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2022年12月23日金曜日

ぼくのかんがえたエルデンリング Part7(後編)

 








本投稿は、動画の解説を

じっくり見たい方に向けたものとなります。



動画はこちらhttps://youtu.be/YJuxPFdhMKw



本考察は、エルデンリングの物語を断片的に考察するのではなく、

ひとつの物語として考察することを主旨としております。



枠線で囲ったものが本文(動画左側)です。

それに付随する解説(動画右側)を、下に記しています。



ラニ・ブライヴの物語



火山館の開かずの扉…
その奥では、とある人形が悠久の時を微睡む
目覚めた『ラニ』は眠りの中で、
何が起こったのかを感じていた
大いなる意志が、ついにデミゴッドを見捨てたのだ
これまでも何度も、浅い眠りと目覚めを繰り返してきた
マリカがエルデンリングを砕いたときには
その身に大ルーンが宿ったが
争いの種はすぐに棄てた
自分だけの律を探す身には、無用な物だった




行方をくらませたラニは火山館にいたのか?



冒涜の爪

陰謀の夜、法務官ライカードは

ラニから謝礼として片鱗を貰い受けた

いつか来る冒涜の時、黒き剣のマリケスに

運命の死たる黒獣に挑む切り札として


かくまった謝礼として渡したのだと考えた。




火山館の最後まで開かなかった一室に

ラニはいたのかもしれない。

(裏からは入れる)


瞳のサーコート

瞳の紋章は、百智卿ギデオンに仕え

彼の目であり、耳であった印である


この装備は、ライカードのそばに落ちている。




デミゴッドの居場所を知ることに

固執するギデオンが火山館に配下を送ったが、

ライカードに始末されたと推測する。

ラニの居場所を探ろうとしたのかもしれない。


あるいはライカードがギデオンの元に送り込んだ

密偵かもしれないが。

(背律者ヘンリクス)



ラニのセリフ

分かっている。眠りの中でも、感じられたよ

手に入れたのだろう?ノクローンの秘宝を


ラニは眠りの中でも状況を把握していた。


同じ様に狭間の地の戦況も把握し、

行動していたのでは。



ギデオンのセリフ

私と円卓が、まだ居場所を知らぬデミゴッドは、4人いる

無垢なる黄金、聖樹のミケラ

その双子、不敗の剣マレニア

レナラの娘、月の王女ラニ

そして、血の君主と呼ばれる何者か

円卓は、居場所を探り続けているのだ

大ルーンを棄てたとされる、ラニ以外の3人の居場所をな


ラニは大ルーンを棄てている。

戦争に巻き込まれることを避けたのだろう。

ギデオンはラニの居場所を把握することには

さほど固執していないと思われる。



動くべき時が来た
ラニはライカードに別れを告げる
妹の身を案じた兄は、猟犬騎士『ダリウィル』を与えた
ラニはこの提案を受け入れ、
半狼の『ブライヴ』、猟犬騎士「ダリウィル」と共に、
秘密裏にカーリアの城館へ帰還する
ラニの帰還を待ち続けていたトロルの鍛冶師『イジー』と
長年に渡りカーリアに仕えてきた、魔術教授『セルブス』を配下に加え
女王ラニはカーリア王家を再興する




猟犬騎士の兜

猟犬として訓練を受けた彼らは

執念深い追跡者として知られる

人語は介さず、各々が主を選んで仕え

仕えた後は決して裏切らぬという




火山館にも猟犬騎士がいる。

ダリウィルはライカードの

配下だったのではないかと考えた。



カーリア城館:幻影のセリフ

ラニ様、ずっと、お待ちしておりました

どうか、王家の復興

カーリアに、満月あれ


ロジェールのセリフ

レアルカリアの学院の北に、ある城館があります

そこは、ラニの生家たるカーリア王家の故郷なのですが

近年そこに、王家の旧臣たちが集いつつある、という噂があるのです

ラニは、破砕戦争において行方をくらまし、

以来その姿を見たものはいないとされていますが

もしかしたら、故郷たる城館に戻っているのかもしれません


破砕戦争で行方をくらませたラニ。

大ルーンを棄てるところを、

あえて目撃させたのかもしれない。

そして近年になり、カーリアの城館へと帰還した。



そして、計画を実行に移すための準備を進める
幼い頃…母レナラに手を引かれ、出会った『雪魔女』
彼女から聞いた、大逆の方法
必要な物は『宵眼』と、『指殺しの刃』
宵眼はすでに手に入れた
マリケスから死のルーンの欠片と共に盗み出し、
魂に刻み込んだ



