TOP

2022年12月23日金曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part7(前編)

 







本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/YJuxPFdhMKw



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。



セレン・ジェーレンの物語



レナラが満月の魔術でレアルカリア学院を魅了し、
学院の長となった時代…
前代の学院長であった『セレン』は、
数多の魔術師を手にかけた疑いで学院を追放され、虜囚となる




トープスのセリフ

知っているとも。彼女は、学院はじまって以来の才媛だった

私などは、遠くから見ていることしかできなかったよ

しかし彼女は、学院を追放されたんだ

塊の魔女、数多の魔術師を惨たらしく手にかけた疑いで




討論室には、肖像画が並んでいる。

それぞれ、「輝石頭」と特徴が一致する。

彼らを模って、輝石頭は作られている。

レナラもいる点から、彼らが歴代学院長なのだろう。


おそらく左から就任順となる。

左から四番目の女性が、セレンなのだろう。




魔女の輝石頭

この優しげな輝石頭は

特に、卓越した女性の魔術学徒に

魔女の二つ名と共に与えられた



なぜセレンは処刑されなかった?


黄金律の影響で不死だったため、

処刑できなかったのかもしれない。



イジーのセリフ

星の運命は動きだし、あの女魔術師も、もはや不死ではない

ようやく、カーリアの禍根を取り除くことができます


セレンのセリフ

ぐっ…!

…お前、何のつもりだ?

私を殺しても、それは一時のこと

さしたる意味は、ないと思うぞ…


捕らわれのセレンを殺害しても何度でも甦る。

カーリアの運命が止まった影響で、

不死となったのかもしれない。


陰謀の夜以前は、

エルデンリングから死の概念が

排除された影響で不死だった。

その後 陰謀の夜にて死が蔓延るが、

ラダーンが星を止めた影響で

カーリアの運命が止まり不死となった。

ということなのだと考える。



セレンの身体は学院の制約により囚われ、
気が遠くなるほどの長い歳月を、地下牢で過ごすこととなる
しかしセレンは、源流の復興を諦めてはいなかった
途方もない時間の中で、幻の身体を作りだす術を編み出すと
精神は人知れず牢を脱し、暗躍を始める



セレンのセリフ

今、お前の前でこうして喋っている私は、

私の身体は、別のところにある。

学院の制約により、そこを動くことはできない


セレンが幻の身体で行動するようになるまで、

かなり長い年月が経過していると思われる。

動き出したのは、破砕戦争以降だと考える。


幻とは何なのか?

詳細はないが、モーゴットがマルギットという、

もう一つの身体を作り出したことに

似ているのかもしれない。


卓越した魔術師であった彼女だからこそ

できたことなのだろう。



秘密裏にカーリアに忍び込んだセレンは、
セルブスと密約を交わす
セルブスは若く健康な身体を用意すると、
それを傀儡に変え、私室の奥深くに隠した
それはやがてセレンが、自由を取り戻すための備えだった




文書「教授の秘密について」

魔術教授セルブスは

三姉妹の他、廃墟の地下室に

よからぬものを隠している

そして、あの忌まわしい塊の魔女も

そこに出入りしていたようだ


セレンからセルブスへの見返りは…

お察しください。


セレンのセリフ

セルブスとは、嫌な名前を思い出させてくれるものだ


 

その後セレンは宿場跡を隠れ家にし、源流の復興のために
最初の輝石魔術師『アズール』と『ルーサット』を探す
ふたりはセレンと同じ時期に、レナラにより学園から追放されていた
レナラにより学園から追放されていた
足取りを追う中で、なんとかサリアの魔術師から、
ルーサットの封印を解く鍵を奪うことはできたのだが
それ以上の手掛かりは掴めず、そこで手詰まりとなってしまう





