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2022年11月11日金曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part2(後編)

 


本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/8TzM5KvM64I



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。




そしてラダゴンは完全となるため、ゴッドフレイに従軍
狭間の地を制圧するための進軍に加わる
リエーニエに入ると、カーリアの王女であり、
レアルカリア学院の長である、レナラと衝突することとなる
後に『第一次リエーニエ戦役』と呼ばれる戦であった
ラダゴンはこの戦で活躍。瞬く間に頭角を現し、英雄と呼ばれる


第一次リエーニエ戦役



ラダゴンの肖像

赤髪のラダゴンは

カーリアのレナラの夫として魔術を修め

女王マリカの夫として祈祷を修めたという

英雄は、完全たるを目指したのだ


この時から、レナラと婚姻する計画だったのかもしれない。


マリカの言霊:デクタスの大昇降機

黄金樹は、すべてを律する。選ぶがよい

我らの律の一部となるか?それとも律の外にあり…

何の力も持たぬ、辺境の傍流となるか


マリカがリエーニエ戦役を

開始するにあたり発した、宣戦布告だと思われる。


第一次リエーニエ戦役

赤髪のラダゴン、英雄となる





そして、『第二次リエーニエ戦役』で
ラダゴンは、レナラと出会う
ラダゴンは、星の雫で身を清め、
侵略の戦いを悔いると、レナラへの愛を誓った


第二次リエーニエ戦役



第二次リエーニエ戦役

黄金と月に勝者はなく

だが贖いと、結びが生まれた




ミリエルのセリフ

ラダゴン様は、赤い髪をなびかせた、英雄でございました

黄金樹の軍勢を率いてこの地を訪れ、

しかし戦いの中でレナラ様と出会い

侵略の戦いを悔い、カーリアの女王たる彼女の伴侶となりました


ミリエルのセリフ

かつてラダゴン様は、星の雫で自らを清め

侵略の戦いを悔い、レナラ様への愛を誓いました

黄金樹の律と月の運命が結ばれたとき、

争いの傷は、すべて清算されたのです


星の雫

永遠の都で採取される秘雫

別名を「夜の雫」という

結びの教会で、贖罪を行うことができ

すべての敵対状態が、無かったことになる

かつて、夜空の星運命を司っていた

これはその名残であろう


永遠の都で採取される星の雫は

夜の雫とも呼ばれ、

贖罪を誓う像は、夜巫女を模している。

永遠の都との繋がりを示唆している。




夜空の星に運命を見出したのはカーリアである。



二人は婚姻し、王都とカーリアに、和平が結ばれる
ラダゴンは、カーリア王家へ婿入り。
カーリアの元で、魔術を修める
そうしてラダゴンは王となるため、完全を目指すのだった
そして、二人の間に
『ラダーン』『ライカード』『ラニ』が産まれる
ラニは、神を継ぐ器『神人』に選ばれ、影従の獣『ブライヴ』を授かる
ブライヴは義弟となり、本当の姉弟のように育つのだった
遂に、神人が産まれた
しかし、その時を待っていたのは、二本指だけではなかった


