TOP

2022年11月25日金曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part5(前編)

 





本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/G60UsivXJl4



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。



ロジェール・D・フィアの物語



幸運にも指巫女と出会えた魔術師『ロジェール』、
死を狩る者『D』は、円卓を訪れる

元々学者志望だったロジェールは、
現状の世界の歪みを正すためには、
その契機を知る必要があると考える
学術的な観点から、ゴッドウィンが暗殺された
『陰謀の夜』を追っていく



ロジェールのセリフ

私は元々、学者志望でしてね、

その陰謀をずっと調べているんです

現状の世界の歪み、それを正そうとするのなら

その契機を知る必要があるのでないか、とね


 

一方Dは、二つの身体に二つの意志。
そしてひとつの魂を持つという、特異な存在だった
弟と共に狭間の地を訪れた彼は
その特異を呪いと呼ばない、黄金律原理主義の狂信者となっていく
そして、黄金律の理を外れ蠢く
『死に生きる者』を根絶するために行動するようになる

ロジェールとDは、それぞれの理由で、死に生きる者を追い
共に旅をするようになる




死を狩る者



双児の兜

分かたれぬ双児、Dは二人いる

二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂

共に起きることはなく、言葉を交わすこともない


分かたれぬ双児の剣

分かたれぬ双児は、黄金律に仕えた

それだけが、彼らを呪いと呼ばなかったから


Dはマリカ=ラダゴンに近しい存在と思われる。

そのため黄金律は、

彼ら兄弟を呪いと呼ばなかったのだろう。



死を正す聖律

黄金律原理主義の祈祷のひとつ

死に生きる者たちの狩人が用いるもの

狩人たちは、穢れた理の根絶者である

すべては、黄金律の完全のために


狩人たちは、穢れを根絶することが

黄金律を完全たらしめると考えていたようだ。


聖律の治癒

黄金律原理主義の祈祷のひとつ

金仮面卿は、狩人たちを大いに嘆いた

学問が狂信に変わるのは、実に簡単だ

愚かな善人どもは、ただ絶対悪が欲しいのだから

そんなものが、律の原理であるものか


金仮面卿から言わしめれば、

狩人たちは学問を逸脱した狂信者のようだ。


ロジェールのセリフ

ああ、Dをご存じでしたか

あいつは、古い友です

お互いに死を探っていた縁で、

一時旅を共にしたことがあるんですよ


 

しかしロジェールは陰謀の夜を調べる中で
死に生きる者たちは、ただの被害者であると知ってしまう
ロジェールは、死に生きる者たちを救いたいという思いに駆られ
やがて死に寄り添うようになっていく
そしてDと、袂を分かつのだった



ロジェールのセリフ

死に生きる者たちをご存じですか?

黄金律の理から外れ、死に生きる者たち

Dなどに言わせれば、その存在すら許されぬ、穢れた者たち

私が、呪痕を求めるのは、彼らを救いたいからなのです

陰謀の夜を調べる中で知ったのです

彼らは何も侵していない。ただ懸命に生き、

それ故に、律の傷に触れてしまっただけなのだと




『フィア』は、故郷で死衾の乙女と呼ばれていた
フィアには、他者から生きる力
すなわち『意志』を奪い、それを与える能力があった
生者から得た意志を、死者に与える
そうして死者は、魂の無い生者
すなわち「死に生きる者」となり甦る
死衾とは、そういうものだった

フィアは故郷で、死衾の聖職に就いていた
貴い遺体と同衾し、数多英雄から集めた意志を、遺体に注ぐ
そこにはフィア自身の意志も込められ、
彼女は死衾により、命を落とした
そうして、貴い遺体は甦るはずだった
しかしフィアは、死衾が完遂する前に、祝福により目覚めてしまう
職務に失敗したフィアは非難を浴び、故郷を追われることとなる




死衾の乙女



フィアのセリフ

英雄様、ほんの一時、私に抱かれてくれませんか

貴方の生きる力、意志を、私に分けて欲しいのです


フィアのセリフ

故郷では、私は死衾の乙女と呼ばれていました

数多英雄の温もり、生きる力をこの身に宿した後

貴い方の遺体と同衾し、再びの偉大な生を与える

私は、そのための存在だったのです

けれど私は、貴い方が再びの生を得る前に

祝福により目覚め、故郷を追われました

お察しください


フィアの死衾とは、

死者に生きる力=意志を与えるものだった。



生命の構成要素


双児の兜

分かたれぬ双児、Dは二人いる

二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂

共に起きることはなく、言葉を交わすこともない


生命を構成する要素は

生者=肉体+魂+意志

であることがわかる。



死衾による再びの生とは?


