TOP

2022年11月15日火曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part4(後編)

 





本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/HaMhj3rsbDY



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。




この頃ミケラは、未だ聖樹の内で、繭となっていた
しかし、このまま聖樹が成長したとしても、
そこに律が構築されることはない
マリカはエルデンリングを宿していたからこそ、
黄金律を構築できたのだから
エルデンリング、あるいは、それに代わるものがなければ、
聖樹に律を構築することなどできない
現状ではマレニアの宿痾を治療できない欠陥に、ミケラは気づいていた

そこでミケラは、自らの身を犠牲にする、危険な一手を打つ
そのために、自分の身を案じる
マレニアが不在となる時を待っていたのだった


ミケラの思惑



そもそもマリカが律を司る神であったのは、

エルデンリングの幻視を宿していたから。


エンヤ婆のセリフ

女王マリカは、エルデンリングの宿主

その幻視を宿す者

すなわちさね


エルデンリング、あるいはそれに

代わる物が無ければ、

聖樹に律を構築することはできないはず。




冷たい夜の律を行くラニは、

マリカの亡骸を掲げている。

別ENDではこの時、マリカの身体に

エルデンリングの幻視を見ることができる。




つまりラニは、エルデンリングを掲げ、

冷たい夜の律を構築している。


そして律を、誰の手も届かない所へと遠ざけた。



律とは、神により敷かれるルールである。


デミゴッドが神となることは、おそらくできない。

エルデンリングを修復して

神の伴侶…王となる他に方法はない。



しかし、神人たる者ならば、

腐敗の女神へと近づいたマレニアのように、

外なる神の干渉を受け入れることで

神となることもできるのだろう。


つまりミケラが聖樹に律を為すためには、

エルデンリングを手に入れるか、

外なる神の力を借りて、神となるしかない。



しかしミケラの計画には、

ゴッドウィンの再誕が必要だった。

(ソールの城砦の様子から、そう判断した。)


ゴッドウィンの再誕とは、黄金樹に刻まれる

追憶に基づき行われると考察した。

つまりゴッドウィンが再誕するまでは、

黄金樹が必要となる。


エルデンリングを聖樹の律に用いれば、

黄金樹はおそらく消えるか、

機能を失うだろう。

ミケラはエルデンリングを使えない。


ミケラは外なる神の力を利用して

己を神と為すことで、

聖樹に律を構築しようと考えたのでは。



ミケラは神となるため、

己の身を使った人体実験を行う。

しかしそのことをマレニアに知られれば、

兄を慕う妹は、それを止めただろう。

そのため、マレニアに破砕戦争を託し

不在となる時を待った。


仮にマレニアが破砕戦争を制し

大ルーンを集めたのなら、

むしろ黄金樹の管理が容易となっただろう。

ミケラにとってはそれでもよかった。


マレニアが破れ、死したとしても、

その追憶は黄金樹へと刻まれる。

マレニアは再誕することができた。


そう考えると、

腐敗の呼び声に応えるというマレニアの選択は、

ミケラにとっては

最悪の一手だったのかもしれない。



ミケラは血の君主を、神の力で洗脳し
繭から''誘拐させる''
さらに王都の地下に、祈祷でモーグの幻影を作ることで
三本指への道を阻む、門番と為すと同時に、
モーグの不在を偽装した

そしてミケラは血の君主に担がれ、モーグウィン王朝に向かう
ふたりは繭へと籠り、血の閨を共にする




誘拐



ギデオンのセリフ

ミケラは聖樹に宿ろうとした

だが完全な宿りを前に、

何者かが聖樹を切開し、幼子を奪った


誘惑の枝

無垢金の祈祷が施された枝木

神人ミケラは、あらゆる者から愛された

愛するを強いることができた


ミケラは、血の君主の呪われた血を利用するため、

意図的にさらわれたのかもしれない。


ラダゴンに捨てられ心を失くしたレナラ。

写し身の雫が模倣した、意志の無い血の君主。

ミケラの洗脳は、意志薄弱な者に特に効果を発揮する。

そのように考えると、「誘惑の枝」が特定の敵には

効力を発揮しない理由になる…かもしれない。

(写し身の雫に「誘惑の枝」は効かない。

「誘惑の枝」は、ミケラの力の一端に過ぎないと解釈する。)