雪魔女の尖り帽

それは、幼少のラニが森の奥で出会い

冷たい魔術を学んだ、老いた雪魔女の装束であり

彼女がその魂を宿す、人形のモデルになったという

老魔女は、ラニの秘密の師であった


指殺しの刃

永遠の都、ノクローンの秘宝

遺体から生まれたとされる刃

永遠の都の大逆の証であり

その滅びを象徴する、血濡れた呪物

運命なき者には振るうことはできず

大いなる意思と、その使いたちを

傷つけることができるという


師である雪魔女から

指殺しの刃について聞いたのだと考える。



ラニとメリナ。宵眼を宿す二人の違い




以前に考察したので詳細は割愛。


二本指を殺すためには宵眼が必要だったが

宵眼を移植すると、身体が焼けて死んでしまう。


だが冷たい夜の律を探すためには

魂となってなお、生きていなければならなかった。


そのため、ラニは陰謀の夜を起こし

魂だけの死に生きる者となった。


一方メリナは、種火の少女という宿命はあれど、

ラニのように、自分の律を紡ぐ目的はなかった。


死に生きるラニと、霊となったメリナ。

両者は似ているが、厳密には異なるのだと考えた。



後は指殺しの刃さえあれば、
二本指を殺し、神人の宿命から逃れることができる
雪魔女から聞いた話では
指殺しの刃は、永遠の都『ノクローン』にあるという
ラニはブライヴとダリウィルに、
ノクローンに行くための方法を探すよう命じる



ラニのセリフ

そして私は、二本指を拒んだ

死のルーンを盗み、神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも

私は、あんなものに操られたくはなかったのだ


ラニのセリフ

ブライヴという半狼の戦士が、私に仕えている

彼と組んで、見つけて欲しいのだ。

永遠の都、ノクローンの秘宝を


ブライヴのセリフ

俺はまだ、リムグレイブにいる

永遠の都、ノクローンは、この地の底にあるのだからな

これから、霧の森の井戸に潜ってみるつもりだ

ノクローンへの道を見つけるために


 

この頃ラニは、霊馬を駆る【褪せ人】が現れたとの噂を耳にする
師である雪魔女が愛馬とした『トレント』
雪魔女と別れた後、彼女と愛馬の行方は分からなくなっていた
トレントを駆る【褪せ人】とは、いったい、どのような者なのか
好奇心と、師との約束。二つを満たすために、ラニはその者に会いに行く

そして【褪せ人】と出会ったラニは、
かつて師から託された、
「霊喚びの鈴」と「はぐれ狼の遺灰」を渡す
いつか、トレントを駆るものが現れたら渡してほしい。
師と交わした約束だった
もう二度と会うこともないだろう。
ラニは【褪せ人】と別れ、カーリアへと帰還する




ラニのセリフ

はじめまして、褪せ人よ

私は魔女、レナ

霊馬を駆る、褪せ人がいるときいてな

少し探していたのだが…

どうやら、お前のことらしい

お前は、喚んでいるのだろう?

トレントという名の霊馬を


ラニのセリフ

お前に、預かりものがあってな

トレントの古い主が、私に託したものだ


「霊喚びの鈴」と「はぐれ狼の遺灰」を渡される。


雪魔女=デーディカ=宵眼の女王

(説明は長くなるので割愛)


雪魔女がラニに託した、大いなる意志への復讐。

それは、大いなる意志が否定した、

「死」の概念を律へ回帰させること。

いつか、トレントを駆る者へ渡すようにと

ラニに託した品だった。


ラニのセリフ

邪魔をしたな、褪せ人よ

もう会うこともないだろうが、狭間の地をよく知るがよい

…私は、楽しみにしているのだよ

お前たち褪せ人が、いつまで、二本指に従順であるのかとな


その後ラニの魔術師塔で再会する。


ラニのセリフ

…ほう、久しぶりだな

あの時は、確かレナと名乗っていたか

トレントも息災のようで、何よりだが

褪せ人よ、何用があってやってきた?