フィアの死衾とは、

死者の肉体に意志=生きる力を与える。


=肉体+意志


ゴッドウィンは魂だけが殺害され、

死に生きる者となった。


生者(肉体+魂+意志)-魂

=肉体+意志

=死に生きる者


つまり、フィアの死衾により得られる

再びの生とは、

ゴッドウィンのような死に生きる者と、

結果的に同じということになる。



狭間の地を訪れたフィアは
死王子ゴッドウィンと、「死に生きる者」のことを知る
フィアは彼の地でも死に寄り添い、その生き方を肯定する

しかし黄金律は、死に生きる者を許さない
それを認めさせるには、
黄金律という、理そのものを変えなければならない

そのためにフィアは、『死の呪痕』を求めた
陰謀の夜、デミゴッド最初の死に刻まれた呪痕
それはフィアにとって、新たな理を作る力を秘めた、聖痕だった




フィアのセリフ

貴方は、聖痕を見たことがありますか?

デミゴッドの最初の死に刻まれる、百足傷の欠環を



 

遺体ではなく、呪痕そのものに、
死衾の能力で、数多英雄の意志を注ぐ
それは修復ルーンとなり、死に生きる理を、律の一部と成す
それがフィアの計画だった

必要なのは呪痕と、数多の生きる力
そして死に生きるゴッドウィンの『意志』
望まず死に生きたゴッドウィンを、あるべき死者へと還す
それもまた、死に寄り添うフィアの願いだった
例え円卓に背くことになろうとも、己の路を邁進する
決して揺らぐことのない、固い誓いだった




フィアの意志



集めた全ての意志と、フィア自身の意志。

全てが呪痕に込められ、

呪痕は修復ルーンとなる。


呪痕+意志=修復ルーン


フィアのセリフ

これでゴッドウィンは、あるべき最初の死者となり

きっと再びの、偉大な生を得るでしょう


フィアのセリフ

私はもうすぐ、ゴッドウィンと同衾します

そして、きっと宿すでしょう

黄金の王子にしてデミゴッド最初の死者たる彼の、再びの生

死に生きる者たちのための、ルーンを


フィアは死衾の力で

死に生きるゴッドウィンから意志を受け取り、

望まず死に生きたゴッドウィンを

死者へと還そうとした。


死に生きる者=肉体+意志

死に生きる者-意志=死者


ゴッドウィンの意志が込められた修復ルーンが

黄金樹の修復に使われる。

すなわちゴッドウィンの意志が

黄金樹の御許へと還る。

ゴッドウィンはようやく正しく死ぬことができ、

再びの生を得られる。ということなのだろう。



フィアは素性を隠しながら、数多英雄を抱き
生きる力と、呪痕の情報を集めていく
その中には、Dの弟『デヴィン』の姿もあった




フィアのセリフ

実は、あるお方から聞いたことがあるのです

ロジェール様の仰る、黒き刃の刻印について


この後、

刻印の手掛かりが書かれた地図を渡される。


おそらくデヴィンから得た情報だと思われる。

フィアに抱かれた時に話したのかもしれない。

この時デヴィンは、

フィアに「短剣」を贈ったのだと考える。


蝕まれた短剣

死衾の乙女、フィアから預かった短剣

彼女は、これを持ち主に返すことを望んでいる

元々は、黄金と白銀が絡み合った

特別な武器であったようだが

今は黒い傷に蝕まれ、ボロボロである


 

死に生きる者の救済を願うロジェールは、フィアの考えに賛同する
そして、フィアの密偵となる
ロジェールは、死の呪痕の手掛かりを探っていく
しかし生者の身体では、死にまつわる確たる情報は得られなかった
ロジェールは己を死に近づけるために、死王子の躯を探す
そして、ストームヴィル城の底でそれを見つけると、
ロジェールは自らの意思で、死に蝕まれる





ロジェールはフィアの密偵だった?