ラダゴンとレナラの婚姻



黄金の縫い針

満月の女王の夫となったラダゴンの

婿入り道具のひとつだった


黄金の裁縫道具

赤髪のラダゴンの婿入り道具


ラダゴンは裁縫が得意だったのかもしれない。

主夫としても完全だったのだろうか。




秘匿の仮面の口元を縫ったのもラダゴン。



ラダーンの大ルーン

ラダーンは、レナラとラダゴンの子の一人である

彼らは、ラダゴンが女王マリカの王配となった時

外戚としてデミゴッドとなった


ライカードの大ルーン

ライカードは、レナラとラダゴンの子の一人である

彼らは、ラダゴンが女王マリカの王配となった時

外戚としてデミゴッドとなった


ロジェールのセリフ

月の王女ラニ。王配ラダゴンと最初の妻レナラの、子供たちのひとり

将軍ラダーン、法務官ライカードの兄妹たるデミゴッド


三人は、レナラとラダゴンの子である。


ラニのセリフ

私は、かつて神人だった

デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが

それぞれの二本指に見出され、

女王マリカを継ぐ、次代の神の候補となったのだ

だから、私はブライヴを授かった。神人の特別な従者としてな


イジーのセリフ

ブライヴは、ラニ様の義弟なのです

母君、レナラ様もそれを認め

幼い二人は本当の姉弟のようでした


レナラがブライヴとラニの関係を認めている。

ラダゴンに捨てられ、

心を失くす前の話なのだろう。


つまり、ラニは外戚としてデミゴッドになる前から

二本指に神人として選ばれている。


誰も疑問に思わなかったのだろうか。



雪魔女となったデーディカは
大いなる意志への復讐を託せる、継承者が産まれたことを知る
そして、かつて満月を授けた、レナラと再会する
レナラは、恩師との再会に喜び
幼いラニを、雪魔女と引き合わせる
雪魔女はラニに、死への敬意と、暗月の魔術を授ける
さらに指殺しの方法と、その所在を教えるのだった
すべてを託したデーディカの霊は、黄金樹へと還る
大いなる意志への復讐には、まだ必要なことがあった
そのために、やがて来る、魂の流転に備えるのだった




暗い月の教え



雪魔女の尖り帽

それは、幼少のラニが森の奥で出会い

冷たい魔術を学んだ、老いた雪魔女の装束であり

彼女がその魂を宿す、人形のモデルになったという

老魔女は、ラニの秘密の師であった


レナラの満月

女王レナラが、その幼き日に出会い

後に学院を魅了した、美しい月である


ラニの暗月

母レナラに手を引かれ、幼いラニが出会った

それは、冷たく暗い神秘の月であった


輝石の氷塊

老魔女は、幼少のラニに教えたという

冷たい魔術と、暗い月への恐れ


指殺しの刃

永遠の都、ノクローンの秘宝

遺体から生まれたとされる刃

永遠の都の大逆の証であり

その滅びを象徴する、血濡れた呪物

運命なき者には振るうことはできず

大いなる意思と、その使いたちを

傷つけることができるという


ラニは雪魔女から、

冷たい夜の律を行くためには

指殺しの刃と宵眼が必要であること。

そして、それらの所在を

この時に、雪魔女から聞いたのだろうと考えた。

宵眼についてはPart3にて後述します。



ヘルフェンの尖塔

霊界において死者の道標となる灯火の樹

ヘルフェンの黒い尖塔を模した大剣

その灯火は祝福に似て

英霊だけが、それを見ることができるという


英霊には、霊界への道標が見える。

つまり英霊の魂は、

律が壊れていようと、自由に還ることができる。


ヘルフェンの尖塔の概念が

黄金律にも当てはまるかは疑問が残るが、

「その灯火は祝福に似ている」という。

ならばデーディカは、

黄金樹に還ることができただろうと考えた。


それはデミゴッドの追憶が黄金樹に刻まれることと

似ているのかもしれない。



マリカ・ゴッドフレイを筆頭とする黄金樹の軍勢は、
カーリアとの和平により、リエーニエを掌握した
そして、さらに南方へと進軍していく

ゴッドフレイはストームヴィル城で、
『嵐の王プラキドサクス』と、『嵐鷹の王』と戦う
嵐鷹の王は敗北
嵐の王は、ゴッドフレイに圧倒され、ケイリッドの拠点まで後退する




ストームヴィル城の戦い



嵐鷹の古王

ストームヴィルに本当の嵐があった頃

鷹たちの王として君臨した、一羽の遺灰

だが古王は誇り高く、誰の召喚にも応じない


竜王の追憶

時の狭間、嵐の中心に座す竜王は

黄金樹の前史、エルデの王であったという

だが神は去り、王は帰還を待ち続けていた


本当の嵐とは、嵐の中心に座した、

プラキドサクスのことなのだと考える。


嵐鷹の斧

鷹を象り、その翼を刃とした戦斧

遠く故郷を離れてなお

嵐と共にあろうとする戦士の得物

その思いは誇り高く、故に壊れやすい


ネフェリ・ルーはこの斧を扱う。


ネフェリ・ルーのセリフ

それは、遺灰か?

古い、嵐の匂いがするのだな

 

ネフェリ・ルーのセリフ

私は、ローデリカとは違う

霊を視ることも、感じることもできぬ

それでも、この遺灰は

最初の鷹を思い出す


鷹は、ネフェリ・ルーと縁が深い。

また、オープニングのホーラ・ルーの背後に

鷹のようなシルエットが見えたりする。(左上)




鷹の王は、ゴッドフレイを王に相応しい者と

認めたのかもしれない。


「嵐鷹の古王の遺灰」が

ネフェリ・ルーに応えたのは、

彼女がゴッドフレイの子孫だからだろうか?