…招待状を出した覚えは、ないのだがな


褪せ人とは、もう会うつもりはなかった。

雪魔女から託されたことは、

先の二品を渡すことだけだったようだ。



ブライヴは、神人として産まれたラニに
二本指が与えた『影従の獣』だった
ラニとは、幼い頃から姉弟のように過ごした
そしてラニが肉体を捨て、暗い道を行くと決めた時には、
生まれ落ちた運命に背き、ラニだけに仕えることを選んだ
ラニが運命に挑むというなら、
彼女の剣となり、最後まで共に戦おう
ブライヴはそう固く誓った




ブライヴはいつからラニと共にいるのか?



ラニのセリフ

私は、かつて神人だった

デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが

それぞれの二本指に見出され、

女王マリカを継ぐ、次代の神の候補となったのだ

だから、私はブライヴを授かった。神人の特別な従者としてな


イジーのセリフ

ブライヴは、ラニ様の義弟なのです

母君、レナラ様もそれを認め

幼い二人は本当の姉弟のようでした

私もよく、遊び相手をさせて頂いたものです


レナラが心を失くす前から、ブライヴはラニと共にいたようだ。

つまりラダゴンがマリカと婚姻する前ということになる。


ライカードの大ルーン

ライカードは、レナラとラダゴンの子の一人である

彼らは、ラダゴンが女王マリカの王配となった時

外戚としてデミゴッドとなった


この時に、ラニも外戚として

デミゴッドとなったと考えらえる。

つまりラニがデミゴッドと認定されるより前から

ブライヴがいたことになる。


デミゴッドとして認められる以前から、

二本指に神人として選ばれているという

おかしが現象が生じている。


プレイヤーはラダゴン=マリカであることを

知っているのでこの矛盾は解決するのだが、

ラダゴン=マリカであることは

円卓の二本指すら知らない

トップシークレットのはずである。

狭間の地の人々は、

何も疑問に思わなかったのだろうか?




ラニのセリフ

私が、二本指を拒んだ時

それでもブライヴは、私の味方でいてくれた

フフッ

神人たる私の、特別な従者であるというのに

二本指にしてみれば、とんだ出来損ないだったろうな

…ブライヴも、イジーも、私には過ぎた者たちだよ


ブライヴは支配者に背き、ラニに忠誠を誓った。



ラニの命でノクローンへの道を探すブライヴだったが
ダリウィルの裏切りを目撃する
ダリウィルは、ライカードの密偵だった
黄金樹に弓引くため、あらゆる力を漁るライカードは
指殺しの刃をも手に入れんと欲した
ブライヴは裏切者を始末するため、ダリウィルを追う



猟犬騎士の兜

猟犬として訓練を受けた彼らは

執念深い追跡者として知られる

人語は介さず、各々が主を選んで仕え

仕えた後は決して裏切らぬという


ブライヴのセリフ

俺はブライヴ。今は、ダリウィルという男を探している

この地に逃げ込んだと、聞いていてな


ブライヴのセリフ

ダリウィルは、裏切り者でな

相応しい末路が必要なのさ


猟犬騎士は、主を決して裏切らない。

しかしダリウィルはラニを裏切った。


つまりラニに仕えるより前から、

別の主に仕えていたということになる。


火山館には猟犬騎士がいる。

ラニが火山館にいたのなら、

大逆を起こそうとする妹のために、

ライカードが部下を与えても

流れとして不自然ではない。


黄金樹に弓引くため、

あらゆる力を漁ったライカードは

「指殺しの刃」も欲したのでは。

その効力はライカードの背律に大いに役立っただろう。


あるいはラニは、ライカードに

全てを明かしてはいなかったかもしれない。

妹が何を得て、大逆を為さんとしているのか。

ライカードはダリウィルを通して

探りを入れていたのかもしれない。


貪欲の大蛇は、実の妹からも

力を奪おうと考えたのでは。



一方カーリアの城館では、
ラニの元にライカードの刺客が忍び寄る
ダリウィルの裏切りがばれ
ラニを生かしておく理由はなくなった
冒涜の爪も得た今、不確定要素は排除しておくべきだった
刺客はブライヴを模した仮面を被り、ラニへと近づいた

