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2022年11月13日日曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part3(前編)

 



本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/bmGwi_DjCbM



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。




王配となったラダゴンは
『黄金律原理主義』を、学問として探求していくことを宣言
王都の文明に、メスを入れていく


黄金律原理主義



マリカの言霊:小黄金樹教会

黄金律の探究を、ここに宣言する

あるべき正しさを知ることが、我らの信仰を、祝福を強くする

幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる

同志よ、何の躊躇が必要だろうか!


言霊を聞くと、

「外なる律」のジェスチャーを入手できる。

ラダゴン=マリカの秘密に触れたことを

表しているのだと思われる。

これは、ラダゴンの言葉なのだろう。




ラダゴンの肖像

赤髪のラダゴンは

カーリアのレナラの夫として魔術を修め

女王マリカの夫として祈祷を修めたという

英雄は、完全たるを目指したのだ


ラダゴンは、魔術を修め、完全を目指した。


黄金律の聖印

原理主義は、すなわち学問でもあり

信仰知力、両者が祈祷を補正する


黄金律原理主義は、信仰だけでなく、知力を必要とする。

黄金律を完全とするため、レナラに近づいたのだろう。


黄金律の大剣

エルデンリングを模した光の大剣

黄金律原理主義を掲げた王配ラダゴンが

象徴として鍛え上げた

そこには、最初の妻レナラから贈られた

大剣の面影があるという


暗月の大剣

歴代のカーリア女王たちが

その伴侶に贈るという月の大剣





ラダゴンは王配となった後で、

レナラから贈られた大剣を模し、剣を作っている。

捨てきれない想いがあったのだと窺える。




しかしこの「黄金律の大剣」は、

聖別雪原にいる、混種の聖騎士が持っている。

ラダゴンが雪原に大剣を捨て、それを拾ったか、

あるいは混種に持たせて追放したのだろうか。



完全律の修復ルーン

それは、黄金律を完全にせんとする

超越的視座のルーンである

現黄金律の不完全は、即ち視座の揺らぎであった

人のごとき、心持つ神など不要であり

律の瑕疵であったのだ


ラダゴンは、完全律のために

人の心を捨てようとしたのかもしれない。



王都の赤い屋根を黄金へと塗り直すと
さらに赤味を帯びた黄金を鎧う『坩堝の騎士』を、
秩序無き者と蔑み追放
そして、坩堝の騎士を神聖視する『捧闘』を撤廃する
徹底的に、世界樹時代の名残りを取り払い
黄金律原理主義を探求していった


ラダゴンの改革






グランサクスの亡骸の真下、

隠れる位置にある廃屋だけ、屋根が赤い。

グランサクス襲来後に屋根を塗り直したのだろうか。

全てを塗り直していないのは、

黄金の塗料は希少だった?