セレンのセリフ

最初の輝石魔術師は、もう一人いる。ルーサット師だ

アズール師と同じように学院を追われ、どこかに幽閉されている

輝石魔術の源流を復興するために、必要なのだ

星の子に、もっとも近づいたその体がな


セレンのセリフ

私が、レアルカリアの学院を追放されていることは、覚えているな

その理由は、私が輝石魔術の源流を、その復興を志したからだ

カーリアの王家を受け容れ、骨抜きとなった衒学ではなく

禁忌なき、真摯な探求としての輝石魔術を、私は望んでいるのだ


レナラが源流を否定したことで

源流魔術師たちは皆、学院を追放されたのだろう。



セレンのセリフ

ルーサット師は、学院を追われた後、故郷に向かったと聞いている

ケイリッドの野の東にある、サリアの街にな

それに、先ほど渡した輝石鍵を持っていたのも、サリアの魔術師だった




そんなセレンの元にある時、予期せぬ客人が来訪する
その【褪せ人】は、魔術を学びたいのだという
セレンは自らが異端の魔女であることを明かし牽制するが、
【褪せ人】の意志は変わらなかった
肯定的な態度を示し、意欲的に魔術を学んでいく【褪せ人】へ、
次第にセレンは心を開いていく



セレンのセリフ

ほう、輝石の魔術を学びたいとな

正直、あまり向いてないように見えるが…

素質がすべて、ということもないだろう

だが、師は慎重に選ぶべきだぞ

私は、レアルカリアの学院を追放されている

忌避すべき、異端の魔女というわけだ

それでもよいのかな?



そして未熟なひよっ子だった愛弟子は、
自身の成し得なかった、アズールとの邂逅を果たした
一流となった【褪せ人】に、
セレンは全てを打ち明け協力を求める
源流の復興を、手伝ってはくれないかと



セレンのセリフ

ほう、その魔術は…

我が弟子よ、見えたのだな。アズール師に

アズール師は、最初の輝石魔術師。私の最初の師匠だった

お前は、認められたのだよ。あの厳格なアズールに

それは素晴らしいことだ

…後で、ゆっくりと話をしよう。我が弟子よ


セレンのセリフ

我が弟子よ。強制はしない

師弟とは、必ずしも同じ道を行かぬものだ

だがそれでも、私はお前に願う

我が弟子よ、輝石魔術の、

その源流の復興を、手伝ってくれないか

…私と共に、歩んではくれないだろうか?



【褪せ人】の協力を得たことで
アズールに続き、ルーサットの居所も判明する
あとは囚われの身となった己が解放されれば、
学院に戻り、源流を復興させることができる



セレンのセリフ

これで、段階はひとつ進んだ

アズール、ルーサット両師の体を、

学院にお迎えできそうだ

あとは、忌々しい制約さえなんとかなれば


 

セレンには時間がなかった
ラダーンが討たれ星が落ちた時、
セレンの運命も動き出していた
「カーリアの運命は、星によって動く」
かつて巨人山嶺で源流を探求した「星見の民」。
セレンはその末裔だった

レナラと血筋を同じくするセレンの運命も、
カーリアと同じく、星によって動いたのだった




セレンは星見の民の末裔だった?