フィアのセリフ

ロジェール様が、寝物語に仰るのです


ロジェールはフィアに抱かれていた。

その後、フィアはDを殺害し、呪痕を奪うのだが…


ロジェールのセリフ

そういえば、Dから少し聞いたのですが

環百足の刻印が見つかったそうなのです


Dが円卓に帰還した後、

ロジェールはこのようなことを話している。

ロジェールはDから呪痕について聞いていた。

死に生きる者に寄り添うロジェールは、

フィアに呪痕の情報を流してたのだろう。


Dのセリフ

この村で、環百足の刻印を見つけたのだ

決してあるべきでない、忌まわしい印をな




そしてロジェールが遺した置き手紙が、

褪せ人を死王子の元へ導いている。


ロジェールの手紙

ひとつ、伝え忘れていました

Dには弟がいたようです

永遠の都ノクローンの傍ら

水道橋で、ずっと眠っているのだと

そして彼は、その先で

かの死王子に見えたのだと


修復ルーンができたとしても、

継承する者がいなければ意味がない。

ロジェールは、褪せ人が王となる器かを計り、

相応しい人物と判断し、修復ルーンを託した。

そんな想いだったのかもしれない。


Dの弟について記したのは、

D兄弟への、せめてもの罪滅ぼしだろうか?

あるいは褪せ人が

英雄のガーゴイルを突破できるよう

利用したにすぎないかもしれないが。


ロジェールのセリフ

もしかして、ご迷惑をお掛けするかもしれませんから

予め、謝罪しておこうかと

貴方は怖い人ですからね


ロジェールの死の間際の言葉。

褪せ人は言葉巧みに死の呪痕へと誘導され、

死王子と見えることとなる。

はじめからロジェールの掌の上だったのだろう。


ロジェールのセリフ

私は噓つきですから




ロジェールが死に蝕まれた理由



ロジェールのセリフ

この城に、少し探し物がありましてね


ロジェールはストームヴィル城で、

死王子の躯を探していた。




この人面瘡は、

大樹根を通じて地表に現れた死の根のような、

死の一端なのだと考える。


ロジェールのセリフ

まして私は、半ば死に侵された身。

きっと見えるものがあるはずです


そしてロジェールは、

「黒き刃の刻印」からラニの名前を探し当てる。

呪痕の手掛かりを得るため、

自らの意思で、死に蝕まれたのだろう。


ロジェールのセリフ

それに、儀式の主、

つまりは陰謀の夜の主犯も、見当がつきましたよ

月の王女ラニ

刻印には、彼女の名が隠されていたのです



 

円卓に帰還したロジェールは、Dと再会する
Dもまた、呼び水村で、死の呪痕を発見した直後だった
そしてDは呪痕を手に入れたことを、ロジェールに話してしまう
それは何気ない会話だったろうか
あるいは、かつて友であったロジェールへ寄せた、信頼だったのだろうか
そしてロジェールは呪痕の情報を、フィアに伝える
すべては、死に生きる者の救済のために




なぜ呼び水村に、死の呪痕があったのか?



Dのセリフ

この村で、環百足の刻印を見つけたのだ

決してあるべきでない、忌まわしい印をな

何者かが、黄金の律を穢そうとしている

根絶しなければならない




呪痕は、最近になって

呼び水村に現れたようだ。

フィアに呼応するように

呪痕は地表に現れたのかもしれない。


死の呪痕

月の王女ラニの、棄てた肉体に刻まれた呪痕

百足傷の欠環とも呼ばれる

呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ

円環を成すはずである

だが、デミゴッド最初の死者は二人あり

呪痕は2つの欠環となった

ラニは肉体だけの最初の死者であり

ゆえに死王子は、魂だけの最初の死者なのだ



↑がラニの呪痕。


つまり呼び水村にあったのは、

ゴッドウィンに刻まれた呪痕ということになる。


死王子がフィアに呪痕を渡そうとして、

大樹根を通じて地表に呪痕を運んだのだろうか。




フィアのセリフ

これは…

ゴッドウィン、貴方なのですか?