また、ファルム・アズラにおいても

古竜の近くに鷹が多く生息している。

古竜と鷹の関係が、嵐鷹の古王と

プラキドサクスの関係を示唆していると

推測する。



そして黄金樹の軍勢は、啜り泣きの半島に進軍
『モーン攻城戦』を繰り広げる
復讐の英雄は、唯一人となって戦うが
ゴッドフレイに敗れる




モーン攻城戦

復讐の英雄、唯一人となって戦い

ゴッドフレイ王に敗れる


剣接ぎの大剣

モーンの城に所蔵された伝説の武器

無数の嘆き、怒りを背負った復讐の大剣

かつて、ただ独り生き残った亡国の英雄

一族の戦士すべての剣を集め、戦い続けた


復讐の英雄とは何者なのか?


考えられそうなのはエオヒドだけど

特にこれといった根拠も見つからない。

剣の色が似ているくらい。


エオヒドの宝剣

滅びた小国、エオヒドの宝剣

その赤金は、決して朽ちることが無く

使い手の気を宿し自在に動く





剣接ぎの大剣のデザインは、

ゲーム・オブ・スローンズの

鉄の玉座オマージュという噂で有名。

ジョージ・R・R・マーティン氏への

リスペクトだと思われる。


ゴッドフレイ軍が、

ケイリッドにいる嵐の王よりも

モーン城を優先した理由は、

挟み撃ちの展開を避けるためとか、

兵糧の補給のためとか、

色々と想像の余白はある。



黄金樹の軍勢の躍進は止まらず
嵐の王を追い、ケイリッドへ進軍
迎え撃つ 嵐の王プラキドサクスと、
ゴッドフレイは一騎打ちとなり、勝利する
プラキドサクスは首の半分を失うと、ケイリッドの都に逃走


嵐の王との一騎打ち



 

ゴッドフレイ王の戦、最後の地

黄金の軍勢は止まることなく勝ち続け

だが祝福は失われ、色褪せた


この地が、ゴッドフレイ王、最後の戦場だった。


エルデ王の冠

最初のエルデの王、ゴッドフレイの王冠

黄金樹の始まりは、戦と共にあり

ゴッドフレイは戦場の王であった

巨人戦争、嵐の王との一騎打ち

そして、好敵手がいなくなった時

王の瞳は色褪せたという


嵐の王との一騎打ちの後に

瞳が色褪せたと読み取れる。


古き王のタリスマン

時の狭間、嵐の中心に座すという

古き王を象ったタリスマン




このタリスマンはプラキドサクスを模している。

これには4本の首が見られる。

負傷して、首の半分を失ったのだろう。





そして巨大な嵐を巻き起こし、
その中心へ逃げ込む
嵐の中心は、時間の概念が存在しない『時の狭間』となる
プラキドサクスは時の狭間に籠り、
永遠に来ることのない、神の帰還を待ち続けるのだった




プラキドサクスの敗北



プラキドサクスの滅び

それは、時の狭間に永遠に座した竜王の

滅びゆく断末魔であった



時の狭間とは?


理屈はわからないが、

時間の概念が存在しない空間だと思われる。

プラキドサクスが

時の狭間を生み出した瞬間のまま、

この空間だけが時を止めているのだろう。


竜王の追憶

時の狭間、嵐の中心に座す竜王は

黄金樹の前史、エルデの王であったという

だが神は去り、王は帰還を待ち続けていた


プラキドサクスの待ち続けた神とは、

伴侶であった宵眼の女王のことだと解釈した。

時の狭間から解放してくれると信じたが、

すでに神は黄金樹へ還っており、

永遠に現れることはなかった。


古き王のタリスマン

古き王の都、ファルム・アズラは

遙か前からずっと

ゆっくりと崩壊しているという


王の都はゆっくりと崩壊していく。



嵐は、ケイリッドの都を分断し、
ゆっくりと空に浮上していく
空に浮かぶ都は、王を失った古竜の霊廟『ファルム・アズラ』となり
地上に残った一部は、『獣の神殿』と呼ばれるようになる





ファルム・アズラと獣の神殿



アズラの獣人の遺灰

ゆっくりと、空に崩れゆく遺跡

ファルム・アズラの獣人たちの霊体

それは、古竜を祀る巨大な霊廟であり

選ばれた獣人の武器は雷を帯びている


ファルム・アズラと獣の神殿は、

双鳥のレリーフと建築様式が一致する。





獣の神殿の外縁を下ると、

「遺跡石」と「神殿石」が落ちている。




遺跡石

遺跡の降った地で見出される小片

アイテム製作に用いる素材のひとつ

それは空にある神殿の一部であるといい

光を帯びやすい性質を持つ


光を帯びやすい性質は、

元が太陽信仰の都だからだろうか?

