TOP

2022年11月11日金曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part2(前編)



本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/8TzM5KvM64I



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。




マリカが新たな律を構築するまでの間にも、歴史は大きく動いていく
デーディカは死して『指殺しの刃』となったわけだが
大いなる意志は、指殺しという大逆を企てたデーディカに怒り
永遠の都に『アステール』を遣わす
暗黒より生まれたアステールは隕石を降らせる
永遠の都は衝撃により崩れ落ちていく
そして都の真下にあったウルの王朝を巻き込み、共に地底へと沈んでいく


デーディカと指殺しの刃





デーディカは、自身に組する永遠の都の住人と共に

指殺しの刃を作ったのでは。

その賛同者が箱に収めたのだと考える。




また永遠の都には、

『ノクステラの月』も収められている。


ノクステラの月

永遠の都、ノクステラの秘宝

それは、彼らが失くした黒い月を模している 

ノクステラの月は、無数の星を従えていた


黒い月とは、空にあった暗月のことだと考えられる。

無数の星とは、星見の民が探求した星々のことだろうか。


また、これは別の解釈もできる。

黒い月とは、宵眼の女王のことで、

無数の星とは、

デーディカの生した、異形の子を指している。


デーディカの禍

デーディカという名のその女は

あらゆる不義、姦通を行ない 

無数の異形の子をなしたという


【永遠の都】

【暗月】 

【星見】

【宵眼の女王】

【デーディカ】に

繋がりがあることを示唆していると、

そのように解釈することもできる。



大いなる意志の怒り



指殺しの刃

永遠の都、ノクローンの秘宝

遺体から生まれたとされる刃

永遠の都の大逆の証であり

その滅びを象徴する、血濡れた呪物

運命なき者には振るうことはできず 

大いなる意思と、その使いたちを

傷つけることができるという


夜巫女の双冠

太古、大いなる意志の怒りに触れ

地下深くに滅ぼされた


暗黒の落とし子の追憶

遥か彼方、光の無い暗黒で生まれた星の異形

それはかつて、永遠の都を滅ぼし

彼らから空を奪った、悪意ある流星である


アステール・メテオ

それは、かつてアステールが

永遠の都を、破壊し尽くした力である




永遠の都の真下にあったウルの王朝は

巻き込まれる形で、地底に沈んだのだと考えた。



永遠の都に魂を宿していた、椅子廟の巨人は絶命
永遠の都は、『夜人』をはじめとする人造生命だけを残し
都にいた稀人たちは絶滅したのだった




永遠の都の崩壊



写し身の雫の遺灰

永遠の都が、王を創らんとした遺物である

 

‘’遺物‘’という表現から、

 永遠の都の稀人は、滅んだのだと推測した。


ただし一部の稀人。

マリカに従った者たちは、

永遠の都にいなかったため、

被害を免れていると考える。



時を少しさかのぼり
ウルの王朝が、まだ地上にあったころ
『腐敗の神』を信仰する、キノコ頭の軍勢がウルの王朝を侵攻
そして一部を支配し、腐敗の王国を築いていた

遊牧の民『盲目の剣士』は、
湖の妖精である『青衣の踊り子』から流水の剣技を授かる
盲目の剣士は腐敗の神を湖に封じ、去っていった
そして、永遠の都が地底に沈んだ時、
腐敗の神も封印と共に沈み、
地底に『腐れ湖』が生まれるのだった


腐敗の神の侵攻



キノコの王冠

びっしりと全身に生えたキノコ

その、聳え立つ頭の部分

かつて朱い腐敗に仕えた、偉大なる王たち

これはその王冠であろう


この王冠は、『腐れ湖』で拾える。

そして腐れ湖には、ウルの王朝遺跡と

同じ建築様式の遺跡が見られる。




キノコ頭の王は、かつて王朝遺跡にいたのだろう。


青布の頭巾

遊牧の民の剣士の頭巾 

布地の青は、清涼な流水の象徴であり 

その剣もまた流れる水がごとくである

停滞はやがて淀みとなり、腐りゆく 

常に流れ行き、留まることなかれ


青い踊り子

青衣の踊り子を象った布人形

とても古い、伝承の遺物

青衣の踊り子は、妖精であったという 

妖精は、盲目の剣士に流水の剣を授け 

古き神、腐敗を封じたと伝わっている


腐れ湖の地図断片

エインセル河の下流に広がる腐れ湖は 

外なる神の一体、その神性の

封印の地であったという


蠍の針

大蠍の針を刃となした短剣

朱い腐敗の毒が滴っている

封じられた、外なる神の遺物を用いた

異教の祭具であるという



青衣の踊り子とは何者なのか。


踊り子は、妖精であったという。


地底には腐れ湖の他に、

「シーフラ河」と「エインセル河」があるのだが、


シーフラは、

アイルランドの伝承にある妖精の名前で、

エインセルは、

イングランドの伝承にある妖精の名前である。


妖精は、地底を流れる河に

関連があることを示しているのだろう。

青衣の踊り子も、

この辺りに生息する妖精なのかもしれない。



青布の頭巾

布地の青は、清涼な流水の象徴であり 

その剣もまた流れる水がごとくである

停滞はやがて淀みとなり、腐りゆく 

常に流れ行き、留まることなかれ


青い布は、清流の象徴であるという。

青衣の妖精とは、

水にまつわる妖精なのかもしれない。

腐れ湖が清流だった頃の、湖の妖精だろうか?


青い踊り子

とても古い、伝承の遺物


これは遺物である。

青衣の妖精は、もはやいないのだろう。



盲目の剣士とは何者なのか?



流水の曲剣

青衣の剣士の伝承に語られる

流水を模したという曲剣


義手剣士の伝承

生まれながら宿痾に侵された少女

師と、彼の流水の剣と出会い

無双の翼を得たという


おそらく少女とはマレニアのことであり、

師とは、腐敗の神を封じた

盲目の剣士だと考えられる。


彼という人称から、男性なのだろう。

男性で盲目というと、

思い当たるのはシャブリリくらいしかいない。



シャブリリという名は、

ユダヤ教の聖典タルムードの中で

を支配する悪霊として登場する。

(英文つづりも同じ)


青衣の踊り子とシャブリリが『水』で結びつく。

ただしこの結びつきは、

作品の外から持ち出した共通項によるものなので、

あまりあてにするものでもない。

しかし他に情報もないので、少し掘り下げてみる。



ユラに憑りついたように、遊牧の民に憑りつき

腐敗の神を封じたのだろうか?