しかしラニは、あっさりと偽装を看破すると、刺客を排除する
幼い頃から共にあったブライヴを、
見間違えるはずもなかった
それは誰も寄せ付けず、孤高の王であろうとしたライカードには
理解できない、目に見えぬ絆だった
ライカードは指殺しの刃を諦め、覇王の雄心に専念する




黒狼の仮面

黒狼の頭部を模した仮面

かつて、その影従に姿を変え

魔女ラニを害そうとした者の遺品

まるで本物のようだ




この仮面はスリーシスターズの

セルブスの塔近くにある遺体から入手できる。


ブライヴがダリウィルを追っている隙を突いて、

ライカードはブライヴに変装した刺客を

差し向けたのだと考えた。


ライカードの心理は妄想です。



一方ダリウィルを追うブライヴは、
霧の森で、とある【褪せ人】と出会う
封牢の幽鬼となり果てたダリウィルを、
ふたりは共闘し、討ち取る



ブライヴのセリフ

誰だ、貴様?

カーレだな。まったく、相変わらずお節介な奴だ

…だが、あいつの見立てなら、おかしな奴ではないのだろう

俺はブライヴ。今は、ダリウィルという男を探している

この地に逃げ込んだと、聞いていてな

…もし見つけたら、俺を呼んで欲しい

幾ばくかの礼も約束しよう



なぜダリウィルは封牢にいたのか?



ブライヴのセリフ

ダリウィル

お前ほどの男が、封牢の幽鬼になり果てるとは


幽鬼とは、一般的には

死者の霊や亡霊。化け物のことを指す。


封牢に囚われた者は皆

青い霊体のような姿をしており(ヴァイクを除く。)

その姿はカーリア城館やファロス砦にいる者や、

フィアの英雄たちと似ている。






これらは魂だけの姿なのだと考える。

封牢とは、死してなお魂を縛る牢なのでは。


黄金樹信仰者にとって

死して黄金樹へ還ることは名誉である。

処刑されてなお許されず、魂を永遠に縛るために

封牢というものが用意されたのかもしれない。


ダリウィルは主の情報を漏らさぬために

自ら命を絶ったが、不慮の事故で

魂が封牢に縛られてしまった。

などと、そういった経緯を想像してみた。


また、ブライヴやヴァイクは実体のまま

封牢に囚われているので、

生者でも捕らえることはできるのだろう。

生者もまた内に魂を宿すのだから。



この者なら、共にラニの力になってくれるかもしれない
しかし褪せ人には、果たすべき使命があるのだろう
ブライヴは【褪せ人】のことを気に入るが、
それ以上深入りはせず、別れるのだった



ブライヴのセリフ

もしお前が、この地の北、レアルカリアで、

少しばかり大きい、鍛冶屋の爺様を見かけたら

俺の紹介だと、伝えるがいい

きっとよくしてくれるだろう

お前には、手間をかけさせたからな


…少し、話し過ぎたか

別れるとしよう


 

その後、新しくラニに仕える者が現れたとの報告を受ける
会いに行けば、あの時の【褪せ人】だった
ブライヴは【褪せ人】と共に、ノクローンの秘密を探ることとなる



ブライヴのセリフ

お前を歓迎する。共に、ラニに仕える者として

それで、早速任務の話だが…

俺はまだ、リムグレイブにいる

永遠の都、ノクローンは、この地の底にあるのだからな

これから、霧の森の井戸に潜ってみるつもりだ

ノクローンへの道を見つけるために


 

ラダーンがラニの運命を止めていると知れば、
戦祭りに共に参加し、ラダーンを討ち取った
星は動き出し、ようやくノクローンへの道が開かれた



ブライヴのセリフ

星砕きのラダーンが、ラニの運命を留めていると…

そういえば、聞いたことがあるな

リムグレイブの東、ケイリッドの南端にある城で、祭りが行われると

それは戦祭り、かつて最も強かったデミゴッド、

ラダーンに挑む祭りだと…

符号だな。だとすると、信じてみるのも悪くない

ラダーン祭りに向かうとするか


そしてラダーンを討ち、星が落ちる。


ブライヴのセリフ

星の落ちた場所で、落ち合おう

そしてまた、共に戦うとしよう

俺の剣も、牙も、すべてはラニの運命のためにある

いよいよ本番というわけだ


 