ゴッドウィンのそばにいるフィアを攻撃すると

ゴッドウィンの身体から

怨霊の魔術に似た何かが生じ、

褪せ人を攻撃してくる。


死に生きるゴッドウィンに魂は無く、

これは、意志に起因する現象なのだと推測できる。


死に生きる者=肉体+意志


ゴッドウィンは意志によって行動している。

ゴッドウィンの意志がフィアに救いを求めて、

あるいは、フィアに協力するために

呪痕を地表に運んだのかもしれない。



死に蝕まれたロジェールは、ついに呪痕の情報を得る
言葉巧みに【褪せ人】を導いた後、やがて眠るように死に至る
それは、肉体だけの死であり
ロジェールは魂だけの「死に生きる者」となる
そして彼は、フィアの守りとなった




死王子の呪痕



ロジェールのセリフ

実は、最近強い眠気があるのです

深く、とても深く、眠ってしまいそうな


ロジェールは眠るように死んでいった。


ラニのセリフ

私はもうすぐ、眠りにつく

暫くは目覚めないだろう

人形の身体とは、かくもままならぬものなのだ


魂だけの死に生きる者であるラニは

長い眠りについた。

両者は似ている。


その後ロジェールは、「フィアの英雄」となり

霊体のような姿で現れる。

肉体が死に蝕まれ、ラニのような

魂だけの死に生きる者となったのかもしれない。




ちなみにこの青い霊体は、

カーリアの城館や「ファロス砦」にも出現する。






ファロス砦には

「ラダゴンの爛れ刻印」が落ちており、

霊体はこれを護るように現れる。




ラダゴンが陰謀の夜に加担したことの

示唆とも捉えられる。



フィアは、かつてDの弟から贈られた短剣に
死の魔術を仕掛ける
そしてそれを、【褪せ人】に託すのだった。
この短剣を、持ち主に返してほしいと

フィアはロジェールから、Dの秘密を聞いていた
短剣は必ず、Dの元へ渡るという確信があった




想いへの返答



フィアのセリフ

ひとつ、お願いをしてもよいでしょうか

この短剣の持ち主を探し、お返しして欲しいのです

ある方が、私に贈ってくださったのですが

とても貴重で…、それに、思いのこもった品のようですから

できれば、元の持ち主にお返ししたいのです


フィアから「蝕まれた短剣」を託される。


蝕まれた短剣

死衾の乙女、フィアから預かった短剣

彼女は、これを持ち主に返すことを望んでいる

元々は、黄金と白銀が絡み合った

特別な武器であったようだが

今は黒い傷に蝕まれ、ボロボロである


黒い傷とは、フィアが施した死の魔術なのだろう。


フィアの霧

死衾の乙女、フィアの魔術

円卓に対するための魔術であり

褪せ人にしか効果がない


フィアは円卓に対するために

死の魔術を習得していた。





殺されたDの遺体は刺に貫かれており、

褪せ人が即死攻撃を受けた状態と似ている。



ロジェールの手紙

ひとつ、伝え忘れていました

Dには弟がいたようです

永遠の都ノクローンの傍ら

水道橋で、ずっと眠っているのだと


ロジェールは、Dに弟がいることを知っていた。

ならばフィアにも、そのことを話しただろう。


フィアは、デヴィンとダリアンの関係を知った。

そこで、かつてデヴィンから贈られた

短剣に罠を仕掛けた。



Dは、【褪せ人】の持つ短剣に、心当たりがあった
それは弟が、かつて想い人に贈った品だった
兄ダリアンと弟デヴィンは、ひとつの魂を共有する
それはつまり、記憶を共有しているということ
それゆえに、この短剣が自分の手元に戻ってきた意味を察したのだった
これが弟の贈った想いの返答なのだと

そして、受け取った短剣から死の魔術は解放され、
兄ダリアンは死に貫かれる
皮肉にも、それがフィアから弟デヴィンへの、最悪な返答となってしまった



D兄弟の魂の共有とは?