しかし、シャブリリが腐敗の神を封じる理由も、

マレニアに剣技を教える理由もわからない。


盲目の剣士が腐敗の神を封じたことで、

結果的にマリカの子であるマレニアが呪われ、

腐敗の宿痾に蝕まれた。


そしてマレニアは、流水の剣技を修めたことで、

破砕戦争を苛烈に戦い、

腐敗の花を咲かせて、腐敗の女神に近づいた。


この戦いでマレニアは腐敗に傷つき、

ミケラはマレニアの治療を急ぐこととなった。


ミケラとマレニアの動きを封じること…

それがシャブリリの狙いだった?


…などと考えてみたけど、

そもそもの「水」による結び付けが

作品の外から引っ張り出したものなので、

これ以上掘り下げるのはやめます。



同じく地底に沈んだ夜人たちは
新たに夜人だけのコミュニティを形成し、
ノクスの民を自称するようになる
そして彼女たちは創造主に倣い、星見の探求を始める
地底に偽りの夜空を作り出すと
星の世紀のはじまりと、夜の王を待つようになる
しかし王は現れることはなかった


ノクスの民



夜巫女の双冠

永遠の都の夜巫女たちの双冠

それは、最高位の聖職たる証であり

絹でその瞳を隠している

太古、大いなる意志の怒りに触れ

地下深くに滅ぼされた、ノクスの民は

偽りの夜空を戴き、永遠に待っている

王を。星の世紀、夜の王を


ノクス剣士の冠

永遠の都の剣士たちの冠 

彼女たちは、夜巫女の衛士であり…


ノクスの民は役職を設けていたようだが、

身分の優劣を決めるものではなかったのだろう。

彼女たちには、己が王の椅子に座るという

発想は無かったようだ。



やがてノクスの民は、地底に昇降機を作り
秘密裏に地上に進出するようになる
偽りの夜空の探求から編み出した『夜の魔術』を、
地上の魔術師たちに普及していくと
次第に規模を拡大し、『魔術街サリア』を興す
それはノクスの民が、地上で活動するための隠れ蓑となった




魔術街サリア



夜巫女の霧

魔術街サリアの、夜の魔術のひとつ

サリアの地下には永遠の都、ノクローンが眠っている 

これは、その巫女の魔術であるという


ゴーリーのセリフ

お礼として、貴方様にお教えいたしましょう 

永遠の末裔サリア、その失われた魔術を


魔術街サリアに施された封印を解くと、

その先には、ノクスの剣士と僧がいる。




サリアと永遠の都に、

未だ繋がりがあることを示している。



やがてサリアは、かつて稀人が巨人山嶺に築いた一族。
「星見の民」の末裔と交わると、『魔術学院レアルカリア』を興す
『アズール』と『ルーサット』が筆頭となり、星と生命の探求が始まる
それは、おぞましき『源流』の探求。その再開であった




魔術学院レアルカリアの設立



創星雨

かつて古い星見が見出した、最古の源流魔術

それは、輝石の魔術のはじまりとされる


星見から、輝石魔術は始まっている。


セレンのセリフ

最初の輝石魔術師は、もう一人いる。ルーサット師だ

アズール師と同じように学院を追われ、どこかに幽閉されている

輝石魔術の源流を復興するために、必要なのだ 

星の子に、もっとも近づいたその体がな…


アズールとルーサットは、源流の魔術師である。


セレンのセリフ

ルーサット師は、学院を追われた後、

故郷に向かったと聞いている 

ケイリッドの野の東にある、サリアの街にな

それに、先ほど渡した輝石鍵を持っていたのも、

サリアの魔術師だった


ルーサットは、サリア出身だった。



アズールのローブ

魔術学院レアルカリア

その最高師範にのみ許されたローブ

アズールとルーサット

両最高師範が学院を追放されて後

その地位に着いた者は存在しない


アズールとルーサットは、最高師範と呼ばれた。


カロロスの輝石頭

最古の教室たるカロロスは

魔術師アズールをその起源とし

彗星の魔術を探究する


アズールを起源とする教室は

最古の教室とされている。



アズールとルーサットは、

レアルカリアに教室が開かれるより以前から

最高師範として学院にいたようだ。


二人は学院の創設に携わっており、

星見出身のアズールと、

サリア出身のルーサットが手を結び、

源流を探求するために

レアルカリアを興したのだと考えた。



時は流れ
満月の魔術を習得し、成長したレナラは
旅の中で出会い、配下となった者たちを引き連れ、
レアルカリア学院を訪れる
卓越した満月の魔術は、学院を魅了する
そして瞬く間に学院の長となると、学院から、源流探求者を追放する
学院の長となったレナラの権威は絶大で、
サリアにまでその影響を及ぼした
アズールは流罪、ルーサットはサリアに捕らえられる
そして当代の学園長だった『セレン』は、学院の虜囚となるのだった





レナラの源流否定



満月の女王の追憶

若き日、レナラは卓越した英雄であった

月の魔術で学院を魅了し、その長となり

輝石の騎士たちを率い、カーリアを王家となしたのだ


セレンのセリフ

私が、レアルカリアの学院を追放されていることは、覚えているな

その理由は、私が輝石魔術の源流を、その復興を志したから

カーリアの王家を受け容れ、骨抜きとなった衒学ではなく

禁忌なき、真摯な探求としての輝石魔術を、私は望んでいるのだ


セレンは、源流の復興を志したことで

カーリアを受け入れた学院に追放された。



トープスのセリフ

お前さん、セレンさんにも師事しているのかい

知っているとも。彼女は、学院はじまって以来の才媛だった

…しかし彼女は、学院を追放されたんだ

塊の魔女、数多の魔術師を惨たらしく手にかけた疑いで


セレンが源流を探求したことで

魔術師の大量殺戮が起こった。


魔女の輝石頭

この優しげな輝石頭は

特に、卓越した女性の魔術学徒に

魔女の二つ名と共に与えられた


輝石頭は、歴代の学院長を模している。

(レナラは除く)

セレンは、学院長だったと思われる。




レアルカリア学院長の就任順は、

肖像画の左から順に

カロロス→双賢→オリヴィニス→魔女→レナラ→ラズリ

と思われる。


左から四番目の女性が、セレンなのだろう。



セレンのセリフ

私の身体は、別のところにある。

学院の制約により、そこを動くことはできない




表向きは追放とされたが、

実際は学院により捕らえられていたようだ。



レナラは、配下と共に『カーリア王家』を興すと、堅牢な城館を築く
カーリアに従う者たちは、リエーニエの南部
月に近い高台に、『月の民』の集落を築いた
カーリアは、夜空に運命を探すようになる




カーリア王家の勃興



満月の女王の追憶

月の魔術で学院を魅了し、その長となり

輝石の騎士たちを率い、カーリアを王家となしたのだ


リエーニエの高地には

『月の民の廃墟』と呼ばれる場所がある。



月の民とは何者なのか?