オルドビスの大剣

原初の黄金は、より生命に近く

故に赤味を帯びていたという 

この剣は、その古い聖性を宿している


根脂

主に地下の大樹根から採取できる天然樹脂

その根は、かつて黄金樹に連なっていたといい…


大樹根とは、かつて聳えていた

世界樹の根であると考える。




原初の黄金樹は、大樹根に接ぎ木して育った影響で

死の概念が少なからず混じっていた。




死の力は赤い色をしている。

そのため原初の黄金は、赤味を帯びていたのだろう。



坩堝の手甲

その姿、そして力は後に

秩序無きものとして蔑まれた


捧闘の剣(盾)のタリスマン

かつて黄金樹に捧げられた闘いの

儀式の剣(盾)を模したタリスマン

王配ラダゴンの時代、捧闘は廃れてしまった

各地に残る闘技場は、その名残である




捧闘のタリスマンのデザインが、

坩堝の騎士の剣と盾に似ている。

原初の黄金を身にまとう坩堝の騎士を象徴に掲げ、

かつての豊潤な恵みを願ったのかもしれない。



その後の坩堝の騎士は、

足取りがバラバラになったと思われる。

赤獅子城でラダーンに仕える者や、

火山館でタニスに仕える者もいる。


ストームヴィル城を徘徊する者。

ファルム・アズラで戦う者。

永遠の都や英雄墓にまでその姿が見られる。




王都にも、佇む者と、徘徊する者がいる。

蔑まれてなお王都に仕えたのか、

あるいは、ゴッドフレイを探して

出戻りしたのだろうか。



しかし黄金の眩い光は、影を色濃く落としていく
かつてマリカに敗れた、デーディカとシャブリリ。
ふたりは死してなお、王都に禍の種を蒔いていく

死体に憑りつき、高名な彫刻家になりすましたシャブリリは
王都のラダゴン像に、ある仕掛けを施す
「ラダゴンとは、マリカである」
いつか来る理の探求者が、真実へ至るための火種
遠い未来での萌芽を願い、シャブリリは王都を去っていった




シャブリリが彫刻家?



ミリエルのセリフ

ただ、ラダゴン様には、秘密があったと聞いたことがあります

黄金樹の王都の、ある高名な彫刻家が、

ラダゴン様の大彫像を作るために召し出され

秘密を垣間見たのだそうです

そして、大彫像にその秘密を隠したのだと


作中で唯一、ラダゴン=マリカであると

明確に答えを示す彫像。

この彫像が無ければ

謎は永遠に解けないままだった。

名すら明かされない謎の彫刻家は、

何者だったのだろう。


一つの身体に、

二つの魂と二つの意志が秘められている。

同じ様な身体を持つ者なら、

そのような秘密を知り得ただろう。


ラダゴンとマリカに疑いの目を向けるため、

彫像に秘密を隠して、噂を流したのかもしれない。



ラダゴン=マリカとシャブリリ=デーディカは、

鏡写しの関係だと推測した。


黄金の縫い針

満月の女王の夫となったラダゴンの

婿入り道具のひとつだった


黄金の裁縫道具

赤髪のラダゴンの婿入り道具


ラダゴンは裁縫が得意だったようだ。

ボック曰く、デミゴッドの衣服を縫うには

王家のお針子レベルの技術が必要だという。

ラダゴンとシャブリリが鏡写しとなるのなら、

シャブリリも手先が器用だったかも?


大彫像の彫刻を

手先の器用さで片付けるのは強引だが…


あるいは、ユラに憑りついたシャブリリが

長牙を扱っている点から、

生前の肉体の特性を利用できるとも

推測することはできる。


高名な彫刻家に憑りつき、その特性を利用した。

そういった考え方をしてみた。



そしてマリカとラダゴンの間に
双子のデミゴッド『ミケラ』と『マレニア』が産まれる
ところが、双子はどちらも外なる神の呪いという、
宿痾を抱えて産まれてしまう

マレニアは、腐敗の神の呪いを宿し、産まれ落ち
そしてミケラは、永遠に幼いという宿痾を抱え、産まれ落ちる
それは『宵眼の女王』という、死の神が与えた停滞の呪いだった
ラニに指殺しの手法を託した雪魔女。
すなわちデーディカは、黄金樹へと還ると
魂は転生し、ミケラとなり、産まれたのだった


双子の神人



腐敗の女神の追憶

ミケラとマレニアは、唯一人の神の子供である

故に二人は神人であるが、その生は脆弱であり

一方は永遠に幼く、一方は腐敗を宿した


ミケラの針

外なる神の干渉を退けるため

ミケラが紡ぎあげた無垢金の針のひとつ

ただし、この針は未完成であり

ファルム・アズラにあるという

時の狭間、嵐の中心でしか使用できない


宿痾とは、外なる神の干渉のようだ。


蠍の針

封じられた、外なる神の遺物を用いた

異教の祭具であるという


青い踊り子

妖精は、盲目の剣士に流水の剣を授け

古き神、腐敗を封じたと伝わっている


マレニアの宿痾とは、封じられた腐敗の神に

由来するのだと推測できる。


腐敗の神の呪いを宿したマレニア。

対してミケラは、何の神に呪われたのか?

