本投稿は、動画の解説を
じっくり見たい方に向けたものとなります。
動画はこちらhttps://youtu.be/bmGwi_DjCbM
本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、
ひとつの物語として考察することを主旨としております。
枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。
それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。
三人の神人
ラニのセリフ
デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが
それぞれの二本指に見出され、
女王マリカを継ぐ、次代の神の候補となったのだ
腐敗の女神の追憶
ミケラとマレニアは、唯一人の神の子供である
故に二人は神人であるが、その生は脆弱であり
一方は永遠に幼く、一方は腐敗を宿した
なぜこの三人だけが、神人だったのか?
新たな律を構築する素質を持つ者が、
神人に選ばれると考えられる。
ゴーリーのセリフ
神人とは、通常のデミゴッドとは異なる存在
エルデンリング、
即ち女王マリカの時代が終わったとき
神となり、新しい律を掲げるべく、
尊く生まれ落ちているのです
ラニ:冷たい夜の律
マレニア:腐敗の律
ミケラ:聖樹の律
ラニのセリフ
私の律は、黄金ではない。星と月、冷たい夜の律だ
ゴーリーのセリフ
私は魅せられているのですよ
マレニア様と、その艶めかしい腐敗の律に。
爛熟輪廻の理にね
聖樹紋のサーコート
ミケラの血を受けた、聖なる芽生えの若木
だがそれは、遂に黄金樹とはならなかった
ミケラは黄金樹に倣った。
それはミケラの律のためだったのだろう。
ラニの暗き路
ラニのセリフ
そして私は、二本指を拒んだ
死のルーンを盗み、神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも
私は、あんなものに操られたくはなかったのだ
陰謀の夜
ロジェールのセリフ
古い黄金樹の盛期、まだエルデンリングが砕ける前
何者かが、黒き剣のマリケスから死のルーンの欠片を盗み
冷たい夜に、黄金のゴッドウィンを弑したのです
それは、歴史上はじめてのデミゴッドの死であり
エルデンリングが砕け、破砕戦争が起こる、
その切欠になったと言われています
ロジェールのセリフ
儀式の主、つまりは陰謀の夜の主犯も、見当がつきましたよ
月の王女ラニ。刻印には、彼女の名が隠されていたのです
ラニのセリフ
確かに、私は魔女ラニ
死のルーンの一部を盗み、儀式により、
それを神殺しの黒き刃となした
すべて私が、やったことだ
陰謀の夜の主犯はラニである。
黒き刃の刺客とは何者なのか?
ロジェールのセリフ
黒き刃の陰謀の夜
その実行犯は、永遠の都の末裔たる、
暗殺者だと言われています
姿隠しの衣を纏い、銀の鎧に身を包んだ、
女性ばかりの一団であったと
黒き刃のフード
黒き刃の刺客たちのフード
陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは
すべて女性であり、一説には
マリカに近しい稀人であったという
稀人のルーン
稀人は、かつて狭間の外からやってきた
女王マリカの同族であるという
稀人顔
異界の民の末裔とされる、稀人の外見
皆長命であるが、産まれる者はごく少ない
黒き刃の刺客は、マリカに近しい稀人であり、
永遠の都の末裔とされる。
黒き刃の刺客は死んでいる?
フードの奥は、空洞になっている。
斬ると、黒い霧のようなものが吹きだすのだが
マリケスが死した時に身体から放たれた、黒い霧と似ている。
黒い何かは、死のルーンにまつわるものだと思われる。
血のように噴き出す様は、
黒き刃の刺客の、空洞になった鎧の中に、
それが詰まっているのだと想像させる。
クレプスの小瓶
暗闇の霧を封じた神秘の小瓶
装備者の立てる音を完全に消す
円卓の暗部が用いたという呪具
かつて、導きを外れた褪せ人は
静寂に怯えていた
クレプスの小瓶に封じられた暗闇の霧と
同じものだろうか?
音を消す性質は、黒き刃の防具と共通する。
ロジェールのセリフ
彼女たちの武器、黒き刃には、
儀式により死のルーンの力が宿っていたと
欠片とは言え、死のルーンの力を宿すためには、
それなりの儀式が必要です
黒き刃の刺客たちは、
武器に死のルーンを宿す儀式を施したときに
肉体を失ったのだろうか?
だとするなら、彼女たちはラニのような
魂だけの死者…
死に生きる者ということになる。
ラニが宵眼を盗んだとは?
ラニが陰謀の夜を企てたのは、
二本指の支配から解放され
冷たい夜の律を行くため。
そのために、二本指を殺す必要があった。
指殺しの刃
運命なき者には振るうことはできず
大いなる意思と、その使いたちを
傷つけることができるという
’’運命なき者’’とは、何を示しているのか。
ラダーンが星を止めたことで停止した
カーリアの運命を指していると思われるが、
ラダーンを倒した理由は
ノクローンへの道を開くためであり、
指殺しの刃を振るう資格を得るためではなかった。
この’’運命なき者’’という記述を
’’カーリアの運命’’とだけ捉えるには、
釈然としないものがある。
薙ぎ払う黒炎
黒炎とは、すなわち神狩りの炎であった
しかし、マリケスが運命の死を封じた時
その力は失われた
死のルーンを指して度々、
’’運命の死’’と表現することがある。
「運命なき者」という記述には、
死の運命なき者→死を操る資格なき者
…という意味も含まれるのでは。
すなわち、かつて死の力を振るった、
宵眼の女王を指しているのだと推測した。
宵眼の女王が死を操ることができたのは、
その呼び名の由来となっている
『宵眼』があったからかもしれない。
ラニの遺体は炭化しており、
焼け落ちたように見える。
死のルーンを刻印した「黒き刃」を
焼けた原因とするなら、同じく死に蝕まれた、
ゴッドウィンの身体も焼けていなければおかしい。
これは、黒き刃が原因ではないのだろう。
ゴッドウィンの遺体は焼けていない。
左眼に宵眼を宿していると思われるメリナは
焼け爛れて、霊となったと話していた。
メリナのセリフ
私の話?探しているの
かつて、黄金樹で母から授かったはずの、
私の使命を
焼け爛れ、霊の身体となってまで、
生き続けている理由を
メリナとラニが焼け爛れた理由は
同じかもしれない。
かつてマリカが、シャブリリから奪った宵眼。
その片眼をラニは盗み、右眼に移植した。
指殺しの刃を振るうには、宵眼が必要だった。
しかし宵眼の力は強大で、
神人といえど、身体は焼け爛れてしまう。
加えてラニは二本指の支配から逃れるため、
身体を捨てる必要があり、
そして冷たい夜の律を行くため、
身体を失ってなお、生きる必要があった。
そのため、黒き刃で自らの身体に刻印を刻み
ゴッドウィンと呪痕を二つに分けた。
そうして魂だけの「死に生きる者」となる
必要があったのだろう。
人形のラニの右眼に
メリナに似た幻影が見えるのは、
宵眼がラニとメリナに片眼ずつ
移植されていることを示しているのかもしれない。
ちなみに、グラングから渡される「獣の瞳」は、
宵眼に似せて作られたレプリカだと考えている。
獣の瞳
爪痕に傷ついた石の瞳
獣の司祭、グラングから渡されたもの
死の根に近づくと、ぶるりと震えるという
暗紫の瞳孔は、生きているかのように蠢く
渇く…、もっと死を喰らわせろ…
ラダゴンが陰謀の夜に協力した?