月の民とは、カーリア王家に従う者たちだと思われる。

高台は月に近く、探求に向いている。




星見の民も、巨人山嶺に集落を築いていた。


現代では、集落は廃墟となっており、

所属不明の魔術師が潜んでいる。




この魔術師は、レアルカリアの輝石魔術を使ってくる。


『王家領の廃墟』(イジーのそばにある廃墟)にいる魔術師と

同じタイプである。




また、床に仕掛けられたトラップにも

レアルカリアの紋章が浮かぶ。

魔術師は、レアルカリア出身なのだろう。

姿を消す能力は、サリア由来の魔術だろうか?



カーリアの返報

それは、カーリア王家の

学院に対する密かな備えである

月と星は、いつか道を分かつだろう


カーリアは、レアルカリア学院と

戦う準備をしていた。


月の民は、レアルカリアに滅ぼされたのだろう。



だとしたら、

月の民は、どうやって断崖に集落を築いたのか?


この点を深掘りしようとすると、

多くの謎が生まれる。


長いので先に結論を言うと、


昔は断崖に行く方法があったが、

戦いや時間の経過で失われたのだろう。

読み飛ばしていただいて構いません。



レナの魔術師塔には、転送門が置いてある。




ここから、地底のエインセル河へ移動できる。




永遠の都の末裔である、レナラが用意したのだろう。

この湖畔の森で、レナラとラニは、

雪魔女と出会ったのかもしれない。



月の民は、レナの塔にある転送門から

地底を通過し、高台へ移住したのかもしれない。


しかし、地底のエインセル河から

月の民の廃墟に向かうには、

ノクステラや腐れ湖を通過し、




さらにアステールを越え、




昇降機を昇る必要がある。

かなり険しい道となる。



レナラが永遠の都の末裔である…

という前提なら、

ノクステラは通過できたと思われる。




ノクスの民の創造主は稀人なので、

レナラに従ったかもしれない。


腐敗の湖も、

当時はまだ腐敗の神が封じられて経過が浅く、

湖は腐っていなかったかもしれない。

清流であるなら通過は容易いだろう。





また、この時期はまだ、腐敗の眷属である蟲は

発生していなかったと思われる。


蟲のグレイブ

エオニアの沼から湧いた、蟲たちの得物


『蟲のグレイブ』によると、

蟲たちはエオニアの沼から湧いている。

つまり、腐敗により沼が生まれた時に蟲は生じている。

この時期はまだエオニアは腐敗していない。


問題は、棺桶で滝を落ちなければならない点と、

アステールを通過する必要があること。




ノクス僧のフード

永遠の都の僧たちの絹のフード

大古、大いなる意志の怒りに触れ

地下深くに滅ぼされた、ノクスの民は

偽りの夜空を戴き、永遠に待っている

王を。星の世紀、夜の王を




アステールがいた広場には、偽りの夜空が広がっている。

これはノクスの民が、魔術で創り出した光景だと考えられる。

ならば、アステールとノクスの民は、友好的な関係だったのだろうか?


アステールの薄羽

かつて永遠の都を襲ったという

暗黒の落とし子の遺物から作られた




薄羽は、泥人が徘徊する王朝遺跡で拾える。

泥人がアステールを討ったのだろうか?

地底に沈められた夜人や泥人たちは、

アステールと戦ったのかもしれない。


あるいは、アステールとノクスの民が、後年になり

友好的とは言わずとも、不戦の協定を結んだと

推測することもできなくはない。




地底には数体の、

羽化前のアステールと思しき者がいるが、

泥人と敵対している様子は見られない。



ノクスの民、泥人、祖霊の民も、

争っている様子は見られず

棲み分けが出来ている。


大いなる意志の怒りを買ったのは稀人であり、

ノクスの民や、泥人たちではない。

アステールも未だ地底にいるところを見るに、

大いなる意志に見捨てられている。

稀人が滅んだ時点で、争いの焦点は失われている。


終わりの見えない戦いに、両者共に気づき

手打ちとなったのかもしれない。



…などと考えると、

月の民が眼前のアステールを

通過することはできたのかもしれない。



一方、月の民の廃墟には、

レアルカリアの魔術師も到達している。

つまりレアルカリアの魔術師も、

地底を通って、

月の民の廃墟までやって来たことになる。


レアルカリア学院には、

源流と夜人の魔術が合わさり

誕生したルーツがあると考えられるので、

カーリア同様に、地底をパスする資格は

あるのかもしれない。


しかし結局、

棺桶で滝をダイブしなければならなかったり、

帰り道が無い片道切符であるなど、

整合をとるには無茶なことが多い。



立地の謎については深堀りせずに、

過去には、月の民の集落へ

直接行ける転送門があったが、破壊された。


もしくは、かつては陸路で行くことができたが、

長い時間の経過や、

戦争の影響で道が崩れ、断崖となった。

…などと解釈しておくのが妥当だと判断した。



レナラは、盟約の友であるトロルを、騎士に叙勲する
誓いは、竜や結晶人とも結ばれた
一部のトロルは自ら首を斬りおとし、
四鐘楼の永遠の守りとなることを誓った
危険な文明の遺産は、いたずらに掘り返すべきではない
太古の神秘へと通じる道は、レナラにより閉ざされたのだった


レナラの盟約の友たち





トロルの騎士剣

カーリア王家に仕えたトロルたちの武器

女王が、盟約の友と呼んだ彼らは

正式なカーリア騎士であり 

人の騎士と共に剣を掲げたという


降り注ぐ魔力

カーリア王家の魔術のひとつ

古い盟約に際し、結晶人から伝えられたという




ラニが魔術で作り出したと思われる

全盛期のレナラ。

盟約の竜よ」というセリフと共に、竜の霊を召喚する。






また、月の民の廃墟がある断崖には

竜と結晶人がいる。

この地が、レナラに由来のある場所だと示しているのだろう。




赤狼もいる。


ただし結晶人と結んだ古い盟約については、

レナラが直接結んだものでなく、

前身である星見の民が結んだものかもしれない。

生物より物質に近い結晶人は、

源流の理想に近しい存在だったと思われる。





四鐘楼の道中に、首の無いトロルの霊が現れる。

トロルはカーリアの騎士剣を持ち、

カーリアの防具を身に着けている。


このトロルは何者なのか?