イジーのセリフ

カーリア王家の運命は、星によって動きます

カーリア王家正統の王女たるラニ様の、運命もまた同じはずです

そして、将軍ラダーンは星砕きの英雄

かつて流れる星に立ち向かい、打ち砕いたとき、星の動きは封じられた

であれば、将軍ラダーンが死するとき、星はまた動き出します


カーリアの運命は、星によって動く。


セレンのセリフ

お前に、託したいものがあるんだ

受け取ってくれ、私の原輝石を

星が落ちたとき、我が運命もまた動き出した

私は、殺されるかもしれぬ。その前に、お前に託したかったのだ

私自身を


星が落ちた時、セレンの運命も動き出した。


イジーのセリフ

祭りが終わり、将軍ラダーンが倒れたのなら

ようやく、ジェーレンの義理も果たされたということです

主は違えど、臣下として、彼には感服いたします

…そして、彼に思い出してもらう時がきたようです。古い約束を

星の運命は動きだし、あの女魔術師も、もはや不死ではない

ようやく、カーリアの禍根を取り除くことができます


セレンは、カーリアの禍根である。





源流の探求は、星見の廃墟から始まっている。


創星雨

かつて古い星見が見出した、最古の源流魔術

それは、輝石の魔術のはじまりとされる

星見の垣間見た源流は、現実となり

この地に、星の琥珀が降り注いだのだ


古い星見が、最古の源流魔術を見出した。


原輝石の刃

原輝石を、自らの魂とするため

古い魔術師は、この刃で心臓を切り裂く

そしてそのまま死んでいく


このタリスマンは、「星見の廃墟」に

封印されていた。


セレンの原輝石

魔術師セレンの体内にあった輝石

半ば生体化し、血管の類が見て取れる

原輝石とは、すなわち魔術師の魂である


セレンは原輝石を体内に入れている。

つまり、星見の廃墟で行われた、

原輝石の探求を知っている。


そしてセレンは、異常なほどに

源流の復興に固執している。

これらから、セレンは星見の廃墟にいた、

星見の民の末裔なのだと考えた。


前に話したが、レナラは星見の廃墟から出奔した

星見の民の末裔なのだと考える。(長いので割愛)

つまりレナラとセレンは

出自が同じということになる。


カーリアの運命が星によって動くのは、

星見の民の末裔だからかもしれない。



魔術教授の大帽子

鍔の内に、星の運行が描かれた大帽子

輝石と魔術師とは、星見の末であり

カーリアはそれを忘れない

今はもう、運命が星と共にないとしても


運命が星と共にあったからこそ、

星見に生涯を捧げたのでは。

ならば星見の末裔であるセレンの運命も、

星によって動いただろう。


星見の民が行った、忌まわしき源流の探求。

その復興に執念を燃やす

星見の末裔であるセレンは、

まさにイジーの言う、カーリアの禍根である。



…いったん話は、過去へと遡る
破砕戦争が始まるよりも前。
レナラが学院を満月で魅了したころ…

奇矯の騎士『ジェーレン』は
塊の魔女セレンを捕らえた功績で
カーリア王家に客人として招かれる




セレンのセリフ

ジェーレン、私の死よ

礼を言うぞ。お前のおかげで、

制約はもう私を縛ることはない


ふたりは面識があるようだ。


奇矯騎士の鎧

放浪を好んだジェーレンは

カーリア王家の客人として過ごした

将軍ラダーンの客将となった

そして根無し草は、律儀にも

約束に縛られていった


セレンを捕らえた功績で

カーリアに客人として

迎えられたのかもしれない。



ジェーレンはカーリアの世話になり、
代わりにある約束を交わした
それはセレンの殺害だった
まだ「陰謀の夜」が起こるより前。
狭間の地の人々が死を否定し、永遠を謳歌した時代
セレンを殺す術はなく、虜囚として封じるほかに方法がなかった
しかし、いつかこの地に、死が還る時がくるかもしれない
その時はセレンを殺し、カーリアの禍根を取り除いてほしい
義理堅いジェーレンは、この申し出を受け入れたのだった



イジーのセリフ

祭りが終わり、将軍ラダーンが倒れたのなら

ようやく、ジェーレンの義理も果たされたということです

そして、彼に思い出してもらう時がきたようです。古い約束を

星の運命は動きだし、あの女魔術師も、もはや不死ではない

ようやく、カーリアの禍根を取り除くことができます…


約束とは、セレンの殺害だったと推測できる。



そして放浪を好んだ騎士は
カーリアを出た後も再び流れて流れ着き、
遂には将軍ラダーンの客将となった
その後マリカがエルデンリングを砕き、破砕戦争が始まる

ジェーレンはラダーン率いる赤獅子軍と共に奮闘するが
ラダーンはマレニアと相討ちとなる
そして腐敗に蝕まれ、正気を失ってしまう




ジェーレンのセリフ

ほう、懐かしい名を聞かせてくれる

おぬし、ラニ様の配下というわけか

ならば、イジーに伝えておいてくれ

ラダーンの戦祭り、それはきっと、

ラニ様の運命を動かすとな

…ときに、あ奴はまだ、武器を打っているのか?