王都の「女王の閨」の前に、黒き刃の刺客がいる。
黄金樹への道を守護するかのようだ。
マリカを護衛しているとも考えられるが、
マリカはエルデンリングの継承を望んでいるため、
矛盾してしまう。
「ラダゴンとはマリカである」
マリカが黒き刃の刺客と同族なら、
ラダゴンも、それに近しいと考えられる。
この刺客は、ラダゴンが配置したのかもしれない。
ラニから「カーリアの逆さ像」を受け取り、
ラニの遺体に向かう道中。
「カーリアの書院」を逆さにした先に、
「秘匿の仮面」が落ちている。
秘匿の仮面
黄金の糸で、その口を縫い塞がれた仮面
レナラの夫となったラダゴンが
カーリアの魔術教授たちに強いたもの
我が事は、すべて秘匿と心得よ
黄金の糸は、ラダゴンの婿入り道具である
「黄金の縫い針」で縫ったものだろう。
黄金の縫い針
満月の女王の夫となったラダゴンの
婿入り道具のひとつだった
秘匿とは、ラダゴン=マリカのことを指すとも考えられるが、
秘匿の仮面が落ちている場所が場所だけに、
陰謀の夜にまつわることだと推測した。
現にカーリアの書院は
「魔術教授ミリアム」に護られている。
そもそもラダゴンは完全を目指し、
黄金律原理主義を提唱している。
娘のラニが神を継ぐなら、
黄金律原理主義を探求する必要がない。
子を神の座に束縛したくないという親心が
あったのかもしれないし、
自身の生まれた存在意義を、
神人に奪われることを拒んだのかもしれない。
ラダゴンの肖像
英雄は、完全たるを目指したのだ
マリカの言霊:小黄金樹教会
黄金律の探究を、ここに宣言する
あるべき正しさを知ることが、
我らの信仰を、祝福を強くする
幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる
同志よ、何の躊躇が必要だろうか!
二つの呪痕
死の呪痕
月の王女ラニの、棄てた肉体に刻まれた呪痕
百足傷の欠環とも呼ばれる
呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ
円環を成すはずである
だが、デミゴッド最初の死者は二人あり
呪痕は2つの欠環となった
ラニは肉体だけの最初の死者であり
ゆえに死王子は、魂だけの最初の死者なのだ
その後のラニ
雪魔女の尖り帽
それは、幼少のラニが森の奥で出会い
冷たい魔術を学んだ、老いた雪魔女の装束であり
彼女がその魂を宿す、人形のモデルになったという
腕が四本あるのは、
レアルカリアの人形兵を素体にしているから。
肌が青白いのは、雪魔女が写し身の雫を傀儡化して
憑りついていたから。
そのように考えた。
レナラ戦。第二フェーズ移行前に、
ラニの声が聞こえる。
ラニのセリフ
魔女ラニの名において告げる
我が母の、泥濘の眠りを侵すことなかれ
罪人よ
語り継ぐがよい
カーリア最後の女王、満月のレナラの
気高い夜の有り様を
面識のある褪せ人を、’’罪人’’呼ばわりしている。
あらかじめ施された
魔術のようなものだと推測できる。
ラニが行方をくらませる前に、
母を護るために施したセキュリティなのだろう。
陰謀の夜には、法務官ライカードも
加担していた疑いがある。
冒涜の爪
死のルーンの片鱗が刻まれた岩片
黒き剣の力を逸らすことができる
陰謀の夜、法務官ライカードは
ラニから謝礼として片鱗を貰い受けた
いつか来る冒涜の時、黒き剣のマリケスに
運命の死たる黒獣に挑む切り札として
ライカードは何をしたのだろう?
ライカードが謝礼をもらった理由は、
ラニを匿ったからだと考えた。
火山館では、ギデオンの密偵が
ライカードに殺されている。
瞳のサーコートが落ちている。
瞳のサーコート
瞳の紋章は、百智卿ギデオンに仕え
彼の目であり、耳であった印である
ギデオンは、行方の知れないデミゴッドの
居場所を探ることにこだわっていた。
火山館に、その手掛かりがあったのでは?