その姿は、霊廟兵に似ている。


霊廟兵の遺灰

首のない五人の兵士の霊体

自在に姿を消し、また現れ、敵を翻弄する

霊廟とは、魂無きデミゴッドの霊安室であり 

その兵は、自ら首を落とした殉死者である


霊廟騎士の鎧

背中の羽飾りは、死の鳥に由来する

それは、自ら首を斬り落とし、殉死した後に

霊としてこの地に留まるための、呪いである


トロルは霊廟兵同様、自ら首を斬り落とし

霊として留まるために、

何かしらの呪いを負ったのだと考えられる。


その目的は、四鐘楼の護りとなるためであり、

カーリアへ高い忠誠を持っていなければ、

できないことだろう。




霊廟兵が護る歩く霊廟は、

建築様式が永遠の都と一致する。


そして稀人は、

調霊にも精通していたと思われる。




稀人の末裔であるレナラは、

霊廟兵の作り方を知っていたのだろう。


なぜ四鐘楼を守ったのか?





四鐘楼は、宵眼の女王が支配下に置いていた、

太古の建造物へと通じている。






源流否定派のレナラは、穏健派でもあり、

太古の技術が悪用されることを危険視し、

封印した。

そう捉えてみた。



さらに時が流れ、黄金樹に宿っていたマリカは、遂に新たな律を構築
死を否定する、生の概念だけで形成された、新たな理が生まれる
その理は、『黄金律』と呼ばれた
人々は、黄金樹の恵みを受け、輝かしき生命の時代を謳歌する
それは、永遠の都の宿願であった、永遠の生を得た瞬間でもあった


黄金律は、いつ始まったのか?



咆哮のメダリオン

古い時代、巨人は黄金樹の宿敵であった

その轟く咆哮は大自然を荒ぶらせ

雪崩をおこし、炎を嵐としたという


巨人戦争より前から、黄金樹は聳えている。


黄金樹の護り

そのはじまりにおいて、黄金樹の敵は全てだった

数知れぬ戦いと勝利によって、それは律となったのだ


数知れぬ戦いの後に、律となった。


巨人戦争以降も続いた戦争。

リエーニエ戦役や嵐の王との戦いを経て

律となったと捉えることもできる。


恵みの雫のタリスマン

かつて、恵みの雫は尽きぬ滴りであったという

豊穣の時代、けれどそれはごく短く

黄金樹は信仰となっていった


聖杯の雫

黄金樹の時代、布教はその要であり

かつては、そこに確かな恵みがあった


布教により信徒を増やし、

信仰から律が生まれたのかもしれない。


動画ではこの時点で

黄金律が始まったとしているが、

正確には、もっと後かもしれない。


遠眼鏡

黄金樹の時代、カーリアの星見は廃れていった 

夜空にあった運命は、黄金の律に縛られたのだ


カーリアの星見は、黄金律に縛られ衰退している。

カーリア勃興後に律が生まれたことで、

星見が廃れたのだと推測できる。


少なくとも黄金律の始まりは、

カーリア勃興後となる。


永遠の都が沈む

↓サリア誕生

↓レアルカリア学院設立

↓カーリア王家勃興

↓黄金律が始まる


この順番となる。



律の構築を終えたマリカは、
夫であるゴッドフレイに「古竜の民」を与える
彼らはマリカと同じく、古竜より産まれ、マリカに従った同胞であった
しかしその素性は、
これから起こるプラキドサクスとの戦いにおいて、都合が悪い
彼らは素性を隠すため、原初の黄金で作られた鎧に身を包む
そして『坩堝の騎士』と呼ばれ、ゴッドフレイに仕えるのだった




坩堝の騎士



竜顔

岩の肌を持つ者たちの外見

古竜の民は、大抵は短命である


坩堝の斧兜

最初の王、ゴッドフレイに仕えた

坩堝の騎士たちの兜

原初の黄金樹、生命の坩堝の力を宿し

坩堝の諸相の祈祷を強化する


オルドビスの大剣

原初の黄金は、より生命に近く

故に赤味を帯びていたという 

この剣は、その古い聖性を宿している


原初の黄金樹は、より生命に近く

赤味を帯びていた。

赤とは、死のルーンの色である。




大樹根に接ぎ木して育った影響で、

死の概念が混ざったのかもしれない。


そのため原初の黄金は、

赤味を帯びていたのだと考える。


黄金樹が赤味を帯びていた時代が

『豊穣の時代』であり、

死の力を使い切ったことで

黄金樹から赤味は失われ、

豊穣の時代が終わったのかもしれない。



シルリアの樹槍

黄金樹の原初は、生命に近しく 

その坩堝たる様を模した槍は

古い聖性を宿している


光角の頭環

芽吹きがあり、特にそれが光る角は

祖霊に最も近しい、特別な祭具であり…





シルリアの樹槍が模した、坩堝たる様は

祖霊の民が信仰する、角の芽吹きに似ている。



芽吹きとは何か?