王都の地下にいたモーグの謎



王都の地下、狂い火の封印の手前に

「忌み子、モーグ」がいる。

倒すと、マルギットと同様の

祈祷のようなエフェクトが発生して霧散する。

何者かが作りだした、偽物なのだろう。






「最初の王、ゴッドフレイ」を倒したときも同じ。



モーゴットを倒すと

ストームヴィル城のマルギットも消える。

のだが、しかし、

血の君主を倒しても、

王都のモーグは消えない。

つまり王都のモーグは、

血の君主が作り出したものではない。


ミケラが意図的にさらわれたのなら、

王都地下に偽物のモーグを作ったのは、

ミケラなのだろう。

黄金律原理主義を探求したミケラなら

祈祷でモーグの偽物を作ることも

できるのだろうと考えた。




倒すと血炎の祈祷を落とすので、

血の君主、あるいは生前のモーグが

幻影を置いたと考えてもよさそうだが…

〇〇〇〇を倒すと消えるor消えないで

推測するのは不毛かもしれない。



ちなみに…

王都外縁にいる、ある市民に近づくと

マルギットへと姿を変えるのだが、

こちらはモーゴットを倒しても消えない。


こちらについては、ラニがレナラに施した

魔術によって、全盛期のレナラが現れたように、

特定の人物に施した

セキュリティのようなものなのだと判断した。




こちらも倒すと祈祷のエフェクトが生じる。


ぶっちゃけタリスマン落とすから、

取り逃した人への救済のために

消えない仕様なんだと思う。



なぜ、王都の地下にモーグの偽物を置いたのか?


モーグが地下にいないことを偽装するためか、

狂い火の門番とするためではないかと考えた。


狂い火は、生を、全てを焼き溶かしてしまう。

狂い火が解放されると、黄金樹は焼かれ、

ゴッドウィンの再誕は叶わなくなる。


ミケラの計画が台無しになってしまうので、

門番を立てたのかもしれない。



ミケラは、血の君主の持つ呪われた血の力で、
宿痾の上書きを画策した
それは、永遠に幼いという宿痾を克服し、
繭から産まれ直す計画だった
神の呪いを、別の神の呪いで克服するという、
危険な人体実験を、自らの身体で行う
しろがね人を使った検証は成功していたが
神人であるデミゴッドの身で、それが成功するかは
、自身の身体で試すほかなかった


血の閨



血の君主の追憶

ミケラを神とし、自らはその伴侶として王となる 

そのために、血の閨をどれほど共にしようとも

幼き神人は何も応えなかった



宿痾の上書きとは?


血の君主の王朝には、

二種類の「第二世代しろがね人」がいる。




しろがね人はぐったりとしており、

風前の灯火といった様子に見える。


第一世代のしろがね人は

脚が消えゆくという宿痾を抱えていたが、

第二世代のしろがね人は、

脚以外の問題を抱えていたのかもしれない。




ところが、赤いしろがね人は、

活力に満ちている。

よく見ると、頭に角が生えているのだが、

これは忌み子に生える、忌み角の形状をしている。


つまり、宿痾を抱えるしろがね人に

別の宿痾が生じており、

その結果、風前の灯火だった命が延命された。

そういった印象を受ける。


アルバス老のセリフ

もうすぐに、儂の脚はすべて消え、命も終わる

それはしろがね人の、決して避けられぬ宿痾なのだ


これを、

宿痾の上書きが起こったのではないかと捉えた。


ミケラは、血の君主の呪われた血を利用し、

永遠に幼いという宿痾を、

忌み子の宿痾で上書きしようとしたのでは?