行方不明のラニの居場所を探ろうとして、
殺されたのかもしれない。
ギデオンのセリフ
私と円卓が、
まだ居場所を知らぬデミゴッドは、4人いる
無垢なる黄金、聖樹のミケラ
その双子、腐敗の剣マレニア
レナラの娘、月の王女ラニ
そして、血の君主と呼ばれる何者か
円卓は、居場所を探り続けているのだ
大ルーンを棄てたとされる、
ラニ以外の3人の居場所をな
ただし大ルーンを棄てたラニについては、
あまり執着がなかったようだ。
密偵が始末されて、諦めたのかもしれない。
ロジェールのセリフ
ラニの居場所は、少し思い当たります
レアルカリアの学院の北に、ある城館があります
そこは、ラニの生家たる
カーリア王家の故郷なのですが
近年そこに、王家の旧臣たちが集いつつある、
という噂があるのです
ラニは、破砕戦争において行方をくらまし、
以来その姿を見たものはいないとされていますが
もしかしたら、故郷たる城館に
戻っているのかもしれません
ラニの姿は破砕戦争から目撃されていない。
①陰謀の夜の時点で死んでいる。
②大ルーンを棄てる姿は目撃されている。
他のデミゴッドたちに狙われないように
大ルーンを棄てる際だけ、
あえて姿を見せたのかもしれない。
火山館には、開かずの扉が、ひとつある。
(裏からは入れる)
ラニは、あの部屋で眠っていたのかもしれない。
鍵が開かないのは、ラニが鍵を持ってるから?
そして時が来るまで匿ってもらう礼として、
ライカードに冒涜の爪を渡した。
などと考えてみた。
そしてライカードだが、
陰謀の夜に加担した時にはすでに
黄金樹に反逆することを計画していたと思われる。
タニスのセリフ
黄金樹は褪せ人に祝福を与えた
だがそれは、導きの使命に対して、とても小さい
…故に、褪せ人は力を漁り争う。
そうすることを求められる
かつてエルデンリングが砕けたとき、
大ルーンの君主たちが求められたように
我が王は、それに憤った。
分け与えられたものを漁りあう、
そんな浅ましい生き方など、受け入れられぬと
黄金樹が、神が我らを愚弄するならば、
背律の冒涜を犯してでも、尊厳の反旗を翻す
それが我が王、ライカードの決意であり、
火山館の意志なのだ
「冒涜の爪」という物的証拠がある以上、
タニスが語った「黄金樹に反旗を翻す理由」は
褪せ人の支持を集めるための
建前でしかないのだろう。
しかしそれでは、ラダゴンと対立してしまう。
ラダゴンは黄金律の完全を目指したのだから。
ライカードはラダゴンに、
本心は明かさなかったのだと推測する。
妹を宿命から解放するため
…とか建前で話してたのでは?
死王子の汚染
死王子の瘡
その顔の主は、死王子であるという
彼は、かつてゴッドウィンと呼ばれ
デミゴッド最初の死者として、王都の地下深く
黄金樹の根本に埋葬されたという
死の諸相は、狭間の地の各所で見られる。
王都の外縁にある池に、蟹がいるのだが
甲殻に、死王子の業瘡が浮かんでいる。
死王子の業瘡
その顔の主は、死王子であるという
デミゴッド最初の死者たる黄金の貴公子の
死にきれず、穢れきった死に顔であるという
死王子の業瘡は、地上の墓地に
生息する蟹にも見られる。(壺村の近くなど)
また、王都外縁にある、
小黄金樹の周辺に「ミミズ顔」がいる。
咳き込んでおり、病気のように見える。
彼らが吐き出す黒い霧は、
即死の状態異常を蓄積させる。
ミミズ顔を倒すと「金の排泄物」を落とす。
これは、「糞壺」の素材となる。
金の排泄物
何者かの排泄物。金色の大便
金色の大便は安定性が高い
乾かず、その熱と臭いを失わず
それはずっと大便である
糞壺
排泄物などを混ぜ合わせ、壺に封じたもの
それは発酵し、毒素と悪臭を増し溢れ出る
敵に投げつけ、猛毒を蓄積する
糞は発酵させると、通常は、たい肥となるはず。
ところが、「糞壺」は毒性が増している。
金の排泄物は、一般的な糞とは
異なる性質を持つのだろう。
ミミズは本来、
植物の生育に適した土を作る益虫で、
土を食べて出した糞が、植物の成長を助けるという。
また、食物連鎖の最下位に属し
多くの動物の食を支えている。
ところがミミズは、土壌が汚染されていると
土から毒を蓄積してしまう。
しかしミミズ自身は、毒に強い耐性を持っており、
捕食者が死ぬような汚染濃度にも、
耐えて生存するという。
また、一説には、
毒は食物連鎖により濃縮していき、
上位捕食者ほど、影響を及ぼすという学説がある。
(生物濃縮)
狭間の地でも同様に、上位捕食者ほど
死王子の汚染が蓄積されているのでは?
現にクマの近くに
「金の排泄物」が落ちていたりする。
ミミズ顔の装束は、小黄金樹の守人と一致する。
生息域も、守人と同じく小黄金樹の近辺である。
守人の仮面
小黄金樹の守人たちの装備
彼らは、黄金樹との古い契約により
死してなお滅びぬ、永遠の守人になったという
黄金樹の守人は、半ば植物のような生態をしており
土壌汚染の影響を受けやすいのかもしれない。
黄金樹の守人は
土に埋まっている守人がいたりと
半ば植物のような生態をしており、
土壌汚染の影響を受けやすいのかもしれない。
土壌汚染の影響で死を蓄積させた結果、
ミミズ顔となってしまったのだろう。
ゴッドウィンの影響で土壌が汚染されており、
狭間の地の生物にも人知れず、
死の呪いが蓄積されているのかもしれない。
糞が金色なのは、黄金のゴッドウィンの
影響であることを示しているのだろうか?
また、ミミズ顔はファルム・アズラにもいる。
ファルム・アズラが、死にまつわる場所で
あることを示しているのだろうか?