免疫の角飾り

それは、芽生えかけの角であるという 

長く生きた獣は、角に新たな芽生えを迎え

それを永遠に繰り返し、いつか祖霊となるのだと


祖霊の王の追憶

祖霊とは、黄金樹の外にある神秘である 

死から芽吹く命、生から芽吹く命 

そうした、生命のあり様である


獣は、死の芽吹きと、生の芽吹きを繰り返し、祖霊となる。


角の芽

本来、生えるはずのない獣に芽生える角

それは坩堝の名残であるという


芽吹きとは、坩堝である。

つまり、坩堝とは、生と死の混じり合いである。


坩堝鱗のタリスマン

古い時代、人の身体に生じたという

諸相の混ざった鱗のタリスマン

それは、生命の原初たる坩堝の名残である

部分的な先祖返りであり、古くは神聖視されたが

文明の後には穢れとして扱われた


古い時代から、

部分的な先祖返りが起きることがあったという。




世界樹が燃えたことを契機に、

生と死の循環が不完全となったために、

このような事態が起こり始めたのかもしれない。


坩堝の諸相・尾

古い黄金樹の祈祷のひとつ

それは、黄金樹の原初たる生命の力

坩堝の諸相のひとつである 

かつて、生命は混じり合っていた


坩堝の騎士の祈祷に表れる諸相。

尾・角・喉袋・翼は、すべて古竜の諸相と一致する。

坩堝の騎士は、古竜の子孫なのだと考えられる。




坩堝の騎士が、素顔を隠した理由


これからプラキドサクスと戦うにあたり、

古竜の子孫であることを示す竜顔は

何かと都合が悪いと思われる。

そのため黄金の鎧に身を包んだのだろうと解釈した。


また、坩堝の騎士の数が少ないのは、

古竜の民が大抵は短命だったせいなのだろう。


竜顔

岩の肌を持つ者たちの外見

古竜の民は、大抵は短命である


 

マリカは、ゴッドフレイとの間に、三人の子を儲ける
『ゴッドウィン』と、双子の『モーゴット』と『モーグ』が産まれた
しかしモーゴットとモーグは、角の生えた赤子として産まれ落ちる


デミゴッドの誕生



実はゴッドウィン・モーグ・モーゴットの

両親が誰なのかは明確に記されていない。たぶん。

(英語版だと書いてるかも)


この項では、三人が誰の子なのかを

考察していくが、先に言うと

マリカとゴッドフレイの子であるという結論は

変わらないので、

わかりきっていることを遠回りして

考えるだけです。

読み飛ばしていただいて構いません。



まず、モーグとモーゴットから考えていく。


モーグの大ルーン

モーグは、モーゴットの双子の兄弟であり

その大ルーンもまた、似通っている


ゴッドフレイのセリフ

久しかったな、モーゴットよ


ゴッドフレイは嵐の王との戦いの後に、

狭間の地から追放されている。

これはラダゴンとマリカの婚姻より前である。

モーゴットと面識があるということは、

双子はラダゴンとマリカの子ではない。


また、忌み子が王都の地下に幽閉されている点や、

モーゴットが王都を守護している点などから、

双子は王都の関係者であると考えられる。


よってモーグとモーゴットは、

ゴッドフレイとマリカの子であると推測できる。



次にゴッドウィンについて考える。

「黄金のゴッドウィン」と呼ばれているので、

黄金の一族なのだろう。


緋琥珀のメダリオン

琥珀とは、黄金樹の古い雫であり

最初のエルデの王、ゴッドフレイの時代に

特別な宝石として扱われた


琥珀は、黄金の一族の象徴として扱われている。


死王子の杖

汚れた琥珀が埋め込まれた杖

それは、死王子の一部であるといい…


ゴッドウィンの象徴も、琥珀だったようだ。

よって、レナラとラダゴンの子ではないと思われる。


ミケラの騎士剣

聖樹のミケラに仕える者たちが

カーリアの騎士剣を模した得物

輝石の替りに、聖樹の琥珀が埋め込まれている


聖樹の琥珀は、ミケラの象徴として扱われている。

ゴッドウィンが、マリカとラダゴンの子という可能性もある。


黄金の墓標

デミゴッド最初の死者たる

黄金のゴッドウィンを弔う墓標剣

少年の静かな祈りが込められている

兄様、兄様、正しく死んで下さいな


ミケラはゴッドウィンを兄と呼んでいる。

実兄とも、義兄とも解釈することはできる。



ミケラはラダゴンの元で黄金律原理主義を学び、

ソールの城砦では、魂無きデミゴッドの再誕を

願うように祈りを捧げよと命じている。

「黄金の墓標剣」に記された少年とは

ミケラのことだと推測できる。


ソールの城砦:幻影のセリフ

申し訳ありませぬ、ミケラ様

まだ、太陽は蝕まれませぬ。

我らの祈りが弱いばかりに

貴方の友は、魂無きままなのです


ソールの城砦:幻影のセリフ

おお太陽よ!ソールの冷たい太陽よ!

どうか、蝕まれ給え

魂無き骸に再誕をっ…


兄でもあり、友でもあった

ということだろうか。

良好な関係を築いていたと捉えられる。

建前かもしれないが…



雷の槍

かつて、黄金のゴッドウィンは

古竜フォルサクスに打ち勝ち、友とした

王都古竜信仰のはじまりである


古竜戦役最後の地

黄金のゴッドウィン勇戦し

古竜フォルサクスを友とす


ゴッドウィンは古竜戦役で活躍している。

つまり、古竜戦役が起こったのが

ゴッドフレイ追放の前後…

どちらなのかさえわかれば、父親が誰か判明する。


追放前ならゴッドフレイで、

追放後ならラダゴンの可能性が考えられる。


しかし、古竜戦役の時期を正確に示す情報は無い。


グランサクスの雷

大古竜の襲来は、ローデイルの城壁が破れた

歴史上唯一の事例であり

続く古竜たちとの戦いの端緒でもあった


古竜戦役は、グランサクスの襲来に、端を発する。

王都の屋根は、黄金に塗られているのだが、

グランサクスの亡骸に隠れる一部だけは

赤い屋根の廃墟が広がっている。




元々は、赤い屋根の家々が並んでいたのだろう。

つまり古竜戦役の後で、黄金に塗り替えられたと考えられる。


屋根をわざわざ黄金に塗り替えるなどと、

手間なことをする理由は

黄金色を、信仰の象徴とするためだと考えられる。


そのようなことをするのは

黄金樹を聳えさせたマリカか、

黄金律原理主義を提唱したラダゴンだろう。


整理すると、

ゴッドウィンは古竜戦役で活躍している。

古竜戦役の後に屋根を塗り替えている。

屋根を塗り替えたのは、マリカかラダゴン。



オルドビスの大剣

原初の黄金は、より生命に近く

故に赤味を帯びていたという


さざれ石の聖印

古竜信仰は、黄金樹への裏切りではない

この聖印も雷も、すべて金色なのだから


原初の黄金は、赤味を帯びていた。


しかし古竜信仰が始まった時にはすでに、

黄金から赤味は失われ、

雷に似た、金色をしていたのだろう。


マリカが黄金樹を聳えさせた時は、

黄金は赤味を帯びていたのだろう。

赤味は徐々に失われ、黄金となった。

その後、古竜戦役が起こり、

古竜信仰が王都で始まったという順番になる。


よって屋根が黄金に塗る替えられたのは、

黄金樹から赤味が失われた頃となる。


赤味を帯びた黄金樹は、

原初の黄金樹と呼ばれ区別されており、

赤味が失われた折に、豊穣の恵みも

失われたと推測できる。


また、古竜戦役において、

ゴッドフレイ、ラダゴン双方とも

目立った活躍を聞かない点も、

時系列を整理するヒントになる。


おそらく両者とも、王都にいなかったのでは?


