氷の魔術は、雪魔女の魔術と一致し

人造生命の秘めた素養とも近しい。

永遠の都に、由来があるのだろう。


蒼銀のフード

狼の背に乗る、しろがねの射手たちの装備

蒼銀は、彼女たちと同じ母から生じた金属であり

魔力冷気に対して耐性がある


夜巫女と剣士の傀儡

冷たい血の流れる異人種であり

流体の武器を振るう



また、黒き刃の刺客との関連性が疑われる。




アルター高原の「貴き者たちの英雄墓」に

ザミェルの古英雄がいるのだが、

入り口を、黒き刃の刺客が守っている。


黒き刃のフード

陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは

すべて女性であり、一説には

マリカに近しい稀人であったという


黒き刃の刺客は、「陰謀の夜」の実行犯であり、

稀人とされる。


ロジェールのセリフ

黒き刃の陰謀の夜…

その実行犯は、永遠の都の末裔たる、

暗殺者だと言われています


稀人は、永遠の都の末裔とされる。




「啜り泣きの封牢」に封じられたザミェルもいる。

倒すと「ラダゴンの刻印」を落とす。


ラダゴンの刻印

エルデのルーンが刻印された瞳

それは、王配ラダゴンの印であるという

刻印は、神に見出された者

生涯の使命を与えられた証である


ザミェルたちは、

巨人戦争の英雄であるはずなのに

不自然に扱いが悪い。


巨人山嶺では、廃墟を彷徨っている。

何かやらかしたのかもしれない。


ザミェルたちは

陰謀の夜に加担したのでは?

それがラダゴンの与えた使命で、

ザミェル騎士の一人は罪に問われ

封牢に捕らえられた。


ザミェル=黒き刃の刺客とも考えてみたが、

しかし、「ザミェルの仮面」では’’彼ら’’という

三人称で呼称されている。


一方、黒き刃の刺客は、みな女性であったという。

性別が異なる。

(人称だけで判断するのもどうかと思うが)


男性の稀人がザミェルの騎士となり、

女性の稀人が黒き刃の刺客となるのだろうか?



そこで、新たな戦力を得るため、
宵眼の女王は、秘密裏に巨人山嶺へ北上する
影従の獣『トレント』は、
二本指の支配から逃れるために、死して霊馬となると
宵眼の女王は調霊術により喚びだし、共に旅をする




この間、古竜は何をしていたのか


古竜は巨体のため、隠密行動には向かない。

プラキドサクスは別の場所で、

マリカの目を引き付けたのでは?


宵眼の女王が準備を整え次第、

巨人山嶺から宵眼の女王が南進。

ストームヴィル城からプラキドサクスが北進。

南北から王都を挟み撃ちにする作戦だった…

などと考えてみた。




聖別雪原にある「寄る辺の洞窟」には

謎の古竜の亡骸がある。

この古竜の背に乗り、宵眼の女王は

山嶺へ降り立った。

などと考えることもできそう。


あるいは、プラキドサクスたち古竜は、

マリカに懐柔され、宵眼の女王を裏切ったのかもしれない。

これについては後述します。



トレントは影従の獣なのか?




マリカにマリケスが与えられたように

宵眼の女王にも、影従の獣が与えられたはず。

それがトレントだったのではないか。


しかし、指には、影従の獣を制御する力がある。

例えば、ラニの二本指は、

ブライヴを操り支配しようとした。




ラニのセリフ

そして私は、二本指を拒んだ

死のルーンを盗み、

神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも

私は、あんなものに操られたくはなかったのだ


ラニが肉体だけの死者となり

指の支配を逃れたように、

トレントも自ら命を絶ち、

指の支配を逃れたのでは。

そのため、トレントは霊馬となったのだと考えた。


永遠の都に伝わる、調霊術なら

霊馬を喚び出すこともできただろう。



旅立ちの前…、宵眼の女王は、一つの策を用意していた
宵眼の女王は、その身に宿る意志を分けることで、
『シャブリリ』という名の、別人格を生み出す
シャブリリは、マリカの軍勢に混沌を与えるために、生み落とされたのだった
そしてシャブリリの名は、突如現れ助言を与えては、忽然と消える。
予言者として知られるようになる
情報を売り、情報を得る。ダブルスパイのような役割を担ったのだった


シャブリリとは、デーディカである


シャブリリの禍

目を潰された狂気の肖像

媚びるような薄笑いを浮かべている

シャブリリという名のその男は

讒言の罰として、人々に瞳を潰され

やがてそこに、狂い火の病を宿したという


デーディカの禍

皮膚を剥がされた狂気の肖像

慈しみの薄笑いを浮かべている

デーディカという名のその女は

あらゆる不義、姦通を行ない

無数の異形の子をなしたという





マリカと宵眼の女王は、対比の関係となるよう

描かれていると感じた。


マリカ⇔宵眼

  生⇔死

二本指⇔三本指




『ラダゴンは、マリカである』

対比となるのならば

『シャブリリは、デーディカである』


デーディカとシャブリリについては、

作中にまったくといっていいほど

情報がない。


しかし裏を返せば、当人たちの情報が乏しくても

解を導ける構成となっている。


つまり、対比関係の人物がおり

鏡写しにすることで

答えを得られるのでないと考えた。


輝ける生命の時代を掲げ、

数多英雄を産み、人々の導き手となったマリカと


死のルーンを掲げ、

あらゆる不義、姦通により、

神狩りの軍勢を産んだデーディカ。


マリカの言霊

そして、はじめようじゃないか。

輝ける生命の時代

エルデンリングを掲げ、我ら黄金樹の時代を!


そして、

人々に英雄と呼ばれ、

完全を目指したラダゴンと


狂い火の病の起源とされ、

歴史上、最も憎悪されたシャブリリ。


ラダゴンの肖像

英雄は、完全たるを目指したのだ


シャブリリの叫び

シャブリリは、狂い火の病の起源とされ

歴史上、最も憎悪された男である


マリカとデーディカ。

そしてラダゴンとシャブリリ。

双方を比較すると

まさに光と闇のような対比になる。



なぜシャブリリが予言者?