それを記す情報はない。



青布の頭巾

遊牧の民の剣士の頭巾 

布地の青は、清涼な流水の象徴であり 

その剣もまた流れる水がごとくである

停滞はやがて淀みとなり、腐りゆく 

常に流れ行き、留まることなかれ


腐敗とは、停滞により生じる。

それを証明するように、

腐れ湖から流れ落ちた水は、清流となっている。





ミケラの抱える、永遠に幼いという宿痾は

成長の否定であり、

時間という概念の停滞と解釈できる。




ミケラの針が時の狭間でしか使えなかったのは、

ミケラが抱える時間の停滞が

針を未完成たらしめており、

時間の概念が存在しない時の狭間だからこそ、

呪いの干渉を無効化できたのかもしれない。


双子は共に、停滞の呪いを抱えて産まれた。



ミケラの抱える呪い…永遠に幼いとは、

成長の否定であり、

生への否定とも解釈できる。


この呪いを生じさせた神とは何者なのか?


死のルーンを掲げ、死を宿した’’宵眼’’を冠する

宵眼の女王こそ、この神に相応しい。


つまり、ラニに指殺しの手法を授け

黄金樹へ還った雪魔女=デーディカが、

転生してミケラの魂となり、

死の力は呪いとなったのだろうと推測した。



シャブリリは

狂い火で全てを無にするという復讐を描き、

デーディカは、死を回帰し、

大いなる意志が下した選択を否定する…

すなわち存在意義の否定という復讐を描いた。

マリカとラダゴンの意志が異なるように、

シャブリリとデーディカも異なる復讐を選んだ。

そのように解釈した。


ただしミケラにはミケラの意志があり、

それはデーディカとは異なるとも考えている。



ふたりの生は脆弱だった
特に腐敗の神に呪われたマレニアは、
身体を蝕まれ、腐敗の呼び声に苛まれた
ミケラは、マレニアの宿痾を治療するため
ラダゴンと共に、黄金律原理主義の探求を始める
いくつかの祈祷の技を編み出すが、
しかしそこに、マレニアを治療する術はなかった
ミケラは、黄金律原理主義を捨てる

そして、無垢なる黄金に治療法を探す
雪原を越えた地、『エブレフェール』
そこには、かつて狭間の地を支配した、世界樹の残した古木…
『古大樹』が未だ姿を残していた
ミケラは、黄金樹を生みだした母に倣い、
繭となって古大樹に宿ると、『聖樹』を聳えさせる
そして、マレニアを治療するための、新たな律を為そうと計画する
聖樹から、『ミケラの針』を紡ぎあげると、マレニアに施した

しかし針は未完成だった
神の干渉を抑えることはできたが、
根本的な治療には至らなかったのだった




無垢なる黄金



三つなる光輪

黄金律原理主義の祈祷のひとつ

それは、幼きミケラが

父ラダゴンに贈った祈祷である


ラダゴンの光輪

黄金律原理主義の祈祷のひとつ

父ラダゴンの、幼きミケラへの返礼

しかし、幼きミケラは原理主義を捨てた

それが、マレニアの宿痾に無力だったから

無垢なる黄金、そのはじまりである


ラティナのセリフ

この雪の大地をずっと北へと進み

幾つかの古大樹と、オルディナの典礼街を超えた先に

私の、帰りたい場所があるのだ


黄金の種子

それは、エルデンリングが砕けた時

黄金樹から各地に飛来した

生命が、自らの終末を悟ったかのように


古大樹とは、かつて世界樹が飛ばした種子が芽吹いたもの。

黄金樹にとっての小黄金樹のようなものだと考える。




ミケラが雪原の先に

エブレフェールの都を築いた理由は、

宿るべき大樹根の一部、

すなわち古大樹が必要だったからなのだと考える。


聖樹紋のサーコート

ミケラの血を受けた、聖なる芽生えの若木

だがそれは、遂に黄金樹とはならなかった


聖樹とは、黄金樹に倣って

新たな律を構築するために作られたようだ。

その目的は、マレニアの治療だったのだろう。


ミケラの針

外なる神の干渉を退けるため

ミケラが紡ぎあげた無垢金の針のひとつ

狂い火を受領していても、それを鎮め

狂い火の王となる運命を回避できる

ただし、この針は未だ未完成であり

ファルム・アズラにあるという

時の狭間、嵐の中心でしか使用できない


こうして無垢金の針が作られ、

マレニアの腐敗を抑えたのだろう。





針の完成のため、ミケラは聖樹に宿り続けるが
聖樹に新たな律を構築するためには、足りないものばかりだった
まずはじめに、信仰を集める必要があった
信仰とは意志の集合であり、神に力を与える
そして聖樹という器に、新たな律を構築する際の要となる
そのためには、繭となり身動きのとれなくなった自身に変わる
協力者が必要だった
ミケラは、己の意志を分け、『トリーナ』という分け身を生み出す
トリーナは、ミケラに賛同し、協力を約束する
そしてトリーナは、ミケラから授かった指輪から
霊馬トレントを喚び出すと、狭間の地を巡り
聖樹を信仰する信徒を集っていく