しかしブライヴはイジーに嵌められ、封牢に捕らえられてしまう
イジーはブライヴが、やがてラニを裏切ることを予見していた
影従の獣とは、二本指が与えた従者。
絶対に、その束縛から逃れることはできない
間もなく影は狂い、ラニにとっての呪いとなる
そこにブライヴの意志など無意味であると、イジーは知っていた
ブライヴの代わりは、この【褪せ人】が果たすだろう。
あとは全て、任せればいいのだと



ブライヴのセリフ

イジ爺に嵌められたんだ

俺がラニの、災いになると

だが、そんなことのあろうはずはない

俺はラニの影従、欠けることのない一部

イジ爺も、そうと知っているだろうに…

正直、わけが分からないんだ


イジーのセリフ

ブライヴは、二本指がラニ様に与えた従者。

決して裏切ることない影

だが、ラニ様が神人として、二本指の傀儡たるを拒んだとき

…影は狂い、ラニ様にとって恐ろしい呪いとなるのです

…それは運命。ブライヴの意志など、何の意味も持たないでしょう

苦しいことですが、封じておくしかないのです。ラニ様のために




イジーには思惑があったと考えられる。


イジーのセリフ

ラニ様は、遂に旅立たれました

レナ、あのお方がそう呼ぶ塔から、神人たる暗い道へと

~中略~

貴公、ラニ様をよろしくお願いしますぞ

どうか最後まで、彼女に仕えてくだされ


イジーはブライヴを封牢に捕らえた後、

レナの塔に褪せ人を誘導している。


この後褪せ人は、

転送門からノクステラへ移動し、

小さなラニを拾うことになる。


イジーは褪せ人を

ブライヴの代役にしようとしたのかもしれない。

つまりイジーは仲人。



そして【褪せ人】は、単身ノクローンへ侵入し、
ついに念願の『指殺しの刃』を手に入れる




指殺しの刃

永遠の都、ノクローンの秘宝

遺体から生まれたとされる刃

永遠の都の大逆の証であり

その滅びを象徴する、血濡れた呪物

運命なき者には振るうことはできず

大いなる意志と、その使いたちを

傷つけることができるという


 

ラニは微睡から目覚めると、
【褪せ人】から「指殺しの刃」を受け取る
ここから先は、己とブライヴがやり遂げる
ラニは【褪せ人】に別れを告げ、最後の戦いへと向かう



ラニのセリフ

ああ、お前だったか

ブライヴでは、なかったのだな

分かっている。眠りの中でも、感じられたよ

手に入れたのだろう?ノクローンの秘宝を

感謝する。これで、ようやく全てが揃った

後は、私が行くだけだ。私だけの暗き路を

もう、行くがよい

短い間だったが、よく仕えてくれたな


本来はブライヴがやる手はずだったのだろう。



そして地底湖のほとりで、じっとブライヴを待った
魂を小さな人形に入れ、それをブライヴが運ぶ
そして、災いの影を屠り
ラニは二本指の元へと到達する
それがブライヴと事前に交わした計画だった

しかし、待てどもブライヴが来ない
代わりに来たのは、イジーが導いた【褪せ人】だった
これ以上巻き込むつもりはなかった
しかし、しつこく人形に話しかけてくる【褪せ人】に
観念したラニは、協力を求める