マリカとラダゴンが

ひとつの身体を共有していたなら、

デーディカとシャブリリも同様だったと考える。


デーディカが巨人山嶺で活動していたなら、

シャブリリは常にマリカの軍に

介入することはできない。


現れたり消えたりしても不自然でなく、

シャブリリらしい役どころとして

予言者とした。


シャブリリは讒言の罰により

瞳を潰されているので、

権力者に近づけるポジションにいたのだと考えた。


讒言とは:他人をおとしいれるため、

目上の人にデタラメな告げ口をすること。



そして宵眼の女王は、雪原を支配していた巨人の神…『悪神』の元へ向かうと
大釜に、死のルーンの炎を授け、協力関係を結ぶ
悪神たちも、いずれはマリカに排除される対象だった
両者の利害は一致した
そして宵眼の女王は、巨人と交わり
『トロル』や『北方人』と呼ばれる子を次々と生していく


単眼の盾

かつて巨人たちが祀った悪神である



宵眼の女王が、巨人に火を授けたとは?


巨人の火の釜で、メリナ、あるいは褪せ人が、種火となることで

黄金樹は燃えた。




さらに死のルーンを解き放つことで

黄金樹は激しく燃え、拒絶の刺を焼いた。




つまり、巨人の火と、死のルーン。

両者の力は似ている。





巨人の火では深部まで焼くには足らず、

死のルーンを解放することで

ようやく拒絶の刺が焼けた。

といった捉え方ができる。




さらに巨人の火の釜から、

死のルーンが封印された

ファルム・アズラへ行けることからも、

両者に密接な関係があると考えられる。


炎のエフェクトにしても

  死のルーン=黒+赤の炎

神肌=黒

巨人=赤






薙ぎ払う黒炎

黒炎とは、すなわち神狩りの炎であった 

しかし、マリケスが運命の死を封じた時

その力は失われた


神肌の炎は、運命の死が封じられた時

本来の力を失った。

ならば、巨人の火も同じように力を失い、

その残滓のみを残したのかもしれない。



巨人の火と黒炎の関係性は

黒炎僧兵からも推測できる。


黒炎僧兵、アモン

神狩りの黒炎に忠誠を誓ったアモンは

火の僧兵、最初の裏切り者である

いや、アモンは火から逃げたのだ

その心の弱きが故に

 

黒炎僧兵の兜

彼らは、神狩りの黒炎に魅入られ

監視者たるを捨てた、裏切り者である

禁忌とは、抗い難い誘惑なのだ


黒炎に魅入られた火の監視者は

裏切者の誹りを受けている。

巨人の火と黒炎は、非常に似ており、

共に、抗いがたい魅力があるのだろう。


つまり、両者は起源が同じであり、

巨人の火は、

宵眼の女王が授けたものなのだと考えた。

神肌に黒炎を与えたように、

巨人にも炎を授けたのだと。





巨人山嶺にある「霊喚びの洞窟」には

神肌の霊体が現れる。


この地で死した神肌がいたのだろう。

これを、神肌が巨人と共闘し、

マリカの軍勢と戦ったという

根拠の一つとした。


宵眼の女王は、大釜に火を灯し、

悪神をはじめとする巨人たちに火を授け、

協力関係を結んだ。


さらにこの時、巨人と交わり、

トロルを産み落としたのではないか。


トロルハンマー

トロルたちは巨人の末裔であり…

 

北方顔

荒涼とした北方人たちの外見

巨人の末裔であるともいう




例によって、巨人の血が濃い者が、トロルとして産まれ

宵眼の女王の血が濃い者が、北方人として産まれたのだと考える。



ちなみに…


ボレアリスの氷霧

太古、山嶺の主であった氷竜は

火の巨人たちに敗れ、頂を追われたという


竜は、宵眼の女王とプラキドサクスの

末裔だと推測したが、

ボレアリスは、火の巨人と争っている。


宵眼の女王が、

悪神と同盟を結ぶ前の出来事なのか、

あるいは宵眼にもマリカにも属さない、

独立した竜だったのかもしれないと解釈した。


現代の竜も、ラニに仕える者がいたりする。

竜も一枚岩ではないのだろう。



宵眼の女王を支持する『星見の民』は
山嶺に新たな拠点を築き、巨人たちの隣人となる


夜と炎の剣

魔術師の前身たる星見のはじまり

空に近い、遥か高い山嶺にあり

火の巨人が、その隣人であったという



星見の集落では、おぞましい探求が行われる
それは、後に『源流』と呼ばれる探求、その始まりだった
心臓を切り裂き、原輝石と置き換えることで
より星の生命を探求し、やがて星の子となることを目指す
犠牲が出ようとも、探求という言葉により、肯定されるのだった
しかし、その行いに疑問を持ち、探求を否定する者も中にはいた


源流


創星雨

かつて古い星見が見出した、最古の源流魔術

それは、輝石の魔術のはじまりとされる





この星見の廃墟から、源流魔術が始まっている。

廃墟には、霊クラゲのクラリスがおり、

クララと引き合わせると封印が解けて

「原輝石の刃」を入手できる。


原輝石の刃

血濡れた古い輝石の刃

原輝石を、自らの魂とするために 

古い魔術師は、この刃で心臓を切り裂く

そしてそのまま死んでいく




廃墟の裏手にある墓石には、次のように刻まれている

星を見られなかった姉妹 クララとクラリス」



セレンの原輝石

原輝石とは、すなわち魔術師の魂である


魔術師塊のタリスマン

輝石魔術には、源流という禁忌がある

魔術師を集めて星の種となす


原輝石と心臓を置き換えることで、

より輝石魔術の深淵に潜る…

それが源流の探求における一手段なのだろう。





原輝石と魔術師塊は、どこか似ている。


石炭を圧縮するとダイヤモンドができるように

魔術師の塊から原輝石が作られるのだろうか?