現に繭から伸びたミケラの腕は巨大で、

ミケラのものとは思えないほどだった。




ソールの城砦に

しろがね人を迫害した痕跡があるなど、

ミケラは、家族以外には容赦がない印象を受ける。


ミケラは、しろがね人をモルモットにして

呪われた血の有効性を確かめた後で、

自分の身体で検証を行ったのではないかと考えた。



そして宿痾を上書きした後の、次の段階のために
レナラの琥珀のタマゴに大ルーンを預け、
産まれ直しを完全にする準備を整えていた


宿痾の克服



産まれなき者の大ルーン

満月の女王、レナラの抱く琥珀のタマゴ

産まれなかったデミゴッドの大ルーン

「産まれ直し」を完全なものにする

レナラの産み直した子供たちは

皆脆弱であり、また短命である

それは完全ではなかったのだ


産まれなかったデミゴッドとは、

''繭から''産まれなかったという意味と捉えた。


血の君主の追憶

ミケラを神とし、自らはその伴侶として王となる 

そのために、血の閨をどれほど共にしようとも

幼き神人は何も応えなかった


ミケラは血の君主の力を

宿痾の克服に利用した。

未だ繭の中で変態を続けており、

まだ完全ではなかった。





モーグウィン王朝における神とは、

真実の母を上位者とするヒエラルキーに

座することを意味する。


黄金律に置き換えると…

真実の母=大いなる意志

ミケラ=女王マリカ

モーグ=ゴッドフレイ



しかしミケラの目的はマレニアの治療にある。

真実の母の支配下に置かれることを

望んでいたかというと、

そうではなかったのでは。


上位者の身勝手に巻き込まれて

宿痾に蝕まれたミケラが、

迎合するとは考えにくい。


ミケラは呪われた血を利用するだけ利用して、

モーグウィン王朝から去るつもりだったのでは。


そのため、血の君主に

応えることはなかったのだろう。

そのように考えた。



血の君主も、そして太陽神「真実の母」も、
誰一人として、ミケラの思惑には気づかない
マリカだけが知る、神の知ミケラの大胆な一手
マリカは、その行く末を憂うのだった


マリカの憂い



マレニアの翼兜

神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ

もっとも恐ろしい神人なのだから


ギデオンのセリフ

なるほどな。やはり聖樹は、抜け殻だったか

ミケラは聖樹に宿ろうとした

だが完全な宿りを前に、何者かが聖樹を切開し、幼子を奪った

あの言葉、どうやら事実であったらしい

厄介なことだ。百智卿が、こうまで識ることができぬとは

女王の憂いも、むべなるかな

 

ギデオンのセリフ

ほう、血の君主とやらは、そんなところに潜んでいたか

~中略~

しかし、調べてみる価値はありそうだな

あの言葉が正しいとしたら、あるいは

 

ギデオンのセリフ

おお、そうか!やはりミケラは、血の君主の元にいたか!

君、それは素晴らしい情報だ

円卓が、いや私が識るべきすべての、最後のひとつ

その手掛かりが、ようやく明らかになったのだからな

 

ギデオンのセリフ

さて、どうしてくれようか

繭の内で、眠り続けるのであれば、それでよいが

あるいは、滅ぼすべきかもしれんな

ミケラ、あればかりは得体が知れぬ


ミケラは神の知恵を持つとされ、

ギデオンが最も警戒し、

マリカはミケラの行動を憂いていた。


マリカの目的である、

この世界の修復と、死の回帰。

その障害となる可能性があったのだろう。


ミケラは物語の裏側で暗躍し、

狭間の地を掻き乱している。



そして聖樹にマレニアが戻った時には、
そこにミケラの姿はなく
マレニアはただ、聖樹の下で兄の帰りを待ち続ける
聖樹は腐敗に蝕まれ、醜く育ち、
美しい聖樹は見果てぬ幻想となるのだった




見果てぬ幻想



マレニアの翼兜

彼女は、抜け殻の足元でミケラを待ち続けた

兄さまが、約束を違えるはずがない


聖樹紋のサーコート

ミケラの血を受けた、聖なる芽生えの若木

だがそれは、遂に黄金樹とはならなかった


聖樹紋の大盾

無垢金の聖樹が描かれた、金属の大盾

しかし、聖樹は醜く育ち

美しい聖樹は見果てぬ幻想となった



破砕戦争は、長きに渡り続いたが
デミゴッドたちを歪めるばかりで、
誰も勝者と成り得なかった
大いなる意志は、とうとうデミゴッドたちを見捨てる


破砕戦争の終焉



オープニング

マリカの子たるデミゴッドたちは、エルデンリングの破片を得

その力に歪み、狂い、破砕戦争を起こし

王なき戦いの末に

大いなる意志に、見放された



そして大いなる意志は、
狭間の地、そのものをも見捨てた
実験に失敗した錬金術師が、
次のフラスコを用意するかのように、
興味を失い、世界から去っていった


狭間の地の放棄



二本指の言葉

”だが、大いなる意志は、世界と生命を見捨てない”


二本指の言葉は、

大いなる意志への妄信にすぎない。


二本指の言葉

”褪せ人よ、よくぞ為した。

大いなる意志も、きっとお喜びだろう


二本指は、憶測で話している。


王たる聖防護

二本指との長き対話の後、ギデオンは悟った

すべて、とうの昔に壊れていたのだ

老いさらばえた震える指も、黄金樹も


ヴァレーのセリフ

実は、私もそう思うのですよ

二本指の言は、信用できぬと

あれはまるで、がたのきた老人の世迷言

私は思うのです。エルデンリングが砕けたとき、

二本指も、その導きも、また壊れたのではないかと


大いなる意志が狭間の地を見捨てていても、

二本指は、そのことに気づけない。



それこそが、マリカの狙いだった
大いなる意志が、この世界に執着する限り
どれだけ律を修復しようとも、
その束縛から逃れることはできない
マリカは、大いなる意志が、世界を見限るこの時を、
ずっと待っていたのだった


なぜマリカは、
大いなる意志の動向を把握できたのか?