大きな体を縮こまらせて、窮屈そうに…

口煩いし、まったく変わった巨人じゃったよ

だが、そうよな…、

あ奴の武器はなまくらじゃったが

あの朱い腐敗に対してなお、

腐ることはなかったな…


フランベルジュ

赤獅子城は、炎により朱い腐敗に対している

故に、このジェーレンの愛剣は

いつしか城の象徴となった


赤獅子軍と共に戦ったのだろう。



その後破砕戦争は終結するが
ジェーレンは、ラダーンに誉ある最後を手向けるため
赤獅子城の城主となり、『戦祭り』の主催者となる
根無し草は律儀にも、約束に縛られていった




奇矯騎士のフード

ジェーレンは、将軍ラダーンの客将であり

互いに「名誉の死」を約束したという


 

そして、戦祭りに参加した【褪せ人】が
ラダーンを討ったことにより
止まっていた星は動き出し、カーリアの運命も動き始める
ラダーンへの義理を果たしたジェーレンだったが
奇矯の騎士は、もう一つの古い約束を忘れておらず、
魔女セレンを討つため、赤獅子城を後にしたのだった
こうして運命は動き始めた



ジェーレンのセリフ

さて、ようやく、儂の役目も終わった

もうこの砦に残る理由もない

旅に出ようと思っている

儂にも、儂だけの、古い思いがあるのじゃよ



己の死を予見したセレンは、
【褪せ人】に『原輝石』を託す

原輝石とは、
源流の探求により生み出された、忌まわしき成果だった
輝石を心臓の代わりとし、さらに魂の入れ物とする
そうして魔術師は、より星に近い生命となる
原輝石を作るために、数知れぬ魔術師が犠牲となった
これはそういった品だった



原輝石とは何だったのだろう?


セレンの原輝石

魔術師セレンの体内にあった輝石

半ば生体化し、血管の類が見て取れる

原輝石とは、すなわち魔術師の魂である

相性の良い、新しい体に移植すれば

セレンは再び蘇るだろう

我が弟子よ、おぞましいと思うか?


原輝石とは、魔術師の魂である。


原輝石の刃

血濡れた古い輝石の刃

原輝石を、自らの魂とするために

古い魔術師は、この刃で心臓を切り裂く

そしてそのまま死んでいく


古い魔術師は

心臓と原輝石を置き換えたのだろう。


セレンのセリフ

我らの魔術は、輝石の内に力を見出し、それを振るう術だ

では、その力とは何であるのか?