墓石に書かれた「星を見られなかった」とは、

原輝石の刃で心臓を切り裂き、

そのまま命を落としたのか。

あるいは、魔術師塊のような、

星の種となることができなかったことを

指すのだと考えた。



セレンのセリフ

輝石には、星の生命の残滓、その力が宿っているのだよ

覚えておくがいい

輝石の魔術とは、星と、その生命の探求なのだと

 

セレンのセリフ

学院は源流を極めるのだ

そして我ら落とし子は、いつか輝ける、星の子となるだろう


魔術師の圧縮を永遠に繰り返すことで

やがて星そのものとなる。


圧縮された生命は

輝石という、星の琥珀を生みだす根源となる。

それが源流なのだと考えた。



集落の子『レナラ』は、星の子となる運命を否定し
故郷を出奔する
幼い彼女には、雪原の一人旅はあまりに過酷であったが
旅の中で出会ったトロルや竜に助けられる
幼きレナラは友となった彼らと、盟約を交わすのだった
「いつか私が大きくなったら、あなたたちを騎士に迎える」
「そして互いに、助け合おう」と


レナラは星見の廃墟出身なのか




星見の廃墟近くで「グレートフード」が入手できる。

ここに、幼い頃レナラがいたのだと推測した。


グレートフード

幼きレナラは 確かにこの月を見上げたのだ


レナラは故郷を、おそらく出奔している。


星見少女の伝承

星見の少女は、夜空を見上げ歩いた

ずっとずっと、星を追って旅をした

そして満月と出会い、女王となった


レナラの満月

女王レナラが、その幼き日に出会い

後に学院を魅了した、美しい月である



満月の魔術を修めたレナラは

レアルカリア学院で学院長となると、

源流魔術を禁忌とし、

源流探求者たちを追放している。


セレンのセリフ

…私が、レアルカリアの学院を追放されていることは、覚えているな

その理由は、私が輝石魔術の源流を、その復興を志したからだ

カーリアの王家を受け容れ、骨抜きとなった衒学ではなく

禁忌なき、真摯な探求としての輝石魔術を、私は望んでいるのだ


レナラが源流魔術に否定的であることがわかる。



レナラには盟約の友がいる。


巨剣陣

トロルの魔術騎士たちが用いたもの 

彼らは、幼きレナラの盟約の友であった


トロルの騎士剣

カーリア王家に仕えたトロルたちの武器

女王が、盟約の友と呼んだ彼らは 正式なカーリア騎士であり

人の騎士と共に剣を掲げたという


ラニが魔術で作り出したと思われる、

全盛期のレナラは

「盟約の友」と言いながら、トロルと竜の霊を喚ぶ。




幼いレナラに、巨人山嶺を

一人で越える力があったとは考えにくい。

旅で出会ったトロルや竜に助けられ、

満月と出会ったのではないかと考えた。


その時に、トロルたちと盟約の友となったのでは。



そうして幼いレナラは、星を追って旅をし、
満月…すなわち宵眼の女王と出会う
女王は、幼き同胞に素質を認め、月の魔術を授けるのだった


宵眼の女王という満月


グレートフード

幼きレナラは 確かにこの月を見上げたのだ


星見少女の伝承

星見の少女は、夜空を見上げ歩いた

ずっとずっと、星を追って旅をした

そして満月と出会い、女王となった




グレートフードの拾える場所から

月に向かって線を引くと

「霊喚びの洞窟」と重なる。

ここには、神肌の霊が現れた




おそらく、この洞窟に宵眼の女王がいたのだろう。

月を見上げ旅をしたレナラは

宵眼の女王と出会い、満月の魔術を授かった。



なぜ、満月=宵眼の女王なのか?


レナラの満月

女王レナラが、その幼き日に出会い

後に学院を魅了した、美しい月である


ラニの暗月

母レナラに手を引かれ、幼いラニが出会った月

それは、冷たく暗い神秘の月であった


雪魔女の尖り帽

それは、幼少のラニが森の奥で出会い

冷たい魔術を学んだ、老いた雪魔女の装束であり

彼女がその魂を宿す、人形のモデルになったという

老魔女は、ラニの秘密の師であった


ラニは雪魔女から、冷たい魔術を学んでいる。

そして「ラニの暗月」は冷気を蓄積させる。

つまりラニが出会った暗月とは、

雪魔女を指している。


満月と出会ったレナラが、

幼いラニを雪魔女と引き合わせた。


ならばレナラの出会った満月とは、

それを授けた何者かを示していると推測できる。


ラニのセリフ

私の律は、黄金ではない。

星と月、冷たい夜の律だ

…私はそれを、この地から遠ざけたいのだ

生命と魂が、律と共にあるとしても、

それは遥かに遠くにあればよい

確かに見ることも、感じることも、

信じることも、触れることも

…すべて、できない方がよい




暗月は、死の象徴として描かれている。


レナラの出会った満月は、

ラニが出会った時、暗月へと変化している。

これは授けた人物の変化…

死を表現していると考える。


つまり、ラニに暗月を授けた人物と

レナラに満月を授けた人物は同一であり、

この人物こそ、宵眼の女王=雪魔女なのだろう。


満月=宵眼の女王=雪魔女=暗月




山嶺では、異変が起こることもあった
世界樹が燃え、エルデンリングから死が分かたれた時…
律は壊れ、生と死の円環が不完全となってしまった
やがて生命が混ざり合い、『混種』と呼ばれる者が産まれるようになる
山嶺にも、そういった者が産まれるようになっていた
『ヒューグ』は混種として産まれ落ちたが、
宵眼の女王は、生まれで差別などしなかった
女王は、ヒューグの才を見抜き、巨人の持つ、鍛冶の技を継承させるのだった




混種の鍛冶師ヒューグ


翼の混種の遺灰

混種は、坩堝に触れた罰の存在であるとされ 

生まれながらの奴隷、穢れ者である


ヒューグのセリフ

あんたが連れてきた、あの娘

あれには、調霊の才があるぞ

ずっと昔、見たことがある

あれはそういう瞳の色


ヒューグのセリフ

昔、世話になった人が調霊師でな

せめてもの恩返し


ヒューグは、調霊師に恩がある。

調霊師は、ローデリカのような、瞳の色をしていた。

(色とは、直接的な意味ではないかもしれないが)


ヒューグのセリフ

ほう、この鎖が気になるか

見ての通り、虜囚の鎖だ。他の何でもない

円卓に縛られ、死なず、お前たちの武器を打つ




ヒューグのセリフ

おお貴女、お許しくだされ、お許しくだされ

まだ、足りませぬ。神には、届きませぬ

けれどきっと、必ずや、貴女の願いを

お許しくだされ、女王マリカ


ヒューグは、マリカを恐れている。

マリカと調霊師は、別人と思われる。



ハンマー

鍛冶仕事は、古くは巨人の技であったといい

 