この推測だとマリカは、

大いなる意志が去ったことを把握している。

ということになる。


百智の兜

知とは、自らの無知を知ることであり

知ることの終わりなきを知ることである

だが、女王マリカの遺志に触れた時

ギデオンは恐れてしまった

あるはずのない終わり


知ることに終わりはない。

だがギデオンは、マリカの遺志に触れた時、

知の探究が終わることを恐れてしまった。


知の探究の終わりとは、

すなわち全てを知るということ。

つまりマリカという神は、

全知ということになる。


ここで言う全知とは、狭間の地にまつわることを

全て知っているということ。

雑な言い方をすれば年の功。

そのため、大いなる意志が去ったことも

把握できたのだと推測した。


マレニアの翼兜

神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ

もっとも恐ろしい神人なのだから


しかし、ミケラに関することだけは、

すべてを把握できていなかったと思われる。

ミケラは神の知恵を持っていたため、

神の目をかいくぐる事ができたのでは。


あくまで投稿者の考察で…の話だが、

トリーナの動向も把握しきれていなかった。


それ故にマリカは、

ミケラの行く末を憂いたのだろう。



マリカの言霊:女王の閨

おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ

お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない

さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!


ラダゴンは、まだ神の器ではなかった。

まだ全てを知らなかった。


途方もない時間を神であり続けたマリカは、

狭間の地のあらゆることを知っていた。



マリカは、かつてゴッドフレイに宣告した通り
狭間の外で死した褪せ人たちに、祝福を返す
褪せ人たちは祝福により甦り、
狭間の地へと導かれていく


祝福を与えたのはマリカなのか?



マリカの言霊:第三マリカ教会

我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う

そして、その瞳が色褪せるとき、狭間の地を追放する

外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい


マリカの言霊:巡礼教会

そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう

狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい

死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ


マリカは、ゴッドフレイたちから祝福を奪うこと、

いつか再び与えることを宣言している。


二本指の言葉

”だが、大いなる意志は、世界と生命を見捨てない”

”お主たち褪せ人に、祝福の導きをもたらし、使命を与えたのだ”


二本指の言葉はデタラメでしかない。

褪せ人に祝福を与えたのは、

大いなる意志ではない。


メリナのセリフ

…この小さな金の灯は、黄金樹の祝福

それは貴方たち褪せ人が、かつてその瞳から失くしたもの

そして今は、貴方たちを導くもの。そう、聞いている


メリナは、マリカから祝福について聞いたのだろう。


黄金樹の恩寵

黄金樹の特別な恩寵の象り

黄金樹の時代、そのはじまりにおいて

女王マリカは手ずからそれを与えたという


これが、祝福を模しているのだと推測した。

祝福は、マリカにより授けられ、

その後マリカに奪われた。

そして再び、マリカによって与えられたのだろう。



さらにマリカは、王を目指す褪せ人たちのために、
『円卓』を生みだす
円卓とは、黄金樹に刻まれた、追憶の地…
かつて王都でデミゴッドたちが集った、
不戦の地を再現したものだった


円卓



褪せ人に祝福を与えたのがマリカなら、

円卓を生みだしたのもマリカだろう。

円卓にヒューグを縛り付けたのも

マリカなので、符合する。




王都ローデイルには、

円卓とそっくりな場所がある。

おそらく、この場所を再現したものが

円卓なのだろう。

かつてここに、デミゴッドが集ったのだろうか。


王都の円卓には椅子が7脚用意されている。

モーゴット・モーグ・ラダーン・ライカード

・ラニ・ミケラ・マレニアのための椅子だった?




黄金樹が燃えると、円卓も焼けて、壊れはじめる。

黄金樹と密接に関係している場所なのだろう。



エンヤ婆のセリフ

デミゴッド、そして偉大な英雄たちは

滅びてなお、黄金樹に追憶として刻まれる

それは、そうした代物さね


かつて英雄たちが集った円卓は、

黄金樹に追憶として刻まれた。

そういった特殊な空間なのかもしれない。


メリナのセリフ

私にもひとつだけ、できる導きがある

円卓。導かれた褪せ人、英雄たちの集うところ

そこに貴方を、連れていくことができる


指巫女ではないメリナが、

褪せ人を円卓に連れていくことができる。


マリカの意志を授かり生まれたメリナ。

円卓はマリカによって作られた故に、

メリナでも導くことができるのでは。



マリカは、太古に宵眼の女王に仕えていた混種…
巨人の鍛冶の継承者である、『ヒューグ』を円卓に繋ぎ、虜囚とする
そして褪せ人のために、神を殺す武器を打つようにと、誓約を交わした