守人の仮面
小黄金樹の守人たちの装備
彼らは、黄金樹との古い契約により
死してなお滅びぬ、永遠の守人になったという
あるいは、ファルム・アズラが空に浮上したのは
陰謀の夜よりも後かもしれない。
プラキドサクスが時の狭間に閉じこもり、
長らく黄金樹勢力に監視されていたが、
嵐の力に地盤が耐えられなくなり、
陰謀の夜より後に、ゆっくりと空に浮上しはじめた。
そういった考え方もできる。
死の根も見られる。
ファルム・アズラにはグラングがおり、
死のルーンが封じられていた。
その影響でミミズ顔や、死の根が
生じたのかもしれない。
様々な捉え方ができ、判断が難しい。
死に生きる者
死の根
死に生きる者たちを、生み出す源
陰謀の夜、盗まれた死のルーンは
デミゴッド最初の死となった後
地下の大樹根を通じて、狭間の各地に現れ
死の根として芽吹いたのだ
山賊スケルトンの遺灰
陰謀の夜の後、狭間の各地に死の根が現れ
死に生きる者たちが生まれたのだ
世界樹の根である大樹根は
死王子の呪いを吸い上げ、
根の先に建てられた墓地へと送られた。
還樹の復古
嵐の麓の地下墓:幻影のセリフ
正しい死とは、すなわち、黄金樹に還ることなり
待ちなさい。根が貴方を呼ぶ、そのときまで
根脂
その根は、かつて黄金樹に連なっていたといい
故に地下墓地は、大樹根の地を選んで作られる
首なし騎士、ルーテル
彼女は英雄として、還樹を賜った
還樹とは、大樹根から黄金樹へ
還ることだと思われる。
しかし、大樹根はもはや黄金樹と連なっていない。
ラニのセリフ
それは、霊喚びの鈴でな
黄金樹に還ることのなかった遺灰から、
霊を喚ぶことができる
還樹を賜ったルーテルが、
黄金樹へ還ることができていない。
還樹は、正しく機能していなかったのだろう。
マリケスの罰
マリケスの黒き剣
運命の死を宿したマリケスの黒き剣
その大いなる抜け殻
陰謀の夜に、死の一部が盗まれた後
マリケスはこの剣を、自らの内に封じた
もう二度と、誰にも死を盗ませぬように
黒き剣の追憶
マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ
マリケスは陰謀の夜の後
死のルーンを宿した剣を、自らの内に封じた。
ここで言うマリカの裏切りとは、
エルデンリングを砕いたことだと考える。
獣爪
それは、獣返りしたグラングの
怒りであり、焦燥であろう
獣返りとは何だろう?
グラングと、
ラニの影従であるブライヴを比較すると
二点、大きな違いがある。
①知性的ではない
ブライヴと比較すると、
グラングは言葉がたどたどしい。
そして、我を失って
褪せ人に襲い掛かってくることがある。
グラングのセリフ
やめてくれ
もう、忘れない
我が罪、渇き…
だから、やめてくれ
影従の獣は、アズラの獣人から選ばれると推測した。
チンクエディア
ファルム・アズラにおいて
高位の司祭に与えられる短剣
獣の祈祷の威力を高める
かつて獣たちに贈られた知性
その象徴たる、五指が象られている
獣の生命
知性を得た獣たちは、感じていたのだろう
文明が、やがて野生を失わせることを
獣は、かつて五指から知性を授かっている。
やがて野生は失われる…そう感じるほどに
彼らの知性は発達していた。
ファルム・アズラにある獣の彫像は
知性的な姿をしている。
これが、本来のアズラの獣人の姿なのだろう。
その姿はグラングと似ている。
指から授かった知性を、マリケスは罰として
奪われてしまったのかもしれない。
もう一つグラングとブライヴが異なる点が
②不死でない
霧の森にいるブライヴを倒しても、何度でも甦る。
この時、ブライヴは不死だった。
ブライヴのセリフ
言ったろう。影を滅ぼすことはできん
一方、マリケスが甦ることはない。
ブライヴの言う影とは、影従の獣を指すのだろう。
マリケスは、獣返りにより
不死性を失ったのかもしれない。
そしてブライヴも、やがて不死性を失う。
褪せ人が「指殺しの刃」を入手すると、
ラニの魔術師塔の前にいるブライヴが、
二本指に呪われてしまう。
ブライヴのセリフ
違う。俺は欠けることのない一部
決してラニを裏切らぬ
ずっと、何があろうとも
…ラニは、俺を待っているんだ
瞳は赤く、正気を失っており、
獣のように襲い来る。
そしてもう甦ることはない。
ブライヴはこの時、二本指に
獣返りさせられたのではないかと考えた。
イジーのセリフ
ブライヴは、二本指がラニ様に与えた従者。
決して裏切ることない影
だが、ラニ様が神人として、
二本指の傀儡たるを拒んだとき
…影は狂い、ラニ様にとって
恐ろしい呪いとなるのです
…それは運命。ブライヴの意志など、
何の意味も持たないでしょう
イジーのセリフ
呪いとなり狂ってなお、
ラニ様のために尽くすとは
軍師イジーともあろうものが、
見誤っていたということか
つまり二本指の怒りを買った時、
影従の獣は不死性と知性を失い、
獣のように野生と化す。
獣返りという単語から想像できる現象と齟齬がない。
ちなみに…
ファルム・アズラでマリケスを倒しても、
死の根を全て渡さない限りは、
獣の神殿にグラングがいる。
おそらく死の根を渡しそびれた
プレイヤーへの救済措置だと思われる。
強引に解釈するなら、
マルギットのような、祈祷で作り出した
幻影の類なのかもしれない。
モーゴットを倒しても、
アルター高原のマルギットは残るので、
本体が死んでなお残るタイプのものなのかも。
しかし、グラングに死の根を全て渡すと、
ファルム・アズラでのセリフが変わる。
記憶を共有していることになる。
マリケスを倒すまでは、
獣の神殿にいたグラングは本人だった。
マリケスを倒した後は、幻影に入れ替わっている。
など考えてみたけど、
このへんは、あまり深読みしないほうがよさそう。
ミケラの祈り
黄金の墓標
デミゴッド最初の死者たる
黄金のゴッドウィンを弔う墓標剣
少年の静かな祈りが込められている
兄様、兄様、正しく死んで下さいな
歩く霊廟
巡礼教会:幻影のセリフ
霊廟がさまよっている。魂無きデミゴッドを抱いて
おお、永遠の女王マリカよ。貴女の、醜い落とし子を抱いて
作中に登場するデミゴッドは
長い戦争を勝ち残ったエリートたちであり、
マリカの子孫は大勢いたのだと思われる。
歩く霊廟とはなんなのだろう?