トロルハンマー

トロルたちは巨人の末裔であり

これは古い祭具、鍛冶道具であるという 

古では、鍛冶とは神事であった


鍛冶は、巨人の技であり、神事だった。



ミエロスの剣

巨人の背骨から作られたという禍々しい大剣

ミエロスは巨人としては矮小であり

酷く醜く、穢れていたという


穢れは、巨人が滅ぼされる前から発生していた。

ヒューグは、巨人の支配権で産まれ

鍛冶を修めたのだろう。


火の巨人の追憶

火の巨人は、巨人戦争の生き残りである

釜の火が不滅であると知った時

女王マリカは、刻印の呪いを施したのだ

小さき巨人よ。永遠の火守りとして生きるがよい


火の巨人は最後の生き残りと思われる。



永遠の都で研究された調霊術。

稀人である宵眼の女王には、調霊の才があった。


巨人の元でヒューグと出会い、

鍛冶の才を見出し、修めさせた。


それ故に、ヒューグにとって調霊師は恩人で、

巨人を滅ぼしたマリカは、

恐れの対象なのだろうと考えた。






ちなみにレナラの瞳は、

ターコイズの色をしている。

琥珀のタマゴを抱えるレナラの瞳は黄金色だが、

これはタマゴの色を反射しているためと思われる。




ローデリカの瞳の色に似ている。

レナラにも調霊の才があったのだろう。

戦闘中も霊を喚ぶ。



一方、マリカは
新たな神を名乗り、多勢を率いるため
象徴となる存在を作り出す必要があった
焼け落ちた世界樹が残した根である『大樹根』に宿り、
『黄金樹』を聳えさせる
この時は、まだ器を作ったにすぎず、
新たな律は形成されていなかった


黄金樹と黄金律


根脂

主に、地下の大樹根から採取できる天然樹脂

その根は、かつて黄金樹に連なっていたといい

故に地下墓地は、大樹根の地を選んで作られる




黄金樹は、マリカが繭となり、

大樹根に接ぎ木されることで生じたと考える。



黄金樹と黄金律は、何が違うのか?


咆哮のメダリオン

古い時代、巨人は黄金樹の宿敵であった


巨人戦争より以前から、黄金樹は存在している。


マリカの言霊:第一マリカ教会

戦士たちよ。我が王、ゴッドフレイよ

導きに従い、よくここまで戦ってくれた

あの頂きに、巨人たちを打ち滅ぼし、火を封じよう

そして、はじめようじゃないか。輝ける生命の時代を

エルデンリングを掲げ、我ら黄金樹の時代を!


マリカは、巨人を滅ぼした後に

黄金樹の時代が始まることを告げている。


黄金樹の護り

そのはじまりにおいて、黄金樹の敵は全てだった

数知れぬ戦いと勝利によって、それは律となったのだ


黄金樹は戦いの後に、律となった。


遠眼鏡

黄金樹の時代、カーリアの星見は廃れていった 

夜空にあった運命は、黄金の律に縛られたのだ


カーリアの星見は、黄金律が構築されたことで廃れた。


聖杯の雫

黄金樹の時代、布教はその要であり

かつては、そこに確かな恵みがあった



まとめると…


巨人戦争の時代から黄金樹は聳えているが、

黄金律はまだ構築されていなかった。


数知れぬ戦いと勝利によって、

黄金律は生まれており、

布教は、黄金樹にとっての要であった。


つまり、

黄金樹への信仰から、黄金律が生まれている。


黄金樹とは、律を宿すための器であり、

律とは、器があるからこそ生じるものなのだろう。


これは、生命の構成に近いのかもしれない。


黄金樹=肉体

エルデンリング=魂

律=意志


だからこそ、人の意志から生まれた修復ルーンが

黄金律の修復に使えるのだと…

そのように考えた。




【補足】


エルデの追憶

それは、大いなる意志の眷獣であり

律たる概念の具現であった


エルデの獣は律たる概念の具現であった。

エルデの流星が降った時から、

律という概念は生じていたと考えることもできる。 


エルデの流星

最古とされる黄金樹の祈祷

かつて、大いなる意志は

黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り 

それが、エルデンリングになったという


エルデの獣がエルデンリングとなった。

あるいは、黄金の流星とエルデの獣。

双方が合わさりエルデンリングが生まれたと解釈もできる。




褪せ人の対峙したエルデの獣が、

先史時代からあの姿であったかはわからない。

死のルーンが分かたれたりと

エルデンリングそのものが、その姿を変えているのだから。

エルデの獣は死のルーンにまつわる力を使わない。


エルデの獣とは、

死のルーンが取り除かれたエルデンリングに生じた、

黄金律という概念の具現化した姿であると。

そう考えた。



そしてマリカは、蛮地の王と呼ばれる、
『ホーラ・ルー』を伴侶として迎える
ホーラ・ルーにはアズラの獣人から、宰相『セローシュ』があてがわれ
セローシュは、ホーラ・ルーという獣に知性を授ける
ホーラ・ルーは、戦士の昂ぶりを抑えると、
最初のエルデの王『ゴッドフレイ』を名乗るのだった


ゴッドフレイ


ホーラ・ルーの追憶

最初のエルデの王、ゴッドフレイは

ある時祝福を奪われ、褪せ人となり

同じ者たちを連れ、狭間の地を離れた


ゴッドフレイの肖像

ゴッドフレイは、猛き戦士であった

けれど、王となるを誓ったとき

沸々と滾り続ける戦意を抑えるため

宰相の獣、セローシュを背負ったのだ


戦士ホーラ・ルーは、セローシュを背負い、王となった。




セローシュとは何者なのか


獣爪の大槌

柄頭に五本の獣爪を配した大槌

黄金の鬣を纏う黒き爪は

後にゴッドフレイ王の宰相となった

獣王セローシュの象徴であったという


チンクエディア

ファルム・アズラにおいて

高位の司祭に与えられる短剣

かつて獣たちに贈られた知性

その象徴たる、五指が象られている


獣達に贈られた知性の象徴が、五指である。

これは、五本指の存在を示していると考えている。


しかしそれだけでなく、

ホーラ・ルーという獣に

知性を授けたセローシュをも、

同じく示しているのではないか。


五指は、ダブルミーニングとして用いられている。

その意味するところは、セローシュもまた

ファルム・アズラの獣人である。

ということなのだと、

そのように解釈した。



両軍が準備を整えていく、緊迫した時間が続いたが
北方の前線で、巨人を抑えていたザミェルの騎士が、
氷湖の洞窟に潜む、宵眼の女王を発見する
遂に、戦乱の火蓋が切られたのだった