ラダゴンはレナラと婚姻してカーリアにおり、

ゴッドフレイはマリカと共に遠征していた。

不在の隙を突いて、

グランサクスは特攻してきたのだろう。


古竜戦役の後に、

ラダゴンが王配として王都に戻ってきて、

黄金律原理主義を提唱した。

この頃に、王都の屋根を黄金に塗り替えたと

考えるとしっくりくる。


よって、古竜戦役が起こったのは、

ラダゴンが王配となる前。

つまり、ゴッドフレイが王だった時期となる。


以上の点からゴッドウィンは、

ゴッドフレイの子なのだと考えた。



捻じれ曲がった醜い角は、太陽神の諸相だった
信仰の弱まりにより存在を希薄にした、
外なる神の、呪いと呼ぶべき諸相…
それは双子だけに留まらず、
王都では、角の生えた赤子が産まれるようになる
人々は、原因を特定できず、恐れ
角の生えた赤子を、『忌み子』と呼んだ




忌み角は、太陽神の呪いなのか?



忌み水子

呪われて生まれた赤子の像

追いすがる呪霊を放つ

忌み赤子は、その醜い角をすべて切られ 

大抵はそのまま死んでしまう

これは、その供養の像である


忌み子は、呪われて生まれた赤子とある。


忌み兜

角を切られた忌み子を模した、異形の兜

糞食いの装備

それは彼の心象風景の現れであり

姿見に見た、己の真の姿であるという

忌み子の心、そうでない姿

こんなにも苦しいことがあるものか

だったら全て、呪われるがいい


忌み子の心を宿した『糞喰い』は

太陽のメダルを掲げている。




忌み鎧

太陽のメダルは、かつて彼が見た導きであり

その先でいつか見える、輪の似姿であるという


忌み角とは、産まれ落ちたときから

その身に宿す諸相である。

これは宿痾や混種と、性質的に似ている。



無垢金の針

外なる神の干渉を避けるための呪具であり

不治の宿痾、腐れ病を抑えるという


宿痾とは、外なる神の干渉である。


巨人の赤髪

巨人たちは、皆一様に赤髪であり

ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという

それは巨人の呪いだったろうか


呪いもまた、外なる神の干渉のようだ。


よって忌み子の呪いとは

外なる神の干渉であり、

糞喰いが掲げる、太陽の呪いなのだと考えた。


糞喰いは、呪いを愛している。

呪いの根源を、象徴として掲げてもおかしくない。



ちなみに、混種の諸相は、

坩堝に触れた罰とされている。


翼の混種の遺灰

混種は、坩堝に触れた罰の存在であるとされ

生まれながらの奴隷、穢れ者である


坩堝の騎士や、祖霊の民に近い存在であり、

外なる神の呪いとは、別件なのだと考える。



マリカは、モーゴットとモーグの存在を、公にしなかった
秘密裏に治療法を模索し、調香の技が磨かれるが
その甲斐もなく、呪いを癒す方法は見つからなかった
モーゴットとモーグは、誰にも知られず、
王都の地下に幽閉されることとなる




穢れの治療



調香師、トリシャ

トリシャは、かつて癒し手と呼ばれ 

混種や忌み子、あらゆる穢れの治療を志した

そして、それが破れた後、彼らの死の付き添いとなった

その最期が、せめて苦痛なき安楽であるように

それは、死衾のはじまりにも似ている


調香瓶

かつて、調香は王都の秘術であったが

調香師たちが破砕戦争に従軍して後 

狭間の各地で知られるようになった


調香の技は王都から始まり、

混種や忌み子の治療が試みられたが

しかしそれは叶わなかった。



王都の人々は、自分たちが

呪いや穢れと呼ぶものがなんなのか、

その正体を掴むことはできなかったのだろう。


そのため治療の術は見つからず、

不都合な真実に蓋をした。


王家の忌み水子

黄金樹の王家に 呪われて生まれた赤子の像

追いすがる多くの呪霊を放つ

王家の忌み赤子は、角を切られることはない 

その替り、誰にも知られず、地下に捨てられ

永遠に幽閉される

そしてひっそりと、供養の像が作られる


王家に生まれた忌み子は、

地下に幽閉されることとなる。



モーグの拘束具(マルギットの拘束具)

黄金の魔力を帯びた呪物

忌み子と呼ばれる呪われた者たち 

そのただ一人を、特に厳重に拘束するもの

僅かだが、その拘束の魔力は残っており 

かつての幽囚、モーグを(マルギットを)

一時的に地に縛るだろう



モーゴットとモーグも例外でなく、

王都の地下に幽閉された。


呪血壺

敵に投げつけ、呪血まみれにする 

呪血まみれになった敵には

召喚した霊体が、狂ったように襲いかかる

それは血の君主の、幼き頃の記憶である


地下に幽閉された双子は、惨憺たる仕打ちを受けたようだ。



王族は幽閉され、命までは取られなかったが
そうでない者には、残酷が仕打ちが待っていた
忌み子の治療にあたっていた『調香師』に対し、
マリカは、忌み子の抹殺を命じる
調香師は、耐えがたい任務を全うするため、
香薬で心を壊し『忌み潰し』となる
忌み子たちは、赤子のうちに角を切られ、潰されるか
頑丈な者たちは、奴隷剣士として徴用されたのだった