虜囚の鍛冶師



ヒューグのセリフ

あれには、調霊の才があるぞ

ずっと昔、見たことがある

あれはそういう瞳の色だ

 

ヒューグのセリフ

昔、世話になった人が調霊師でな

せめてもの恩返し


ヒューグは、調霊の才を持つ宵眼の女王から

巨人の鍛冶を学ぶ機会を与えられた。




宵眼の女王と思われるファルム・アズラの彫像。

三匹の狼は、

ラニに渡される「はぐれ狼の遺灰」と符号する。



宵眼の女王は、悪神と同盟を結んだ。

そのため巨人と交流があった。


ハンマー

鍛冶仕事は、古くは巨人の技であったといい…


トロルハンマー

トロルたちは巨人の末裔であり

これは古い祭具、鍛冶道具であるという

古では、鍛冶とは神事であった


鍛冶は巨人の技であり、神事であった。


ミエロスの剣

ミエロスは巨人としては矮小であり

酷く醜く、穢れていたという


穢れは、巨人が滅ぶより以前から生じている。



ヒューグのセリフ

ほう、この鎖が気になるか

見ての通り、虜囚の鎖だ。他の何でもない

円卓に縛られ、死なず、お前たちの武器を打つ

儂はただそれだけよ


ヒューグのセリフ

おお貴女、お許しくだされ、お許しくだされ

まだ、足りませぬ。神には、届きませぬ

けれどきっと、必ずや、貴女の願いを…

お許しくだされ、女王マリカ


ヒューグのセリフ

儂の武器で、神を殺してくれ

それが儂の、生きたすべて

そして、女王マリカとの誓約なのだ



最後にマリカは、二本指を円卓へ招くと、
遂に、全ての力を使い果たす
祝福の導きを遺し、
マリカの身体は、抜け殻となった




マリカの最後



百智の兜

知とは、自らの無知を知ることであり

知ることの終わりなきを知ることである

だが、女王マリカの遺志に触れた時

ギデオンは恐れてしまった

あるはずのない終わりを


マリカの’’遺志’’とある。

ギデオンがマリカに接近した時には、

マリカはすでに死んでいた。


ギデオンが具体的に、

マリカの遺した何に触れたのかはわからない。

女王の閨には、

大量の石板が、うず高く積まれていた。

マリカの遺した情報があったのかもしれない。





マリカは、褪せ人へ祝福を返した時に、

すべての力を使い果たし、命を落としたのでは?




マリカとラダゴンは、

ひとつの身体を共有し、

二つの魂と、二つの意志を宿している。


褪せ人が邂逅した、黄金樹に囚われたマリカ。

この時には、すでに死んでいたのだろう。


この状態での、マリカ’’だけ’’の死とは、

魂か、意志の死…ということになる。

肉体を失えば、ラダゴンも死んでしまうのだから。



メリナが、マリカの意志により

生まれた存在だとすれば、

マリカには、意志を分ける能力があるということになる。


マリカは、褪せ人に祝福を返し、

さらに円卓を生みだすなど、

能力を酷使した結果、己の意志を使い果たし、

抜け殻となってしまったのではないか。

そのように考えた。




褪せ人がエルデンリングを掲げた時、

マリカの身体には、幻視が宿った。

マリカは死してなお、

エルデンリングを宿す器だった。



二本指は、褪せ人を導く祝福を、
大いなる意志がもたらしたものだと妄信する
己を円卓に招いたのがマリカであるとも気づかずに
二本指は、滑稽にも大いなる意志の代弁者として
褪せ人たちに雄弁に、紛い物の言葉を伝えるのだった
そして、二本指に仕える敬虔なる信者。『指巫女』たちは
祝福の導きにより褪せ人と出会い、
円卓へと案内していく




なぜ円卓に二本指がいたのか?



二本指は、褪せ人に宿った祝福を、

大いなる意志がもたらしたものだと思い込んだ。


円卓についても同様に、大いなる意志が

授けた物だと、妄信していたのでは?