巨人戦争が始まる引き金は何だったか、

何らかの出来事があったんじゃないかと想像した。


マリカにとっての最優先対象は

宵眼の女王だったはず。


巨人山嶺に対象がいると発覚したことで

マリカが戦力を向けて

巨人戦争が始まったのだと考えた。


巨人山嶺に配置されたザミェルの騎士が

宵眼の女王を発見したのだとしたら

戦争の引き金としては十分だという想像。


特に根拠とかは無く、つじつま合わせです。



悪神と火の巨人、そして神肌を率いる宵眼の女王の軍勢
ゴッドフレイとマリケス
ザミェルの騎士を従える、女王マリカの軍勢
両者の激突は、後に『巨人戦争』と呼ばれる
戦況は拮抗するが、マリカが策を弄する
巨人の末裔であるトロルに剣を与え、黄金樹の軍勢に抱き込んだのだった
宵眼の女王の軍勢は、内側から瓦解する




巨人戦争

英雄たちの戦い、トロルの裏切り

火の敗れ、黄金樹の時代のはじまり


トロルの黄金剣

古い時代、巨人戦争において

黄金樹に与した巨人たちに与えられた剣

いまや知性を失くした巨人たちは

金の被膜の剥げ落ちた、みすぼらしい剣を 

それでも肌身離さず背負っている




巨人山嶺の英雄墓には、

黄金剣を持つトロルの像(亡骸?)がある。



そして宵眼の女王は、マリカの影従の獣である『マリケス』に敗れ
死のルーンを宿した『神狩りの剣』を奪われてしまう
宵眼の女王は、辛くも前線から退くのだった


神狩りの剣

かつて神肌の使徒たちを率い

マリケスに敗れた、宵眼の女王の聖剣

使徒たちの操る黒炎は

この剣によりもたらされた


マリケスに敗れたとある。

殺害されてはいないのだろう。


死のルーンを宿した剣だけ

奪われたのだと考えた。



追い詰められた宵眼の女王は、起死回生を狙う秘策に出る
マリカの軍勢に潜ませていた禍の種、
もう一つの人格『シャブリリ』を使い、大きな揺さぶりをかけた

シャブリリは嘯いた
「死を分けたエルデンリングの構築する律は、完全ではありません」
「それは、大いなる意志の過ちなのです」
「おおマリカよ。あなたでは永遠を約束することはできない」
「その不完全は、やがてあなたに、その身を分けさせるでしょう」
「はじまりの女王である宵眼こそが、真の神に相応しき存在なのです」
かねてから予言者として知られたシャブリリの言葉は
マリカの軍勢を大きく動揺させる
内側から混乱させ、士気を下げる計略だった
しかしマリカは、揺らがなかった
シャブリリの予言を讒言と一蹴し
罰として瞳を奪ったのだった
瞳を奪われた宵眼の女王はトレントに乗り、たまらず敗走する


シャブリリの罰


シャブリリの禍

目を潰された狂気の肖像

媚びるような薄笑いを浮かべている

シャブリリという名のその男は

讒言の罰として、人々に瞳を潰され

やがてそこに、狂い火の病を宿したという


シャブリリの話した内容は、

こんなこと言ったんじゃないかなって妄想です。



シャブリリが話した讒言とは

具体的に何で、

誰に宛てたものだったのだろうと考えると


黄金樹と、神であるマリカを否定する発言なら

讒言といって不自然でなく、

狂い火を宿し、黄金樹と生を否定した契機として

十分だと考えた。



シャブリリ=デーディカだったなら

マリカが自身と同じ様に、

身を分かつことができると知っていただろう。


そして、かつてエルデンリングを宿した

神だったからこそ、

生の概念のみで構成された

エルデンリングの歪さにも

誰よりも気づいていたのではないか。


その不具合を修正するために

いつかマリカが身を分かつと。

そう予言したのだという妄想です。



デーディカの禍

皮膚を剥がされた狂気の肖像

慈しみの薄笑いを浮かべている

デーディカという名のその女は

あらゆる不義、姦通を行ない 

無数の異形の子をなしたという


これまで常勝であったデーディカに

撤退という発想は無く、

かつ自身の子を、できる限り見捨てたくなかった。

という妄想。


シャブリリの禍

目を潰された狂気の肖像

媚びるような薄笑いを浮かべている

シャブリリという名のその男は

讒言の罰として、人々に瞳を潰され

やがてそこに、狂い火の病を宿したという


潰すという言葉には、

機能を失わせる。という意味もある。

英語版のテキストには

his eyes gouged out と記されており、

「目をくりぬいた」と翻訳できる。


デーディカ=シャブリリだとするなら

肉体を共有しているシャブリリにも

死の祝福を宿す、宵眼が表れていたかもしれない。


なぜなら、黄金樹の祝福を授かった

ラダゴンをはじめとする神々は、

みな瞳に黄金色を宿していたのだから。






マリカはなぜ、瞳を奪ったのか?


宵眼には特別な力があるのだろう。

だからこそ、宵眼の女王と呼ばれたのだろうし。


いつか、狭間の地に、

死にまつわる禍が起こるかもしれない。

そういった不測の事態に備えて、

瞳を奪ったのかもしれない。



宵眼の女王は瞳を奪われたことで、

さすがに勝ちの目を諦めて敗走した。


例えどれだけ追い詰められていたとしても、

霊馬トレントさえいれば

容易に脱出できるであろうことは、

狭間の地を旅した褪せ人諸氏なら

納得いただけると思う。


トレントが優秀すぎる。



そこからは、マリカによる残党狩りが始まった
マリカは悪神を討つ
そして、釜の火が不滅であると知ると、巨人を一人だけ残した
最後の巨人に刻印の呪いを施し、永遠の火守としたのだった
こうして、巨人戦争は終結した
そしてマリカは高らかに勝鬨を挙げ
輝ける生命の時代、その始まりを告げる


巨人戦争の終結


単眼の盾

それは、女王マリカが討ち取ったとされる 

かつて巨人たちが祀った悪神である


ちなみに…

悪神の瞳は、木星に似ているという噂がある。

宇宙から飛来したことを

示唆しているのかもしれない。




火の巨人の追憶

火の巨人は、巨人戦争の生き残りである

釜の火が不滅であると知った時

女王マリカは、刻印の呪いを施したのだ

小さき巨人よ、永遠の火守りとして生きるがよい


マリカの言霊:第一マリカ教会

戦士たちよ。我が王、ゴッドフレイよ

導きに従い、よくここまで戦ってくれた

あの頂きに、巨人たちを打ち滅ぼし、火を封じよう

そして、はじめようじゃないか。輝ける生命の時代を

エルデンリングを掲げ、我ら黄金樹の時代を!