双児の兜

分かたれぬ双児、Dは二人いる

二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂

共に起きることはなく、言葉を交わすこともない


ダリアンとデヴィンは、

ひとつの魂を共有している。




デヴィンは水道橋で眠っている。

魂がダリアンの元にあるためだろう。


ここから、魂が意識を司ることがわかる。



また、魂だけの死に生きる者である

ラニやロジェールが眠る点とも共通する。

魂が身体から離れていると、

睡眠という兆候で表れるのだろう。


デヴィンのセリフ

ああ、貴公か

穢れの魔女は死んだ。黄金律は穢されぬ

我が兄、ダリアンにも、やっと顔向けできる


デヴィンは眠っていたにも関わらず、

兄ダリアンを殺したのがフィアだと知っていた。

つまり、ダリアンと

記憶を共有していることになる。

魂とは、意識・記憶を司るのだと推測できる。




褪せ人が兄を殺害すると、

デヴィンはフィアではなく褪せ人に襲い掛かる。




弟デヴィンがフィアに短剣を贈ったのなら、

記憶を共有するダリアンは、

そのことを知っている。


だから短剣を褪せ人が持っている意味を察して、

弟に返しておくと、受け取ったのだろう。


ダリアンもデヴィンも、

フィアが死衾の乙女であることは

知らなかったと思われる。


黄金律の狂信者であるダリアンが

フィアの素性を知っていたなら、

円卓に不戦の協定があろうとも、

敵意をむき出しにしていただろう。


フィアは褪せ人に対しても

初対面の際は素性を隠しており、

二回抱かれないと死衾について明かさなかった。

特にDのような黄金律原理主義者には、

正体を隠していたと考えられる。



呪痕を手にしたフィアは、円卓へ宣戦布告する。
そして死王子ゴッドウィンの元へ導かれていく



フィアのセリフ

やっと、取り戻せました

貴い方が、奪われた聖痕を

貴方とも、お別れです

最後に、円卓の皆にお伝えください

我はフィア、死衾の乙女

円卓よ、貴い方、ゴッドウィンの死を侵すことなかれ

我らはただ、死に生きる

そしていつか、王を得る

何者が咎められようか

民が、弱き者が、自らの王を戴くことを


 

ロジェールが死の間際に綴った、置手紙

永遠の都へと導かれた【褪せ人】は、
そこでDの弟、デヴィンと出会う
ダリアンの死により、身体に魂が帰還したデヴィンは
全てを知り、兄を殺したフィアへの復讐を誓う



ロジェールの遺言



ロジェールの手紙

ひとつ、伝え忘れていました

Dには弟がいたようです

永遠の都ノクローンの傍ら

水道橋で、ずっと眠っているのだと

そして彼は、その先で

かの死王子に見えたのだと


デヴィンのセリフ

う、うう…

…ダ、リア…

…む、ぐぐ…


 

そして【褪せ人】は、死王子の前で佇むフィアと再会する
ロジェールの助言に導かれ入手した、もう一つの欠環
ラニの呪痕をフィアに渡すと
ふたつの欠環は合わさり、聖痕となる

フィアは聖痕に、これまでに集めた意志と、己の意志
そして、死に生きるゴッドウィンの意志。
全てを込める
そこには、【褪せ人】の意志も込められていた
だからこそ、新たに生まれる修復ルーンとは
【褪せ人】の温もりを継いだ、フィアとゴッドウィンの子なのだと
フィアはそう表現したのだった