歩く霊廟の建築様式は、永遠の都と一致する。
永遠の都に由来があるようだ。
霊廟兵の遺灰
霊廟とは、魂無きデミゴッドの霊安室であり
その兵は、自ら首を落とした殉死者である
霊廟の中には、
魂無きデミゴッドが安置されている。
蝕紋の大盾
蝕まれ、色を失くした太陽は
魂無きデミゴッドの守護星であり
彼らを、運命の死から遠ざけるという
運命の死…すなわち、死のルーンから遠ざける。
そもそも、なぜ霊廟が歩いているのだろう?
霊廟は、魂無きデミゴッドを据えることにより
自立歩行しているのかもしれない。
魂が、霊廟に宿っているのだろうか。
霊廟には、至る所に人の顔型をした
怨霊に似た’’汚れ’’が付いている。
では、歩く霊廟の製造。
その発想の元となったのは何だろう?
永遠の都「ノクローン」と「ノクステラ」には、
椅子廟に座る、巨大なミイラが安置されていた。
これは「しろがね人のラティナ」が向かった、
「大きな妹」に似ている。
ラティナが目指した、大きな妹(フィリア)は
眠っているように見える。
この状態には見覚えがある。
ラニのセリフ
私はもうすぐ、眠りにつく
暫くは目覚めないだろう
人形の身体とは、かくもままならぬものなのだ
肉体だけの死者であるラニは、
突然深い眠りにつく。
人形の身体ゆえのことだと話していた。
ロジェールのセリフ
実は、最近強い眠気があるのです
深く、とても深く、眠ってしまいそうな
肉体が死の根に蝕まれたロジェールは
強い眠気があると言い残し、
眠るように死んでいった。
その後、霊体のようなロジェールと再開する。
ラニ同様、肉体だけの死者となったと思われる。
また、Dの弟デヴィンも、
兄ダリアンが活動している間は
寝息をたてていた。
Dは一つの魂を、
二つの身体、二つの意志で共有していた。
双児の兜
分かたれぬ双子、Dは二人いる
二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂
共に起きることはなく、言葉を交わすこともない
これら状況から、身体から魂が離れた状態が
睡眠という兆候となり、表れていることがわかる。
つまり大きな妹は、身体から魂が
離れているため眠っていたのだろう。
霊廟に安置された魂無きデミゴッドも、
これに近い状態であると考える。
ラティナのセリフ
さあ、我らの大きな妹よ
受け入れておくれ、最初の雫を
そして命を為しておくれ。
我らすべてのしろがねのために
大きな妹が、永遠の都の巨大ミイラのように
都市に命を宿すことを、
’’命を為す’’と呼んだのかもしれない。
そうして、典礼街オルディナ、
あるいはエブレフェールを
歩く巨大都市へと変え、
しろがね人は誰からも迫害されない
安住の地を目指そうとしたのかもしれない。
椅子廟の巨大ミイラは、
永遠の都が作った人造生命と思われる。
そして、しろがね人は、
カーリアが永遠の都の研究から作った、
人造生命だと推測している。
両者の起源は同じということになる。
ならば大きな妹は、椅子廟の巨人と
同じ役割を担えたかもしれない。
この巨大なミイラが、
霊廟に安置された魂無きデミゴッドと
同じ働きをしたのではないだろうか?
つまり、この巨人の魂が都市の基部に宿ることで、
永遠の都を、歩く巨大都市と変えた。
そういったものだったと考える。
これが、歩く霊廟を生み出す
ヒントとなったのかもしれない。
トリーナがそれを知っていた理由は、
ミケラの魂が、宵眼の女王の
転生だからだと考える。
永遠の都の末裔である宵眼の女王の記憶が、
黄金樹の輪廻の中で完全に洗われず、
残滓を残したのかもしれない。
ミケラがトレントを呼び出すための
指笛を作り出したように。
霊馬の指笛
柔らかな金の指輪
霊馬トレントを呼び出し、騎乗する
ゴッドウィンの再誕
ソールの城砦:幻影のセリフ
おお太陽よ!ソールの冷たい太陽よ!
どうか、蝕まれ給え
魂無き骸に再誕をっ
ソールの城砦:幻影のセリフ
申し訳ありませぬ、ミケラ様
まだ、太陽は蝕まれませぬ。
我らの祈りが弱いばかりに
貴方の友は、魂無きままなのです
黄金の墓標
デミゴッド最初の死者たる
黄金のゴッドウィンを弔う墓標剣
少年の静かな祈りが込められている
兄様、兄様、正しく死んで下さいな
蝕のショーテル
ソールの城砦に所蔵される宝剣
蝕まれ、色を失くした太陽を象ったもの
ソールでは、それは絶望的畏敬の対象である
人は、大いなる恐れから、目を背けることができない
専用戦技「死のフレア」
色を失くした太陽に、死王子の炎を宿す戦技
ソールでは、かつて冷たい太陽が信仰されていた。
太陽信仰において、日蝕は凶兆とされたが
人は大いなる恐れから、
目を背けることができなかった。
そして恐れから、
日蝕信仰が生まれたのだと解釈した。
これは火の監視者が、
火に魅せられることと似ている。
歩く霊廟を用いて、どのように再誕するのだろう?
歩く霊廟では、追憶を複製できる。
エンヤ婆のセリフ
デミゴッド、そして偉大な英雄たちは
滅びてなお、黄金樹に追憶として刻まれる
それは、そうした代物さね
追憶とは、死して黄金樹に刻まれるものだという。
ゴッドウィンが正しく死んだ時…
その時ゴッドウィンの追憶は、
黄金樹に刻まれるはずである。
ゴッドウィンもまた、偉大な英雄なのだから。
そして、霊廟に安置された魂無きデミゴッドにも、
複製として刻まれるはずである。
首なし騎士、ルーテル
ルーテルが殉死し、守り続けた
魂無きデミゴッドが再誕した時
彼女は英雄として、還樹を賜った
過去に、魂無きデミゴッドが
再誕したことがあるようだ。
しかし、マリカの’’落とし子’’と呼ばれるような
傍系のデミゴッドが再誕したとして、
英雄として扱われるとは考えにくい。
この再誕とは、追憶に基づいた再誕…
つまり、死して黄金樹に追憶として刻まれた、
名だたるデミゴッドの再誕なのでは?