神殿石は、ぬくもり石の素材にもなる。


神殿石

遺跡の降った地で見出される小片

その中でも稀な、特に光を帯びたもの 

これは光を帯び、またその光に力を与える


狭間の地の各所でみられる遺跡の残骸にも、

これらの石がよく落ちている。


そしてファルム・アズラの獣人を倒すと、

「神殿石」をドロップする。

これらが、元は同じ建物であったことを

示しているのだろう。



こうして、狭間の地を制圧し、すべての脅威を払ったかにみえたが
マリカとゴッドフレイの不在を突き
古竜の残党は、王都ローデイルを奇襲する
大古竜グランサクスの襲来に端を発し
後の世に『古竜戦役』と呼ばれる戦いが始まる

王都の守りに就いていた『ゴッドウィン』は
最も強き岩の名を持つ古竜『フォルサクス』と勇戦する

フォルサクスは、ゴッドウィンに古竜の血が流れていることを知ると
二人は友となり、両者は和解
こうして、古竜戦役は意外な形で終結する


古竜戦役



グランサクスの雷

大古竜の襲来は、ローデイルの城壁が破れた

歴史上唯一の事例であり

続く古竜たちとの戦いの端緒でもあった


フォルサクスの雷槍

赤き双雷は、古竜戦役において

最も強き岩の名を持つ古竜の、象徴であった


 


 

古竜戦役最後の地

黄金のゴッドウィン勇戦し

古竜フォルサクスを友とす


古竜戦役において

マリカやゴッドフレイの活躍を聞かないのは、

遠征に出ており、不在だったためと考えた。



王都では、古竜の圧倒的な力に魅せられた者たちから、
『古竜信仰』がはじまる
黄金樹と同じ黄金色の竜の雷は、王都の信仰と混ざり合っていく
フォルサクスの姉である古竜『ランサクス』は、人の姿に化けると
古竜信仰の司祭として 騎士たちと交わった
人と竜の融和の時代が、王都に訪れる


古竜信仰のはじまり



異形の竜兜

黄金で作られた歪な兜

竜の諸相が散りばめられた

異形のツリーガードの装備

大古竜の襲来の後、彼らは悟った

黄金樹を護り続けたいのなら

自らが、竜になる他ないのだと


竜のツリーガードに関しては

古竜信仰だけでなく、

竜餐とも関係あるかもしれないが…


竜の心臓

竜餐と呼ばれる儀式の供物であり

祭壇でこれを喰らうことで

竜の力を我がものとすることができる


雷撃

王都古竜信仰の祈祷のひとつ

さざれ石のウロコを持つ古竜は

雷を武器とする、竜たちの祖先であり 

かつて、王都ローデイルと戦ったという


さざれ石の聖印

古竜の鱗とされる、さざれ石の聖印

古竜信仰は、黄金樹への裏切りではない

この聖印も雷も、すべて金色なのだから



黄金樹と同じ金色をした竜の雷は

王都の信仰に混ざり合った。


ランサクスの薙刀

ランサクスはフォルサクスの姉であり 

人の姿に化け、古竜信仰の司祭として

騎士たちと交わったという





時を少しさかのぼり…狭間の地を進軍していたマリカは
黄金律のもたらした永遠。その残酷な真実を目撃する
それは、死を望もうとも叶わず
延々と、価値の無い生の、焼き増しを繰り返すだけの日々
終わりを望もうとも、死ぬことすら許されない…まさに生き地獄だった

マリカは気づいてしまう
「こんなものが、永遠であるはずがない」
永遠の生は、幻想に過ぎず
黄金律に必要なものは、ラダゴンではなかった
本当に必要なものは、
かつて大いなる意志が分かち、封印した、『死の回帰』であった