小さなラニ

魔女ラニと瓜二つの小さな人形

細かなところまで、作り込まれている

何の反応もない人形は、ひんやりと冷たい


ブライヴのセリフ

ラニは、俺を待っているんだ…


狂う直前のセリフ。

湖でラニと落ち合う約束だったのかもしれない。



メリナのセリフ

…貴方、ありがとう

私を、黄金樹の麓に連れてきてくれて

ここなら、私も自由に動ける


メリナは自力で黄金樹の麓に

行くことができなかったようだ。


魂だけの存在とは、

移動に制限があるのかもしれない。

そのためラニは小さな人形に宿り、

ブライヴに運ばれるのを待っていたのでは。


しかしこの場合、

エレの教会で最初に褪せ人と出会った時は

どうやって移動して来たのか疑問が残る。


例えば記憶している場所でしか

自由に移動できないなどの

制約があるのだとすれば、

部分的な記憶喪失のメリナが黄金樹の麓でのみ

自由に動けた理由とも符合する。


災いの影を討ったことでラニは小さな人形から出ていく。

影がいた地底を、過去訪れたことがあるかはわからない。

メリナが黄金樹の麓まで近づけば自由に動けたように、

おおよそ近づけば動けるのかもしれない。




ラニのセリフ

ええい。お前、存外しつこい奴だな

それとも、人形に話しかける趣味でもあるのか

…ああ、もうよい

こんな姿は、誰に知られるつもりもなかったが

知られてしまったからには、逃がしはしないぞ

お前には、協力してもらおうか

この地にいる、災いの影を探し出し、消し去るのだ

…魔女ラニを辱めたのだ

否とは、言わせんからな


主従の契約は切れ、見返りも望めない。

褪せ人は己の意志に従い、ラニに協力する。



そして【褪せ人】は、災いの影を討つ
これで二本指は無力となった
ここまで近づけば、後は自分一人でどうにかできる
いよいよ【褪せ人】と別れ
ラニは単身、二本指への大逆に向かった



ラニのセリフ

それ以来、私と二本指は、お互いを呪っている

災いの影とは、あやつの刺客なのだよ


災いの影とは、二本指の刺客である。


ラニのセリフ

影よ。お前が最後だ

二本指に伝えるがいい

魔女ラニが、お前に刻みに行くと

決して癒えぬ、運命の傷を


「お前が最後」ということは、

これまでにも影の襲撃を

受けたことがあるのかもしれない。

あるいは、「大逆のために必要な工程の最後」。

という意味かもしれない。


ラニのセリフ

見事な戦いだった

感謝する。手間をかけさせてしまったな

だが、これでやっと、あやつに至れる

…お別れだな、お前

ブライヴとイジーに、伝えてくれ

…愛していると


災いの影は、二本指へ至るための最後の障害だった。




災いの影とブライヴは容姿が非常に似ている。

同一の存在なのだろうか?


災いの影は、死のルーンの力を使ってくる。

しかし正気を失ったブライヴに

その兆候はなかった。

似ているが別人なのだと考える。



なぜ災いの影は、死のルーンの力を使うのか?



死のルーンは、マリカの影従の獣である

マリケスが封印している。


そして影従の獣にとって、

二本指とは支配者である。


指の命令に影従の獣は

本来逆らうことができない。


ラニの大逆に怒った二本指が

確実にラニを始末するため、

死のルーンの欠片をマリケスに用意させた。


マリケスは二本指に逆らえず

仕方なく要求をのんだ。

などと想像してみた。



あるいは死蝋で補強された「ガーゴイルの黒剣」が

死の力を宿すように、

死の力の脱け殻、残滓。

そういったものを利用しているのかもしれない。



ラニは移植した宵眼により、指殺しの運命を得る
そして二本指は、「指殺しの刃」により絶命した
遂にラニは、神人の宿命から解放された
あとは律を共に行く伴侶となる者が、迎えに来るのを待つばかり
そこに現れたのは、ブライヴではなく
【褪せ人】だった




指殺しの刃

運命なき者には振るうことはできず

大いなる意思と、その使いたちを

傷つけることができるという


運命を得たラニは、大逆を為した。




この時、指の亡骸に座るラニは服を着ておらず、

右眼には、いつも見える幻影のような姿は無い。


人形の中に魂が入っていないように伺える。




この後ラニは普段通りの姿に戻る。


ラニの身に何が起こったのだろう?