輝石とは、星の琥珀なのだ

金色の琥珀が、古い生命の残滓を、その力を宿しているように

輝石には、星の生命の残滓、その力が宿っているのだよ

覚えておくがいい

輝石の魔術とは、星と、その生命の探求なのだと


魔術師が探求した輝石には、

生命の残滓が宿っている。


緋琥珀のメダリオン

琥珀とは、黄金樹の古い雫であり

最初のエルデの王、ゴッドフレイの時代に

特別な宝石として扱われた

それは生命の原始的な力を宿している


セレンの言う金色の琥珀とは、

黄金樹の古い雫のことだと思われる。


エルデの流星

最古とされる黄金樹の祈祷

かつて、大いなる意志は

黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り

それが、エルデンリングになったという


エルデの追憶

それは、大いなる意志の眷獣であり

律たる概念の具現であった


黄金の流星と共に送られた一匹の獣が

エルデンリングとなった。

そしてエルデンリングを元に、黄金樹は聳えた。

黄金樹のルーツもまた流星にあり、

元をたどれば星に行き着くのだろう。


ミリエルのセリフ

ほう、これはこれは

宜しいですよ。共に学ぶことにしましょう

この世界に、本来異端などないのです

すべては、結ばれることができるのですよ


ミリエルに祈祷書を渡したときのセリフ。

魔術も祈祷も、結ばれることができる。




エルデの獣は星を思わせる力を使う。

これは暗黒より生まれたというアステールの振るう力にも似ている。


白王の剣

かつて隕石の落下と共に生まれたという古種族

石の肌を持つ白王たちの得物である


白王は隕石の落下と共に生まれたという。

星には生命を生じさせる力があるのかもしれない。


セレンのセリフ

お前はもう、用なしだ

我が教室の一部となれ。自身の愚かさを悔いながらな


ジェーレンに相対した時のセリフ。

星から生命が生じたのなら、

生命を集めることで星となれる…という可逆的な発想だろうか。


セレンのセリフ

輝石魔術の源流を復興するために、必要なのだ

星の子に、もっとも近づいたその体がな


源流は、星に近づくことを目的としている。

そのためにセレンはアズールとルーサットを探した。


魔術師塊のタリスマン

魔術師球と呼ばれる学院の悪夢

最初のそれを象ったタリスマン

輝石魔術には、源流という禁忌がある

魔術師を集めて星の種となす

源流では、これは探究の一手段なのだ


セレンは、魔術師を集めて星の種となした。





魔術師塊と原輝石の関係性は不明だが、

どこか見た目が似ている。

石炭が圧縮されてダイヤモンドができるように、

魔術師塊を圧縮して、

原輝石ができるのかもしれない。


原輝石とは、生命を圧縮して作った輝石であり、

それを永遠に繰り返すことで、

星となることを目指しているのだろうか。


これは星に近づくための一手段であり、

アズールやルーサットのように、

身体を結晶と入れ替えることで

星に近づくことを目指した者もいるのだろう。



そして【褪せ人】は、セレンから原輝石を抜き取る
ジェーレンはセレンの元へたどり着くが、
すでに身体は抜け殻となっていた
魔女は死んでいた。これで古い約束は果たされたはず…
腑に落ちない想いはあるが、これ以上できることは何もない
ジェーレンはその場を後にした

そして【褪せ人】は、
セルブスの用意した傀儡に原輝石を移植する
傀儡は動き出し、セレンは甦る
自由を取り戻したセレンは、
いよいよ源流の探求を再開するために
レアルカリア学院へ向かうのだった



ジェーレンのセリフ

祭の勇者と、意外なところで会うものだ

まさか、セレンの関係者か?

だが何れにしろ、この女は死んだ

もう、忘れることだ


ジェーレンのセリフ

だが、少しおかしい

この女は、まるで魂の抜けた、抜け殻のようだった

セレンの本質は、まだどこかに生き延びていて

いつか別の身体を得、また現れるのではないか

不吉だが、そう、思えてならないのだ



セレンのセリフ

お前のおかげで、また新しい身体を得ることができた

これは、よい身体だよ。若く、健康で、原輝石にもよく馴染む

それに、今や忌々しい制約も失われた

やっと、学院に戻ることができるよ

カーリアの王家を廃し、源流を復興するためにな


こんなことを繰り返してきたのだろうか。



一方、不吉な予感を拭いきれないジェーレンもまた、
カーリアの女王が囚われた、学院の大書庫へと向かう
そしてセレンとジェーレンの運命は、再び交差する


【褪せ人】は、セレンに味方することを選んだ
ジェーレンは敗北。
そしてセレンはレナラを排除する
これで障害は取り払われた
学院は源流を極め、いつか輝ける星の子となるだろう
セレンは愛弟子の背中を押し、未来での再会を約束する

ところが予期せぬ事態が起こる
レナラが産まれ直したのだ
学徒たちが墓となり、また産まれるように、
女王は再びセレンの前に現れる
そしてラニの残した護りの魔術は発動し、
セレンはレナラに敗北する
追い詰められたセレンは、源流の探求。
その粋を己に注ぎ、星の子となろうとするが
まだ完全な星となるには浅く、
セレンは不完全な塊となり果てた
こうしてカーリアの禍根は、レナラとラニ。
二人の女王によって断たれたのだった




なぜセレンは、魔術師塊になったのか?