永遠の生



永遠の都の宿願であった、永遠の生。

マリカは、その理想を叶えようと邁進してきた。

死を取り除いた黄金律は

たしかに人々を不死に変えたが、

死という循環を失った律は、機能不全を起こし、

恵みは枯渇し、失われていった。


メリナのセリフ

狭間の地を、ずっと見てきた

この世界には、修復が必要だと思う

そして、分け隔てない死


メリナのセリフ

私の使命は、母から授かったもの

けれど、今はもう、私の意志になった

母の意志とは関係なく、ただ私が望む、世界の姿のために

私が、心に決めたもの


メリナは、世界の修復と、死の回帰を望んでいる。

産まれることは、素晴らしいのだと。

この願いは、母から授かったものであり、

メリナ自身の意志でもある。



そのためには、一度エルデンリングを砕かなければならない
バラバラになった破片に、死のルーンを組み込んだ後、修復する
そのためには、大いなる意志も、ラダゴンも、
すべてを欺かなければならない
マリカの孤独な戦いが、ここから始まるのだった

マリカは、ゴッドフレイと戦士たちに向かって
予言めいた宣告をする
戦士たちから、祝福を奪うこと
その瞳が色褪せた時、狭間の地から追放すること
そして、いつか死した時、祝福を返し、再び導くことを…


マリカの孤独な戦い



マリカの願う、

死の回帰とエルデンリングの修復。


その計画が、いつから始まったかを考えた時、

ラダゴンの誕生、あるいは

ゴッドフレイの追放がポイントとなると推測した。




ラダゴンは、黄金律を完全とするため

生み出されたと思われる。

つまり、死を回帰させず、

現状のまま、黄金律を完全にするという発想。

保守的な思考から生まれている。


よってラダゴンが生まれた時は、

まだ死の回帰は計画していなかったのだと考えられる。


そして、ゴッドフレイの追放。

この時点でマリカは、褪せ人を追放することと、

いつの日か、祝福を返すことを予言している。


マリカの言霊:第三マリカ教会

我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う

そして、その瞳が色褪せるとき、狭間の地を追放する

外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい


マリカの言霊:巡礼教会

そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう

狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい

死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ


つまり、マリカの頭の中には、

褪せ人が帰ってきてエルデンリングを継承する

という絵図が、すでに出来上がっている。


よってマリカが死の回帰を計画したのは

ゴッドフレイ追放の直前だと推測した。


特にゴッドフレイに対して、

戦いの中で強くなってほしい。

そして再び、王となって欲しいという

想いがあったのかもしれない。



この時すでに、マリカは
エルデンリングを砕くことを計画していた
しかし、修復した後の王位の継承者は、
ゴッドフレイであってほしいと願ったのだった


祝福を奪ったのはマリカなのか?



ここで気になるのが、マリカに

他者の祝福を奪ったり、与えたりと

制御する力があったのかどうか。


マリカの言霊:第三マリカ教会

我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う

 

マリカの言霊:巡礼教会

そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう


マリカは、ゴッドフレイたちに、祝福の与奪を宣言している。


メリナのセリフ

この場所には、言霊が残っている

ずっと前に消えてしまった、女王マリカの言霊

マリカの言霊を、そのまま伝える


マリカの言霊。

大いなる意志の言葉を

マリカが代弁したにすぎないという

可能性も考えられるが、

マリカ自身が発した言葉なのだと推測した。


なぜならこの言霊は、

エルデンリングの奪い合いを前提としている。


マリカの言霊:巡礼教会

狭間の地に戻り、戦い

赴くままにエルデンリングを掲げるがよい


この発言がなされた時点では、

まだ褪せ人は存在していない。

大いなる意志が奪い合いを求めているのなら、

わざわざ次代の神候補として

神人を擁立する必要はない。

後継者など始めから用意する必要がない。

よってこの言霊は、マリカ自身が発したものである。


つまりマリカは、祝福を与奪する力を持っていた。


黄金樹の恩寵

黄金樹の特別な恩寵の象り

黄金樹の時代、そのはじまりにおいて

女王マリカは手ずからそれを与えたという


恩寵とは、祝福を指しているのかもしれない。

マリカは恩寵を、手ずから与えたという。



しかしそうなると、

円卓の二本指の言葉との間に、矛盾が生まれる。

二本指は、大いなる意志が

褪せ人に祝福を与えたのだと話していた。


二本指の言葉

”だが、大いなる意志は、世界と生命を見捨てない”