①「小さなラニ」人形から抜け出た魂が、

事前に月光の祭壇に用意してあった

傀儡に宿ったため、裸だった。


②「指殺しの刃」を振るった反動で

死の炎により服が焼けた。

その後、身体を別の人形に入れ替えていたため

一時的に抜け殻になっていた。


③「宵眼」の力を使った反動で魂が一部焼けた。

そのため抜け殻のようになっていた。



根拠となる情報は無く、妄想の域を出ない。

そもそも「指殺しの刃」をどうやって

小さな人形の姿で持ち歩いたかなど謎が多い。

服だけを焼く炎は矢吹神の律すぎる。



何度別れを切り出しても構わず尽くす【褪せ人】を、
ラニは伴侶として認める
ブライヴであってほしいと、思わなかったと言えば嘘になる
それでも、最後まで共にあるというのなら
この【褪せ人】のことを受け入れよう

「私は夜空に行く。お前は、王の道を歩んでくれ」
「そして互いに全てが終わった時に、再び見えるとしよう」
そう告げると、ラニは旅立っていった



ラニのセリフ

お前が、私の王だったのだな

忠告など、無駄なことだったか

…だが、嬉しいよ。私の王が、お前でよかった

私は夜空に行く。私の律がそこにある

お前は、王の道を歩んでくれ

そして、互いに全てが終わったとき、再び見えるとしよう


そしてラニと別れる。


その後ラニの部屋で会話ができる。


ラニのセリフ

私の律は、黄金ではない。星と月、冷たい夜の律だ

…私はそれを、この地から遠ざけたいのだ

生命と魂が、律と共にあるとしても、それは遥かに遠くにあればよい

確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも

…すべて、できない方がよい

だから私は、律と共に、この地を棄てる

それでも、付いてきてくれるのだろう?ただ一人の、私の王よ


ラニENDでの会話。


ラニのセリフ

私は誓おう

全ての生命と、すべての魂に

これよりは星の世紀

月の理、千年の旅

すべてよ、冷たい夜、はるか遠くに思うがよい

恐れを、迷いを、孤独を

そして暗きに行く路を

さあ、行こうか

…永遠なる、私の王よ


ラニの願いとは、律を

誰の手も届かない遠くへと運ぶことだった。




この時ラニはマリカの首を身体に戻すが




別ENDで褪せ人が首を戻した時には

マリカの身体にエルデンリングの幻視が見える。

ラニの身体により巧妙に隠されている。


ラニは冷たい夜の律を紡ぐ神となり、

エルデンリングを月へと運んだのだろう。


この時、死のルーンは回帰しており、

ラニは生も死も月へと運んだということになる。




月に律を運ぶという点は、「五火二道説」を彷彿とさせる。


「ウパニシャッド」という、古代インドで著された書物の中に

「五火二道説」という輪廻転生思想の萌芽とされる思想があらわれる。

ウパニシャッドとは紀元前に遡る書物の総称であり、

その内容の解釈は多岐に渡る。


五火説とは、五つの祭火になぞらえ、

死者は火葬されたのち

に行き

②そこから雨となって再び地に落ち

植物に吸収されて穀物となり

④それを食べた男の精子となり

⑤女との性交により胎児となりこの世に再生する。

という5段階で輪廻するという説である。


二道とは、人間の死後の運命は2種類であるとする説である。

祖霊の道:死後は先祖の世界に行き、

後に再び五火のサイクルで人間界に戻る。


神々の道:死後は神々の世界に行き、

人間界に戻ることはない。


死者は一度月に行くと考えられた。

律を月へと運んだ「冷たい夜の律」を思わせる。


他に五火説にある火葬は、死を霊炎で焼いた死の鳥。

植物に吸収されるとは、黄金樹を思わせる。


また、二道においても

祖霊の道と神々の道に分かれるなど、

エルデンリングの世界設定と重なる部分が多い。

マーティン氏が形成した神話部分。

そのモチーフのひとつに含まれるのかもしれない。



ラニが大逆を為すよりも少し前…
ブライヴは、なんとか封牢を抜け出すことに成功するが
イジーの予見した通り、宿命に呪われてしまう



二本指はブライヴに何をしたのか?