 

マリカは王都に戻ると、黄金樹に宿る
そして長い時間をかけて、新たな律の構築を始める


黄金律の構築


聖樹紋の大盾

無垢金の聖樹が描かれた、金属の大盾

しかし、聖樹は醜く育ち

美しい聖樹は見果てぬ幻想となった


聖樹紋のサーコート

サーコートには、聖樹の紋章が描かれている

ミケラの血を受けた、聖なる芽生えの若木

だがそれは、遂に黄金樹とはならなかった


ミケラは繭となり、

聖樹を第二の黄金樹と為そうとした。

聖樹に宿り、

新たな律を構築しようとしたのだろう。


だとしたらそのやり方は、

過去の前例に倣っていると考えた。

黄金律が構築された時も、

同様のやり方が取られたのでは。


マリカが黄金樹に宿ることで、

黄金律が構築されたのだろう。



一方、宵眼の女王は、『四鐘楼』の転送門を通り
ノクローンへと敗走する
宵眼の女王は、死のルーンをマリケスに奪われ、
さらにマリカに『宵眼』をも奪われてしまった
もはやその身に運命は無く、
満月を思わせる、輝かしき女王の姿はそこにはなかった
力を失い老いさらばえた、ただのデーディカが、そこにいたのだった


四鐘楼




四鐘楼には、特殊な転送門が用意されており、

『王を待つ礼拝堂』、『ファルム・アズラ』、『ノクローン』と繋がっている。





そして、四鐘楼に刻まれたレリーフは、

ウルの王朝などの地底遺跡にある、

根を抱えた彫像とよく似ている。



転送門でつながる三地点には、

共通点があると考える。


その前に、王を待つ礼拝堂について整理する。


王を待つ礼拝堂は、

建築様式がストームヴィル城と同一である。

おそらくストームヴィル城が一部分断され、

礼拝堂だけが孤立したのだろう。



王を待つ礼拝堂  ストームヴィル城



嵐鷹の古王

ストームヴィルに本当の嵐があった頃

鷹たちの王として君臨した、一羽の遺灰


本当の嵐とは、『嵐の王』の事なのだと考える。


エルデ王の冠

黄金樹の始まりは、戦と共にあり

ゴッドフレイは戦場の王であった

巨人戦争、嵐の王との一騎打ち…


そして嵐の王とは、

プラキドサクスなのだと考える。


本当の嵐=嵐の王=プラキドサクス



竜王の追憶

時の狭間、嵐の中心に座す竜王

黄金樹の前史、エルデの王であったという


嵐の中心に座す竜王こそ、嵐の王を名乗るに相応しい。

ストームヴィル城は、かつて、プラキドサクスの居城だったのだろう。





ストームヴィル城から神授塔への道中に

失地騎士の像がある。

失地騎士の兜飾りには、竜があしらわれている。


失地騎士という呼び名自体は、

仕える主を失った騎士への総称だと思われるが、

(失地騎士の甲冑は王都にもある)

その中には、

かつて古竜に仕えた者がいたのかもしれない。




ファルム・アズラにも失地騎士がおり、

竜餐の祈祷を使う。

竜食べたの?






つまり四鐘楼により繋がる、これらの

太古の遺跡は、

すべて宵眼の女王の支配圏ということになる。






そして転送門はデザインは、

永遠の都の建築とよく似ている。


四鐘楼とは、

高い文明レベルを誇る、永遠の都の技術を用い

各地への連絡路として、

用意されたものなのだろう。



すべてを失った女王は、

デーディカという、一介の女性へ戻った。

こうして、レナラの出会った美しき満月は、

ラニの出会った暗月=老魔女へ

変化したのだと考えた。



なぜ四鐘楼からプラキドサクスの元へ向かわなかったのか


この考察だと、

四鐘楼からノクローンへ向かわずに

ストームヴィル城へ向かって、

プラキドサクスに助けを求めることも

できたのでは?…と考えた。


しかし、ホーラ・ルーに対してアズラの獣人から

宰相の獣セローシュがあてがわれたことを鑑みると

ファルム・アズラはマリカへ迎合している

可能性も考えられる。

この点を補完していく。



竜王の岩剣

原初の雷を宿したさざれ石の刺剣

追憶から得られた、竜王の力の片鱗

永遠なき、卑小な竜の末裔たちに

高い威力を発揮する


プラキドサクスの滅び

それは、時の狭間に永遠に座した竜王の

滅びゆく断末魔であった


プラキドサクスは永遠を生きる古竜の王である。


雷撃

さざれ石のウロコを持つ古竜は 

雷を武器とする、竜たちの祖先であり…


竜は古竜の末裔である。

古竜より生じたときに、岩のウロコを失っている。


竜傷脂

さざれ石を混ぜ合わせた根脂

武器に塗り、竜に対する特効を付加する

竜は、古竜より生じたとき、岩のウロコを失った

それこそが、竜に致命の傷を与えるという


さざれ石とは、古竜の岩のウロコである。

さざれ石は、永遠なき、卑小な竜の末裔たちに

高い威力を発揮する。


さざれ石の聖印

古竜の鱗とされる、さざれ石の聖印

王都古竜信仰の祈祷を強化する

古竜信仰は、黄金樹への裏切りではない

この聖印も雷も、すべて金色なのだから




この聖印は、古竜のウロコとされる。

岩のウロコが欠けた内側に、金色の輝きが見られる。



この金色は、プラキドサクスや、フォルサクス、ランサクスにも見られる。



ランサクスは翼の内側に金色が見られる。



フォルサクスの雷槍

赤き双雷は、古竜戦役において

最も強き岩の名を持つ古竜の、象徴であった




最も強き岩の名を持つフォルサクスは、

ランサクス以上に体表に黄金が見られる。

しかしフォルサクスは、ゴッドウィンの死に蝕まれており、

その影響で黄金の比率が高い可能性も考えられる。




プラキドサクスは岩のウロコがボロボロに朽ちており、

体の内側に黄金を見ることができる。




ファルム・アズラには、古竜が埋まっている。

これらの古竜にも、岩のウロコから金色の輝きが覗かせる。


金色の輝きとは何なのか?