つまり歩く霊廟とは、ミケラが用意した
英雄的デミゴッドが死んだ時のための
バックアップであり、
霊廟に安置された魂無きデミゴッドはその入れ物。
体よく利用された者たちなのだろうと考えた。
歩く霊廟は狭間の地の各所にいるが、
ウルドの王朝遺跡にいる二体だけが
下部に鐘がついておらず、
デミゴッドの追憶が複製できない。
(祖霊などは複製できる)
この世界では、鈴の音が、霊を喚ぶ。
霊喚びの鈴
遺灰から、様々な霊体を召喚する鈴
呪霊喚びの鈴
呪霊とは、呪われて死んだ怨霊であるという
大鐘の爆音が、黄金樹にまで届くのかもしれない。
ウルドにいる二体だけ
大鐘がついていない理由は、
ここで暮らす祖霊の民が
取り外したのだと考えた。
彼らは小黄金樹を信仰しており、
地底の祖霊の民とは信仰対象が異なる。
太古の世界樹信仰から、
黄金樹信仰へ遷移した者たちだと推測する。
地上で暮らす祖霊の民は、
「霊廟からの再誕」という、
黄金樹への回帰と転生を拒絶する
デミゴッドたちの行いを否定し、
霊廟から鐘を外したのかもしれない。
すでに二人、再誕したデミゴッドがおり、
そのため鐘の無い霊廟が二体いた。
という説も考えられるが、
しかしそれなら、
霊廟は歩みを止め、地に伏しており、
内部のデミゴッドからは
追憶の複製すらできないはずなので、
それは考えなかった。
追憶の複製は、ひとつの霊廟から一度きりであった。
死の使いトリーナ
霊馬の指笛
柔らかな金の指輪。指笛として使用する
霊馬トレントを呼び出し、騎乗する
柔らかな金とは、無垢金のことであり
無垢金は、ミケラの象徴である。
この指輪は、ミケラが作ったのだろう。
デーディカの影従の獣であったトレントは、
デーディカの転生であるミケラと、
ミケラの分け身であるトリーナを慕った。
狭間の地には、天使信仰も存在しており、
これはトリーナのことではないかと考えている。
聖典や伝承において天使は、
神の使いとして登場する。
神と人の中間の霊的存在であり、
神のお告げを伝える、伝令であるとされている。
天使には基本的に、性別は無いものとされる。
翼の鎌
白き翼を持つ乙女たち
異教において、それは優しき死の使いである
専用戦技「天使の翼」
この鎌は、啜り泣きの半島にいる
歩く霊廟のすぐ近く。
「霊廟ヶ原の廃墟」で拾える。
ミケラの使いとなり駆け回るトリーナ。
彼女は偏旁のデミゴッドに、
魂無きデミゴッドという半死状態となることで、
運命の死から逃避するという方法を授けて回った。
その姿は、死からの逃避を望む
デミゴッドたちにとって
まさに神の使い…天使として映ったと考えても
違和感はない。
また、戦技「天使の翼」は、
聖杯瓶による回復を阻害する。
「しろがね壺」と同じ効果を持つ
トリーナの剣
聖女トリーナの司祭が用いる白剣
睡眠の状態異常効果がある
トリーナは、謎めいている
儚い少女であるといい、少年であるといい
忽然と現れ、忽然と消えていくという
トリーナの灯火
薄紫の火を灯す、燭台の松明
彫刻の意匠は聖女トリーナであるはずだが
その姿は大人びて、どこか恐ろしい
薄紫の火には、睡眠の効果がある
トリーナは性別不詳で、
忽然と現れ、消えていくという。
聖典における天使もまた、
性別は無いとされ、霊的存在とされる。
そしてトリーナは、眠りを与える。
睡眠とは、身体から魂が離れることを指す。
肉体だけの死に生きる、ラニは深い眠りにつき、
死に蝕まれたロジェールは、眠るように死に、
肉体だけの死に生きる者となった。
ラニのセリフ
私はもうすぐ、眠りにつく
暫くは目覚めないだろう
人形の身体とは、かくもままならぬものなのだ
ロジェールのセリフ
実は、最近強い眠気があるのです
深く、とても深く、眠ってしまいそうな
他者に睡眠を与えるトリーナは、
まさしく「翼の鎌」で語られる、
優しき死の使いである。
このように、聖女トリーナから派生して
天使信仰が生まれたのかもしれない。
「翼の鎌」には、
白き翼を持つ乙女たちと記されている。
マレニアの分け身と思われるミリセントが
五姉妹であったように、
トリーナという名の分け身が
複数人いたのかもしれない。
それ故に、トリーナは少年とも少女とも
大人びているともされ、
実体が掴めないのかもしれない。
また、「幼生蝶」は「エオニアの蝶」と対になる。
これは、ミケラを象徴している。
エオニアの蝶
古い神話では、この蝶は
腐敗の女神の翼であったという
幼生蝶
透き通った羽衣の羽根を持つ神秘の蝶
その蝶は、羽化した直後の姿のまま、一生を生きる
マレニアには、腐敗の翼が咲いた。
ミケラにも似たように、翼が咲いたかもしれない。
幼生蝶の白い翼を携えたミケラの姿は、
天使と見紛うものだったとしても不思議ではない。
ミケラを天使とする解釈もできる。
種火の少女
官吏の装束
薄汚れた青色のローブ
過酷な役目を負った、官吏たちの装束
監視、処刑、陰惨な儀式
だが人は、暗い役目にこそ依存する
使命の刃
使命に旅立つ者に与えられた短剣
この一振りには、その古い持ち主たる
種火の少女の力が残っている
炎と共に歩む者
いつか、運命の死に見えん
種火の少女が軟禁されていたと思われる部屋は
整然としており、書物なども見られる。
ある程度の自由は与えられていたようだ。
種火の少女とは、位の高い人物。
それに類すると推測できる。
トリーナを捕らえたのはラダゴン?