『獣返り』かもしれない。


獣爪

それは、獣返りしたグラングの

怒りであり、焦燥であろう


おそらくグラングは、

死のルーンを盗まれた時に罰を受けたのだろう。

本来、影従の獣は不死であるはず。


ブライヴのセリフ

言ったろう。影を滅ぼすことはできん


霧の森にいるブライヴは、何度倒しても復活する。

(シーフラ河のブライヴは復活しない。)


しかし、その後のブライヴとマリケスは

褪せ人に討たれた。

不死性と知性を失い、獣へと退化することが

獣返りなのかもしれない。


シーフラ河のブライヴを倒せる点を鑑みると、

症状は徐々に進行していくのだろうか。




ファルム・アズラの獣たちも、

彫像を見るに、

太古は知性に満ちていたと思われる。

指に見捨てられたことで、

アズラの獣人は徐々に知性を

失っていったのだろうか。


チンクエディア

ファルム・アズラにおいて

高位の司祭に与えられる短剣

かつて獣たちに贈られた知性

その象徴たる、五指が象られている



しかし、狂ってなおブライヴは、ラニの忠義の剣であった
カーリアに迫りくる「黒き刃の刺客」を撃退し
ラニの大逆を阻まんとする者どもを、
人知れず抑え込んでいたのだった




黒き刃の刺客を仕向けたのは誰?



ラニの二本指だと思われるが、

二本指に黒き刃の刺客を動かす力があったかは

謎が残る。


もう一つ異説として

ラダゴンが考えられる。


ラニが冷たい夜の律を紡げば

ラダゴンは完全律を成立できない。

ラニの計画を阻止するため、

黒き刃の刺客を仕向けたのでないかと考えた。


過去動画で、陰謀の夜に

ラダゴンも加担していたと考察した。


マリカと身体を同一にするラダゴンなら

稀人の末裔である黒き刃の刺客を動かせたと。


つまりラダゴンはラニに協力しておきながら、

ラニの大逆を阻もうとした、ということになる。


ラニに神人になられては困るが、

冷たい夜の律を紡がれても困る。

そのため一時的に協力こそしたが、

後々排除する予定だった。と考えてみた。




しかしブライヴは二本指の呪いに抗い、

黒き刃の刺客を食い止めた。


ブライヴのおかげで

ラニは大逆を為せたのかもしれない。



そして全てが終わった後、ブライヴは完全に理性を失う
我を失い【褪せ人】に襲い掛かる獣にもはや言葉は通じず、
討ち取るほかなかった
ブライヴは【褪せ人】に討たれ、言葉もなく消えていく
セルブスもイジーも、この世を去り
カーリアからは、誰もいなくなったのだった




ブライヴのセリフ

違う。俺は欠けることのない一部

決してラニを裏切らぬ

ずっと、何があろうとも

…ラニは、俺を待っているんだ…


すべてが終わった後ブライヴは正気を失い、

褪せ人に襲い掛かる。


イジーのセリフ

まさか、ブライヴが…

あの封牢を一体どうやって抜け出して…

いや、そんなことよりも…

呪いとなり狂ってなお、ラニ様のために尽くすとは

軍師イジーともあろうものが、見誤っていたということか…

…私ももうすぐ、そちらへ行く

そこで詫びさせてくれ、ブライヴよ



イジーの身体が黒炎で燃えていたのはなぜ?




イジーの亡骸の近くには黒き刃の刺客が転がっている。

何が起こったのか。


ブライヴが刺客と戦ったように、

イジーにも刺客が差し向けられたのだろう。


しかし黒き刃の刺客が持つ武器には

死のルーンの欠片が込められており、

彼女たちの宿す力とは、黒炎ではないはず。


黒炎の護り

使徒たちは皆、宵眼の女王に抱かれ

黒炎を内なる鎧とした


黒炎とは、神肌が扱う力である。

神肌は宵眼の女王から運命の死、

すなわち死のルーンの炎を授かった。


薙ぎ払う黒炎

黒炎とは、すなわち神狩りの炎であった

しかし、マリケスが運命の死を封じた時

その力は失われた


そして宵眼の女王が敗れた後、

炎から死は失われ、その残滓だけを残した。

それが黒炎であったと考えられる。


つまり黒炎には、

本来は死のルーンの力が宿っていた。


一方で黒き刃の刺客が振るうそれは

死のルーンの欠片であり、

大元はマリケスが封じている。


死の力、その全てではない。

「黒き刃」から生じる死の炎には、

持続力がないのかもしれない。


生じた死はイジーを殺し、

その後、力を失って黒炎となったのでは。


おわり

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