つまり、マリカに利用されたのだろう。



秘文字の剣

かつて二本指が、円卓の褪せ人に贈った秘剣

はるか前、円卓には英雄たちが集い

二本指は力強く、また雄弁であった


信徒の誓布

仮面の偶像が描かれた布きれ

その偶像は信徒を模している

形無きものを頑なに信じ、祈る様は

孤独な教祖にすら勇気を与える

信仰とは、つまり肯定であろう


孤独な教祖は、雄弁に語った。


指巫女の帽子

二本指に仕える、巫女たちの帽子

彼女たちは、ただ一人の褪せ人に仕え

導きと、二本指の言葉を伝える

祝福の導きが、二人を出会わせる

かつては、そうであったという



最初の褪せ人ヴィルヘルム、バルグラムをはじめ
数多の褪せ人が円卓を訪れては、去っていく
そして、百智卿『ギデオン=オーフニール』が、円卓の一員となる




円卓、最初の褪せ人



はぐれ魔術師のローブ

円卓を訪れた最初の褪せ人の一人

はぐれ魔術師、ヴィルヘルムの装束

魔術の源流にさえ触れた、静かなる求道者は

導きの果てに、共たるバルグラムと相討ち

そのまま円卓に囚われたという


戦鬼の鎧

円卓を訪れた、最初の褪せ人たちの一人

狼の戦鬼バルグラムの兜

古い伝承によれば、狼は神人の影であり

バルグラムもまた、そういうあり様を望んだ



知の探究者ギデオンは、
狭間の地の、あらゆる情報を収集していく
知ることに終わりはない…
それこそがギデオンにとっての真実であり、全てだった
しかしギデオンは、女王マリカの遺志に触れてしまう
それは知識の終着、全知だった
ギデオンは、恐れることになる
知の探究の行き止まり。あるはずのない終わりを

以来ギデオンは、円卓に居座り、知識の収集を続けるが
誰も玉座に座ることを許さなかった
神に近づくことは、探求の終わりを指すのだから


ギデオン=オーフニール



百智の兜

知とは、自らの無知を知ることであり

知ることの終わりなきを知ることである

だが、女王マリカの遺志に触れた時

ギデオンは恐れてしまった

あるはずのない終わり


ギデオンのセリフ

私は、ギデオン=オーフニール

褪せ人として、

エルデンリングに見え、エルデの王となるために

すべてを、識ろうとしている

君は、数少ない同志だ。ずっと、そうであってくれたまえ


ギデオンのセリフ

識ることに終わりはなく、また完全もない

それ故に私は、百智卿であり続ける

導きも、あるいはそうなのかもしれぬ

その戦いが終わるとき、我らは我らであり続けるものか?

君は、どう考えるね。エルデの王に、ならんとする者よ


ギデオンのセリフ

ああ、やはり君だったか

エルデンリングに見え、エルデの王になるのだな

しかし、残念だ

その意志はよい、だが、達せられるべきではないのだよ


ギデオンは、エルデの王となるための

探求を肯定しているが、

実際に王となることは認めていない。


頻繁に口にする、

「ずっと、そうであってくれたまえ」とは、

共に、終わりの無い探求を続けよう。

という意味になる。



なぜマリカは、足掻き続けることを望んだのか?



ギデオンのセリフ

女王マリカは、私たちに望んでいるのだ

ずっと、足掻き続けることを

 

ギデオンのセリフ

まったく、困ったことだ

凡愚の意志など、忌み角にも劣る害悪というのに

だが女王は、それをこそお望みかもしれぬ

我ら褪せ人にな


人の足掻き。この世界を変えたいという

強い意志により、修復ルーンは生まれる。


マリカは、死の回帰と、この世界の修復を望んだ。

だからこそ、褪せ人に

足掻き続けることを望んでいる。



ギデオンは、現状の世界に満足している。

誰も王とならなければ、

探求は永遠に続くのだから。

修復を望む意志は無く、そのため、

ギデオンが修復ルーンを宿すことはなかった。



円卓の一員『ドローレス』は、
そんなギデオンの在り様を批判する
そして魔術教授セルブスは、同じく知の探求者として、
ギデオンと議論を繰り返した
三人は友となるが
セルブスがドローレスを傀儡に変えたことで、
ふたりは袂を分かつ
ギデオンはより頑なに、知識の収集に執着していく