トリーナ



そもそも、黄金樹はなぜ信徒を集めたのか?

おそらく信仰が必要だったのだろう。

信仰は神の力となり、

黄金樹に律を構築した。


聖杯の雫

黄金樹の時代、布教はその要であり

かつては、そこに確かな恵みがあった


ならば、ミケラも聖樹の元に

新たな律を構築するため、

信徒を集める必要があったはず。


そのためトリーナが各地を駆け巡り、

教えを説き、信徒を集めたのでは?

結果、救いを求める立場の弱い者たちが

聖樹を信仰するようになったのかもしれない。




マレニア、ミケラ、トリーナ…

三人はどういった関係だったのだろう。

アイテムから読み解いてみる。


エオニアの蝶

古い神話では、この蝶は

腐敗の女神の翼であったという


幼生蝶

透き通った羽衣の羽根を持つ神秘の蝶

その蝶は、羽化した直後の姿のまま、一生を生きる





二種類の蝶が、マレニアとミケラという

双子を示しているように…


ミケラのスイレン

たおやかに萎びかけた無垢金のスイレン

聖樹の信仰花であり、神人ミケラが

その幼少期に愛でたとされる幻の花である


トリーナのスイレン

たおやかに萎びかけた薄紫のスイレン

聖女トリーナの信仰花であり

精神の昂ぶりを抑える効果がある





スイレンは、ミケラとトリーナにも

関係があることを示している。


その結びつきは、蝶が双子を示したように、

特別なもののように思える。



蝶は世界各地で

「復活」、「魂」、「不死」の象徴として扱われる。

ミケラとマレニアが、

外なる神の魂を継承していることを

示しているのかもしれない。


そしてスイレンの花言葉は「清らかな心」

ミケラとトリーナが、共に純粋な願いを抱き、

その願いに基づいて、

行動していることを示しているのかもしれない。



ではミケラとトリーナは、

ラダゴンとマリカのような、

身体を同一とする存在なのだろうか?


あるいは、マレニアとミリセントのような

分け身と思われる関係なのだろうか?