一度は姿を消したレナラが再び現れ

セレンは魔術師塊となっていた。

この時何が起こったのか。


セレンのセリフ

ああ、我が弟子よ

またお前に、助けられてしまったな

だが、見よ。カーリアの女王はもういない

アズール、ルーサット両師の体を迎え、学院は源流を極めるのだ

そして我ら落とし子は、いつか輝ける、星の子となるだろう


セレンは、レナラを倒したのだろう。


しかし褪せ人がレナラと戦った時、

ラニが魔術で再現したと思われる

全盛期のレナラが襲ってきた。


もしこの魔術が、カーリア城館に仕掛けられた罠のように

まだ残っていたとしたら。

セレンは一度はレナラを排除できたが、

その後現れた全盛期のレナラに

返り討ちにされたのかもしれない。


レナラのセリフ

それともお墓になるのかしら?また生まれる頃なのかしら?


レナラとの戦闘中、

学徒たちは墓となり、産まれ直している。


そしてレナラは、学徒と同じ様に、

脚が動かない様子だった。

産まれ直しの影響だと思われる。

レナラは、琥珀のタマゴから

何度も産まれ直しているのかもしれない。


セレンが魔術師塊になったのは、

追い詰められたセレンが自滅したためだと考えた。


レナラが意趣返しで

セレンを星に変えたと捉えることもできるが、

そもそもレナラは源流に否定的であった。


セレンを星に変えてしまっては、

源流を肯定する意味合いにもなりかねない。

また、レナラは心を失くしており、

産まれ直しに耽っている。

セレンに関心を向けたとは考えにくい。






番外考察:源流探求の果て



アズールとルーサット、そしてセレンが探求した源流。

その行き着く先には何があったのだろうか?




セレンの原輝石の中心には

胎児のようなシルエットが見える。


雫の幼生

銀の雫と呼ばれる、変態生物の核

生物と物質の中間にあるもの

満月の女王レナラの抱く、琥珀のタマゴ

その秘めたる「産まれ直し」の素材となる




雫の幼生にも似ている。

これは生物と物質の中間にあるという。


砕け散る結晶

謎多き結晶人たちの魔術

無機物でありながら、生命でもある

結晶人のあり様は、源流の理想に近しく

彼らは、魔術師たちの賓客であった


結晶人は無機物でありながら生命でもある。

彼らは魔術師たちの賓客であった。




レアルカリア学院には壺や結晶化した蟹などがいる。

これらの存在も生物と無機物の性質を

両方併せ持っていると考えられる。

探求に利用されたのかもしれない。


結晶散弾

結晶派と呼ばれる魔術師たちの技

彼らは、結晶人たちの微弱な思索

石の知の探究者である


結晶杖

人には作り得ぬ純結晶の杖

結晶人の微弱な思索は、石の知と呼ばれる

高い知力で、これに触れ得るものだけが

人としてこの杖を振るうことができる


結晶人の思索を探求することは、石の知の探究と呼ばれた。


アズールの輝石杖

源流の魔術師の一方、アズールの輝石杖

石の知、その遥か先に触れた者だけが

これを振るうことができる


源流魔術師であるアズールとルーサットは

石の知を探求した。

そして、その遥か先に触れた。


アズールの輝石頭

脳を頭蓋ごと置き換えたそれは

主から切り離された今、ほぼ死んでおり

アズールの源流魔術の威力を高めるが

消費FPも増加してしまう


アズールとルーサットは

脳を頭蓋ごと輝石と置き換えている。

これは原輝石を心臓と置き換えることと似ている。

身体も結晶化しており、人よりも結晶人に近い。

両名は星の探求のために

結晶人に近づいたのかもしれない。

星とは、結晶人のような、

生命と無機物の中間にあるのだろうか?