百智卿の友



眠りのドローレスの傀儡

セルブスお気に入りの傀儡

眠りの矢、ドローレスの霊体を召喚する

静かなる狩人と呼ばれた、男装の麗人の霊体

小弓と、トリーナの矢の使い手

ドローレスは、かつて円卓の一員であり

百智卿ギデオンの批判者、そして友であった

そして、彼とセルブスが、袂を分かつ理由となった


ギデオンのセリフ

ほう、その薬は

セルブスめ、また悪い癖がはじまったようだな


ギデオンとセルブスは、知の探究者同士

馬が合ったのかもしれない。




しかしドローレスが傀儡にされたことで、

ふたりは袂を分かった。



ギデオンのセリフ

君は、素知らぬ顔でセルブスに会いに行くといい

あの薬を、見事対象に飲ませた、とな

あ奴は、何も気付かぬよ。

大事なことは何も識らず、

そうと想像もできぬ腐れ儒者だ

滑稽な尊大さを、眺めてやるといい


ピディのセリフ

やめておくれ、やめておくれ…

お前たちは私の傀儡、

あんなに愛してあげたじゃないか

なのに忘れてしまったのか?あの幸福を


セルブスはピディの傀儡だと考察した。

もしかするとピディは、

ギデオンを批判するドローレスの姿。

その表面だけを捉え、

ドローレスを傀儡に変えたのかもしれない。


他者を理解できないピディは、

良かれと思いギデオンに傀儡を贈ったが、

それはギデオンの本心ではなかった。



円卓の騎士『ヴァイク』は、
エルデの王に最も近づいた、褪せ人の一人だった
古竜ランサクスに愛された騎士は、赤き雷を授かり、
大ルーンをふたつ手にし、王となるべく歩を進めた

狂い火の布教者シャブリリは、その輝かしき英雄に目を付ける
死体に憑りつきヴァイクに近づくと、
王となるためには、指巫女の犠牲が必要であると囁いた
指巫女に特別な情を抱いていたヴァイクは、この甘言に乗ってしまう
狂い火の王となることで、犠牲を避ける道を選んだ


ヴァイク



ヴァイクの竜雷

円卓の騎士、ヴァイクの祈祷

赤き雷を呼び、右手の武器と身体に纏う

竜槍の二つ名でも呼ばれたヴァイクは

ランサクスが、最も愛した騎士であった


エンヤ婆のセリフ

ほう、あんた…大したものだね

大ルーンがふたつ、それを見たのは、

今までたった一度だけさね


指痕の兜

指痕に焼け爛れた鉄兜

円卓の騎士、ヴァイクの装備

ヴァイクは、かつて

エルデの王に最も近づいた褪せ人の一人であったが

突然に王都の奥深くに潜り、狂い火に焼け爛れた

それは、己の巫女のためだったろうか

あるいは何者かが、唆しを囁いたのだろうか


エンヤ婆の言う

大ルーンをふたつ手にした者とは、

最も王に近づいたヴァイクのことなのだろう。





ヴァイクは、指巫女の死体を護るように現れる。

この女性が、ヴァイクの指巫女なのだろう。



そしてヴァイクは王都の奥深くに潜り
狂い火に焼け爛れる
ところがヴァイクは、鎧のままに焼かれたために、
半端に狂い火を宿してしまう
すでに巫女を得ていたヴァイクを、三本指の巫女は導かなかった
ヴァイクでは、狂い火の王となることはできなかった

ヴァイクが巫女のもとに戻ると、
彼の巫女は血を流し、倒れていた
狂い火に身を委ねた英雄に絶望し、
失意のままに命を絶ってしまったのか…
それとも何者かが、巫女の命を奪ったのか…
禁忌を侵したヴァイクは、絶望のままに、
封牢に幽閉されることとなった




狂い火の王



ハイータのセリフ

話す度に感じていました

私は巫女、そして貴方はきっと、王になると

すべてを脱ぎ捨て、この先の扉に向かってください

きっと扉は開き、三本指様が貴方を迎えるでしょう


ハイータのセリフ

触れることが、できました。三本指様の言葉に

貴方の巫女として、それを伝えさせてください


ヴァイクの鎧は指痕に焼け爛れているが、

狂い火を宿すためには、裸になる必要がある。


褪せ人は、このことを

三本指の巫女である「ハイータ」から聞くが、

ヴァイクには三本指の巫女がいなかったため、

それを知る術はなかったのかもしれない。


鎮めの教会:幻影のセリフ

ああ、ヴァイク様、

あなたは王ではなかったのですね

どこにおわす?我らの王、狂い火の王よ

我らを別け、隔てる全てを、焼き溶かしてくだされ


シャブリリのセリフ

王となるべき褪せ人よ

黄金樹の王都の下、遥か地の底に向かいなさい

そして、三本指と、その狂い火に見えるのです

狂い火を受領できれば、貴方は火種となり

もう、小娘をくべる必要はなくなります


シャブリリは、

三本指の居場所は知っていたが、

正しく狂い火を受領する方法は

知らなかったのかもしれない。


ヴァイクでの失敗を踏まえて、

三本指の巫女ハイータを用意した…

そのように推測することもできる。



時代が進むほどに、円卓を訪れる者たちは
英雄と呼ぶには程遠い、出涸らしとなっていく
心折れた者や、王を目指す気概のない、褪せ人擬きで溢れ
まるで、避難所のような有り様となっていく
二本指の言葉からも、かつての雄弁さは失われ
がたのきた老人の世迷い言のように、
ひたすらに同じ言葉を繰り返すのだった