忌み潰し



忌み潰しのロロ

忌み潰しの祖として知られる、ロロの霊体

かつて、高名な調香師であったロロは

忌み潰しの、悪夢のような任に尽くすため

香薬を飲み、自らの心を壊したという


忌み潰しのローブ

心の壊れた虐殺者

忌み潰したちのローブ

彼らの祖であるロロは、古い調香師であり

分厚い前掛けは、それに由来している


調香師は忌み潰しとなり、

忌み子は、忌み潰しに虐殺された。


忌み潰しの大鉈

忌み子から斬り落とした曲り角を

その刃にびっしりと並べた、異形の大鉈

忌み潰したちが振るう虐殺の得物

醜い角には、出血の効果があり

阿鼻叫喚を彩るだろう




やがて忌み潰しは、虐殺を愉しむようになったと思われる。

そうでなければ、こんな禍々しい得物は作らないだろう。


忌み笑いの面

醜く長い曲り角の生えた忌み潰したちの仮面

蕩け顔の老人が、いやらしい笑みを浮かべている 

それは、忌み子たちの悪夢に現れる

悪霊を象ったものであるという




忌み角が太陽神の呪いだとするなら、

悪霊とは、太陽神のことなのかもしれない。


忌み水子

呪われて生まれた赤子の像

追いすがる呪霊を放つ

忌み赤子は、その醜い角をすべて切られ 

大抵はそのまま死んでしまう

これは、その供養の像である

どうか、私を恨み、呪わないでください


角を切られた赤子は大抵は死んでしまうが

生き残る者もいた。


忌み子の大刀

戦において、忌み子たちに与えられた

力任せに振るうための武器

刃に浮かぶ紋様は、劣化の呪法の名残である

武器を与えるのなら、奪う準備も必要だろう


劣化の呪法は、忌み子の裏切りへの備えだろう。



黄金律の形成する、生命の円環は歪であり、
『混種』たちは、未だ産まれ続けていた
そして、律の歪みから、外なる神の呪いが入り込む
マリカは、『黄金律』が不完全であることに気づいた
マリカは黄金律を完全なものとするため、己の身を分かつと
もう一つの人格『ラダゴン』を生み出す
ところが、それを嘲笑うかのように、
ラダゴンは『赤髪』を宿し、産まれ落ちる
それは、討ち取った悪神の呪いだった



調香師、トリシャ

トリシャは、かつて癒し手と呼ばれ 

混種や忌み子、あらゆる穢れの治療を志した


混種も忌み子も、

一緒くたに治療を施そうとしていたようだ。


王都の人々は、

自分たちが呪いや穢れと呼ぶものがなんなのか、

正確なところは、わかっていなかったと思われる。

単純に外見で判断して、

差別していたようにも思える



ラダゴン





巨人の赤髪

巨人たちは、皆一様に赤髪であり

ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという

それは巨人の呪いだったろうか


ラダゴンはいつ生まれたのか?


ラダゴンは己の赤髪を、

巨人の呪いだと絶望した。

つまりラダゴンが生まれたのは、

巨人が滅ぼされた後ということになる。




「ラダゴンとはマリカである」
とは言うけど、結局どういうこと?


参考になるのは、マリカと同じく神人である者。

マレニアとミケラ。そしてその縁者。


ミリセントのセリフ

実は、私はマレニアの血縁のようなのだ

私が彼女の子なのか、妹なのか、

あるいは分け身なのか、それは分からない

けれど確かに、彼女との間に、近親の繋がりを感じるのだ


ミリセントのセリフ

私はマレニアに、返したい

かつてマレニアのものだった意志

朱い腐敗の呼び声に、人として抗う矜持

あのラダーンに伍するために、彼女が打ち捨てた戒め


理屈はわからないが、

マレニアは自分の身を分けることができるようだ。


そしてそれは、ラダーンに対抗するために捨てた意志であり、

人として腐敗に抗う矜持であると、

そのように解釈できる。

意志とは心であると、前に話した。


分け身は、

神人の意志=人の心から生まれると推測する。


マレニアが人としての心を捨て

腐敗の神に応えたことで、

ミリセントたちは生まれたのだろう。



マレニアと同じく神人であるミケラも…


トリーナの剣

トリーナは、謎めいている

儚い少女であるといい、少年であるといい

忽然と現れ、忽然と消えていくという




永遠に幼いという宿痾に蝕まれたミケラは

少年の姿をしている。

そしてトリーナは、

少女であり、少年であるという。


ミケラのスイレン

たおやかに萎びかけた無垢金のスイレン

聖樹の信仰花であり、神人ミケラが

その幼少期に愛でたとされる幻の花である


トリーナのスイレン

たおやかに萎びかけた薄紫のスイレン

聖女トリーナの信仰花であり

精神の昂ぶりを抑える効果がある


スイレンは、ミケラとトリーナに

同一性があることを示していると推測する。


ミケラとトリーナも、分け身、あるいは

ラダゴン=マリカのような存在だと考えられる。



ならば、ラダゴンはなぜ生み出されたのだろう?



ラダゴンの肖像

赤髪のラダゴンは

カーリアのレナラの夫として魔術を修め

女王マリカの夫として祈祷を修めたという

英雄は、完全たるを目指したのだ


ラダゴンは、完全となるために生まれたようだ。


マリカの言霊:小黄金樹教会

黄金律の探究を、ここに宣言する

あるべき正しさを知ることが、

我らの信仰を、祝福を強くする

幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる

同志よ、何の躊躇が必要だろうか!


これは、ラダゴンの言霊と思われる。

言霊を聞くと、

ジェスチャー:外なる律が入手できる。




ラダゴン=マリカの、

秘密に触れたことを示しているのだろう。

ここでラダゴンは、黄金律の探求を宣言している。



黄金律の聖印

原理主義は、すなわち学問でもあり

信仰と知力、両者が祈祷を補正する


黄金律は学問として探求され、

黄金律原理主義の祈祷が生まれた。

それは信仰だけでなく、知力を必要とする。

ラダゴンがレアルカリアで魔術を学んだのは

このためだったのだろう。


聖律の治癒

黄金律原理主義の祈祷のひとつ

死に生きる者たちの狩人が用いるもの

金仮面卿は、狩人たちを大いに嘆いた

学問が狂信に変わるのは、実に簡単だ

愚かな善人どもは、ただ絶対悪が欲しいのだから

そんなものが、律の原理であるものか


金仮面卿も黄金律原理主義を探求した。

それはDのような狩人が扱うための祈祷ではなく、

律の原理の探求だった。



完全律の修復ルーン

金仮面卿が見出したルーン

それは、黄金律を完全にせんとする

超越的視座のルーンである

現黄金律の不完全は、即ち視座の揺らぎであった

人のごとき、心持つ神など不要であり

律の瑕疵であったのだ


ラダゴンが探求し

見つけることのできなかった完全とは、

金仮面卿が到達した、

完全律のことなのだと思われる。


つまりラダゴンは、黄金律を完全とするために

生みだされたのだろう。

しかしそれは叶わなかったようだ。



さらに、残酷な現実が追い打ちをかける
黄金樹のもたらす恵みは決して永遠でなく、
みるみる枯渇していった
死という概念を取り除いたことで、生と死の輪廻は不完全となった
死というエネルギーの還元を失い、
律は、機能不全を起こしてしまったのだった