”お主たち褪せ人に、祝福の導きをもたらし、使命を与えたのだ”


王たる聖防護

二本指との長き対話の後、ギデオンは悟った

すべて、とうの昔に壊れていたのだ

老いさらばえた震える指も、黄金樹も


ヴァレーのセリフ

実は、私もそう思うのですよ

二本指の言は、信用できぬ

あれはまるで、がたのきた老人の世迷言

私は思うのです。エルデンリングが砕けたとき

二本指も、その導きも、また壊れたのではないか


二本指は、大いなる意志の言葉を

代弁してなどいない。

勝手な憶測で、話しているにすぎないのだろう。


二本指の言葉

”褪せ人よ、よくぞ為した。

大いなる意志も、きっとお喜びだろう


信徒の誓布

その偶像は信徒を模している

形無きものを頑なに信じ、祈る様は

孤独な教祖にすら勇気を与える

信仰とは、つまり肯定であろう


孤独な教祖とは、

二本指を指しているのかもしれない。



メリナのセリフ

この小さな金の灯は、黄金樹の祝福

それは貴方たち褪せ人が、かつてその瞳から失くしたもの

そして今は、貴方たちを導くもの。そう、聞いている


メリナのセリフ

私は、黄金樹の麓で産まれた

そこで母から使命を授かり

けれど、すべて無くしてしまった


メリナは母から祝福について聞いたのだろう。

ゴッドフレイたちへ祝福の与奪を宣言した

マリカの言霊とも内容が一致する。


このあたりからも、

メリナが母と呼ぶ者は、マリカだと推測できる。



ゴッドフレイは、巨人戦争、嵐の王との一騎打ちと
止まることなく勝ち続けたが
マリカが予告した通りに、好敵手を失い、その瞳は色褪せる

マリカは宣告通り、ゴッドフレイと戦士たちを、狭間の地から追放する
ゴッドフレイたちは、最初の『褪せ人』となり
狭間の地の外に戦を求め、そして死ぬこととなる


最初の褪せ人



エルデ王の冠

最初のエルデの王、ゴッドフレイの王冠

黄金樹の始まりは、戦と共にあり

ゴッドフレイは戦場の王であった

巨人戦争、嵐の王との一騎打ち…

そして、好敵手がいなくなった時

王の瞳は色褪せたという


ホーラ・ルーの追憶

最初のエルデの王、ゴッドフレイは

ある時祝福を奪われ、褪せ人となり

同じ者たちを連れ、狭間の地を離れた

褪せ人の長征。その末に彼は

王たるを捨て、只の戦士に戻ったのだ


オープニング

おお、だからこそ褪せ人よ

未だ死にきれぬ、死者たちよ

遠い昔に失くした祝福が、我らを呼ぶ

蛮地の王、ホーラ・ルーよ



王都に戻ったマリカは、ラダゴンを二人目の夫とすることを宣言
ラダゴンは、レナラを捨て、王都へと戻る
そして、ラダゴンとレナラの子である、
ラダーン・ライカード・ラニは、
外戚として王都に迎えられる


王配ラダゴン



ミリエルのセリフ

しかし、最初のエルデの王、ゴッドフレイが狭間を追放されたとき

彼はレナラ様を捨て、黄金樹の王都に戻り、

女王マリカの王配、二番目の夫となり

二人目の、エルデの王となったのです


ラダーンの大ルーン

ラダーンは、レナラとラダゴンの子の一人である

彼らは、ラダゴンが女王マリカの王配となった時

外戚としてデミゴッドとなった



この頃、若きラダーンは、痩せた愛馬と共にあるため、
魔術街サリアを訪ねていた
そこで白王に師事し、重力の技を習得
そしてラダーンは、サリアへの恩義を返すため、
街の護りとなると、星に挑み、打ち砕く