獣血

黄金のきらめきを宿した、獣の血液

肉食の獣を狩ると、手に入ることがある

ずっと腐ることがない


黄金のきらめきを宿した獣の血は、腐ることがない。


金の排泄物

何者かの排泄物、金色の大便

森や茂みに、隠れていることが多い

金色の大便は安定性が高い

乾かず、その熱と臭いを失わず

それはずっと大便である


金色の大便は安定性が高い。


すなわち狭間の地における黄金とは、不変である。

そして黄金とは、黄金樹を象徴する。


黄金樹の恩寵

黄金樹の特別な恩寵の象り

黄金樹の時代、そのはじまりにおいて

女王マリカは手ずからそれを与えたという


このタリスマンは、祝福を模しているのかもしれない。

マリカは手ずから祝福を与えた。


竜印の盾のタリスマン

黄金樹なき先史時代の主たる古竜

王を守る、巌の壁であったという


古竜は、黄金樹なき先史時代の主である。


黄金樹なき時代から、

ウロコに黄金を宿していたのだろうか?

古竜が宿す黄金は、生まれつきのものではなく、

後天的なものなのではないかと考えた。


すなわちマリカが、古竜たちに黄金の祝福を授けた。

黄金とは、永遠の命である。


つまり古竜たちは、永遠の命を条件に、

宵眼の女王を裏切ったのでは



トロルの黄金剣

古い時代、巨人戦争において

黄金樹に与した巨人たちに与えられた剣

いまや知性を失くした巨人たちは

金の被膜の剥げ落ちた、みすぼらしい剣を

それでも肌身離さず背負っている


トロルは巨人戦争において、黄金の剣を与えられ

黄金樹に与している。

この剣は、マリカが与えた黄金…

つまり永遠の生を仄めかしているのでは。


トロルたちは、永遠の命をもたらすという

マリカの誘いに乗り、悪神を裏切ったのかもしれない。





しかし現代において、トロルたちは奴隷のような扱いを受けている。

マリカは、安易に主を鞍替えするような者を信用しなかったのだろうか。

トロルたちは利用され、捨てられた。


同様に古竜たちも、宵眼の女王との決着の後に、

マリカから切り捨てられたのかもしれない。





その後プラキドサクスは

ゴッドフレイに敗れることとなったと考えている。

(この辺りはPart2にて後述します)


しかし古竜たちは、遠征中のマリカ・ゴッドフレイの不在を突き

王都を奇襲。

こうして古竜戦役が始まったのだと推測する。




そして王都の護りに就いていたゴッドウィンがフォルサクスと勇戦し、

両者は友となり和解。


さらに古竜の圧倒的な力に魅せられた王都民から、

古竜信仰が始まった。


王子ゴッドウィンの許しを得たこと。

さらに王都で始まった古竜信仰の時流により、

マリカは古竜たちをぞんざいに扱えず、

古竜は、トロルたちのような迫害を免れた。



このように考えれば、

宵眼の女王がプラキドサクスの元へ

向かわなかった理由として補完できる。

プラキドサクスは永遠の生に釣られ、

宵眼の女王を裏切ったのだと。


つまりデーディカは、プラキドサクスの元へ

戻らなかったのでなく、戻れなかった。



竜が古竜と異なり、永遠を宿さなかった理由


竜が古竜より産まれたのは、

宵眼の女王がプラキドサクスと交わった時だと考える。


宵眼との交わりにより、人に近い諸相を宿すこととなり、

さざれ石のウロコは体表から消えた。

しかし心臓にはさざれ石が見られる。


竜の心臓

竜狩りの果実たる、竜の心臓

さざれ石の混じった異形のそれは

まだ、生々しく脈打っている


さざれ石自体を失ったわけではない。

さざれ石そのものに永遠をもたらす力があるのなら、

竜は、永遠なき卑小な末裔とは呼ばれていないはず。



心臓のさざれ石には、黄金の輝きが見られない。

つまり黄金という永遠は、

さざれ石に後天的にもたらされた。


そして、竜が産まれた時点では、古竜はまだマリカに与していない。

そのため竜は、永遠を宿さなかったのだと考える。



デーディカは自身を裏切った大いなる意志への復讐を計画する
しかし、力を失ったその身では叶わないと知り、
復讐を、次の世代に託した

デーディカは、その身に呪いを刻み、『指殺しの刃』となる
身体は刃となり果て、命を落とすのだった


デーディカの復讐


死の概念を不要なものと見なされ

デーディカは、大いなる意志から切り捨てられた。


デーディカの思い描く復讐とは、

二本指と、大いなる意志への大逆。

そして、死の概念の必要性を、

狭間の地に知らしめること。

すなわち死の回帰だと考える。



指殺しの刃

永遠の都、ノクローンの秘宝

遺体から生まれたとされる刃

永遠の都の大逆の証であり

その滅びを象徴する、血濡れた呪物

運命なき者には振るうことはできず 

大いなる意志と、その使いたちを

傷つけることができるという



指殺しの刃は、誰の遺体なのか?


この刃は、遺体から生まれたとされる。

遺体から生まれた刃が、もう一つある。


神の遺剣

永遠に死ぬことのないはずの

神の遺体から生まれる剣

人々はそれに様々な意味を見出す 

大いなる罪、破滅、時代の終わり

あるいは始まりを


これは、ラダゴンの遺体から生まれた剣である。

エルデの獣が、ラダゴンを剣に変えている描写がある。





指殺しの刃と神の遺剣は、

デザインの特徴が一致する。

双方とも、人だったころの名残りを遺している。

握りは脚、鍔は腕、剣身は背骨のようだ。


指殺しの刃は、

大いなる意志を傷つけるほどの力を持つ。

これほどの絶大な力を持つ理由は、

神の遺剣と同様に、指殺しの刃も

神の遺体から作られたからだと考えた。



死したことで、二つの魂は肉体から解放され、霊となる
デーディカとシャブリリは黄金樹に還らず、それぞれの道を歩むのだった


ふたつの魂


双児の兜

分かたれぬ双児、Dは二人いる 

二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂


デーディカとシャブリリは

マリカとラダゴン同様に

一つの身体に、二つの意志と、二つの魂を宿していた。


一つの身体に押し込められた二つの魂は

肉体の死により解放されただろう。


ヘルフェンの尖塔

霊界において死者の道標となる灯火の樹 

ヘルフェンの黒い尖塔を模した大剣

その灯火は祝福に似て 

英霊だけが、それを見ることができるという


英霊は、霊界への道標を見ることができる。

つまり、還るも留まるも自由ということ。

神であったデーディカとシャブリリは、

英霊と呼ぶに相応しい。


ふたつの魂は共に、

霊界に還ることなくこの世に留まった。



デーディカは、永遠の都が作り出した人造生命を、精薬で傀儡に変える
そして傀儡に宿り、『雪魔女』となる
雪魔女は、愛馬トレントと共に、復讐を託せる継承者を探すため
長い旅へと出るのだった