彗星アズール

輝石の故郷とされる、遙かな星空

その奔流たる、極大の彗星を放つ

アズールの垣間見た源流は、暗黒であった

彼はその深淵に心奪われ、また恐怖したという


滅びの流星

対象に向かって飛ぶ、十二の暗い流星を放つ

ルーサットの垣間見た源流は

偉大なる星団、その終焉の瞬間であった

その時、彼の全ても壊れてしまった


そしてアズールは暗黒を、

ルーサットは星団の終焉を垣間見た。


創星雨

かつて古い星見が見出した、最古の源流魔術

空に暗黒の星雲を呼び

しばらくの間、凄まじい星雨を降らせる

それは、輝石の魔術のはじまりとされる

星見の垣間見た源流は、現実となり

この地に、星の琥珀が降り注いだのだ


暗黒から星雨は降り、星の琥珀が降り注いだ。

暗黒から源流は始まったといえる。




現実世界の事象として、

恒星が超新星爆発を起こすと

ブラックホールが生じるとされている。


そして、宇宙はブラックホールの成長により

やがて終焉を迎えるという学説がある。


ブラックホールは周囲の物体を呑み込んで成長し、

さらに他のブラックホールと合体してさらに成長する。

やがては銀河中心の大質量ブラックホールが

銀河全体の質量を全て呑み込むという。


アズールの垣間見た暗黒。

そしてルーサットの垣間見た星団の終焉とは、

このことなのかもしれない。


アズールとルーサットは、

永遠と思われた星という生命にも

いつか終わりが来ることを知ってしまい、

絶望したのだろうか?

ブラックホールという事象が、

本作における暗黒なのかもしれない。




暗黒について深掘りする。


永遠の暗黒

魔術街サリアの禁断の魔術

暗黒を生じ、魔術や祈祷を引き寄せる

それは、永遠の都の失われた魔術であり

その滅びをもたらした、絶望であったという


暗黒の落とし子の追憶

遥か彼方、光の無い暗黒で生まれた星の異形

それはかつて、永遠の都を滅ぼし

彼らから空を奪った、悪意ある流星である


暗黒からアステールは生まれ、

永遠の都は滅んだ。


落とし子の星々

暗黒の落とし子、その体を形作っていた

色とりどりの屑星が連なっている




アステールの体は屑星の連なりである。


源流の目指した「星」が

アステールのような異形なのかは判断が難しい。

アステールもまた結晶人のように、

生物と無機物の中間的存在なのだろうか?


しかし「落とし子の星々」は、

屑星が暗黒より生じることを説明している。


星は暗黒より生じる。

そしてアズールとルーサットは暗黒と終焉を垣間見た。

暗黒により星は終わるのだろうか。



アステール・メテオ

重力を操る輝石魔術のひとつ

虚空から小隕石を呼び、大量に落下させる

長押してる間、隕石落下は続く

それは、かつてアステールが

永遠の都を、破壊し尽くした力である


アステールは隕石を落とし、永遠の都を滅ぼした。

これは重力を操る輝石魔術である。


ブラックホールの周囲は

非常に強い重力によって時空が歪められ、

ある域では脱出速度が光速を越えるという。

これは魔術「永遠の暗黒」の性質とも似ている。


SF的発想においては、

ブラックホールはホワイトホールと繋がっているという。

踏襲するならアステールとは、

ホワイトホールから送られた刺客。

ということになるのだろう。

だとしたら大いなる意志とは、

ホワイトホールの向こう側にいるのだろうか。





本作において宇宙に浮かんでいる星々とは、

生命と無機物の中間的存在なのだろう。


その中には大いなる意志の眷獣がおり、

それがエルデの獣や、アステールなのだと

考えられる。


しかしセレンが作り出した魔術師塊や

アステールの体を作る屑星が球体であるように、

星とは我々の知る恒星、あるいは天体のような

姿なのだと考えることもできる。


アステールを指して星の’’異形’’と呼ぶように、

あれは一般的な姿ではないのかもしれない。

隕石から白王が生じたように、

隕石から「降る星の獣」が生じ、

それが変態した存在がアステールなのでは。


いずれにせよ、源流探求者は

こういった星を目指した。

その先に何を見たのかはわからない。

永遠だろうか。


しかしアズールとルーサットは、星や宇宙という

永遠と思われた存在にも、

やがて終わりが来ることを垣間見てしまい、

絶望し、恐怖したのかもしれない。


後編へつづく


0 件のコメント:

コメントを投稿

ぼくのかんがえたエルデンリング Part8(前編)

  本投稿は、動画の解説を じっくり見たい方に向けたものとなります。 動画はこちら https://youtu.be/yjpF2fbMLjM 本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、 ひとつの物語として考察することを主旨としております。 枠線で囲ったものが本文...