ラダゴンの光輪

幼きミケラは原理主義を捨てた

無垢なる黄金、そのはじまりである


無垢なる黄金とは、聖樹も指すのだろう。

聖樹の探求のためには、まず何は無くとも

聖樹を聳えさせなければならないはず。

そのためミケラは、

黄金律原理主義を捨てて間もなく

繭となり、聖樹を聳えさせたのでは。




血の君主がミケラをさらうシーン。

背後に繭のようなものが見える。

ミケラはずっと繭となっていたようだ。


繭となった以上、ミケラは身動きが取れない。

そのため、代わりに手足となる

トリーナが生まれたのだと考えた。


ミケラとトリーナの関係は、

マリカ=ラダゴンより

マレニアとミリセントに似ているのかもしれない。



霊馬の指笛

柔らかな金の指輪。指笛として使用する

霊馬トレントを呼び出し、騎乗する


柔らかな金とは、無垢金のことである。

そして無垢金は、ミケラの象徴である。

この指輪はミケラが作ったのだろう。


デーディカの影従の獣であったトレントは、

転生してなお、その魂を慕ったのでは。



トリーナの剣

聖女トリーナの司祭が用いる白剣

睡眠の状態異常効果がある

トリーナは、謎めいている

儚い少女であるといい、少年であるといい

忽然と現れ、忽然と消えていくという


トリーナの灯火

薄紫の火を灯す、燭台の松明

彫刻の意匠は聖女トリーナであるはずだが

その姿は大人びて、どこか恐ろしい

薄紫の火には、睡眠の効果がある


トリーナは儚い少女であるといい、

少年であるという。

その姿は大人びているという記述もある。


少年とはミケラのことかもしれないが、

ミケラが繭となり聖樹に宿り続けたのだとしたら、

信徒たちの前に現れるのは難しい。


もしかしたらミリセントたち五姉妹のように、

ミケラの分け身は複数人いたのかもしれない。

その全員がトリーナを名乗った故に、

実態が掴めないのでは。



さらにミケラは、他の手段にも治療の可能性を求め
あらゆる手を尽くした
ミケラは、『産まれ直す』ことで宿痾を治療できないかと考える
そしてミケラは、ラダゴンに協力を申し出る
ラダゴンにとっても、宿痾の治療法の確立は、利のある提案だった
王都に産まれ続ける穢れや、自身を冒した赤髪
その根絶は必要事項であり、完全律へ至るための手掛かりにもなりうる
ラダゴンはミケラの申し出を受けると、レナラに『琥珀のタマゴ』を贈る
そしてミケラは、神の力でレナラを洗脳するのだった


琥珀のタマゴ



巨人の赤髪

巨人たちは、皆一様に赤髪であり

ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという

それは巨人の呪いだったろうか


ラダゴンは、自らの赤髪を巨人の呪いと考えていた。


調香師、トリシャ

トリシャは、かつて癒し手と呼ばれ 

混種や忌み子、あらゆる穢れの治療を志した

そして、それが破れた後、彼らの死の付き添いとなった


調香瓶

かつて、調香は王都の秘術であったが 

調香師たちが破砕戦争に従軍して後 

狭間の各地で知られるようになった


王都には、混種や忌み子、

あらゆる穢れが蔓延していた。

完全律を目指すうえでも、穢れの治療は

必要事項だったと考えられる。


ミリエルのセリフ

そしてレナラ様は、

ラダゴン様の贈られた琥珀のタマゴに縋り

許されぬ術に耽っているのです

おぞましい、産まれ直しの秘術


ラダゴンがレナラに

いつ琥珀のタマゴを贈ったかは、

明言されていない。



誘惑の枝

無垢金の祈祷が施された枝木

神人ミケラは、あらゆる者から愛された

愛するを強いることができた


マレニアの翼兜

彼女は、抜け殻の足元でミケラを待ち続けた

兄さまが、約束を違えるはずがない

神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ

もっとも恐ろしい神人なのだから


ミケラには、

神をも洗脳できる力があったと思われる。

レナラは心を失くしただけでなく、

ミケラの洗脳も受けていたため

様子がおかしかったのかもしれない。





そうしてレナラは、産まれ直しに耽るようになる
産まれ直しがもたらす永遠の若さは、レアルカリアの魔術師を魅了した
しかしそれは完全ではなく、
魔術師たちは不完全な産まれ直しを繰り返し、依存するようになっていく

レナラは未だ学院の虜囚だったが
依存した魔術師を通じて、
産まれ直しの研究は、秘密裏にカーリアで行われるようになる
カーリアの魔術教授である『セルブス』は、人造生命の研究に着手する
生命の誕生。
その神秘を探求することで、産まれ直しを完全なものとしようとした
そのためにセルブスは、永遠の都の末裔である、レナラのコネクションを活用
永遠の都に潜り、人造生命のヒントを得る