ラダゴンが陰謀の夜に加担し、
ゴッドウィンを暗殺したのだとしたら、
ゴッドウィンの再誕は、
ラダゴンにとって都合が悪い。
なぜなら犯行が明るみに出てしまうのだから。
これ以上の暗躍を防ぐため、
トリーナを捕らえた。
また、ミケラがしろがね人を創る際に
トリーナがラダゴンの元に赴き、
琥珀のタマゴをレナラに贈るよう提言している。
両者には面識があった。
そのため、ラダゴンはトリーナの存在を知っており
捕らえることができた。
というふうに考えた。
このあたりは断片的な記述すら無いため、
考察と考察をつなぐ他ない。
典礼街オルディナには、
黒き刃の刺客の遺体がある。
そして意味深な幼生蝶。
ラダゴンがミケラの抹殺に刺客を送ったが、
返り討ちにされたのだと考えた。
始末された黒き刃の刺客は、
オルディナの封牢に捕らえられ、
エブレフェールの護りに利用されたのだろう。
ブライヴのセリフ
ダリウィル
お前ほどの男が、封牢の幽鬼になり果てるとは
幽鬼とは、死者の霊のこと。
ブライヴは実体のまま
イジーに閉じ込められていたので
必ずしも死者とは限らないが、
死んで封牢に閉じ込められた可能性がある。
ラダゴンとの決別
ロジェールのセリフ
古い黄金樹の盛期、
まだエルデンリングが砕ける前
何者かが、黒き剣のマリケスから
死のルーンの欠片を盗み
冷たい夜に、黄金のゴッドウィンを弑したのです
それは、歴史上はじめてのデミゴッドの死であり
エルデンリングが砕け、破砕戦争が起こる、
その切欠になったと言われています
真相は不明だが、
ゴッドウィンの死が破砕戦争の切欠になったと
噂されている。
陰謀の夜から間を置かず、
エルデンリングは砕かれたのだろう。
マリカの言霊:女王の閨
おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ
お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない
さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!
マリカの槌
狭間の外、稀人の地で作られたという石鎚
女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし
ラダゴンが、それを修復しようとした得物
マリカとラダゴンの意志は異なる。
ラダゴンに、息子であるゴッドウィンを
暗殺されたことが契機となり、
完全に決別したのだと推測した。
マリカはトリーナを待っていたのかもしれない
ミケラは、マレニアの宿痾の治療のため、
秘密裏に分け身のトリーナを
生み出したのだと考える。
絶対的な存在である神が
身を分けることができるなど、
公に知られるべきではないし、
素性が知られていない方が、内密に行動しやすい。
ラダゴンに捕らえられたことで、
マリカはトリーナの存在を知り、
そしてトリーナが現れたからこそ、
エルデンリングを砕く決意を固めたのかもしれない。
あるいはゴッドフレイを追放した時から、
ずっとこの時を待っていたのだろうか。
ギデオンのセリフ
あの言葉、どうやら事実であったらしい
厄介なことだ。百智卿が、こうまで識ることができぬとは
女王の憂いも、むべなるかな
ギデオンのセリフ
ミケラ、あればかりは得体が知れぬ
ミケラは得体が知れず、
女王マリカも憂いていた。
神であるマリカでも、ミケラの動向だけは
完全に把握できなかったのかもしれない。
マリカの願い
メリナのセリフ
懐かしい
私は、黄金樹の麓で産まれた
そこで母から使命を授かり…
メリナは使命を母から授かった。
メリナのセリフ
狭間の地を、ずっと見てきた
この世界には、修復が必要だと思う
そして、分け隔てない死が
狭間の地をずっと見てきた…
褪せ人と出会う前から、旅をしていたのだろう。
前世(宵眼の女王)の記憶という解釈もできる。
世界には修復が必要…
エルデンリングの修復を望んでいる。
修復ルーンのことだと思われる。
分け隔てない死…
死の回帰を望んでいる。
死のルーンの解放を指す。
メリナのセリフ
それは、拒絶の刺
黄金樹が、外のすべてを拒む、自我の殻
エルデンリングに見え、エルデの王になるためには
その刺を越えなければならない
私の使命は、そのためのものだった
記憶を失っていたメリナは、
黄金樹の麓で使命を思い出す。
種火となり、拒絶の刺を焼くことが、
メリナの使命だった。
そのためにメリナは、
褪せ人をファルム・アズラへ導いた。
メリナ
メリナのセリフ
私の使命は、母から授かったもの
けれど、今はもう、私の意志になった
母の意志とは関係なく、ただ私が望む、世界の姿のために
私が、心に決めたもの
本作では『意志』というワードが頻繁に登場する。
明らかに意図的に用いられている。
Part1冒頭に考察したが、
意志とは、心である。
ミリセントのセリフ
実は、私はマレニアの血縁のようなのだ
私が彼女の子なのか、妹なのか、
あるいは分け身なのか、それは分からない
けれど確かに、彼女との間に、近親の繋がりを感じるのだ
ミリセントのセリフ
私はマレニアに、返したい
かつてマレニアのものだった意志を
朱い腐敗の呼び声に、人として抗う矜持を
あのラダーンに伍するために、彼女が打ち捨てた戒めを
ミリセントは、
マレニアがラダーンに対抗するため捨てた
人の心…意志から生じた存在なのだと推測する。
トリーナも、ミケラが生み出した
分け身のような存在だと思われる。
ラダゴンも、マリカが意志を分けて
生み出した存在なのだろう。
つまり、神人は己の心を捨てたり、分けたりと
制御することができ、
その命を分けることができる。
トリーナの伝承は、
わずかではあるが、狭間の地に残っている。
しかし、メリナにまつわる品は
狭間の地にはほとんどなく、
メリナの名を呼ぶ者は、誰もいない。
(唯一、シャブリリが認識している可能性はある。)
メリナという名の人物はどれだけの時を生きたのだろうか?
あるいは、本当に存在したのだろうか?