円卓の末期



ギデオンのセリフ

もう、うんざりなのだ

円卓を、避難所か何かと勘違いしている、

褪せ人擬きどもには


秘文字の剣

はるか前、円卓には英雄たちが集い

二本指は力強く、また雄弁であった


二本指からは、かつての雄弁さは失われた。



ヴァレーのセリフ

実は、私もそう思うのですよ

二本指の言は、信用できぬと

あれはまるで、がたのきた老人の世迷言


王たる聖防護

二本指との長き対話の後、ギデオンは悟った

すべて、とうの昔に壊れていたのだ

老いさらばえた震える指も、黄金樹も



遂には、指巫女と出会うことすらできない、褪せ人が現れるようになる
人々は、祝福の導きが壊れたのだと考えた
しかし、その裏には、指巫女を暗殺する影がいたのだった
導きは、壊れてなどいなかった
影により、褪せ人と出会うはずの指巫女は始末され
褪せ人たちは、円卓を訪れることもできず
心折れた者たちは、その瞳で、導きを捉えることができなくなっていった
ごく限られた者だけが、幸運にも巫女と出会い、円卓へと招かれていく
そして物語を紡ぐのだった


導きへの不信



指巫女の帽子

彼女たちは、ただ一人の褪せ人に仕え

導きと、二本指の言葉を伝える

祝福の導きが、二人を出会わせる

かつては、そうであったという


旅巫女のフード

旅をする巫女たちのフード

ある者は、指に見えんために

またある者は、導くべき褪せ人に出会うために

巫女たちは狭間の地を旅する


指巫女は、褪せ人と出会うために旅をした。

しかし、旅の途中で命を落とす者もいたのだろう。




巨人山嶺には、旅巫女の亡骸が転がっている。

(この小屋の手前にユーノ・ホスローの侵入サインがある。

ユーノが出会えなかった巫女だろうか?)



祝福の導きは壊れたのか?



ならず者のセリフ

お前も、褪せ人なんだろう?

だったら、見えてるのか?祝福の導きってやつが

俺はもうさっぱりだ

もっとも、俺みたいな小悪党が、この地に導かれたこと自体

質の悪い冗談みたいなもんだけどよ

もしかしたら、とっくにおかしくなっちまってるんじゃないのかね

あの黄金樹ってやつは


マリカは、褪せ人に

足掻き続けることを求めている。

なぜなら、人の意志が、

修復ルーンを作るのだから。

そのため、足掻くことを止めた者から先に、

祝福の導きは失われている。

ならず者に祝福が宿ったのは、

ギデオンの言う、凡愚の意志こそを

求めたからなのだろう。


ギデオンのセリフ

女王マリカは、私たちに望んでいるのだ

ずっと、足掻き続けることを

 

ギデオンのセリフ

まったく、困ったことだ

凡愚の意志など、忌み角にも劣る害悪というのに

だが女王は、それをこそお望みかもしれぬ

我ら褪せ人にな



プレイヤーに宿った祝福の導きは、

正しくファルム・アズラへ導いた。

ならば導きは、壊れてなどいないのだろう。




そして、プレイヤーの指巫女だったと

思われる女性は、

おそらく、何者かに殺されていた。


つまり、祝福の導きが壊れたのではなく、

褪せ人と巫女の出会い…

その導きを妨害する何者かがいたのでは。



誰が指巫女を殺したのか?



忌み鬼マルギットのような、

褪せ人を狩る者には十分に動機はある。


シャブリリは巫女の犠牲を引き合いに、

褪せ人を三本指へ導いていた。

殺す理由は無いと思える。

しかしハイータのような三本指の巫女を

褪せ人の元へ導く際、

二本指の巫女が邪魔になるのだとしたら、

殺害する動機はある。


ギデオンは、円卓の一員となった

プレイヤーと共に、知を探求した。

指巫女がいなくては、褪せ人は

円卓に行くことができない。

ギデオンには動機が無い。


白面のヴァレーは、

円卓を裏切る試しの試練として、

指巫女の血を求めた。

先んじて殺す理由は無い。


怪しいのはマルギット、シャブリリだろうか。

しかし真相はわからない。


おわり



0 件のコメント:

コメントを投稿

ぼくのかんがえたエルデンリング Part8(前編)

  本投稿は、動画の解説を じっくり見たい方に向けたものとなります。 動画はこちら https://youtu.be/yjpF2fbMLjM 本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、 ひとつの物語として考察することを主旨としております。 枠線で囲ったものが本文...