雪魔女


夜巫女と剣士の傀儡

永遠の都で作られた古い傀儡

自ら望んで傀儡となった二人の姉妹

冷たい血の流れる異人種であり

流体の武器を振るう


星光の欠片

かつて、永遠の都では

精薬の材料として珍重されたという


永遠の都では、傀儡が作られていた。




さらに、大量の「墓すずらん」や、

秘蔵された「墓すずらんの大輪」から

調霊術も研究されていたことが伺える。


永遠の命を欲するが故の研究であり、

傀儡に宿ることで生き永らえようと、

探求されたものだったかもしれない。



雪魔女の尖り帽

彼女がその魂を宿す、人形のモデルになったという





ラニの人形が青白い肌をしているが、

写し身の雫が人型になった時の

肌の色に似ている。

デーディカは、己の姿を写し身に模倣させ、

それを傀儡としたのかもしれない。





ラニの人形が四本腕なのは、

レアルカリアの人形兵を

素体にしたからだろうか?



ラニのセリフ

お前に、預かりものがあってな

トレントの古い主が、私に託したものだ


雪魔女は、霊馬トレントと共にあったのだろう。



一方シャブリリは、三本指の元へと向かう
三本指は、王都の地下に封印されていたのだが
封印される直前、宵眼の女王の墓石を作り、言葉を刻んでいた
それは、狂いのはじまりであった
三本指は、大いなる意志に捨てられたうえに
宵眼の女王という神を失ったことで
深い絶望の末に、狂いはじめていた

やがて、太陽を信仰する『放浪商人』たちが、異教の疑いにより
王都の地下に生き埋めにされる
彼らはそこで、三本指の言葉が刻まれた指紋石を見つけると
絶望の呪詛を唱え、狂い火を呼ぶのだった




三本指


指紋石の盾

びっしりと指紋の刻まれた、巨石の盾

それは古い神の墓の一部であり

指読み無き指が、その言葉を刻んだ跡だという 

それは、狂いのはじまりであったろうか


三本指にとっての古い神とは

宵眼の女王のことだろう。


放浪商人の帽子

放浪の民の商人の帽子

色とりどりの、小さな宝石で飾られている

かつて、大隊商として栄えた商人たちは 

異教の疑いにより、一族郎党捕らえられ

地下深くに生き埋めとなった

そして彼らは、絶望の呪詛を唱え

狂い火を呼んだ




帽子にあしらわれた宝石は、

太陽光のプリズム分散を

表現しているのだろうか?


放浪商人の信仰する異教とは、

太陽信仰のことなのだと考える。





狂い火とは、かつて大いなる意志により排除された
太陽神『真実の母』の狂気の炎だった
皮肉にも三本指は、かつて排斥した太陽の力を、
その身に宿すこととなった

三本指は、狂い火を宿し
生も死も、律そのものを否定する
終末的思想に傾倒していく
この世界を焼く、『狂い火の王』を求めるのだった

そして、シャブリリもまた、両眼と、神の座を奪った黄金樹勢力への
恨みに狂い、狂い火の布教者となる
シャブリリも、デーディカと同じ様に、次の世代に復讐を託したのだった


シャブリリの復讐




「狂い火の灯台」に昇る炎は、

まるで太陽のようだった。


狂い火とは、太陽神の力の一端。

あるいは、排斥された太陽神の狂気なのでは。


メリナのセリフ

狂い火の王など、王ではない

生なき世界に、王などいるものか


ハイータのセリフ

彼らの王に、おなりください

苦痛、絶望、そして呪い。あらゆる罪と苦しみを

焼き溶かす混沌の王に…

もう誰も分かたれず、産まれぬように


狂い火は、あらゆる全てを焼き溶かし、

生きることすら否定する。


ぬくもり石

二本指の祈祷を施した遺跡石

かつて黄金樹は、太陽に似て暖かく

ゆっくりと人々を癒したという


狂い火石

三本指の祈祷を施した遺跡石

狂い火を宿さぬ者は、発狂を蓄積する

くれぐれも類似品に注意すること


元々、太陽神が備えていた炎とは考えにくい。

太陽の光にはぬくもりがあったのだから。


信仰を失い排斥されたことで、

太陽神もまた狂ってしまい、

狂い火を宿したんじゃないかと考えた。


シャブリリの叫び

シャブリリは、狂い火の病の起源とされ

歴史上、最も憎悪された男である


シャブリリの復讐と、デーディカの復讐は異なる。


ラダゴンとマリカが、

異なる意志を持っていたように、

両者は、それぞれに意志を持って行動した。


おわり




あとがき


プラキドサクスがエルデの王であった先史時代。

この時代を具体的に示す情報は無いに等しく、

考察は非常に難しいです。


しかしエルデンリングの物語を一通り考察すると、

そこに登場しない人物や建築物などが浮かび上がってきます。

それらを使って、先史時代の考察を行いました。

パズルでどこにはまるのかわからず、埋めらなかった余りのピースで

残りの空白を埋めていく作業に、感覚的には近かったです。



本考察の方針ですが、

①DLCが来るとは考えない。

②バージョン1.00は考察に含めない。

です。


①DLCで空白部分が補完されることには期待せず、

現時点で実装されている情報で

物語は完結するものとして考察しています。


②バージョン1.00のテキストは製作途中の試作的なものであり、

完成版とは内容が異なるものと捉えています。

(デーディカが男性でライカードの妾だったりと、設定が大幅に異なるので)

ただし中には、そのまま設定が

引き継がれているものもあるかもしれないとは考えています。



ここまで読んでいただきありがとうございました。

Part2につづきます。


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