死王子の修復ルーン

死衾の乙女、フィアが宿したルーン

エルデの王が、壊れかけのエルデンリングを掲げる時

その修復に使用できる

それは、2つの欠環が合わさった聖痕であり

死に生きる理を、律の一部とするものである

黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった

ならば新しい律は、死の回帰となるであろう


フィア自身の意志は呪痕に込められ、

修復ルーンとなる。


呪痕+意志=修復ルーン



フィアのセリフ

押し付けられた遺体でなく、自らの意志でゴッドウィンと同衾し

子を宿すのですから

それに、その子はきっと、貴方の温もりを継いでいる


死に生きるという生き方を肯定する

フィアの死生観において、

「生きている」という基準は、

意志を有しているか否か

だったのかもしれない。


だからフィア自身の意志と

ゴッドウィンの意志を合わせた修復ルーンは、

フィアにとっての我が子であり、

そこには【褪せ人】の意志も込められているので、

「貴方の温もりも継いでいる」と話したのだろう。



ところが死王子の内では、
ゴッドウィンの友である古竜フォルサクスが、
未だ死と戦い続けていた
蝕まれ正気を失ったフォルサクスに言葉は届かず
ゴッドウィンの救済を阻む障害となっていた
【褪せ人】は死衾の夢に入り、フォルサクスを討伐する




死竜の追憶

黄金のゴッドウィンが死王子となった後

古竜は、その友の内で死と戦い続けた

その戦いに勝利はなく、ただ蝕みだけがあった



フォルサクスは、

どうやってゴッドウィンの内に入ったのだろう?

古竜には、他者に意志を渡す能力でも

あったのだろうか?


マリカは、古竜プラキドサクスの子だと推測した。

マリカがトリーナに意志を託したことで

メリナとなったと話したが、

同じ力に由来するものなのかもしれない。



そしてフィアは、修復ルーンを宿した
すべての意志を使い果たし、フィアの身体は抜け殻となった

死に生きたゴッドウィンの意志もまた、
すべて修復ルーンへと注がれた

このルーンをエルデンリングと共に掲げるとき
死に生きる道は理に組み込まれ、肯定される
そしてゴッドウィンの意志は、
ようやく黄金樹のもとへ還ることができるだろう




死王子の修復ルーン

死衾の乙女、フィアが宿したルーン

エルデの王が、壊れかけのエルデンリングを掲げる時

その修復に使用できる

それは、2つの欠環が合わさった聖痕であり

死に生きる理を、律の一部とするものである

黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった

ならば新しい律は、死の回帰となるであろう


修復ルーンとは、

足掻き続ける「人の意志」より生まれる。

だからこそマリカは、

褪せ人にあがくことを求めた。



ギデオンのセリフ

女王マリカは、私たちに望んでいるのだ

ずっと、足掻き続けることをね


ギデオンのセリフ

凡愚の意志など、忌み角にも劣る害悪というのに

だが女王は、それをこそお望みかもしれぬ

我ら褪せ人にな


現状に満足するギデオンには、

修復を望む意志はなかった。

そのためギデオンは修復ルーンを宿さなかった。


ギデオンのセリフ

私は、識っているぞ

褪せ人は、王とはなれぬ。たとえ、君であっても

…人は、神を殺せぬのだ


エルデの獣を倒した際の表記が『GOD SLAIN』

神は死んだ。


ギデオンは、人の持つ意志の底力を識らなかった。

その力が神にも届きうるのだと。



すべてが終わった後、デヴィンはフィアの身体を切り刻み
高らかに勝利を宣言する
しかし、フィアの身体は、もはや意志を失った抜け殻だった
デヴィンの復讐は、虚しく幕を閉じることとなった




デヴィンのセリフ

死王子よ、とくと見よ!

黄金律の怒りを!黄金律の正義を!

貴様の魔女はこの様だ!正しく死んだ肉塊だ!

とくと見よ!死王子よ!

この穢れた売女は、肉塊は、もう二度と子を宿さぬ!

貴様の母は、死んだのだ!

ウワーッハッハッハッ!

それが報いだ、Dの怒りだ!魔女め!死王子め!


その後、デヴィンは鎧と剣を置いて消える。

兄も、想い人も、復讐も。

すべてを失い、

生きる意味を失くしてしまったのかもしれない。



後編へつづく


0 件のコメント:

コメントを投稿

ぼくのかんがえたエルデンリング Part8(前編)

  本投稿は、動画の解説を じっくり見たい方に向けたものとなります。 動画はこちら https://youtu.be/yjpF2fbMLjM 本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、 ひとつの物語として考察することを主旨としております。 枠線で囲ったものが本文...