産まれ直し



幼年学徒の帽子

レアルカリアの長たる女王レナラ 

その琥珀のタマゴにより産まれ直した

幼年の魔術学徒たちの帽子

しかし、その産まれ直しは完全ではなく 

彼らはそれを、ずっと繰り返し

いつかそれに依存してしまう

夜眠り、朝目覚めるように 

彼らは産まれ直し、すべてを忘れていく


産まれ直しに魅了された魔術師は

依存状態となっており、

その研究がカーリアで行われようとも、

許しただろうと考えた。


カーリアへの憎しみも、

すべてを忘れていったのだろう





セルブスの召し使いであるピディが

アイテムを販売しているのだが

そのラインナップが


「波紋の剣」…しろがね人の武器

「雫の幼生」…人造生命にまつわる品

「星の雫」…永遠の都にまつわる品

「古牙」「角の芽」…坩堝にまつわる品

「睡卵」…睡りにまつわる品


わりと直球で、しろがね人や永遠の都との

繋がりを示唆している。


古牙や角の芽は、

原初の生命と言われる坩堝を調べることで

生命の研究に活用したのだろうか。


睡卵は、

傀儡にしたい相手を昏睡状態にするために

用いたのかもしれない。



そして、召使いである『ピディ』を被検体に、
『しろがね人』を創り出した
しかし実験はうまくいかず、
しろがね人は、脚が消えゆくという宿痾を抱えてしまう
被検体となったピディも同様に、
消えゆく脚を抱えることになるのだった


しろがね人



ピディは、第一世代のしろがね人と、

瓜二つの容姿をしている。




しかし、ピディの血は赤い。

この点で、白銀の血を宿すしろがね人と

決定的に異なる。


ピディがベースとなり量産されたクローン体が

第一世代のしろがね人なのだろうと推測した。


しろがねの凝血

どろりと固まった、しろがね人たちの血液

しろがね人とは、人に創造された生命である




レアルカリア学院にいた幼年学徒も、

しろがね人同様に脚を引きずっていた。

両者は、同じ探求から生まれたのだと察せられる。




また、レナラも脚が悪いようだ。

レナラ自身も、

産まれ直しに依存しているのかもしれない。



一部のしろがね人は、法務官『ライカード』が治める
ゲルミアの『火山館』に送られ研究された
火山館では、おぞましい人体実験が繰り返された
それは、生命への冒涜と嘲笑を含むものだった
しかし実験の甲斐もなく、根本的な解決法は見つからなかった


生命への冒涜



ミケラにとって、マレニアの宿痾治療は

純真たる願いだったと思われるが、

ミケラの兵が配置されたソールの城砦に、

しろがね人が迫害された形跡があったりする。

妹以外には容赦がない印象も受ける。




枷にはめられたしろがね人や

周囲の拘束具は、火山館のそれと似ている。




檻に入れられた者には脚がない。

逃げられないように脚を奪ったのか、

あるいはしろがね人と関係があるのだろうか。



なぜ火山館にしろがね人がいたのか。


火山館はやがて黄金樹へ弓を引く機に備えて

何かしらの研究・実験を行っていたと、

考えることもできる。


蛇人を生みだすための研究だろうか?


カーリア(ミケラ)はしろがね人の研究のため。

火山館は蛇人の研究のため。

双方の利が合致して、しろがね人は

火山館に送られたのかもしれない。


あるいは単に嗜虐嗜好を満たすため、

都合のいい弱者を欲していたのかもしれないが。




しろがね人は王都にもいる。

忌み子や混種といった穢れの治療のために

送られたのかもしれない。




ユビムシもいる。

ユビムシは他に火山館周辺、カーリア城館、火の釜の周辺で見られる。


指輪指

重い指輪を幾つもつけた、大指の槌

ユビムシの祖から、切り取られたとされる

それは、古い冒涜の遺産であり

まだ生を残し、僅かに生温かい


ユビムシとは、かつて人工的に「指」を作ろうとした

痕跡なのかもしれない。


しろがね人とユビムシに直接の関係は見えてこないが、

双方ともに、火山館の冒涜のために利用されたと考えられる。


これらが王都にいることが、

王都・火山館・カーリアに

裏でつながりがあったことを示唆している。



セルブスは脚の問題を解決するため、
新たな被検体を用い、第二世代となる、しろがね人を創り出す
脚の問題はクリアできたが、しかし脳が欠損してしまい、
こちらも失敗に終わる