しかしラダーンが星を止めたことで、
かねてから黄金律に縛られ、
衰退を辿っていたカーリアの運命は、完全に停止する




星に挑んだ英雄



元々ラダーンは、愛馬のためにサリアを訪ね、

重力魔術を習得したと思われる。


星砕きの追憶

赤獅子の将軍は、重力の使い手でもあった

若き日、ラダーンはそれをサリアで修めた 

みすぼらしい痩せ馬と、ずっと共にあるために




戦祭りでラダーンは、痩せ馬に乗っている。

ラダーンの巨体を、

痩せ馬が支えられるとは考えにくい。

重力魔術で、愛馬への負担を減らしているのだろう。


重力弾

若きラダーンが修行したという重力の技

その師は、石の肌を持つ白王であった


星砕き

若きラダーンが極めたという重力の技

師よ、感謝する。今こそ、我

星に挑まん


その後、サリアを護るために、星に挑んでいる。


宇宙生物と思われる白王がなぜ、

星に挑む技を授けたかは謎が残る。


黒王という存在もいる。

白王はその対比となる存在なのだろうか。




レアルカリア学院にも白王がいる。

魔術師にとって、重力の魔術を扱う白王は

客員教授のような、

特別な待遇だったのかもしれない。




カーリア城館近くにある封牢にも

白王が捕らえられている。

カーリアの運命を止めた罰だろうか?




星砕きの戦い

ラダーン、サリアの護りとなり

唯一人星に対し、それを砕く


大いなる意志が隕石を降らせたのだろうか?


永遠の都の夜人が

秘密裏に地上に進出していると知り、

星を降らせたのかもしれない。


ラダーンの赤髪兜

赤髪をなびかせた、黄金獅子の兜

将軍ラダーンの装備

父ラダゴンから受け継いだ、燃える赤髪を

ラダーンは、英雄の象徴として誇っている

我こそは、英雄の子。そして戦王の獅子である


ラダーンの獅子鎧

黄金獅子は、最初の王ゴッドフレイと

その宰相の獣、セローシュに由来するという 

幼き日、ラダーンは戦王に心奪われたのだ


ラダーンは幼い頃から、英雄に憧れていた。

サリアへの恩義から街を護ったのかもしれないし、

単純に、英雄的な偉業を求めたのかもしれない。


イジーのセリフ

カーリア王家の運命は、星によって動きます

カーリア王家正統の王女たるラニ様の、運命もまた同じはずです

そして、将軍ラダーンは星砕きの英雄

かつて流れる星に立ち向かい、

打ち砕いたとき、星の動きは封じられた

であれば、将軍ラダーンが死するとき、星はまた動き出します


遠眼鏡

黄金樹の時代、カーリアの星見は廃れていった 

夜空にあった運命は、黄金の律に縛られたのだ


しかし結果として、ラダーンが星を止めたことで

カーリアの運命は完全に止まってしまう。


これ以降、大いなる意志は

隕石を降らせることができなくなってる?



レナラはラダゴンに捨てられ、子をも奪われたことで、
心を失くしてしまう
レアルカリア学院は、茫然自失としたレナラを見ると、
彼女はもはや英雄でないと知る
学院には、かねてからカーリア王家を快く思わない者たちが、
少なからず存在していた
学院はカーリアを裏切り、レナラを大書庫に閉じ込めた
そして、学院に雇われた騎士たちが、カーリアの城館を襲撃する
カーリアの騎士たちは辛くもこれを退けるが、
女王を失ったカーリア王家は、時と共に衰退していくのだった




カーリアの衰退



ミリエルのセリフ

夫たるラダゴン様に捨てられた後、心を失くしてしまわれ

学院が王家に反旗を翻したとき、その大書庫の虜囚となったのです


女王の月冠

魔術学院レアルカリア

そしてカーリア王家の長でもあったレナラは 

伴侶であったラダゴンと共に、心を失くした

そして学院は気付いたのだ

彼女が、もはや英雄などでないことを


イジーのセリフ

この地は、かつてカーリア王家の領地でした。

この先は、王家の方々が住まう城館です

レアルカリアの学院が王家を裏切ったとき、

カッコウの騎士たちはこの地を襲撃

それを滅ぼした後、城館に迫りました

不意を突かれたとはいえ、カーリア王家の力は健在で、

騎士たちは退けられました

けれど、そこで使われた恐ろしい魔術の罠が、

ずっと残ってしまったのです



 

カーリア城館防衛戦

卑劣なるカッコウどもの屍場


カッコウの大盾

学院と契約を結んだ魔術騎士たちの得物

我らが敵は、カーリアである


カーリア騎士の兜

月の女王に叙勲された騎士たちは

何れも一騎当千の英雄であったが

王家の衰退と共に、誰もいなくなった


おわり

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