メリナのセリフ
懐かしい
私は、黄金樹の麓で産まれた
そこで母から使命を授かり
けれど、すべて無くしてしまった
メリナは、黄金樹の麓で産まれ
母から使命を授かっている。
メリナのセリフ
貴方のお針子、ボックさん
時々、泣いているの
お母様が恋しいみたい
美しいと、言って欲しいって
母とは、母から産まれるとは
皆、そういうものなのだろうか
メリナは、母から産まれた存在ではないようだ。
メリナのセリフ
この場所には、言霊が残っている
ずっと前に消えてしまった、女王マリカの言霊
興味があれば、伝えてもいい
メリナは、土地に残されたマリカの言霊を聞ける。
マリカの意志を授かっているから、
言霊を聞けるのだと推測する。
霊馬の指笛
柔らかな金の指輪。指笛として使用する
霊馬トレントを呼び出し、騎乗する
無垢金の指輪は、
ミケラに由来すると考えられる。
メリナは巨人の火の釜で、褪せ人を眠らせている。
これは、トリーナが持つという
睡眠の能力だと思われる。
トリーナの灯火
薄紫の火には、睡眠の効果がある
つまりメリナは、
①母はマリカであると思わせる発言をし、
②ミケラに由来する品を持ち、
③トリーナの力を振るうことができる。
これらの情報から
ミケラが身を分けて生み出したトリーナに、
マリカが己の意志を授けたことで、
メリナという人格が産まれたのだと推測した。
マリカは、トリーナを黄金樹の麓へ連れていき、
そこで己の意志を授け、メリナとなった。
忘却の旅
メリナのセリフ
そして貴方に
運命の死を
運命の死とは、死のルーンの別称。
左眼は宵眼なのだろう。
マリカが、残った宵眼の片眼をメリナに移植した。
宵眼を右眼に移植したラニが燃え尽きたように、
メリナの身体も、焼け落ちたのだろう。
メリナのセリフ
探しているの
かつて、黄金樹で母から授かったはずの、
私の使命を
焼け爛れ、霊の身体となってまで、
生き続けている理由を
しかしメリナは、使命を忘れてしまう。
ミリセントのセリフ
私は、旅に出ようと思う
あの針を身体に入れてから、朧げに思い出してきたんだ
自分の宿命を
ゴーリーのセリフ
確かにミリセントは、このあばら家に訪ねてきました
僅かに、残っていたのでしょうな。
腐れ病が壊した記憶が
マレニアの分け身と思われるミリセントは、
腐れ病という宿痾により、記憶が壊されている。
ミリセントとメリナは、
立場や状況が似ている。
メリナの正体を読み解くヒントとなるように
ミリセントが配置されているという
意図を感じる。
ミリセントが腐れ病という宿痾により
記憶を失くしてしまったように、
メリナは、宵眼の宿す、
死の宿痾に魂の一部を焼かれ、
使命を忘れてしまったのだと推測する。
しかし、同じく宵眼に身体を焼かれたラニは、
記憶を失っていない。
これは、両者の死因の違いだと考える。
ラニは、身体に黒き刃を刻んでいる。
背中にはゴッドウィンと同じ呪痕が見られる。
呪痕によりラニは魂だけの死に生きる者となった。
これが死因となったのだろう。
一方メリナは、焼け爛れて、霊となっている。
メリナのセリフ
焼け爛れ、霊の身体となってまで、
生き続けている理由を
メリナは死の炎により焼死したことが
死因となったようだ。
両者の状況は似ているが、厳密には違う。
ラニは魂=記憶が、死の炎に蝕まれる前に
死に生きる者となったため、
記憶を失わなかったのだと考える。
おわり
蛇足
メリナの左眼にばかり言及しているので、
右眼についても考えてみる。
比較するとわかりやすいが、
右眼は輝きを失い、色褪せている。
これはゴッドフレイたち戦士が祝福を失い、
褪せ人となった現象と似ている。
ホーラ・ルーの追憶
最初のエルデの王、ゴッドフレイは
ある時祝福を奪われ、褪せ人となり
同じ者たちを連れ、狭間の地を離れた
プレイヤーが狂い火の王となったことで黄金樹は焼け、
メリナの右眼は色褪せた。
黄金樹が焼けたことで、瞳から祝福が失われたのだろう。
狂い火は生を否定しており、死を肯定している。
メリナのセリフ
狂い火に向かうのは、やめて欲しい
貴方に、王を目指す貴方に
生があること、産まれることを、否定して欲しくない
…そんなものは、王ではない
生なき世界に、王などいるものか
三本指の言葉
すべては、大きなひとつから、分かたれた
分かたれ、産まれ、心を持った
けれどそれは、大いなる意志の過ちだった
苦痛、絶望、そして呪い。あらゆる罪と苦しみ
それらはみな、過ちにより生じた
だから、戻さなくてはならない
混沌の黄色い火で、何もかもを焼き溶かし
すべてを、大きなひとつに
ハイータのセリフ
私に、ブドウをくださった方々は、皆言葉なく叫んでいました
決して、産まれてきたくはなかったと
…彼らの王に、おなりください
苦痛、絶望、そして呪い。あらゆる罪と苦しみを
焼き溶かす混沌の王に…
もう誰も分かたれず、産まれぬように
シャブリリのセリフ
正しい王の道を歩むのです
混沌の王たるその道を
黄金樹を燃やし、打ち倒し
我らを別け、隔てる全てを侵し、焼き溶かしましょう
ああ、世に混沌のあらんことを!
分かたれた「おおきなひとつ」とは、
五本指のことだと考察した。
五本指が二本指と三本指に分かたれたことをきっかけに、
エルデンリングもまた生と死に分かれ、
呪いや穢れが生じるようになってしまった。
狂い火とは、
全ての命が等しく死ぬことで、
霊界でひとつになろうという思想なのだろう。
黄金樹が焼かれたことで、
メリナの右眼から黄金の祝福は色褪せた。
マリカの刻んだ呪痕は弱まり、
左眼に宿った宵眼は輝きを放った。
狂い火の王がいる限り、世界に新たな命が生まれることはない。
それはマリカの想定した中でも、最悪の展開だった。
せめてこの地に再び命が芽吹くように。
狭間の地が無の大地となるという結末を免れるために、
メリナに宵眼を与えたのかもしれない。
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