第二世代



しろがね人の遺灰

潰れた頭がカエルにも似た彼らは

しろがね一族の、第二世代である


第二世代の被検体となった人物は不明だが、

リエーニエの「聖堂区画」に

しろがね人らしき亡骸が転がっている。




周囲には波紋のように草花が茂り、

第二世代のしろがね人が

守るように周囲を固めている。




亡骸は弓を扱うしろがね人によく似ているが、

肌の色が異なる。



波紋の剣

若きしろがね人たちの特別な得物

彼らの生命の原初とされる、波紋を模した剣


しろがねの盾

その紋様は、彼らの原初たる雫を示し…


波紋と雫は、しろがね人の原初とされる。

この亡骸が、第二世代のベースとなった

被検体かもしれない。





加えてこれら剣と盾は、

「写し身の」や「銀の殻」のような、

永遠の都の人造生命に

彼らのルーツがあることも

示しているのかもしれない。


写し身の雫

召喚者の姿を模倣し、戦う霊体

ただし、その意志までは模倣できない

永遠の都が、王を創らんとした遺物である


銀雫の殻

銀の雫と呼ばれる、不定形生物の硬化した殻

永遠の都と、その近辺で見つかる

銀の雫は生命を模倣する

模倣はやがて再誕となり

いつか、王となるのだという



次にセルブスは、カーリアの親衛騎士である、
『ローレッタ』を被検体に選んだ
第三世代となる、女型のしろがね人が生まれるが
しかし脚が機能しない問題を、解決することはできなかった
そしてローレッタ自身も、脚の機能を失ってしまう




第三世代



親衛騎士の兜

ローレッタの銀鉄の兜

かつて、カーリアの親衛騎士であった彼女は

しろがねの安住の地を探し求め、旅に出た

そして聖樹の未来に、それを託したのだ


白銀の盾

琥珀の埋め込まれた、輝く白銀の盾

聖樹の騎士、ローレッタの得物

その形は、密かに雫を模しているといい

つまらぬ噂の原因ともなっている

「ローレッタはしろがね人である」


カーリアの親衛騎士であったローレッタは

しろがね人だと噂された




しかし、その血は赤い

ピディ同様に、被検体とされたのだろうと考えた。

常に乗馬しているのは、脚が悪いためかもしれない。



ローレッタの大弓

弓は、彼女の得手であったという


しろがねのラティナ

ラティナは魔力の弓の名手である…




ラティナをはじめとする女型のしろがね人は

魔力の弓を得手としていた。

騎乗して弓を射るスタイルは

ローレッタと似ている。


しろがね人に第三世代がいたという記述はない。

しかし典礼街オルディナにいるしろがね人たちは

第一世代、第二世代どちらとも特徴が異なる。

彼女たちは第三世代にあたるのだと考えた。



人造生命の研究は行き詰まり
ミケラは、産まれ直しによる宿痾の治療を諦める
研究は放棄されることとなった
…というのが、協力者であるラダゴンへの報告となる

ミケラがしろがね人を生みだした真の目的は、
聖樹を信仰する信徒を作りだすことと
自身が産まれ直すための、準備を整えることにあった
研究は十分にその段階に達したと判断し、幕を下ろしたのだった
そしてミケラは身を潜め、次の準備を進めていく


ミケラの思惑



ミケラがやったと思われる事はいくつかあるが、

そのどれもが半端なまま、完結していない印象を受ける。


マレニアのために、あらゆる手を尽くしたが

治療に役立たないとわかって放棄した。

それが結果だけを見ると、中途半端に映るのかもしれない。



あるいは…

全てが一つの線で繋がるのかもしれない。


例えば、しろがね人を生み出したのは

聖樹への信徒を増やすためであり、

しろがね人の信仰を集めて

聖樹に新たな律を構築しようとした…

そういった計画だったと考えることもできる。


ミケラの本当の目的や

最終的な着地点についても考察していますが、

ミケラがやったと思われる事を

全て紹介してからでないと

説明が難しいので改めて紹介します。



半端に命を弄んだ研究は、カーリアに膿を残していった
セルブスは、永遠の都に遺された知識の中から、
人を傀儡に変える研究を発見する
そして、気に入った人間を傀儡に変え、
コレクションしていく悪癖に目覚めてしまうのだった