豊穣の時代の終わり



恵みの雫のタリスマン

かつて、恵みの雫は尽きぬ滴りであったという

豊穣の時代、けれどそれはごく短く

黄金樹は信仰となっていった


神聖画の盾

黄金樹の恵みたる雫

その受領の様を描いた神聖画の大盾

豊穣の時代を懐古するもの




原初の黄金樹は、

大樹根に接ぎ木することで聳えた。


世界樹が構築した、生と死の循環。

死というエネルギーが大樹根に残っており、

原初の黄金樹は、その資源を得た。


そのため原初の時代の黄金樹は

赤味を帯びており、

豊穣の時代と呼ばれたのだろう。


しかし大樹根に残っていた

残りカスを絞ったところで

それ以上の供給は無く、恵みはすぐに枯渇した。


この頃に黄金樹から赤味は失われ、

現在の姿になったと考える。



捧闘の儀式を執り行うことで
黄金樹に命を回帰させ、恵みを取り戻そうとも考えた
各地に闘技場を作り
奴隷闘士を戦わせ、黄金樹に血を捧げる
しかし、満足な結果は得られなかった




闘技場での捧闘



捧闘の剣のタリスマン(捧闘の盾のタリスマン)

かつて黄金樹に捧げられた闘い

儀式の剣(盾)を模したタリスマン

王配ラダゴンの時代、捧闘は廃れてしまった

各地に残る闘技場は、その名残である




捧闘のタリスマンのデザインは、

坩堝の騎士の剣と盾に似ている。

原初の黄金を身にまとう坩堝の騎士を象徴に掲げ、

かつての豊潤な恵みを願ったのかもしれない。


かぼちゃの狂兵の遺灰

大柄で力の強い、狂兵の霊体

兜の暗闇で恐慌を抑え込んでいるが…

出血や虫の羽音で、狂ったように暴れる

狂兵は、壊れた剣闘士のなれの果てである


かぼちゃの狂兵は、この捧闘の犠牲者なのだろう。

出血や虫の羽音で狂うのは

トラウマを呼び起こすためだと察せられる。



坩堝鱗のタリスマン

それは、生命の原初たる坩堝の名残である

部分的な先祖返りであり、古くは神聖視されたが 

文明の後には穢れとして扱われた


坩堝の手甲

その姿、そして力は後に秩序無きものとして蔑まれた


捧闘は、王配ラダゴンの時代に廃れた。


坩堝の騎士は

ラダゴン王政に変わり、蔑まれたようだ。



マリカは考えた。やはり、黄金律を完全にするより他に方法は無いと
そのためにはラダゴンが完全となり、王を継がなければならない
それに、やがてはマリカにも、世代交代を迫られる時が来る
次代の神となる『神人』を用意することは、
二本指に課せられた使命でもあった

ゴッドウィンは、優秀なデミゴッドだったが『神人』ではなかった
マリカは、ゴッドフレイとの間に神人が産まれないことを憂い
自身とラダゴンの婚姻を計画する


ラダゴンとの婚姻計画



マリカとラダゴンの婚姻。

その計画がいつ立てられたかを考えると、

第一次リエーニエ戦役より前となる。


ラダゴンは完全を目指し、

レアルカリア学院で魔術の修行を積んだ。

その後王都に戻り、

黄金律原理主義を提唱している。


第一次リエーニエ戦役で頭角を現し、

第二次リエーニエ戦役でレナラに接近。

全て計画の内だったのだろう。



では、マリカとラダゴンの婚姻を計画したのは誰なのか?



エンヤ婆のセリフ

分かっているさね。黄金樹が、お主を拒絶したのだろう

…指様が、止まってしまわれた

起こるべきでないことが起き、迷われ、

大いなる意志と交信しているのじゃ




褪せ人が黄金樹へ近づいた時、

拒絶の刺が侵入を拒んだ。

これはラダゴンの意志によるものと考えられる。


しかし二本指は、この理由を知らなかったため、

大いなる意志との交信を始めて

フリーズしてしまう。




つまり、

マリカ=ラダゴンであることを、

円卓の二本指は知らなかった。


知っていたのなら、

大いなる意志と交信などしないだろう。

二人の婚姻を計画したのが二本指とは考えにくい。


同じく大いなる意志も、

マリカ=ラダゴンであることを知っていたなら、

二本指に伝えているはず。


秘文字の剣

はるか前、円卓には英雄たちが集い

二本指は力強く、また雄弁であった


円卓黎明期の二本指は力強く、雄弁だった。

正当に、大いなる意志の代弁者だったのだろう。

指に情報を伝える時間も、十分にあったはず。

つまり、マリカ=ラダゴンであることは、

大いなる意志も、おそらく知らない。


よってラダゴンを生み出したことと

婚姻を計画したことは、

マリカの思惑だと考えられる。


リエーニエ戦役での活躍と

レナラとの婚姻による神人の誕生。


ラニという神人の誕生までもが

マリカの計画の内かは図りかねるが、

ラダゴンに実績を作ることで、

王配として迎え入れる準備を整えたのだと、

そのように解釈してみた。



ラニのセリフ

私は、かつて神人だった

デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが

それぞれの二本指に見出され、

女王マリカを継ぐ、次代の神の候補となったのだ


神人は時代の神候補として

二本指に見出される。

ゴッドウィンは見出されなかったようだ。


つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿

ぼくのかんがえたエルデンリング Part8(前編)

  本投稿は、動画の解説を じっくり見たい方に向けたものとなります。 動画はこちら https://youtu.be/yjpF2fbMLjM 本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、 ひとつの物語として考察することを主旨としております。 枠線で囲ったものが本文...