セルブスの正体



話す機会がないのでここで紹介するが、

セルブスはピディの傀儡だった

あるいは、ピディに傀儡にされた可能性がある。


まず、ピディと初めて対面した時の口調が、

セルブスと似ている。


ピディのセリフ

ひいっ

き、きみ…、いえ、貴方様は


セルブスのセリフ

君がラニの推薦かね

まあ、話は聞いているよ


もちろんこれだけでは根拠とならないが、

物語を進めると

セルブスが傀儡のような姿で見つかる。





その姿は、セルブスの傀儡たちと非常に似ている。


ちなみにセルブスがこうなるのは、

指殺しの刃を入手したタイミングとなる。

用済みとなりラニに消されたのかもしれないし、

偶然タイミングが一致したのかもしれない。

ギデオンに精薬を渡さなくてもこうなる。



そして、まったく同じタイミングで

ピディは傀儡たちに反逆され、命を落とす。




ピディのセリフ

やめておくれ、やめておくれ

お前たちは私の傀儡

あんなに愛してあげたじゃないか


召使いであるはずのピディが、

傀儡を自分の物だと発言している。

主人の物を裏で私物化していたとも考えられるが、

セルブスの傀儡化と同時に

ピディが死亡することを鑑みると、

本体であるピディが死亡したことで、

セルブスという傀儡の糸が

切れたのだとする見方ができる。



つまりセルブスは、

褪せ人が出会った時から、

すでに傀儡だった可能性がある。


しかし、いつ傀儡化したかは推測が難しい。


百智のギデオンが

ピディに関して何も発言しない点から、

ギデオンと出会った時はまだ、

セルブスは傀儡ではなかったかもしれないし、

すでにセルブスは傀儡だったが、

ギデオンは知ったうえで

黙っていたとも推察できなくもない。



いずれにせよ、

セルブスはピディに裏切られ

傀儡化してしまったのかもしれない。


ピディには、脚を奪われた恨みがあった。

セルブスの傀儡を私物化したい欲望に駆られた

…など、動機は十分に考えられる。



さらに残されたしろがね人たちは、
学院の雇われ兵である『カッコウ』から迫害される
それは、カーリアの優れた才に向けられた悪意だった
あてがわれた集落は破壊され
一部は、隠れるように岩肌で暮らすようになる




カッコウの迫害



しろがね壺

カッコウたちは嘯くだろう

とくと見よ。お前たちの血の穢れたるを

こんなものが、まともな生命に流れるものか


カッコウの大盾

学院と契約を結んだ魔術騎士たちの得物

我らが敵は、カーリアである


しろがねの盾

しろがね人の敵は、魔術師だった



カーリアを敵視するカッコウの騎士が

しろがね人を迫害している。

カーリアとしろがね人に

繋がりがあることを示唆している。




リエーニエの「聖堂区画」周辺に

妙に第二世代のしろがね人が多いことから、

ここらが、しろがね人の居住地だった可能性がある。

カッコウの騎士に破壊されたのかもしれない。


結果、しろがね人は住処を追われたため、

岩肌に隠れるように

「しろがね村」を作ったのだと推測した。






話はそれるが、

しろがね村の真下に

大量のトリーナのスイレンが咲いている。

しろがね人とトリーナに関係があることを

示しているといった捉え方もできる。

この沼地の蟹は睡眠攻撃をしてくるので、

それだけかもしれないけど…



レナラは、未だに心なく、産まれ直しに耽るまま
カーリア騎士はレナラを見捨て
城館からは、誰もいなくなった
親衛騎士ローレッタもまた、血を分けたしろがね人を見捨てられず
第三世代のしろがね人を引き連れ、安住の地を求めて旅立っていく
カーリアは衰退
高地に築かれた月の民の集落も、廃墟と化すのだった




カーリアの衰退



カーリア騎士の兜

月の女王に叙勲された騎士たちは

何れも一騎当千の英雄であったが

王家の衰退と共に、誰もいなくなった


親衛騎士の兜

かつて、カーリアの親衛騎士であった彼女は

しろがねの安住の地を探し求め、旅に出た

そして聖樹の未来に、それを託したのだ


カーリアから騎士たちは誰もいなくなり、

そしてローレッタも旅に出た。




第三世代のしろがね人と共に、

典礼街オルディナへ向かったのだろう。





「月の民の廃墟」には、魔術師が潜んでいる。

レアルカリアの輝石魔術を扱い、

廃墟に仕掛けられたトラップには、

レアルカリアの紋章が浮かぶ。

月の民は、レアルカリアに滅ぼされたのだろう。


カーリアの返報

月と星は、いつか道を分かつだろう



つづく


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